イエスの生涯 (新潮文庫)

イエスの生涯 (新潮文庫)
あらすじ・内容
聖書が伝えている事実と、それだけではない真実──。キリスト教の本質を知るための一冊。

英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。

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イエスの生涯の感想・レビュー(843)

信者ではないが、最近気が向けば教会へ足を運ぶ。そこのスペイン人神父に尋ねると、彼は遠藤周作を否定していなかった。むしろ様々な問題を提起しているので、鵜呑みにしないほうがいいが、読むべきだと。 私にとってオリジナルの聖書に取り込むことは難しいので、この本はとてもよいガイドとなった。私が単なる興味本位でイエス・キリストに近づくのなら、ここで終わっていいのだろう。しかし信仰へと向かうなら、本書で「宿題」と表現されていた使徒の心情など、本書には書かれていない物語を、自分で紡いでいかなければならない、と感じている。
★5 - コメント(0) - 2月19日

沈黙を読む際のサブテキストとして必須っぽい。
- コメント(0) - 2月13日

「遠藤周作が考える」イエスの生涯なのでこの本をキリスト教の入門書として読んだのは間違いだった。遠藤さんの解釈があれこれ入っているものの強く興味を惹かれたのは聖書からの引用だったので、まず聖書を読むべきだと思わせてくれたのはよかった。
★5 - コメント(0) - 2月11日

「沈黙」からの本書。「沈黙」が更に良く理解できただけでなく、イエスの教えの本質を探るミステリーも楽しんだ。キリスト教をこんなに身近に感じたことはこれまでなかった。
★2 - コメント(0) - 2月3日

この本を読んでイエスの「聖人」というイメージは変わりました。愛情深く優しい人だったのだと思います。少なくとも彼は宗教によって人を差別することなど全く望んでいなかったのでしょう。イエスの教えというのは苦しむ人の心に救いを与えようというものだったのでしょう。現在、その教えはもう、なくなってしまったように思いますが。
★4 - コメント(0) - 2月1日

久々の再読。イエスの物語ではなく解説なので遠藤周作の解釈が多分に含まれる。読みやすいけれどキリスト教のことを学ぼうとする方は他の作家のものも読まないと偏ります。この本を批判してるわけではないです。わかりやすいし面白いと思います。
★31 - コメント(0) - 1月29日

『イエスの生涯』は、小説家の優れた想像力と一人の基督者の信仰に支えられた作品です。無力で師を裏切りさえした弟子達が如何に揺るぎない信念を持った使徒となっていくのか。イエスを取り巻く人々の心の機微を丹念に観察しながら受難物語を考察した最終章は、とりわけ美しく、印象的な記述となっています。「エマオの旅人」の挿話に明瞭なように、作中、繰返し語られるイエス像――孤独な弱い者に寄り添う「同伴者」として強調されるイエスの表象に改めて気付かされたことは、聖書を読んでいく上で、良い道標を得られたように感じられました。
★6 - コメント(0) - 1月28日

仏教徒の日本人にも理解しやすかった。無力で、惨めに死んでいったイエスが伝えたかったのは、そういうことだったのか、とそれなりの臨場感で感じられた。刑を免れるために裏切った弟子達の悔恨が切ない。また聖書も読みたいところ。
★6 - コメント(0) - 1月28日

読みながらへんな呻き声がでた。イエスの説く愛は人間には不可能だったという一文の重さや、大衆が現世利益のみを求めて神の世界を信じず、期待が憎悪に転換するあたりの心理なんて、まさにここに書かれたことが「事実」であるように思われてしまう。聖書に描かれたイエスの顔が見えてくる歴史小説でありながら、客観的資料を織り交ぜながら書かれることによって、少なくとも遠藤のいう「真実≒物語」としてこの文章はひとつの完成をみている。病めるものと「共にある」ということに愛を求めたイエスの姿は、現代でも矮小化された形で発見できる。
★15 - コメント(0) - 1月27日

イエスの生涯を「事実」と「真実」に切り分けて描く。イエスが奇跡を起こしたかどうかよりも、奇跡や現世の力ばかりを求める人々と、奇跡を起こさないイエスとの間のすれ違いに注目。イエスは人々が求める革命的な救世主ではなく、どこまでも無力な愛の人であったのだ。また、どのように卑怯で弱い弟子たちが殉教も恐れない強固な伝道師になったのか?という視点が面白い。裏切られてもなお人々を愛するイエスに心を打たれたのが一因だが、ほかにも大きな理由があるのではないか(それが復活か?)と考える。宗教的ではない視点からのイエス像。
★4 - コメント(0) - 1月13日

やはりキリスト教信者でないと理解しづらい面もあるかなあ。昔の刑罰は残酷すぎ。←なんと間抜けな感想・・・・
★11 - コメント(0) - 1月11日

私はキリスト教徒ではないです。だけど、遠藤周作が描くイエスは好きだ。そして裏切り者と言われるユダも嫌いになれない。むしろ、同族嫌悪か、そんな気持ちで直視するのが辛かったりする。寄り添ってほしい。だから私は遠藤周作を読むのだと思う。
★9 - コメント(0) - 1月3日

史実的観点からイエスの生涯を振り返る。奇蹟物語で語られていない点は、クリスチャンではない私にとって、いかに信仰が生まれたのか?について理解の助けとなる一冊となりました。
★4 - コメント(0) - 1月2日

クリスマスに何気なく手に取りました。文体に味わいがありました。大学の授業で聖書を読んだりしましたが、講師の先生はこの本を引き写していることがわかりました。旧約聖書と違い、新約聖書は四冊の福音書があり、それもイエス・キリストという人間の生涯を記述しているという不思議な本です。弟子の名前が出ているところは弟子個人ではなくて、弟子のグループを表しているんだ、とか、弟子からこの現世を革命してほしいという要望を断って、愛の宗教を建設したという指摘は面白かった。遠藤周作ならではの着目が素晴らしいです。
★4 - コメント(0) - 1月2日

キリスト教について、私はあまり理解も興味もなかったのだが、イエスの、悲しみに寄り添い、憎しみを手放す姿に心惹かれた。「女たちが泣いている時、そのそばにいた。老人が孤独の時、彼の傍にじっと腰掛けていた。奇跡よりももっと深い愛がその窪んだ目に溢れていた。イエスの生涯はそれだけだった。」何かを成す人生ではなかったのかもしれない。それでも、愛を体現し続けた人物は今も尚、人類に大きな愛を問い続けている。何をするかではなく、どう在りたいか、それこそが人生の重要な要素であり、唯一自らが選択しうることだと思う。
★30 - コメント(2) - 2016年12月30日

ぐうたら、弱虫、卑怯、卑劣。 「無力であること」に自分を賭ける。今はまだこれくらいしか思いつかない、咀嚼できるようなるかなぁ。
★4 - コメント(0) - 2016年12月14日

 本書は、作家遠藤周作による、「イエス評伝」、「イエス研究書」という内容です。  あとがきでも軽く触れていますが、基督教に対して無関心な日本人向けの「入門書」という位置付けで読むことが出来ました。  著者のイエス像というものが、私個人がイメージしていた「救い主」とかけ離れており、「人間イエス」に焦点を絞っていたので、蒙を啓かれる思いでした。  イエスという人物を難しく考えすぎている部分が、読書前にはありましたが、本書のおかげで、「慈善家」であったと、シンプルに捉える事が出来るようになりました。  
★5 - コメント(0) - 2016年12月13日

遠藤版イエスさま解説書。欧米人のイエスさま認識感覚とは大分違うのかも知れない大御所のイエスさま解説は西洋文化をより楽しむための糧にはあんましなりませんでした…(ノ-_-)ノ~┻━┻ただ御大解説の…「ヘナチョコイエスさま(とみんなに思われてしまった…)」が地球上何処にでもいる男になれたか?の御大解説を堪能したいので「キリストの誕生」へ
★28 - コメント(0) - 2016年11月15日

イエスは何をしたのか。後世なぜキリスト教は広まったのか。その原点はイエスは何を思って、何をしたのか。弟子たちは師を見てどうしたのか、に尽きる。その中核に愛を据えて昭和の文豪が挑んだ傑作。誰が言ったのだろうか。ボクはキリスト教徒ではない。聖書はキリスト教徒だけのものではない・・・ 聖書をまた読んでみたいと思う。
★18 - コメント(0) - 2016年10月28日

キリスト教のことは良く知らないが、イエスの生涯に感銘を受けた。ここで描かれる姿は欧米人に捉えられるイエス像と一致するのだろうか。慎ましく穏やかな強さを秘めた姿は多分に東洋人の理想を仮託されているようにも思えた。最後は徹底して無力に描かれるところは、なぜかヤマトタケルノミコトを思い出してしまった。「キリストの誕生」も読んでみようと思う。
★1 - コメント(0) - 2016年10月21日

★★★★★
★6 - コメント(0) - 2016年10月20日

これは興味深いし勉強にもなる。じっくりと聖書と向き合い、さまざまな文献調査から、イエス・キリストそのひとの生きた姿をえがく。「自分を愛してくれる者のために死ぬのは容易しい。しかし自分を愛してもくれず、自分を誤解している者のために身を捧げるのは辛い行為だった。英雄的な華々しい死に方をするのは容易しい。しかし誤解のなかで人々から嘲られ、唾はきかけられながら死ぬのは最も辛い行為である。」人々や弟子からすらも、政治的なメシアや奇跡だけを期待され、誤解され、死んでいったイエスに思いをはせる。
★12 - コメント(0) - 2016年10月15日

kei
深い感銘と共に読了。パレスチナの風土にそったユダヤ教から発するキリスト教は著者同様に日本の風土にはそぐわないと感じて来た。何故、人々はイエスを神の子として信じるのだろう?そんな疑問に氏の説くイエス像は、復活の謎は孕んではいるものの、時を経た今でも人々の支えとなっているのだと納得出来た様な気がする。イエスは力の無い、奇跡も行えず、ローマの圧政に苦しむ人々を救うことも出来ない、人々の期待に応える事が出来ない。しかし人生の「同伴者」であろうとした姿を描く事で、他の作品にも共通する氏の信仰を感じた。
★32 - コメント(2) - 2016年10月4日

キリストの生の姿の考察的な。苦悩する無能者としてのイエス。(好)
★2 - コメント(0) - 2016年10月3日

泣く人は幸いなり。
★4 - コメント(0) - 2016年10月3日

筆者が第13章「謎」で述べている「何故弟子たちはイエスを神の子として信仰するようになったのか」そして「なぜ弟子たちがイエスの死後、いかなる迫害や死にも耐えうる強き使徒になれたのか」という問いに対する筆者の見解を私はまだ理解することができない… motto本を読まなくては。
★6 - コメント(0) - 2016年9月30日

恥ずかしながら聖書を通読できたことがなく、キリスト教について得たものは聖書そのものからではなく所謂キリスト者といわれる物書き諸氏から。遠藤氏の筆によってイエスの姿が実にリアルさをもって描かれていた。イエスの痛みすら感じてきたけど、人が必要としている現世利益を与えることなくどうやって人を救ったのか、それを知りたくて読み進めました。救いを与えるのではなく、救われますように、と祈ること、病気の快癒より快癒を祈ってもらえることのほうがありがたい、と思えるようになること。それが愛、とわかるにはまだまだ道は遠いのぉ。
★11 - コメント(0) - 2016年9月23日

イエス・キリストの解釈を豊かにしてくれる1冊だと思いました。新約聖書の文字上では到底理解できないイエス像。その奥には愛と受容の希望がありながらも、その本質は知られないままになっていることが多いのではないでしょうか。英雄でもなければ美しくもない、誤解と嘲りの中での受難と十字架は何故惨めで醜くなければならなかったのか、何故十字架にかからなければならなかったのか。カトリック作家ならではの苦しみの中にあるからこそその本質に突き詰められたのでしょう。姉妹編である『キリストの誕生』も読みます。
★93 - コメント(0) - 2016年9月20日

遠藤周作によるイエスの評伝。キリスト教や聖書には詳しくないが、日本人キリスト者である著者の視点から見たイエスということもあってか、共感できるところが多々あった。さすがは日本を代表する小説家である遠藤周作、特に後半のイエス逮捕の夜から処刑、そして復活に至る部分はグイグイと引き込まれた。弟子たちの裏切り、最期のイエスの無力さ、そして自分の保身のために師を見棄てた「弱者」の弟子たちがあれほど強力な信仰を得た謎、イエスの復活の意味など、キリスト教を知らない自分にも非常に興味深かった。『キリストの誕生』も読みたい。
★4 - コメント(0) - 2016年9月17日

キリスト教信者の作家さんの作品を読んだ為に再読しました。ユダヤ教の事も頭に入れとかないと訳が分からなくなると思います。やっぱり宗教は深すぎますね。
★24 - コメント(0) - 2016年9月14日

イエス・キリストの受難時代からゴルゴダの丘での磔。そして復活までの生涯を遠藤周作氏独自の観点から綴った書となるのでしょうか?最近氏の作品を何作か読んだのですが、今まで氏が書かれているキリスト像や信仰に関してからは、何故キリストという人物がこれほどまでに永く多くの人達から崇められているのかということがピンと来ませんでした。今回「死海のほとり」を再読してからこの作品を読む事により、氏が述べているキリスト像、信仰というものの理解が少しではありますが、深まったのかなと感じました。
★66 - コメント(1) - 2016年8月31日

昔、マリーアントワネットについて書いた本を読んで以来の遠藤周作本。押し付けがましく無いし、淡々とテンポ良くわかりやすい言葉と自身の考えや、疑問を さらりと書いているので苦ではない、読みやすい。クリスチャンであっても、素直に疑問を問うし、曖昧に誤魔化さず 聖書の抜けや、創作では?と、指摘したり。曖昧さで終わらないのがいい。
★3 - コメント(0) - 2016年8月29日

私は新約聖書だけ最後まで通して読んだことがあるのだが、あまりにもあっさりと描かれすぎていて“ええ、こんなシンプルな文章が多くの学者に考察されてるんだ”と思ったくらいだ。字面通りに捉えすぎていた私の解釈を広めてくれたのがこの著作だ。攻撃的な群衆の希望とは正反対のイエスの愛と受容の希望。しかしそれは群衆には理解されない。それは現代でも同じなようだ。私はこの著作を通して、また遠藤周作を通して、さらなるキリスト教や愛や世界の本質を見出していきたい。
★2 - コメント(0) - 2016年8月27日

一度挫折して今回再チャレンジ。今回はこれを読む前に「死海のほとり」を読んだため無事読了!イエスの奇蹟物語の解釈の仕方は非常に勉強になった。さいごの「謎」である、イエスの復活と弟子たちがイエスを神格化した心理との関連について考えれば考えるほど面白い。また、内容とは関係ないが遠藤周作氏の疑問を徹底して追究する精神は見習わなきゃなぁと感じた。
★3 - コメント(0) - 2016年8月5日

聖書になにが書かれているのかも知らなかったし、イエスの生涯を全く知らなかったので読めて良かったと思う。勿論ここに書かれているのがイエスという人物の全てだとは思っていない。むしろイエスという人物はその人の人生に応じて全く違ったものに見えてくるものなのだろう。イエスに関する史的事実だけでなく、信仰する人の目に映る真実がなによりも大切なのだ。筆者はそのような立場から本書を書いている。とはいって聖書に見られる奇跡物語に対して慎重に距離を取りながら事実をもとに誠実に描かれているのが本書の魅力でもある。
★4 - コメント(1) - 2016年7月22日

イエスが死後復活したという話をその字のままに信じるのかという問題がある。トルストイはそれを拒否したために正教から破門されている。聖書にはその他いろいろな、人が自身の自己欺瞞で、読みたいように、信じたい形で聖書を読んでしまう結果、様々な宗派に分裂してしまうような要素がある。懐疑的に読むこともそう読みたいからそう読んでいる。自己から離れて客観的に読まなければ。神を見失っている人は正しく読めない。それは信者も不信者も同じこと。
★8 - コメント(0) - 2016年7月8日

 日本人がキリスト教を理解しようとしたとき、こうなるんだろうな。日本人が聖書を読むとき、おかしいと思う点は多々ある。それを補完しながら、イエスの生涯をたどる。イエスとはどんな人物だったのか、ユダヤ教の中からキリスト教が産まれたその背景。イエスの死の真相。使徒達はどうしてキリスト教の布教に命を賭けたのか。彼の解釈は頷けない点もあるが、腑に落ちる点も非常に多かった。
★15 - コメント(1) - 2016年6月26日

日本語で日本人が著すからこそ許容されるイエス・キリスト観。だからこそ納得感がある。
★3 - コメント(0) - 2016年6月24日

イエスの意外な経歴に驚く。ごく普通の一般人で、人々の言い伝えで病気などを治す人だと広まったらしい。現在の信者のように祈るばかりで具体的な治療はしなかったといって人々の信頼は失っていったいという。誰もが知っているあの日の事は一切触れてない。生まれたのがイスラエルで雪は降るのだろうか?あまりにも欧米文化との結び付きが強すぎるなとも思うけど。
★31 - コメント(0) - 2016年6月6日

日本人キリシタンである著者が無力な同伴者であったイエスの生涯を描いた作品。 自分はキリシタンではないのでイエスに関する情報もあまりなく旧新両聖書共未読であったが、イエスについての生涯、キリスト教信者の考えたを知る上で良いキッカケになれそうな内容であった。 キリシタンでない人達、特に日本のような宗教観を持たない国で生まれ育った宗教に理解がない人達に特に読んで欲しい。 「事実ではなかったが、魂の真実だったのだ。」この言葉に著者の真の気持ちが凝縮されているように自分は思った。
★3 - コメント(0) - 2016年5月18日

イエスの生涯の 評価:100 感想・レビュー:244
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