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とにかくうちに帰ります (新潮文庫)

感想・レビュー
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兎束
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「わかる……わかるぞッ!」とム■カのように笑いました。口に出すとこちらが悪者扱いされかねないから黙ってるけど、内心「なんだかなぁ」と思うような職場内での些細な面倒。お節介な人からの過干渉。ある。あるある。ありますよぉ~。現在の風潮だとADHDとか(厄介な)繊細さんとして忌避されがちな人物がたびたび出てきますが、津村さんは江戸落語に出てくる与太郎のように『少し癖強いけど、愛すべきお人好し』として彼らを温かく描写している(気がする)。ドラマチックなことはないけど「こういう世界線なら、いいよね」と思う
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Hoshiduru
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小気味良いエッセイのような読み心地。表題作以外の連作短編に関しては、ひとつひとつのエピソードは、側から見れば日常の中のほんとうにどうでも良いエピソードトークなのだけれど、「あー、なんかあるよね、そういうの」ってなるレベルだし、主人公の視点やら周りのキャラやらのなんとなくのズレがとても面白くてとても好みだった。もっと読みたい。表題作も同じように面白いけれど、キャラへの愛着の差があるのと、文章のうまさが逆効果ですごく土砂降りにずっと遭っているような苦しさが読んでいる間中ずっとあり、ちょっとしんどかった。
0255文字
にの
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短編がいくつか。人間に焦点が当たった作品。
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Pipi⭐️ぴぴ@読書
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 表題作よりも、「職場の作法」が好み。「ブラックボックス」の田上さんのノート、すごくいい!「不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと」。「ブラックホール」には笑った。🐥🐥
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manabukimoto
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会社とか、人工島とか、閉ざされた空間の中で、関わりを持たざる得ない人たちの、ささやかな交流の中に見出される、めんどくささと優しさ。 六篇からなる仕事小説。 一篇目の「ブラックボックス」が特に秀逸。 各部署の書類の処理を任される、田上さん。彼女を見続ける「私」の目の前で繰り広げられる人間模様。 田上さんの処理速度は田上さんの気持ちで決まる。「私はこき使われことの不満を単純な無愛想で示すけれども、田上さんは仕事の出来上がりの遅い早いで示す。」 悲喜交交を超えた人間劇。 Caption by Hyatt難波蔵書
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Tipsy
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ネタバレ津村さんらしい良い作品でした。会社の話は毎度、あーいるいる!ってなりながら読んだ。中でもフィギュアスケーターの話が1番好き。ハゲそうと思いながら観る、とかわかりすぎて笑ってしまった。とにかく家に帰りますは、ああいう状況になった時に少しでも優しくしてもらったことってずっと残るよな、としみじみ思ったり、みんな根っからの良い人でも悪い人でもないけど、西加奈子さんが解説で"いい奴"と表現されていて、言い得て妙だなと。面白かった!
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TAKA
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西加奈子さんのいい人ではなくいい奴に同感。当たり前のことを当たり前にできることの方が難しい。人に親切にするとか手助けするとか普通のことだと思っていても実行できるかといえば微妙な世の中になってますもんね。豪雨の中家に帰らなければというだけでこんな素晴らしい物語になるとはね。鳥飼さんの観察力がヤバい。うちってやっぱり安らげる場所なんだよな。
0255文字
yoshi41101
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「この世にたやすい仕事はない」から入って津村さん3冊目。何が起きているわけでもないが面白く読めるのは、冷静にちょっと皮肉だけどユーモアのある見方をする気の良い人柄の登場人物たちの心の動きに、あるあるそういう事、と感じるから。大きなことが起こらなくても、読むとちょっと良い気分になる。
0255文字
まゆけ
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表題作が良かった。豪雨の中びしょ濡れで帰路につかざるを得ない悲惨な状況と最後は帰路につき自宅で寛ぐ希望を見出す状況。この二つを疑似体験出来た気分でした。 ※図書館本
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BookaBoo
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会社でのあるあるを描く短編連作「職場の作法」。ベテラン事務社員がささやかに環境をコントロールする、「ブラックボックス」、コミュニケーションと他人の気分損ねることの見分けがつかない上司を描く「ハラスメント、ネグレクト」。共通しているのは、げたを履かされた男性がそれと気づかず無意識にやりがちな他人の尊厳の軽視。表題作「とにかくうちに帰ります」やや長すぎで退屈な描写が続く部分もあるが都会に生きる生き物ってたかだかとある日の帰宅時の大雨で普段の通勤手段が乱れただけで、こんなにも消耗して、絶望してしまう。
0255文字
優希
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面白かったです。「定時に帰る」と思いきや良い意味で裏切られました。交通機関の問題は日常のことですが、それを物語にしてしまうのが上手いなと思わされます。様々な瞬間が絡み合いながら悩みつつ歩き続けるのに共感しました。
0255文字
パセリ
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何気ない日常、人を切り取るのが本当にうまい。西加奈子さんのあとがきにめちゃくちゃ共感。良い人ではなくていい奴にあったかくなる。
0255文字
空猫
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この題名で仕事小説と聞けば 「定時に帰る」事かと。予想は良い方に裏切られ、豪雨で街中が帰宅避難を要されるも交通機関は麻痺しただただ歩いて自宅へと目指すと言うそれだけ話で。それだけなのに、起こっている事はまぁ良くありがちなのに、何故ちゃんとした物語になっているのか。共感を呼ぶってこんな些細な、事件でもない日常の中にあるんだよな。群像劇でラストで繋がるのもニクイ。他、職場あるあるで膝撃ちまくりの2篇『職場の作法』『バリローチェ…』。長めのうどんのような文章までがニクイ。
0255文字
Our Homeisland
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宮下奈都さんのエッセイ集「まにまに」で紹介されていたので読んでみることにしました。表題作も非日常的な日のことが鮮やかに描かれて良かったですが、その前のオフィス三人組が非常に良かったです。登場人物たちの扱われ方が見事! いちいち細かい部分の描写や表現が、小憎らしいぐらい面白いという点では、村上春樹作品とも共通点があるなと感じました。西加奈子さんの解説も良かったです。話題に上がる作家であることは最近知ったので、この人の作品は初めてでした。あなどれない小説家であると思いました。
0255文字
mickeybear
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【とにかくうちに帰ります】台風や大雪の影響でいつもの通勤がえらいことになる、ということは誰もが経験している。臨場感あふれる登場人物たちの経験を、固唾を呑んで見守ってしまう。それぞれが大変な状況なのに、一時をともにした相手を思いやる様子に、心があったかくなる。NO.57
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リンちゃん
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「職場の作法」と「とにかくうちに帰ります」の2編が収録された本。津村記久子のお仕事小説は安定して面白い。「とにかく〜」はお仕事小説ではないけれど、普通の勤め人の親切さ、善良さがさり気なく描かれている。大きな事件はおきないけれども、日常を切り取った作者の視点が冴えた小説。
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Q人
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どの短編も大きな事件はないけど、日常が描かれていて、その着目点に感心する。「職場の作法」は、そういう人いるよねがたくさん。普段特に注目してないけど、言われてみると。「とにかくうちに帰ります」は地味にいい人がたくさん。声高にアピールするでなく、こんな非常時人となりが出るよねぇ。
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ごまだんご
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表題作がいいな。津村記久子が書く「いい奴」はすごくちょうどいい。感動とかではなくて、無理してない感じ。いくつか著作を読んできてそう思います。これで7作目でした。
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倫
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「とにかくうちに帰ります」がすごく良かったいつかもう一回読もう。
0255文字
わこ
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ネタバレいや〜うち帰れそうでよかった/表題作が面白い。距離感保ちつつお互いの優しさに気付いているのが良い/屋根は偉大だよね笑/みんなにサカキに幸多からんことを/職場の流儀の方もなかなかどうしてだけど、田上さんの「不誠実には不誠実で返す」ってのは覚えときたいなと思った/つい誠実で返してしまいそうになるから/☆3.5
0255文字
ワタ
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取るに足らないと思われる日常、その中で呼び起こされる感情を掬い取って物語にして読ませる。豪雨のなか埋立洲にある職場から橋を渡って家まで帰る表題作がよかった。巨大倉庫、セイタカアワダチソウが茂る空き地、無機質なオフィスビル、産業道路沿いのコンビニ。雨のベイエリアのさみしい感じは嫌いではない。冬の夕暮れに外出先から家の近くに停まるバスに乗り込んで座れたときの安心感とか、そんなことを思い出す。
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あいあいあい
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キャラクターがいい。おもしろい。
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ジュール
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これはネネよりもうどん陣営に近い津村さんの短編集。 最初のs「職場の作法」 あるあるがデフォルメされて思わず唸る。 田上さん仕事は本当は出来るが相手の態度で微妙にアウトプット変える。 わかる。浄之内さんの従兄弟の議員にこだわり無視される北脇部長、少し可哀想。 無くなった筆記具を求める鳥飼の執念。 インフルを撒き散らす社員。 居るいる。 「とにかくうちに帰ります」 まるで八甲田山死の彷徨。 でもみんな少しだけ優しい。
0255文字
いいこ
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「職場の作法」からさらに個々に分かれている短いおはなしがあり、最後に表題作がくるという短編集としての構成がよかった。 表題作「とにかくうちに帰ります」は、読むときによってそれぞれ「うち」の捉え方が変わってきそうだなと感じたし、自分が実家にいたころに持っていた「うちへの帰りたさ」の「うち」を想像するときの焦がれや感覚を思い出して心がじんわりした。
0255文字
miurin
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先日読んだ「サキの忘れ物」以上に“とるに足らない”日常を切り取っている。けれど何なのだろう、この目が離せない感じ。ささやかにウキウキしながら読むこの感じは。あぁ、こんなどうでも良いことを、こんなに解像度高く書いて、本にしちゃっていいんだ、すごい。なんて、失礼な感心の仕方をする。なんだか感謝したくなる。津村作品にはスルメみたいな味わい深さがあり、癖になる。
0255文字
ケンタ
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津村さん初読み。どこの会社にもいそうな人たちの会社生活あるある。思わずぼそっと呟く独白があるある過ぎて楽しい。短編の中では、イマイチな成績のフィギュアスケーターをひそかに応援する、「バリローチェのファン・カルロス・モリーナ」がお気に入り。実在するのかな、許可とかどうしたのかなと思わず戦績を調べてしまいました。見つからず。
0255文字
だのん
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もう永遠にうちに帰れないのではないかと、自分も絶望的な気分になりながら読みました。ぎゅう詰めのバスの蒸し暑さや、大雨の中の衣服の不快さもしっかりと感じました。日常生活で考えているささいなあれこれが言語化されていて、なんだか楽しくなりました。
0255文字
らいら
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なんやかんやと時間がかかった。文学だと思う。つまらなくはない。自分自信の変化なのだろう。
0255文字
エブリ
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職場における日常の間に起こるちょっとした事、家に帰って奥さんになんとなく話すくらいのエピソード…なんだけど、とにかく面白い。何が面白いのかって考えると…『そんな時あるある』がたくさん散りばめられて共感するところなのかな?飲み物をあげる時に飲みたいものを取られたり、家でのくつろぎを求めて苦行に出くわしたり、疑ってはみたものの確信はもてないからと諦めてたところにやっぱりか!みたいな。一度は誰にでも経験があるから笑っちゃう。そんな些細を作品に描けるのが凄いんだよな。って感想書いたら。解説で西さんが似たような事w
0255文字
いちご追分
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田上さんの話がよかったです。 田上さんの振る舞いは、容易いものではなく、とても人間が出来てないとできないと思います。こんな先輩がいたら、傍でお手本にしたかったなぁ。自分にできるかどうかと言えば、たまに圧力かけてくる方には嫌味を言ってしまいそです。なので、そこが私の成長のしどころかな。
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ゆどうふさん
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理由はわからないが、よく読み返す本です。 「バリローチェのファンカルロスモリーナ」が特に好きで、読むたびに謎の感動があります。
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由
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「この世にたやすい仕事はない」が良かったので、こちらも読んでみた。 どこにでもある日常のちょっとした出来事。共感してイラッとしたり、クスっと笑えたり。
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快傑ソロ
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ネタバレアルゼンチンのフィギア選手の話が一番おもしろかった。 超マイナーなどうでもいいような話題で、一緒に盛り上がれる人がいたら、めっちゃ嬉しい。津村さんのエッセイでも、どうでもいいような下らないようなことに、深く激しく情熱を持って、ネットで調べたりしているので、主人公の鳥飼さんは、津村さんそのものじゃないかと思いながら、楽しく読んだ。家に帰ります。は、土砂降りの中で歩く辛さが、リアルに伝わってきて、小さな親切に助けられて、暖かい家を目指すいい話だった。
0255文字
冬子
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『水車小屋のネネ』がとてもよかったので、津村記久子さんをいろいろ読んでみようと思う。本作は、ははは、と乾いた笑い声が似合うちょっとシュールなお話でした。
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だーい
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職場でのなんでもない話である。でも読後に働くって愛おしいのかも…と思える読後感だった。職場の作法では田上さんが好きだった。自分の仕事にきちんとプライドを持っていて仕事の速度で相手への敬意を表する。絶対敵に回してはいけないタイプである笑けれど誠実さに対しては全力を尽くす。働く人の鑑だなと思った。バリローチェ〜ではファン・カルロス・モリーナを応援する主人公が推しにどっぷりハマる姿が面白かった。どんだけファン・カルロス・モリーナと連呼するのかと笑った。最後はみんなとにかくうちに帰れそうで本当に良かった。
0255文字
ねこっち
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普段さ、私は解説は読まない。自分の感想が流される気がするから。でも本作は大好きな西加奈子氏の解説を読んでこそ完結した気がするな。優しい小説、取り留めのない日常、ささやかな日々、流れる時間、キャー!オモシロー!ではないしスッキリー!とかでもないけど中々◯。
0255文字
ゆきりんご
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豪雨のなか、交通機関が当てにならず橋を渡って家を目指す、職場の顔見知りのふたり、たまたま一緒になった男性と子どもの二組。びしょ濡れになりながら、ただひたすら歩くのだけれど、少し言葉を交わしたり、相手の様子を伺ったり、さりげなく助けあったり、いろいろ連想したり、決意を固めたり。厳しい状況のなかで付かず離れずの二組の姿が自然と目に浮かんできて、なりゆきを見守った。他の話も、どこにでもありそうな職場でのちょっとした出来事や仕事仲間、仕事に対するこだわりなどが意外な方向から描かれていて思わず何度か笑ってしまった。
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Colon
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津村記久子はすごい!!って解説にあったけどほんとそれ。この人の作品はやっぱおもれー!! 職場の作法は、この世にたやすい仕事はない、と雰囲気が似ていてちょっと不気味な職場でのちと不気味な人たちの話。でも読むのをやめられないし、それがなんだか心地よい、そういう情景を津村さんは描き出せる。 スケート選手の話も取るに足らないことなのに、どうなるどうなると気がせってしまう。 表題作も、すごくあったかい。ミツグはエブリシング・フロウズのヒロシを思わせるし、サカキもハラもオニキリも、みんな愛おしい。
Colon

辛い中、家帰って落ち着きたい、ぼーっとしたいってきっと誰もが望むことで、その苦しいほどの切望を思い出させてくれる。解説の、彼らはいい奴であって良い人ではないっていうのもクゥ〜って来る。個人的に好きなセリフは、p.179の「おまえはフランス人じゃねえだろ!」っていう感情たっぷりのサカキのセリフ。あ〜おもしろかった!最高!

06/06 00:25
0255文字
おもち
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★3
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かくかく鹿々
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「職場の作法」では、職場の困った人、ちょっとした違和感を丁寧に拾い上げて物語に仕上げる筆力がスゴイ。著者の実体験がベースになっているのだろう。「とにかくうちに帰ります。」は、家に辿り着けない悪夢を見ているよう。「別に愛は欲しくないから、家に帰りたい。」という叫びが胸を打つ。大人びたミツグ少年の対等な物言いがおかしかった。 オススメ。
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