さよなら渓谷 (新潮文庫)

さよなら渓谷 (新潮文庫)
あらすじ・内容
幸せの定義、幸せはどこにあるのだろう。行き場のない哀しみに涙が出た。――妻夫木聡

緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介が、ある重大事件に関与した事実をつかむ。そして、悲劇は新たな闇へと開かれた。呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の長編。

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さよなら渓谷の感想・レビュー(2770)

この人の描く男女は切ない。そして暗い。 業と業をぶつけ合うかの様な関係。
★2 - コメント(0) - 3月26日

UK
前半、どうもどいつもこいつもイヤな奴らばかりだな、というがっかり感が、とある事実が明かされてから様変わりしていく。ちょっと救いのない愛の形だが、それでも最後はほのかな希望の灯が見えなくもない。暗い話でそちこち未完の雰囲気も漂うが、印象に残る。なんだか吉田さんのテクにやられた感じ。
★41 - コメント(2) - 3月23日

緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。そこに暮らすある一組の男女。一見どこにでもいるような夫婦だが、実は15年前の集団レイプ事件の被害者と加害者だった。人生をめちゃくちゃにされ、世間からも愛した人からも過去を赦されず、唯一自分を受け入れてくれる存在が、自分の人生をめちゃくちゃにした加害者である皮肉。「一緒に不幸になろうと約束した」二人の歪な関係をなんと呼べばいいのだろう?集団が生む不可解な興奮状態や、抗えない空気感、性被害者に対する偏見がリアルでぞっとした。赦すこと、幸せの定義について考えさせられる。
★32 - コメント(0) - 3月22日

被害者はどこまでいっても被害者、 加害者もまた事件を忘れることなどないのかもしれないけど、再犯するやつ見てると事件なんて他人事のようにのうのうと生きてる人もいるし。かなこ【夏美】が、去って行ったのは、幸せになりそう、愛してしまいそう、でも許さない、そんな感情が入り乱れての選択なのでしょうか?許す=愛⁉︎なのでしょうか。。隣の幼児が亡くなった事件はウヤムヤですか? 渡辺も冷えた夫婦関係のまま行くのでしょうか? 重大ではないかもだけど色んなことが解決せぬまま、モヤモヤ。
★13 - コメント(0) - 3月16日

複数の友だちから『怒り』を勧められ、予約を入れたもののかなり先になりそうで、同じ作家さんのこの本を借りた。テーマが重いのに一気に読めてしまうのは、さらさらした砂のような表現だからかもしれない。犯罪の加害者と被害者、当事者じゃないとわからないことだし、当事者も気持ちをうまく表現できないだろう。どんな犯罪も許されてはならないけれど、安易に第三者が入り込む領域でもないのだろう。いつも私は小説を通して色んな人の生き様に立ち会い、自分の狭い世界が広がるのを感じる。この本もまた、少し世界を広げてくれた。
★6 - コメント(0) - 3月14日

犯罪ものだろうと思いながら読み始め、序盤あたりで「ああ、アノ事件か」と予想したところ、あっさり裏切られ、また違った性犯罪がクローズアップされていく。この裏切られ方が心地よい。全編通して暗く重苦しく、さしたる救いのない話なのだが読ませる。本作は映像化されており、作品のレビューを読むと賛否あるようだが、真木よう子に大西信満というキャスティングは秀逸に思う。映画も観なければ。
★6 - コメント(0) - 2月28日

Jun
う~ん重い、重い小説です。渓谷近くの風の通しの良くない市営住宅にて、夏の暑い中、じっとりと汗が出てくる様子が自然と目に浮かぶようです。吉田修一の「空の冒険」を読んだばかりなので、その内容のギャップに驚かされます。暗闇の中地べたを這うような内容ですが、最後の最後にほんの微かな灯火のようなものが見えたのが、私には読者への僅かな救いだったように感じられます。
★4 - コメント(0) - 2月28日

Y
途中で、かなこの正体はもしかして、、、と思ったり、過去を、なかったことには出来ないもんな、、、と思った。それは、被害者だけでなく、加害者も。夏美は、俊介を赦すことが出来たのかな、、、
★9 - コメント(0) - 2月19日

加害者も被害者も、なかったことにはできないんだなぁ。
★3 - コメント(0) - 2月16日

Aya
映画を観たときは「なんでそうなる?」ばかりだったのだけど、原作を読んで理由とか正解とか納得を求めちゃいけないのかってところに落ち着いて、ある意味腑に落ちた。
★2 - コメント(0) - 2月14日

★★☆☆☆17014 この作家さんの作品はそんなに読んでないんですが、偶に出てくるアブノーマルな事柄を当たり前の事のように書き上げてしまう作風がびっくりなんです。なかなか慣れません。しかしこれ、重〜いですねー。考えてしまいます。若気の至りでは済まされないような間違いを犯してしまうと、どんなに月日が流れようと加害者,被害者その双方とも元には戻れない。。いや〜、若い時の行動なんて結構ノリ任せ、あと先考えず行き当たりばったりとかもありますからね。。怖いですね〜。読了後、唸ってしまうコメントし難い作品でした。
★173 - コメント(3) - 2月12日

タイトルがなんか好き!っていうのが一番の感想☻ でも、男性陣の登場人物は名前に個性がなく、あれ?これ誰だっけ?となることが多かった。かなこと里美もなぜか混ざってしまって大変(笑) 渡辺と同じ職場で働く小林さん、行動力あるしチャキチャキしてて好きだなー。 尾崎は村上虹郎さんのイメージ。幸せにならないために一緒にいるのに幸せになりそうって、切ない。 p.219『そう言われただけで、水風呂に浸かったような気持ちがした。渓谷を吹き抜けていく風が、微かに首筋を撫でる。』
★6 - コメント(0) - 1月31日

幼児殺害事件がメインのストーリーかと思いきや、その親子の隣の部屋に住む男女の話が主となり話は進む。自分の犯した過ちにずっと苛まれ続ける男。そんな男と同居している女の過去。自分が幸せになると、相手を許してしまうことになる。だから、幸せにはならない。わかる気もするし、わからない気もする。重くて胸が苦しくなった。救われなさ、無力さを感じる作品でした。★★★☆☆
★9 - コメント(0) - 1月31日

K K
また凄まじい作品を読んでしまった。読後しばし唖然。吉田修一さん、あなたは本当に人間の心の機微というか、魂の奥の奥の奥に入り込むのがうまい。多くは語りません。予備知識なしで読んだ方がいい。辛い、悲しい。痛い。ストーリーは最初とは全く違う色合いを見せます。怒りや悪人もそうだけど、事件そのものよりもそれによりあぶり出される人間の本性、本質、生々しい感情を余すことなく描く。深層心理の深い深いところをつくのである意味辛い。でも読めてよかった。全ての作品で最後にふっと浮き上がるそれは愛なんでしょうか。
★54 - コメント(0) - 1月30日

なんの予備知識なく読み始め、被害者と加害者の複雑な関係性が解るにつれて 胸が苦しくなった。罪を許すって事は出来るんだろうか。
★13 - コメント(0) - 1月19日

★★★終わり方が吉田さんぽい、ちょっとモヤっとした終わり方。 結末を色々自分で妄想してしまう。
★2 - コメント(0) - 1月11日

★★★★☆
★7 - コメント(0) - 1月9日

重くて暗かった。ラストは複雑な気持ちになりました。許すって難しい…。
★21 - コメント(0) - 1月8日

★★★☆☆
★2 - コメント(0) - 1月6日

まさかの展開。このまま幸せになって欲しかったが、それが期待できるラストシーン。
★5 - コメント(0) - 1月5日

真木よう子が主演で確か賞をとったのではなかっただろうか。読んでいると映像が自然とイメージできるストーリーだった。集団暴行の被害者と加害者されど男と女。実際には難しい関係と思いつつも、情や性に逆らえない運命というのがあるのかもしれない。幼児殺人の犯人は結局誰だったのか、判然としないがそこは大した問題ではなかったのかも。
★9 - コメント(0) - 2016年12月29日

意外性もなく面白くもなく…。とにかくぱっとしなかった。残念。
★5 - コメント(0) - 2016年12月27日

罪を背負い続けた者と、傷が一生癒えない者。現実ではまず出会わない両者だが、それぞれがお互いの姿に一片の救いをみつけた時に動き始める複雑なラストは深みがあった。記者の視点があることで、客観的で世俗的な価値観が加わっていくのがまた面白かった。重い内容なので、再び読みたいとは思わないかもしれないが、小説という文字のみのフィクションだからこそ切り込める問題提起が心地よかった。
★10 - コメント(0) - 2016年12月24日

この人の本は、そんなことあるわけないじゃん、とか、でもどうして?とかそんなの理解できないよ、とかそういう刷り込まれた定型文の海をかき分けてかき分けてたどり着いたのにそれでもまだわからない。という気持ちにさせられる。 ただそこにあるリアル、という感じ。スッキリすることはないし、爽快!と思ったことはないけど 色んな問いがわいてくる。
★6 - コメント(0) - 2016年12月22日

久々の吉田修一。一気に読了。印象に残ったのが「もし息子がレイプ事件の加害者になったらガッカリする。娘が被害者になったら加害者を殺してやる」という父親の言葉。そーいうことなんだよなぁ。何度も断罪される被害者、罪悪感なく恵まれた人生を歩む加害者、許され続けることに耐えられなくなり贖罪のため失踪する加害者。男の罪を知りつつ寄り添う女、お互いの献身。以前読んだ同著者の『悪人』を思わせる内容だった。
★5 - コメント(0) - 2016年12月20日

「幸せになりそうだった」と呟く主人公の男性。過去に侵した過ちに拘泥され、社会と距離を置いて生きて行かざるを得ないと感じていた彼がようやく見つけた過去と共存する方法と、それを共有する女性。彼女を見つけ出さなきゃ。でなきゃ再び彼は過去の自分と対峙するだけの時間を過してしまうに違いないし。良い本でした。
★16 - コメント(0) - 2016年12月13日

奇しくも千葉大医学生および研修医の集団暴行事件が報道されている時に読んでしまった。先日の慶応大同好会や早大のスーフリ、過去には監督辞任に追い込まれた関東学院大ラグビー部など、本当に懲りないバカ学生のレイプ事件。被害者の女性が、事件後どれだけ苦しむかなんて想像つかないのか?セカンドレイプなんて想像したこともないのかね?それにしても吉田修一さんは、本当に懐の深い作家だ。今時の若者風俗を主題に、しかも説教臭くなく書ける作家は稀有だと思う。
★8 - コメント(0) - 2016年12月10日

rey
映画を先に見てしまっていたのですが、設定が設定だけに内容を忘れておらず復習みたいな読書になってしまいました。先に原作読みたかったです…。尾崎はともかくとして、思い出したくないよなーというノリで過ごしている藤本、男性なら気持ちわかるんでしょうか?実際被害に遭ってしまうと本当に一生一生消えない深い傷になって付き纏ってくるんだなと感じます。よく思うのですが、防具が開発されて欲しいと切に願ってます…。。
★23 - コメント(0) - 2016年12月9日

複雑な関係の2人。最後がどのようになるのか気になり急いで読みました。そんなに上手く行きませんよね。幸せの定義。★3
★17 - コメント(0) - 2016年12月6日

映画とほぼ同じ。ラストは昼と夜の違いくらい。
★2 - コメント(0) - 2016年12月6日

スゴいな。フクザツ…
★6 - コメント(0) - 2016年12月4日

「怒り」が面白かったので、その流れで読んでみた。映画で見たい作品だなと思った。
★8 - コメント(0) - 2016年12月4日

いわゆる普通の暮らしなどいつでもできると思っていたはずなのに、いざ、放り出された瞬間に、普通の暮らしというものがどれほど自分たちとほど遠かったのかを思い知る。95
★2 - コメント(0) - 2016年11月24日

先に映画を観ました。被害者の女性がなぜ加害者の男性と暮らしているのか全くわからないままでした。原作ではお互いの葛藤が描かれており、当事者では無いのですっかりわかるわけはないのですがお互いの苦しみを知りました。ここでもう一度映画を観たいです。
★9 - コメント(0) - 2016年11月24日

贖罪と復讐、複雑な感情。被害者への迫害もクドいぐらい書いてあり何ともいえない話でしたが、情景を浮かばせてくるような描写がお見事。解説にも書いてありましたが、非常に映画的な作品と思います。
★12 - コメント(0) - 2016年11月23日

意外性、みたいなものがなくて、つまらなかった。犯罪被害者と加害者の共依存なんてあり得なくない話だし、異常でもなんでもない。
- コメント(0) - 2016年11月22日

尾崎とかなこ、二人はどんな気持ちで一緒に暮らしていたのか。かなこが出て行ったのは、尾崎を幸せにしたくないから?今の生活を幸せと思う自分がいたから?過去と忘れるか、過去を過去とせず生きていくか。難しい。
★5 - コメント(0) - 2016年11月22日

序盤の二人のやりとりを見て、慎ましくも愛し合う夫婦を心に描いてしまったなら、読者は既に作者の術中に嵌っている。直截的な言葉はなく、外形的な二人の様子しか描かれていないからこそ、判断は読者に委ねられてるからこそ、のちに二人の関係性を知ってしまうと、愛や幸せという言葉に我々が描くイメージが如何に曖昧なものか思い知る。罪や罰や贖罪といった社会的なテーマは、この作品では極めて機能的な背景色。愛でも憎悪でもない、言葉を超えた二人の関係性を感じることが、この作品の最も良い味わい方ではないだろうか。
★128 - コメント(2) - 2016年11月14日

★★★★美容室で薦められた本です。幸せにならないために一緒にいる。居なくなれば許したことになる。愛が深い。
★7 - コメント(0) - 2016年11月14日

emi
どうしようもないけど、出会うべくして出会ってしまったような、出会わなければ平凡で幸せな人生が待っていたような。哀しいけど「あなたしかいない」という人生を犠牲にして破滅的に愛される主人公をある意味うらやましく感じる。「悪人」を読んだ時も同じこと思った。
★9 - コメント(0) - 2016年11月6日

さよなら渓谷の 評価:86 感想・レビュー:943
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