廃疾かかえて (新潮文庫)

廃疾かかえて (新潮文庫)
あらすじ・内容
DV欲に憑かれ、恋人をいたぶり続ける男の止みがたい宿痾。話題の新芥川賞作家の代表的シリーズ「秋恵」ものの白眉!

怪し気な女ともだちに多額の金を貸していた同棲相手の秋恵。その人の好さに暴力的な衝動をつのらせていく、身勝手な男・北町貫多を描く表題作。大正期の無頼派作家・藤澤清造の歿後弟子を任ずる金欠の貫多が稀覯雑誌を求め、同行を渋る女と地方へ買い出しに行く「瘡瘢旅行」他、敗残意識と狂的な自己愛に翻弄される男の歪んだ殉情を描く、全く新しい私小説。『瘡瘢旅行』改題。

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廃疾かかえてはこんな本です

廃疾かかえての感想・レビュー(430)

解説にもあったけど、格調高い昭和の文体とゲスすぎる男の身勝手な欲望の落差が快感。これがどっちかに偏ったら急に読むのが困難になりそうな絶妙なバランス。今回は女性との同棲生活の様子がメインで、罵声ももちろん究極に酷いんだけど機嫌を取る時の様子も的外れで気持ち悪かったりしてもう貫太最高すぎる。
★3 - コメント(0) - 2月17日

同棲している秋恵のヒモの北町貫多。大正期の作家、藤澤清造を崇拝して止まず唯一の真面な趣味であり普段は無気力で破天荒。DVの問題行動を起こし風俗にも目がない。怪しげな女友達に多額のお金を貸し続ける秋恵を咎める①廃疾かかえて。藤澤作品の掘り出し物「古書」を求めて彼女を名古屋まで付き合わす②瘡瘢旅行。祖母が亡くなり帰省をした秋恵を待つ日々の傍若無人な様子を描いた③膿汁の流れ。常にギリギリの生活を過ごしている中で切り詰める生活が出来ない男。苦役列車の頃と比べると生活感が出てきた点が唯一の救いであったと思う。
★49 - コメント(0) - 2月11日

5回くらい読み返してる。落ち着く。
★3 - コメント(0) - 1月21日

うーん面白い。格調高い地の文と、貫多の罵声が気持ちいい。
★2 - コメント(0) - 1月20日

北町貫多の破天荒なところが読んでいるうちに気持ち良くなって、「よし、それで良いんだ。」と思ってしまう不思議さ。自分が抑えているような突き抜けた行動を、代わりに実践してくれているような。それでいて、私小説なのだから凄い。文章は品位を保ちつつ、くだけた言葉も使用していて、それが文体になっているのも、面白い。自堕落な行いが繰り返されながらも、破綻しない貫多の根っこの強さが羨ましく。
★41 - コメント(0) - 1月2日

買ってきた3冊を一気に読んでしまいました。小説とはそんなものかもしれませんが、西村賢太の本は特にその傾向が強いですね。
★7 - コメント(0) - 2016年8月30日

再読。 いつもの秋恵のヤツや。 秋恵への罵詈雑言のチョイスが神掛かっているし、秋恵の返しも抱腹モノ。 そりゃ殴られるわ。殴っちゃダメだけれど。 最強で最凶で最悪なワンパターン。 貫多も西村センセも大好きだ。 近年、年末には家族でアメ横散策の前に「信濃路」で昼食を採るのがデフォだったりする。 そう、貫多と西村センセを感じながら昼間から酒を飲み安い喰い物をツマムのだ。 嫁と幼きガキどもには甚だ迷惑だろうがねw
★2 - コメント(0) - 2016年8月30日

電子化未了の貫多本を紙で再読。収録3編は全て秋恵ものだが貫多メーター(自己中度・暴飲暴食度・買淫度)が最も振り切れている強化版と個人的に評価。未見の藤澤清造作品収録誌を買い取る為に初訪問した古書店主にいきなり土下座しても聞き入れられず、ド落胆後大逆転しスーパー欣喜雀躍に爆笑。曙町に遠征、射精遊戯した風俗嬢のコスチュームに耽溺、秋恵に同じものを穿いてもらうことが何よりの大切事であると今・そこで思うか?...貫多こそ女の敵で心の友でもある。★5
★6 - コメント(0) - 2016年8月28日

OOI
主人公のダメ男っぷりが清々しい!
★4 - コメント(0) - 2016年4月28日

秋恵も健気やなぁ。それにしても貫太はクズ過ぎる。自分の欲のまま生きてる感じが、ある意味潔いというか。人間の業の深さを思い知りますね。秋恵と漫才してるみたいなやりとりは、同じ女として決して良い気分にはなりませんが、なんか読み進めちゃいます。
★13 - コメント(0) - 2016年4月24日

1P15行。ケンタ・ニシムラの描く都市生活者の孤独を背景とした、男と女のラプソディ・イン・ザ・トワイライト作品群は、発表を重ねるごとに、より洗練され冴え渡っていく。識者も絶賛するそれは、ニシムラ独自のアーヴァンかつメロウなセンテンスが魅せる、飽くなきトゥルー・ロマンス探究の旅ともいえる。ソフィスティケーテッドされた情景描写の中で交わされる、ウィスパリング・ボイセズの邂逅。次はいったいどのような男女の神秘の物語を見せてくれるのだろうか。
★4 - コメント(0) - 2016年4月18日

おばあちゃん…
★3 - コメント(0) - 2016年4月6日

今回も暴力暴言夫婦漫才を観ているかのよう。貫多、アウトー。秋恵がどうやって貫多から離れていくのかが楽しみでしょうがない。それにしても、岐阜まで日帰りで十万以上って高過ぎやろ。そりゃあ、アゲマン秋恵も疲れてまうわ。
★5 - コメント(0) - 2016年2月14日

爽快さすら感じさせるクズっぷり。
★6 - コメント(0) - 2016年1月6日

秋恵さんとの倦怠期から別れ直前までを相変わらずの西村節で一気に読ませます。膿汁の流れのオチには爆笑させられる。秋恵さんは金色ビキニを着てくれたのでしょうか? マンネリと思いつつも安定過ぎる面白さ。
★7 - コメント(0) - 2015年12月29日

同棲する女性へのDV、罵詈雑言を浴びせながら、最後は許しを乞う破滅的な生き方の貫太は著者そのものだ。
★6 - コメント(0) - 2015年12月4日

穂村弘「整形前夜」で、<言語ですばらしい表現をした人は、人間的にもすばらしい人であってほしいんです。>と書かれていた。その理屈からいくと信じられないでしょうが、西村賢太も面白いですよ。人間的にはすばらしく暴力的な人みたいですが。解説に「負のヒーロー」とあるけど単純に、”力”に惹かれるのかな、と少し思う。代表的なのは「筆力」と「暴力」の二つで、その雄々しさに我知らず引き付けられているのかも(もちろん意味無く他人に手を上げるのは間違い、という常識は前提の発言)。
★11 - コメント(0) - 2015年12月3日

今回も期待を裏切らぬクズっぷり、あっぱれ。秋恵が祖母のお見舞いで家を離れる際、キャッシュカードを置いてくのだが、やっぱりの展開にニヤニヤしてしまいました。酒井順子さんの解説に納得。なるほど、西村小説の魅力はそこここにちりばめられた「落差」だよな~。私はやっぱり、恋人をいたぶりながらも「ぼく」と言うところが好きです。
★7 - コメント(0) - 2015年12月1日

西村賢太作品を続けて三冊読破したのは良いが最初のうちは楽しく読めていたのに段々と読むのが苦痛になってきた。心の中に黒いものが蓄積していくのがわかる。この作者の毒気に完全にやられた感じ。でも不思議な魅力のある作家だとは思うので一年ぐらい時間を空けてまた読んでみよう。
★5 - コメント(0) - 2015年10月12日

sr
いつも通り、安定の貫多で安心して楽しめた(?)最近はKindleで読むことが多いので文庫本を買うのは久々だったが、解説がよかった(電子書籍は著作権の関係で、解説がないことが多い)。西村賢太を女性が解説というのは、あらゆる意味で心配だったが、久々にいい解説を読んだ。自制心を捨てるハードルの異常な低さが、言いたいことも言えないこんな世の中に暮らす我々に響く。貫多はまさにダークヒーローで、正義の味方と同じように悩み苦しみ、時には対極に惹かれることもありつつも、己の道を貫いていくのだろう。
★6 - コメント(0) - 2015年9月13日

はじめての西村賢太。気になっていはいたけれどずるずると読まずに過ごしてきたのですが、いや、良かったです。個人的にずっと露悪というものについては思いをめぐらせていたりするのですが、この作品集の露悪っぷりはなかなかに素敵ですね。自らの悪性とともに小人さも強調することにより、不可思議な愛嬌のようなものが生まれているように感じます。ときにダメ人間・クズ人間が愛される理由はこういうところにもあるのかしら……。
★9 - コメント(0) - 2015年8月25日

あまりの暴走ぶりに笑ってしまう。とくに「膿汁の流れ」がすごかった。自由すぎるだろ!ある種気持ちいいくらいのクズっぷり。そして最後の酒井順子さんの解説がスバラシイ。「負のヒーロー」って的確すぎる。
★16 - コメント(0) - 2015年8月23日

この本に収められた三作品は、いずれも「女」との同棲の倦怠期以降を描いている。時系列では最後に当たる表題作末部では、同棲の終わりが手短に述べられており、それ以前の「私」と「女」との明らかな行き違いの答えにもなっている。どこまでも自分のことしか頭にない「私」は、作品全体にわたる不穏な空気に最後まで気づかない。どの作品にも、「女」が世間並の良識、陳腐な価値基準を持ち出して「私」を詰り、「私」はキレる、という一幕が設けられているが、これは私小説にとって最も根本的な問題の一つと思う。確固たる「私」あっての私小説だろ
★4 - コメント(0) - 2015年8月4日

リアルすぎて怖い感じもありますが続きが気になって つい読む!(笑)雰囲気に引き込まれる感じがある不思議な世界です
★5 - コメント(0) - 2015年8月1日

☆☆☆☆☆☆☆
★3 - コメント(0) - 2015年4月8日

この本もヒトに借りて読みました。ヒリヒリするような現実が良質な文章で綴られていく。週刊誌のネタにもならないような卑小な毎日がただ起きていくお話。なのに何回も読みたくなる。多分、作者の冷徹な視線が生み出す文章がとてつもない「教養」を感じさせるからだと思う。それを当初から見抜いていたのは石原元東京都知事だと思うのだが、それはかれの眼識の深さを示しているのか。この本でしか味わえない不快さと爽快さがある。こんな本って他にある?
★8 - コメント(0) - 2015年3月27日

物語の世界に引き込まれるとか、主人公に共感するとかとは全く異なる読書体験を、西村健太は提供してくれる。不思議な気分だ。
★5 - コメント(0) - 2015年2月14日

私小説は自分を美化して描かないというのが前提だが、それにしてもこの男は。。90キロの巨体をもち、同棲相手が祖母の危篤で帰省中に有り金を風俗に費やす人間。秋恵はなぜ離れられないのだろう。共依存とはこういうことなのか、とふと思う。
★8 - コメント(0) - 2014年12月23日

最近西村賢太作品を読み進めている。なぜそんなに西村欲を掻き立てられるのだろうと思っていたら、本書の解説に全て書いてあり唖然とした。自分が無意識で制している秘めた願望?紛いとやらを代わりに解放してくれる。確かな爽快感。
★8 - コメント(0) - 2014年10月15日

期待通りに荒れてくれたが、何作品か読んだ中では、一番マシだった。
★5 - コメント(0) - 2014年5月20日

酒井さんが好きで解説を先に読んだら、酒井さんのイメージが秋恵とダブ…(-ω-;)
★4 - コメント(0) - 2014年5月4日

いつものワンパタ-ンと分かっていながら 北町貫太=西村賢太の悪罵の連打、この作家はくせになりますね★四つ
★6 - コメント(0) - 2014年4月22日

貫太も少し大人になったかと思わせてあのオチとは。一気に脱力してしまった。
★6 - コメント(0) - 2014年3月18日

「廃疾かかえて」で秋恵が貫太のような男と同棲を続けてしまう理由がわかった気がした。結局、秋恵も寂しさを抱えて、貫太という男に依存しているのだ。他の男に乗り換えたのも依存先を変えただけであろう。それと話は変わるが著者の文章の上手さを再認識させられた。まず何よりも文章のリズムがよい。また著者は今では余り使われない言い回しや単語を使い貫太に奇妙な雰囲気を持たせているが、その文章も変に小難しくならず読んでいて意味がちゃんとわかりどこかコミカルになっているのだ。
★16 - コメント(0) - 2014年2月19日

文庫にて再読。すべてが刺激的というか、純粋なクズが描かれる私小説。いつか貫太が痛い目を見ないかという視点で見ているが、いつもなんとかなってしまうという話の構成。その構成になるのはわかっているけれど、いつも途中で不思議な昂揚感が生まれ、新鮮に心がもやもやしてくる。ただ人間だれでも闇があり、それをなんのためらいもなく(多少のためらいはあるだろうが)だせる貫多に一種のうらやましさを感じる時もある。どこまでも自分を美化せずに闇を闇らしく描く私小説家の傑作。
★10 - コメント(0) - 2014年1月23日

西村作品六冊目。膿汁の流れが良かったな。良い話になるかと思いきやオチは安定のクズさで何か安心した(笑)
★5 - コメント(0) - 2013年12月20日

6点 相変わらず泥臭い。
★6 - コメント(0) - 2013年11月19日

面白いです。私小説という分野は、好みがはっきりすると思うのですが、自分は好きです。あまりにも破天荒で、そのくせ小心者な貫太。自分にはできない生き方をどこか羨ましくもあり、こういうふうにはなりたくないと思うところもあり、でも、こんな生き方をしてみたいと思ったり。めちゃくちゃな人間で、人としてはあまり尊敬できないのに、どこか憧れてしまう。そんな貫太の物語は本当に面白いですね。
★10 - コメント(0) - 2013年11月16日

貫多と秋恵の同棲生活。貫多は面倒臭い男だけど、秋恵も幸せそうに感じられる日常生活が微笑ましく思う。『瘡瘢旅行』の女は他の話の秋恵とは若干違う印象を受けた。この話だけ一人称で書かれており、創作された貫多、秋恵のキャラクターとはちょっと違う、より現実に近い内容なのかと考えた。
★7 - コメント(0) - 2013年11月8日

本作というよりも彼の大半の著作についての解説が酒井氏によって書かれているので初見の方は初めにそちらを一読したい。そもそもエッセイストはてめぇの臭い膣を掻きまわした指先で自己満足の文章を書きまわし、完結する本人以外には何ら無意味なものだと思っていたが、酒井氏のものは美しいピンク色くわえて締まりも解説も良かった。………。あ、あと貫太の月1で能登に赴くための5万円は必要経費だから…。
★4 - コメント(0) - 2013年9月30日

廃疾かかえての 評価:60 感想・レビュー:128
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