苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)
あらすじ・内容
私小説の逆襲。芥川賞受賞作! 映画化。2012年7月14日全国公開。[主演]森山未來、高良健吾、前田敦子[監督]山下敦弘

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。

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苦役列車の感想・レビュー(2567)

題は人生の比喩。風が通らなくて地獄のように暑い有蓋貨物列車での苦しい荷役作業ではないw。主人公は自分を中卒の日雇い人足、ゴキブリ等と卑下しているが、書類上は日雇いだが、派遣元も派遣先も毎回同じ事業者で、座れる安定した送迎バスもあり、毎朝5時に人足寄場に行き、毎日別の現場に行き、毎日首になる本当の日雇いではない。週に数回でも同じ現場で働き続ける能力を持つ立派な社会人である。港湾倉庫で荷をパレットに仕分けしながら積む作業を続けて、正社員様と同じリフト運転手候補にもなる有能な人物である。人間関係で辞める普通人生
★8 - コメント(0) - 3月22日

近代文学好きなだけあって漢字や言い回しは敢えて堅くしているのだろうが、私としては同年代の羽田圭介よりは馴染みやすい文体。羽田の『ミート・ザ・ビート』を読んだばかりなので、日雇いの若者の姿が重なったが、合理性を求め、自分も他者も達観する羽田に対し、こちらは感情の渦中でおどろおどろと醜くのたうつ。何よりも違うのは、西村のほうには真に迫る貧困とその危機を直視しない主観の優越がある。羽田や朝井リョウに「てめえらなんだかんだ裕福で高学歴で素人女とヤり放題じゃねえか」と殴りかかっていきそうな作品だった。
★9 - コメント(0) - 3月21日

とっても面白かった!カイジなどの福本作品が好きなので、雰囲気が似てると思いました。クズ人間に優しくしてあげたいと思ってしまうダメ女ということを再確認しました。
★17 - コメント(0) - 3月15日

J M
初。文章が難しいがテンポある。顔が浮かんだ。
★5 - コメント(0) - 3月11日

映画を観ていたのでだいぶ内容が違った、やはり原作の方がリアルに現実を描き出している気がする。人は育った環境で生き方が決まるという考えはあながち間違っていないと思った。
★1 - コメント(0) - 2月28日

kaz
大学に入って5月病にかかっていたときに読んだ。徹底的に自堕落で、どうしようもなくて、クズな主人公をみているうちに、なぜか不思議と希望がわいてきたのを思い出す。賛否あるけど、映画も良かった。森山未來すごい。
★10 - コメント(0) - 2月20日

S
この本の世界観にはまり、どんどん読み進められた。貫多のような性格の人間は好ましくないが、ひねくれたところがどこか自分と重なっているなとも感じた。
★6 - コメント(0) - 2月19日

面白かった。個性的ではあるが、歯切れが良く読みやすい文章も好きだ。だが、この作家の本は勇んで読みたいという気にならない。何故って、貧乏が、自分の方に伝染するような気になってくるからだ。最悪の生活に汚染されるような気になってくるからだ。それだけ質の高い小説なのかもしれないが。恐々ページを捲るのは楽しくなかったとも言えないが。
★8 - コメント(0) - 2月18日

貫太のどうしようもない感じが、読んでいて自分を救ってくれた。
★9 - コメント(0) - 2月13日

私小説ということをことさら意識することなく読みました。日雇い労働で生活の底辺を舐めながら強烈な自意識を抱える主人公が、人間臭くて魅力的に思えてきます。古めかしい漢字を敢えて使い、男の汚い体臭をあけっぴろげに表現しているのですが、文章のリズムが現代的で小気味よいので、読んでいて気持ちが良かったです。
★27 - コメント(0) - 2月12日

私小説『苦役列車』. 生活臭に満ちた主人公である貫多に親しみと共感を覚える. 個人的にはあとの1編で貫多のその後が職につき救済された形で書かれていて, 「そうか」と思いました. 私小説は初めて読みましたが, これは好き嫌い分かれるだろうなあと思います.
★6 - コメント(0) - 2月12日

正直敬遠していた本だった。なんか汚い感じというか、泥臭いというか、でも読み始めると、多少文体に馴れるのに時間はかかったが、ひねくれた主人公が、最後はなんだか愛くるしかった。結局あっという間に読了。純文学だった。記憶に残る本、良かった。
★7 - コメント(0) - 2月8日

芥川賞の同作と、小説家になってからの「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の2作。小説家になってからの方は、後に芥川賞を取っていることが分かっているので、やや損をしている。タイトル柵は、私小説という見方をすれば内容の濃さが目立つが、あまり気にせず読めば流れるような文章が感動的である。結局は内容が濃いのではあるが… 年齢的には同年代といってもいい著者が、作品の中では「本当に同年代?」と思ってしまう引き込み方を見せる。解説の石原氏は、予定ページを埋められなかったのか、やたらと行間が広い。大御所はやはり違う。
★8 - コメント(0) - 2月5日

西村さんの作品は初めて。テレビで見たことがあり、小説でドリームを掴むことを体現したような人という印象。 文体は好きだと思った。少し昔の文学の雰囲気をまとっており、途切れることのないテンポ感に自然と乗せられる。 主人公は癖が強い。私が田舎から現役で旧帝大に進学した作中でいう美奈子のような人間なだけに、貫多とは真逆。とはいえ、気持ちは分からなくもない。だが、日下部さんも美奈子さんもそんなに悪いところがあるとは思えなくて、それでも貫多にはそんなに悪く映るのかというのが少し驚き。 私が思うに、貫多には誰でもな
★7 - コメント(0) - 2月2日

はっきりと生活臭がする文体なのに読了後は爽快感があった。
★8 - コメント(0) - 1月28日

言い回しが面白すぎ!面白い!
★8 - コメント(0) - 1月22日

衝撃の私小説。異様なまでに難解な言い回しを使うことで独特な文体になっていて、悲壮感がリアルに伝わってくる。
★10 - コメント(0) - 1月21日

①苦役列車-父親の性犯罪で両親が離婚。中卒となり港湾での日雇い荷役労働に従事。日々無為に過ごしていたがアルバイト要員の日下と知り合う。彼との交際を通じ、彼女から女友達を紹介してもらおうとして、3人で飲むが酔った勢いで暴言を吐き関係が悪化。また荷役労働中に暴力沙汰を起こし会社を去る。別の荷役会社に移り藤澤清造の小説に出会う。日下が彼女と結婚し郵便局員となった事を知る。②落ちぶれて袖に涙の降りかかる-私小説作家となり2度の川端賞候補に。腰痛と闘い、ものを書くことにつき考える。またもや川端賞は受賞できず。
★138 - コメント(1) - 1月17日

読み進めるごとに好きになっていった。文体が独特で味わいがある。リアルがにじみ出るような描写。
★6 - コメント(0) - 1月17日

日下部くんと彼女のクソみたいな会話と気持ちの悪いニヤニヤ笑いとか、そういうものに勝手に必要以上の悪意を感じてしまう自意識が、他人事ではない。読み終わると、映画化で付いた帯の高良健吾と前田敦子の爽やかな笑顔が急にこっちを、見下したような笑い顔にみえてくる不思議。貫多の感覚が残念なことに痛いほど分かる。でも凄いのがこんなに救いのない話なのに笑えるところ。自分の人生を嘆いてもがきつつも自分の性分に関しては受け入れているところが、爽やかというか潔さがあって胸糞が悪くならない。楽しかった。
★6 - コメント(0) - 1月15日

久しぶりに苦役の列車に乗り込んだ。暗黒の青春をその名の通り謳歌する北町貫多の物語。染みるわ、染みる。もうひとつの短編も、現代型。なにやらミステリーでフワッと触った覚えあり。
★11 - コメント(0) - 1月12日

再読。寝る前に触りだけ読もうと思ったら巧みな文体とユーモアに魅せられ一息に読了。リズムを重視して辞書は使いませんでした。藤澤清造も読んでみよっかなー。
★6 - コメント(0) - 1月7日

本の交換で貰った物です。卑屈で自分勝手で本当にダメダメな主人公が、でも読書は好きでいつか作家になるのを夢見ているというのはどこか憎めない。続編で本当に作家になっていてちょっと見直しました。
★15 - コメント(0) - 2016年12月27日

調べてみると、貫多の生い立ちや経歴は西村氏自身とかなり似ている。だからだろうか、一貫して雑多なものの臭いが混在した湿気のような不快感と、反対にそれはどこにでもある生活臭のような日常の安堵感にも似た感覚。映像化されたものは観ていないがBGMはなく、生活音と会話だけで十分世界観を作れると思う。下卑た発想や卑猥な妄想が如何にも文学っぽいが実際はそんなものかもしれない。
★11 - コメント(0) - 2016年12月24日

舞台は80年代なのに妙に今の時代のリアルを感じるのが不思議といえば不思議。日雇い労働その日暮らしとか友達いない恋人いないとか。軽い読み物としてすらすら楽しく読んだけどところどころでその重さ辛さにしんどくなる部分も無くはない。私小説って全然読んだことなくて、更に今に近い時代が舞台なので興味深く読んだ。
★6 - コメント(0) - 2016年12月21日

☆☆☆☆☆ 平々凡々たる自分にとっては垣間見たい世界、しかし決してそこには零落れたくないという想いもありながら優越的な立場のまま浸りきる。これが文学の力だとでも言うべき強い文体に惹かれていく。慊い(あきたりない)という漢字を初めて知った。貫太は救いようのないほど駄目な人間かもしれぬが、どんな人間にも怠惰な部分、刹那の快楽に身を委ねてしまうふしだらな習癖は持ち合わせているはずであり、それが共感を呼び、文学的情景へのダイビングへと突き動かしていくのだろう。西村が師と敬う藤澤清造に対しても俄然興味が湧いてきた。
★39 - コメント(1) - 2016年12月7日

芥川賞受賞作。私小説というジャンル自体に賛否両論があるが、自己と向き合い、客観的に綴る技量は素晴らしい。読むにつれ、苛立ちが生まれるほどのダメ人間っぷりな主人公。ただその心の弱さに同情にも似た共感が読んでいて感じられた。
★8 - コメント(0) - 2016年12月4日

★★☆☆☆
★3 - コメント(0) - 2016年12月2日

中卒で性犯罪者の父を持つ貫太。日雇い労働を続けてその日暮らしの生活を続ける姿は人生を投げ捨てたように感じられます。そんな姿は西村賢太さん自身を貫太に重ね合わせたかのよう。そんな貫太を救ってくれたのは小説。最終的に作家になって自分を知ってもらおうとする姿に感動。列車は始発駅は選べないが終着駅は選べる。始発駅から終着駅が遠い列車は苦役を背負うが、夢という燃料を備えた列車は豪雨や断崖絶壁に耐え終着駅に辿り着くことができる。そんなことをこのタイトルから感じました。
★42 - コメント(0) - 2016年12月1日

中年の腹を裂いてはらわたを覗き見たような気にさせる作品です。私小説ですから、著者の西村賢太は、すなわち主人公の貫多なんでしょうが、よくもまあここまで惜しげもなく(?)自身をさらけ出せるものです。「苦役列車」は、日雇い労働に明け暮れる青年期の貫多の日常が切り取られています。ちらりとやっかみや悪意が頭をかすめてもそれを封じ込めるのがあるべき大人ですが、それをドロドロと吐き出すイタさに、むしろ潔さを感じました。古式ゆかしい文体が、作品世界をいっそう負のオーラで包み込み、匂い立つようなものに仕上げているようです。
★66 - コメント(0) - 2016年11月23日

貫多の清々しいほどのダメ人間ぶり。薄っすらと憧れさえ感じる。大学で一人暮らしを始めたころを思い出したり。 ▼芥川賞ってもっと重厚な感じかなと思っていたけれど、この本はゲスい文章にケラケラ笑える感じでした。他の本も読んでみたい。
★10 - コメント(0) - 2016年11月13日

こういった表現が苦手な人もいるだろうなと思えるほど少し荒々しいところがありますが、それが逆にこの世界観を引き立たせている要因でもあるのではないかと思いました。落ちてしまったレールにどっぷりと浸かると人としての尊厳を無くし、心は荒む。それがまた、悪循環を招き事態はより悪くなる。その苦悩は決してきれいごとでは片づけられないリアルさがありました。
★6 - コメント(0) - 2016年11月13日

中卒の貫多の、今日だけを生きるための、生き方に人間味を感じた。陰口、風俗、金、裏切り、まさに底辺と思われる生き様。劣等感を持ちつつ、でもプライドが高い男は、社会に贖い続ける。
★10 - コメント(0) - 2016年11月8日

★★★☆☆
★3 - コメント(0) - 2016年11月4日

最底辺の生活のリアルさ。友人とその彼女と出掛けで空回りしてる描写がうまくて、その様子がありありと浮かんでくる。すぐ怒るくせに小心者で、本当にしょうもない奴だ……。
★8 - コメント(0) - 2016年10月31日

一般家庭で育った私にはこういう世界があることだけでも新しい発見です。
★7 - コメント(0) - 2016年10月31日

酒飲んで、他人に不愉快なことを言ってしまう失敗。そして、このいやな性質を私も母親も持っている。この本の作者もDNA的な呪縛におびえながらも日常の中で暮らしている。主人公と自分と重なるところがあり、そして同じような、あまり自分とかわらない人間性を見てしまった。ひがみっぽく、だらしなくなってしまう自分は、たまたま毎日出勤するところがあるだけで社会常識性を持ち合わせることができている。それによって、なんとかこの主人公と同じ境遇にはならないで済んでいるだけでないか?そのリアリティがとてもズシンと沁みる。
★7 - コメント(0) - 2016年10月30日

え?これ映画化したの?暗くない?ど底辺の物語だけどなぜか嫌悪感はないんだよね、、、不思議
★4 - コメント(0) - 2016年10月25日

★★★ クズな内容。 自分に当てはなることも所々あり、共感は持てた。
★5 - コメント(0) - 2016年10月21日

読み終えてまず考えた、このタイトルの意味するところ。苦役とは。列車とは。どちらも即物的な意味でなく、比喩と捉えた。私小説であるから、主人公北町貫太は、ほぼ作者西村賢太だろう。西村が貫太に己を重ね、命を吹き込んだのだろう。そのろくでなし人生、僻み根性、被害妄想に誇大言動、私はすこしも共感などしないが、嫌悪と切り捨てることもまたできなかった。他人を求めるのに、上手く距離を取れない不器用さ。彼の出自を考えればこそ、他の生き方ができなかった彼の人生を思う。列車の始発駅を、そして終着駅の有り様を思う。芥川賞受賞。
★171 - コメント(1) - 2016年10月17日

苦役列車の 評価:74 感想・レビュー:838
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