文人悪食 (新潮文庫)

文人悪食 (新潮文庫)
あらすじ・内容
大食、美食、偏食、粗食。名作も傑作も、「食卓」から生れた。

「何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三十七人の文士の食卓それぞれに物語があり、それは作品そのものと深く結びついている。

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文人悪食はこんな本です

文人悪食の感想・レビュー(286)

☆5つ(5つ満点)たいへんにおもしろかった。幕末から明治に生まれたいわゆる文豪たちの食生活を紐解いているのだけど、文豪たち生涯が要約されていて、勝手に抱いていたイメージがひっくり返るような事実がいっぱいあって実に興味深かった。嵐山光三郎ってなぜだか良い印象なかったのだけど、700以上もの文献を参考にしたらしいとあとがきで読んで、恐れ多くも見なおしてしまった笑。石川啄木は借金魔、芥川龍之介は閃輝暗点、川端康成が自殺したのは逗子マリ、太宰治は味の素好き、岡本かの子は旦那以外にヒモふたりと同居とか、おもしろい。
★3 - コメント(0) - 3月14日

著者の語り口が嫌味な感じがしてげんなりとしたが、内容はそれなりに面白かった。
★4 - コメント(0) - 2月14日

萩原朔太郎...前田家士族の娘と結婚していたのか.... 奇人変人...
- コメント(0) - 2月8日

最終章、最終パラグラフの一文が美しく重みのあるもので印象に残った。文壇の食にまつわるエピソードが中心ではあるが、著者の表現力が豊かであり、登場する文豪の人物像がくっきりと浮かんでくる。
- コメント(0) - 1月8日

医者として果物は全て煮たほど衛生に神経質だった森鷗外、実は米嫌いだった山本周五郎、食にうるさいのに食について書くことを嫌った小林秀雄――明治から昭和までの文人たちを「食」の側面から切った一冊。膨大な文献の渉猟から描かれる文人の姿はときに従来のイメージとは違う貌を見せ、また食べるという行為がともなう哀愁さえも漂わせます。正岡子規は凄絶そのもの、石川啄木はとにかく外道、菊池寬はからりと豪快、梶井基次郎はやりきれない。
★5 - コメント(0) - 1月8日

「文豪とアルケミスト」というゲームにハマり、そのキャラクターの人となりが知りたいと思い手に取りました。そんな動機にはぴったりの本です(笑)文豪の食生活をメインに、一人ずつ書かれています。森鴎外先生の饅頭茶漬けは聞いたことがありましたが、理由は初めて知りました…。その他にも文豪と呼ばれるまでの道のりや、人付きあいなど。少しボリュームのある本ですが、気になる文豪のところを読むだけでも面白いはず。昔は今より娯楽が少なかっただろうし、食料不足などもあったからか、食をすごく楽しみにしてる文豪が多かったです。
★4 - コメント(0) - 2016年12月12日

読みながら鰻屋に走った
★2 - コメント(0) - 2016年11月19日

作家はみな、よく食べ、よく飲み、そして当然、よく書いた。37人の「文人」の「食」にまつわるエピソードに注目し、著者独自の視点による分析を織り交ぜながら書かれた一冊。「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう」とは、食通・ブリア=サヴァランの名言として知られる言葉だが、作家の食生活や食に関するこだわりは、それぞれの人間性や作品の特徴と見事に通じている。最近は漫画やゲームなどによる「文豪ものブーム」で賑やかだが、それらの作品で取り上げられる文豪たちも登場。オススメ。
★22 - コメント(7) - 2016年11月4日

inu
陰気陽気どちらにせよ、みんな豪快で面白かった。石川啄木と中原中也には正直関わりたくないなぁと思ってしまった…。出てくる作家のつながりが豪華で圧倒される。本書を読み終わり、作品を読んでみたくなった作家が増えた。
★4 - コメント(0) - 2016年10月26日

「食べる」ということは、人間としての根源的な欲求で、だからこそそこにその人そのものが表れる。文豪と云われる人たちをそんな視点から考察するというユニークで、だが膨大な作業を要したであろう面白い一冊。
★2 - コメント(0) - 2016年8月29日

単行本でも読んで、2回目。この本についてのありきたりな感想はもう置いといて。こんなに破天荒な生き方をした人たちがいたんやから私なんてまだまだだな、と安心します。
★2 - コメント(0) - 2016年8月29日

これだけの人数の作家のエピソードを集めたというだけで頭が下がる。しかしこの人の筆が冴えるのは檀一雄からである。それ以前の作家の話も面白いが、どこか薄い膜に隔てられている。檀以降に取り上げられている作家はみな、嵐山氏本人や身近な人たちが直に話をし、食卓を囲んだ人たちばかりだ。小さなエピソードの切り貼りでありながら、血の通った生きた人間の気配が感じられる。
★3 - コメント(0) - 2016年7月18日

再読。食卓から読み解く文士の人生。以前読んでとても面白かったのですが、内容を忘れつつあるので、もう一度読みました。その食事も個性的ですが、人生も濃い!時代背景や作家同士の繋がり等も興味深いです。しかしまぁ、文章で読む分には面白いけど、関わりたくはない方多数。夜中にゆべし饅頭を食べたくて我慢できない石川啄木に、作ってあげるお母さんも凄いな。
★21 - コメント(0) - 2016年6月24日

漱石・鴎外など、文豪たちの一生を彼らの食べ物の好き嫌いや、こだわっていた食べ方などから論じています。意外な素顔が垣間見えて、なかなか興味深い内容でした。私のような凡人には理解できないほど、どの人の食生活も超々個性的。樋口一葉のエピソードは切なくて印象的でした。
★35 - コメント(0) - 2016年3月15日

生きることは食べること。明治から昭和にかけて生きた文士たちの食にまつわるエピソード、生い立ちを、その著者や家族の残した文献から紐解いていく。変わった癖を持つ人あり、快楽主義的美食家あり、質素な食事を指向する人あり。食べ物にこだわりがあり、健啖家な人が多いのには驚いた。小説を書くということは体力勝負なのだな。偏執的な泉鏡花や、潔癖症の森鴎外、独特のこだわりを持つ内田百閒、食と生に強烈に執着する正岡子規が面白かった。
★64 - コメント(0) - 2016年3月9日

元編集者の御大。700余りの参考文献による、5年がかりの力作。有名処37名の文士(作品は未読ですが…)たちの食癖や横のつながり等も、楽しめた。やっぱ、偉大なる文豪たち、常人離れしておるなぁ~。
★39 - コメント(0) - 2016年1月5日

いわいる文豪の食事にまつわるエピソード集。これを読んでから本を読み始めるのもいいかもしれないなぁ
★3 - コメント(0) - 2015年11月19日

教科書で偉人として知る文士は、私にとって「高尚でむつかしいこと言うおじさん」である。ゆえに近寄りがたく、あまり読んだことがなかった。が、食をとっかかりに解体してみるとどうだろう。漱石は隠れてピーナッツ食べて奥さんに怒られてるし、粗食ぶってる宮沢賢治は一日に玄米4合も食べてるし。貧乏に憧れるボンボンも多いし、借金してまでご馳走を求めるのも一人二人じゃない。浮かび上がる姿は立派じゃないどころか、俗っぽくてしょうもなかったりして。一気に親近感が湧いてきた。(コメント欄に続く)
★43 - コメント(5) - 2015年11月6日

谷崎の悪魔的な健啖ぶりは凄い、師匠の永井荷風も晩年まで洋食やカツ丼を愛した 性愛を描ききるのは体力が要ったことであろう
★31 - コメント(0) - 2015年10月26日

近代文学史を料理でたどる。 文人の食卓はひとすじ縄ではいかない。悪食が体内で濾過されて作品となる。 草食男子のイメージがあった中原中也は酒に関しては意地汚く、宮沢賢治は素封家の出身であることの反感から自虐的な粗食に走った。 親交のあった檀一雄と深沢七郎へのまなざしは郷愁に満ちていて、優しくもあるし鋭くもある。 夏目漱石みたいに「何か喰いたい」と言って死ねるならある意味本望。
★21 - コメント(0) - 2015年9月13日

近代の文豪達を「食」という目線でとらえた一冊。膨大な資料に基づいた文豪の食に関するエピソードや、文学の中の食が興味深い。文体や作者のものの見方が個人的には合わなかったが、読書量及び知識には脱帽。
★3 - コメント(0) - 2015年8月24日

明治以降の三十七人の文人の生涯とその作品を、食にまつわるエピソードに絞り取り上げた本。正岡子規、島崎藤村、与謝野晶子、齋藤茂吉、種田山頭火、石川啄木、萩原朔太郎など、戦前の代表的な詩人/俳人/歌人の紹介(詩/俳句/和歌の引用が結構多い)にセンスを感じる。後半、嵐山の文章には、うまいことをいおうとする比喩が多くなり、それが技巧的すぎて空回り気味に感じるが(胃にもたれる感じ)、内田百閒や坂口安吾などの逸話は、まさに小説よりも奇なりという感じで面白い。
★11 - コメント(0) - 2015年8月13日

人となりを知りすぎると、その人のことがチラついて作品が見にくいってことはありませんか?この本は良い意味でそれでした。。谷崎潤一郎はやはりという内容だが、耐えられない気持ち悪さがあり、宮沢賢治は....。とにかく潔癖な方には勧めにくいので、自分の好きな小説家のところだけ読むと良いと思います。
★2 - コメント(0) - 2015年7月25日

文人たちの食の嗜好から作品を見てみようという斬新なエッセイ集。辛口というか、贔屓目でない視点が痛快で心地好く、一気に読んでしまった。作品だけでなく面白エピソードも多分に紹介されていて、なんだかお得な気分。色々と読みたい本が増えました♪
★5 - コメント(0) - 2015年6月6日

文豪たちの知られざる食事事情。昔の作家ってみんな貧乏で痩せ細って喀血してサナトリウムに入院して、っていう病弱で草食なイメージだけど、実体はとんでもない。大食だったり偏食だったり本当はボンボンなのに小説のためにファッション貧乏やってたり、飲んだり打ったり買ったり、どいつもこいつもどうしようもないダメ人間で笑ってしまいました。清貧の代表格だった啄木と宮沢賢治にすら裏切られるとは思わなかった…。
★26 - コメント(6) - 2015年5月15日

著者の嵐山光三郎氏の近代文学への深い造形と愛が感じられる一冊。作家達の食(生活)を紹介する。江戸川乱歩についての山岡荘八のエピソードが紹介されているが秀逸である。『酔っ払った山岡荘八は芸妓屋で乱歩にからんで、「今夜はここへ泊まれ」と言ったそうだ。すると乱歩の顔色が変わった。時計はすでに午前0時をまわっていた。「これは困った。家へ帰って座らなければならない。」と生真面目な顔で乱歩先生は言われた。つまり一定の時間以後に帰宅されると、その遅刻した分だけ、奥さまの前で正座する約束になっていると言うのであった。』
★14 - コメント(0) - 2015年4月22日

漱石,鴎外,谷崎などなど,名だたる近現代の文豪や詩人たちの食にまつわるエッセイ.簡潔な短い読み切りのなかに,たくさんの面白いエピソードが詰まっていて,すべて実際の人物を扱ったものだけにその調査だけでも大変だったろうと思われる快作.後世に名を残すような人はやっぱりヘンで面白い!各文学作品を読んでいれば,なお味わい深い.
★11 - コメント(2) - 2015年4月6日

面白かった。食と作品って重なる部分があるんだなぁと。「七百余の文献を参考」としたということで、かなり詳しく書いてあります。こだわりはそれぞれなんだな~
★4 - コメント(1) - 2015年3月22日

借り物。お腹が空きます。与謝野晶子が鉄人だったことにびっくり(母親的な意味で)。
★10 - コメント(0) - 2015年3月7日

文士と食べ物に食傷した。
★14 - コメント(0) - 2015年2月25日

G5
- コメント(0) - 2015年2月7日

YO
再読。
- コメント(0) - 2015年1月17日

なんとも興趣をそそられるタイトルである。登場する文人は 漱石、鴎外から池波正太郎、三島由紀夫まで総勢37人のいずれも名だたる小説家、詩人たち。彼らの食べ物の嗜好や食習慣など人間の最も根源的な欲望ともいえる「食」にまつわる興味深いエピソードが満載だが、それだけにはとどまらない。この本のすごいところは、食にまつわるエピソードを紹介しながら彼らの人間性や作品世界の本質にまで鋭く切り込んだ優れた文芸評論にもなっていることだ。大変な労作だと思う。姉妹編の『文人暴食』さらには『文人悪妻』なる作品もいずれ読んでみたい。
★16 - コメント(0) - 2015年1月6日

食から見た近代文学。嵐山氏自身が食と料理に強いこだわりを持つ作家だからこそ、こういう作品を書きうるのだろうが、超人的な読書量がこの作を支えている。深沢七郎のエピソードがいちばんおもしろかった。牛蒡の話が楽しい。日本人は世界でも珍しい牛蒡食民族である。小林秀雄の嫌味なほどの一流好み。池波正太郎の料亭料理嫌い。種田山頭火を評して、「句がなければ、ただのごろつき」は至言である。ああいう破滅型人間が存在しうる時代があったのである。文章が濃密。人間と食、食と文学がどれほど密接なものかを 知るにはうってつけの大傑作!
★47 - コメント(2) - 2014年12月17日

Ted
'97年3月刊。○明治以降の有名な文学作品を生み出した文人たちの生涯と作品を「食」の視点から捉えた評論。軽めのエッセーかと思いきや、考察が奥深くてなかなかの力作であった。取り上げられた者たちのリストを見ると、子規・藤村(とうそん)・山頭火・啄木・朔太郎・梶井基次郎・安吾・中也・太宰と生活破綻者のオンパレードである。どれもこれも熱狂的なファンがいるのだろうが、生前の本人と間近に接したら大いに幻滅すること間違いなしの人たちである。当時、周囲はさぞかし迷惑したであろうと思われる。「岡本かの子」が一番面白かった。
★19 - コメント(0) - 2014年12月9日

あぁ!!面白かった。一番笑ったのは夏目漱石の最後の言葉「何か喰いたい」!!好物は砂糖まぶしのピーナッツ、私と一緒だ。少食で美食家の川端康成、おお飯食いの種田山頭火、37人の文豪達の食欲(偏食)著者があとがきで文士の嗜好を料理で辿ってみれば、今まで漠然と考えてきた作品の別面がみえる。と、書いている。面白いと思う。それにしても参考文献の多いこと、嵐山光三郎さんありがとうございました。
★87 - コメント(5) - 2014年11月24日

食を媒体とした作家の真実の姿を描いた作品だと思います。それは日常のふるまいであり、印象とはかけ離れた文人の姿。三島由紀夫が食通だったならば自決はなかったんじゃないかとか。人間は物食う生き物で、食うことに特徴がないと文人として名前を残せないかも知れないと思わせた。そんなことはないのでしょうが癖のある文人が多い。36人ほどの文人が紹介されてますが、作品を読んだことのある作家も名前しか知らない作家も一日一作家10ページほど少しずつ読めば楽しめます。参考資料の量を見ると大作に思える…よくこんなの書いたな…
★40 - コメント(4) - 2014年11月19日

700冊余りの参考文献をもとに書かれた、37人の作家の食生活。食の好みが合いそうなのは、与謝野晶子、永井荷風、志賀直哉、谷崎潤一郎、小林秀雄でした。一番衝撃的だったのは、「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」を書いた宮沢賢治。典型的なお金持ちのお坊ちゃんとして育ち、高級料亭へ大勢の生徒を連れて行く。50銭のサイダーに10円のチップを払う。芸者に指輪を買い与える。自ら醸造したワインを客に振舞う。質素で素朴な作品は、貧困に憧れた結果つくられたもので、「雨ニモマケズ」は農業改革に失敗した挫折の詩でした。付箋147枚。
★14 - コメント(0) - 2014年11月12日

文人悪食の 評価:94 感想・レビュー:113
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