ピエールとジャン (新潮文庫)

ピエールとジャンの感想・レビュー(32)

仏語。親戚でもないただの両親の友人から舞い込んできた遺産。なぜか兄ピエールは無視して、弟ジャンだけが受取人に。灰色の脳細胞なんて持っていなくとも、ジャンの出生をめぐる謎に気がついてしまう。ずっとすっとぼけている母親の姿がなかなかに恐ろしい。ピエール「と」ジャン、でありピエール、ジャンを「憎む」であり、ピエール「は」ジャンである、という言葉遊び。母親の暗い過去を暴き、ジャンを罵倒し、追放されるように去っていくピエールだけが、母親の過去の過ちにたどり着けるほどに母を愛していた。父親は終始蚊帳の外。
★17 - コメント(0) - 2016年12月24日

兄ピエールが抱える「実体のない孤独や疎外感」は、さながらカフカの描く作品のようだった。家族に、社会に認められたいと願う彼だがしかし、願えば願うほど空転し深みにはまっていく。結果さんざん母親や弟に罵詈雑言を吐き家族というものを振り回した彼が、最後船医として家族の元を去っていくときに、図らずも家族はまとまりあがっていくラストを見ると、結局ピエールは孤独なのだと感じた。
- コメント(0) - 2016年6月9日

小説について、勉強になった。文体にこだわる。
- コメント(0) - 2015年3月16日

振り返れば弟のジャンに嫉妬する人生を送ってきた兄のピエール。医者と法律家として同じスタートに立ったと思ったのに、弟にだけ知人の遺産が転がり込んできた。なぜ弟にだけ?と心は嫉妬にむしばまれ、ついには愛する母親まで疑い・・と、幸運が転がり込んだはずの家族の関係がおかしくなってしまう。終盤、母と兄の気詰まりな苦悩の感情を追うだけで泣けてきて、言えば地味なのに情景といい心理といい不思議といいよなあ、なんて思っていたら、モーパッサンをあまり好きでなかった漱石もこれだけは名作だと激賞していたそうで、ほんとですかー!
★15 - コメント(0) - 2013年4月6日

感動した。
- コメント(0) - 2012年8月5日

他人に対しての嫉妬なら理解できるが、身内兄弟に 対してのそれは現代っ子感覚からすればちょっと理解しづらい 自分と一心同体とみなし喜怒哀楽を共有して普通だと思う。兄のピエールはまるで日本の戦国武将の息子兄弟と同じような感覚を身につけてるような気さえする。巻頭の「小説について」という題目で作者モーパッサンは登場人物は作者の化身となって出てくる場合もあると述べてるがひょっとしたら こうしたやりきれない経験をしたのだろうか、でも秀作だと思う またこの作家の本を読んでみたいと思う
- コメント(0) - 2011年7月11日

同じモーパッサンでも心理描写の殆どなかった「テリエ館」と違い、複数の関係者の思惑が交錯。こういうスタイルのほうが全然読みやすい。大小の運命のいたずらや小道具の使い方の配置なんか、実に巧み。 個人的には、皆さん結構イイ性格してるので、夫婦間・兄弟間の桎梏や確執なんかをもっと書き込んだ長編にしてほしいところだけど、1エピソードで回してるから、このくらいの分量がスマートにまとまるところなのかなあ。 ラストに関係者が船医の薬棚の前に集まったときにはよもやここで大波乱・・・?と心配(期待?)してしまった。
- コメント(0) - 2011年6月2日

あることをきっかけに“家族”が徐々に崩壊していくのだけれども、外部からはそれが一切わからない。そして父親もおそらく永久にそれに気が付かない。潜在的な兄弟同士の確執は、兄弟ならば誰にでもあるだろうけど、故に気が付かなければ良かっただろう事に気がついてしまったのだろうよね。これはなんか上手く兄弟の上と下の様態を書き分けてあるなぁ…と思う。
★1 - コメント(0) - 2010年2月3日

登録前に読了
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