博物誌 (新潮文庫)

博物誌 (新潮文庫)
あらすじ・内容
朝早くとび起きて、頭はすがすがしく、気持は澄み、からだも夏の衣装のように軽やかな時だけ、彼は出かける。――彼は最も鋭い観察者である。愛情のこもった眼を、彼を取巻く自然に注ぎこみ、最も簡明な文体にその愛を凝縮させる。本書はわが国の俳文を思わせる軽妙な短文に、作者の純粋な生活の讃美、高邁で孤高な魂の哀しい表情を写し出した特異な作品である。(挿絵はボナール)

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博物誌はこんな本です

博物誌はこんな本です

博物誌の感想・レビュー(183)

とても良かった。動物・鳥・虫・植物…多くの生き物について、ほんの一言や数ページの短編で語っている。『にんじん』を読んだ時も思ったが、言い過ぎない巧みな言葉遣い、文章の縮め方が内容のストイックさと合っている。
★15 - コメント(3) - 2月20日

簡潔ながら、動植物への観察力とそこから生まれた軽いユーモアを含んだ短編散文集。短いものでは数行、1行のものも。起承転結はなく、特にオチもなく終わるものが多い。位置付けとしては詩に分類されるのだろうか。深読みをする必要がなく、文を素直に受け止めれば良いので、軽い気持ちで読むことが出来る。がっつり読書をしたい場合にはあまり向かない作品。寝る前に数篇ずつゆっくりと読んでいくのが良さそうだ。
★10 - コメント(0) - 2016年11月17日

小学校の読書感想文で「にんじん」を読んで以来のルナール作品。「二つ折りの恋文が、花の番地を捜している」➡なるほど、これは蝶ですね。「蛇、長すぎる。」➡うん、確かに; あっさりした散文集ですが、フランスの画家ピエール・ボナールの挿絵をじっと眺めていると、文豪ルナールが童話を生み出す瞬間がスケッチされているように見えます。「どれ、帰る時刻だ。既に消え果てた道を辿って、私は村へ戻る。村の名はその村だけが知っている。つつましい百姓たちがそこに住んでいて、誰一人彼らを訪れて来るものはない――この私よりほかには。」
★60 - コメント(3) - 2016年10月9日

岩波版と読み比べた。私はこっちの方が好きだな。ボナールの挿絵も味わい深い。実はボナールの絵は少ししか知らなくて特別な思いも持っていなかったのだが、この挿絵はしみじみいい感じ。
- コメント(0) - 2016年10月7日

動物たちを独特の観察眼を通して表現している。同じ動物を見てもこうも美しく愉快には表現できない。蚤を「ばね仕掛けの煙草の粉」と一行だけで表す。
- コメント(0) - 2016年9月14日

図書館本。ルナールと言えば『にんじん』のイメージが圧倒的に強かったけれど、このような自然・身近な生き物を観察して日記にしているスタイルが面白い。とても沢山の生き物たちが登場している。フランスの国鳥・雄鶏はフランス出身の著者にははずせない存在なのだろう。印象的だったのは後半の『鷓鴣』~『樹々の一家』。鷓鴣と農夫の互いの距離。ホメロスの言葉を借りるなど哲学的にも感じてしまう。ボナールの手掛ける挿絵も華を添えている出来映え♬
★100 - コメント(0) - 2016年9月2日

生き物たち~家畜として触れる羊や牛や鶏、昆虫や蛇、川の鳥たち~を、独特の目線で語っている。彼の描いたスケッチのような絵と共に。きっと何時間も庭で過ごした人なのだ。生き物たちを、彼らの視点で、一つの生き物が別の生き物を見るように、庭に何時間もいて、観察し、空想し、語りかけていたのだろう。優しいだけでなく、狩りで対峙するシャコについての語りなど冷徹さをも含むが、死にゆく生き物たちへの共感はあっても、憐みはほとんどない。自然と共に暮らすことは、その残酷さをも理解し体得することなのだと思わされた。
★125 - コメント(3) - 2016年8月20日

まだ読み終わってないけど。どんな活字嫌いでも、部分的になら、この本いけるぞ。俳句より短い項目すらあり。こんなんで金稼げるの、作家、むかつく(笑)。絵本を読み聞かせする親子にもおすすめ。蝶と蛇のところ読んだよ、あずささん。フフ (*´艸`)。
★143 - コメント(7) - 2016年8月16日

「にんじん」の著者、 ジュール・ルナールによるエッセイ風「博物誌」 「あとがき」には「70項目から成っている…」と記されているが、目次を何度数えても、68項目なのだが… しかし、「あとがき」の解説よりも2項目少なかろうが、例え多かろうが素晴らしい「博物誌」だった、 余談だが「犬」の名前がポアンチュウ、ポケモンに出て来そうな名前だ(^_^;)
★2 - コメント(0) - 2016年7月25日

『にんじん』で有名なルナールがフランスの田園の生物を、彼一流の軽妙な文体で表現していく。例えば、蛇は「長すぎる」。これはちょっと極端すぎるが、蝶の「二つ折りの恋文が、花の番地を捜している」は詩的で機知に富んで、美しい表現だと思った。表現が辛辣になることもあるが、根底にはルナールの小さな生き物たちに対する愛情が感じられて、読んでいて心が和んだ。ボナールによる挿絵も素晴らしく、一見の価値がある。
★121 - コメント(0) - 2016年6月17日

ネットで「蝶」の一文を知り読みたくなった。「二つ折りの恋文が、花の番地を捜している」そして、読み終わり文庫ではなく、ちゃんとした本で買えば良かったと後悔している。何故なら、必ず再読したくなるだろうから… 読み終わって、ここに感想を書いていると、雨が降りだした。私の心に雨が応えてくれた…
★2 - コメント(0) - 2016年5月30日

こういう短篇の積み上げは、海外文学ではブローディガンの『アメリカの鱒釣り』を除いては寡聞にして知らない 解説で俳文のようだとあったが、鋭い指摘だと思われた
★20 - コメント(0) - 2016年4月25日

「蛇」 長すぎる この文章力を身に付けたいと思わせた中1夏休みの課題図書。 改めて読んで、やはり身に付けたいと思った。
★2 - コメント(0) - 2016年4月23日

鳥のいない鳥籠が良かった。
★3 - コメント(0) - 2016年4月20日

再読
★2 - コメント(0) - 2015年5月10日

作者の身近な動物への観察日記みたいな感じです。 ただの観察ではなく 作者の想像力と生き物に対する何らかの精神が感じられます。 さし絵も いい感じです。 「へえ~ こんな ものの捉え方するんだ~」
★4 - コメント(0) - 2015年3月6日

嫁を探す孔雀、恩返しをしようとする蟻、大概な扱いを受ける蛇やあぶら虫…ルナールが見て、語るいきものはどれも愛らしい。
★3 - コメント(0) - 2015年2月28日

ルナールがフランス人だということを、私は暫く知らなかった。筆者のプロフィールよりも著書の中身に夢中になっていたから。したがって、しばしば筆者の背景について驚くことや得心することがあるのだが、ルナールについては前者だった。フランス文学はロマンチックで豪奢でスノッブという型にはまったイメージと、ルナールの簡潔な表現がつながらなかったのだ。ルナールは俳人だ。さっぱりしており、選ぶ言葉とその連なりで、情景や姿形を惹起する。コンパクトという魅力に溢れている。手のひらに、すっぽり収まる世界の姿。趣深い。
★10 - コメント(0) - 2015年2月9日

【BOOK(2014)-205】!!!!!
- コメント(0) - 2014年10月13日

2014.10.5 読了。今まで読んだことのない感触。梨木果歩に似ているような気もするが、全く違う。適当な言葉が思いつかない。何気ない文章なのに、なぜかこの感触が強く記憶に残る。常に手元において時折読み返したいと思える作品。そのうち適当な言葉も見つけたい。挿絵もいい味出してます。
★16 - コメント(0) - 2014年10月5日

こういう短編、ショートショート的な話は感性が強く出ますね。面白いです。ルナールは鳥が好きなのでしょうか。対象への観察と洞察が特に良いです。ところで、芥川龍之介の『青蛙おのれもペンキぬりたてか』が、この中の青トカゲの項から来たものだと読んだ記憶があるのですが、この本には青トカゲが出ていませんよね?他の出版社のものに載っている?岩波版かしら?
★2 - コメント(0) - 2014年9月30日

「蝶」と「蛇」は教材か何かで読んだことがあったけれど、全編通して読んだのは初めて。身の回りの自然に向けられた愛情のこもった観察眼。68もある項目も一気に読めた。
★1 - コメント(0) - 2014年9月1日

こういうのってどう読めばいいのか分からない。それぞれの動物、虫、植物に合った(自分にもしっくりくる)表現もあれば、なるほどそういう見方をするのか、というものもあった。一見連続性がなさそうにみえて、(特に後半部分は)ある一貫性のようなものを内包しているように思われた。〈蛇足〉宮沢賢治の作品も、違った意味でどう読めばいいか分からない。むずかしい。C
★5 - コメント(0) - 2014年7月9日

タイトルからもっと固いものを想像していただけにこの軽やかさは眼から鱗が落ちた。『なぜ古典を読むのか』にも紹介されていたと思うので、そちらも改めて再読したい。教養のまなざしを育ててくれる一冊。
★8 - コメント(0) - 2014年6月28日

猟人の瞳がとらえた命の世界。それは私達が思っているよりもずっと色鮮やかで奥深い、生き物たちの喝采そのもの。私たちはこんなにも勝手気ままで心豊かな素晴らしき存在達と同居している。
★4 - コメント(0) - 2014年4月25日

鳩:彼らは、嘴の先で子供が作れるものと頑固に思い込んでいる。牡牛:一声もの憂げに吼えては、その声にじっと耳を澄ます。山羊:その臭いが、彼より先ににおって来る。蜻蛉:彼女は眼病の養生をしている。猟期終わる:私は村へ戻る。村の名はその村だけが知っている。樹々の一家:私は、彼らこそ自分の本当の家族でなければならぬという気がする。 「どうだ巧いだろ?」っていう賢しさをぎりぎり免れて真実に触れてるみたいな、そんなのがいっぱいあって、楽しい。
★7 - コメント(0) - 2014年3月18日

絵本感覚で読める楽しい本でした。自分もこんなふうに自然を見ていきたいと思いました。
★1 - コメント(0) - 2014年3月12日

動物や昆虫を擬人化表現で綴ったルナールの小品集。愛着ある生物へ向けた著者の観察眼が冴え渡っている。詩人で劇作家も兼ねていた経歴から滑稽さが全面に出る話から、一文で終わるものもあって形態は自由な本だ。以前、仏語専攻の友人から「仏語は物にも性別区別があり、それに合わせて他の言葉も変化する」と教えてもらったことがある。物を人に見立てて冗談で笑い合う洋画を観て「日本人には、あまり無いお洒落な汲み取り方をするものだな」と感心していたが、その要素が沢山詰まっている。馴染み薄い言語感覚の差やフランス語の良さを味わえた。
★18 - コメント(0) - 2014年3月5日

好き嫌いは分かれるようだけど僕にはとても面白かった!68項目もの鳥や魚、動物や昆虫をそれぞれ独自のユーモアあふれる観察眼で織り成す文章は、日記のようでもあり散文詩のようでもある。フランス語の女性名詞、男性名詞にあわせて彼、彼女という三人称で書かれてるのが擬人的な効果も伴っていて楽しかった。またロバが大人になった兎だとか、蛇なんか”長すぎる。”の1言だけで終わってたり、蝶は”二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。”なんてロマンティックな表現もあって、ルナールの他作品にも翻訳された岸田氏にも興味が湧いた。
★119 - コメント(3) - 2014年2月14日

通い慣れた散歩道も目を凝らして見れば生き物が彼方此方で物語を紡いでいる。本を置き、ふと庭先に目を遣る。尾長が地面を突くと、「痛んでしまうじゃないか」と芝が文句を付ける。紙から立ち昇る物語が、我々の身近に映し出される。
★2 - コメント(0) - 2013年11月9日

それぞれに合った雰囲気を醸し出す比喩。何気なく、もしくは嫌悪感をもって見ていたようなものたちが、作者の手にかかった途端に感情のあるおもしろいものに思えてくる。
★4 - コメント(2) - 2013年10月23日

それぞれの生物の観察記、というのとはちがう。生物をモチーフにした小編小説、というのとも違う気がする。ちょっとしたユーモアと、訳文の端正さ。そのくらいしか感じ取れなかった。合わなかったわね。
★3 - コメント(1) - 2013年8月14日

フランスの詩人が身近な生物たちを主題にした詩集。おそらくは19世紀後半の牧歌的な生き物の姿や仕草をウィットに飛んだ美しい詩なのだろう、と思うのだが、悲しいかな文学的教養を欠いた者には「豚に真珠」でした…
★1 - コメント(0) - 2013年7月22日

日経新聞で北村薫さんが「蛇」を紹介していたのを読み、気になって借りました。なかなか想像力豊かというか、興味深い本ですね。???という描写もありましたが…
★4 - コメント(0) - 2013年6月29日

子供の作文練習問題で使われている「蛇」を見て、興味を持ったので購入。詩のようなものかと思ってましたが、「詩のような観察文」とでも言えばよいでしょうか。一番印象に残ったのは「孔雀」かなぁ。「蚯蚓・ミミズ」も好きだなぁ。。とにかく訳が素晴らしい!フランス語でもこのような独特の雰囲気を持っているのか、是非知りたい。
★16 - コメント(0) - 2013年6月11日

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素晴らしい訳文で、味のある挿絵!嗚呼これで仏語の原文が読めたら、どんなに素敵だろう!と思わずにはいられない、みずみずしく美しい作品。
★10 - コメント(0) - 2013年6月11日

「蝶――二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。」に小1の娘が「すてき♡」を連発。
★9 - コメント(1) - 2013年3月8日

楽しい文章ですね。「蝙蝠」が好きかな。
★5 - コメント(0) - 2013年3月1日

暮しの手帖あたりに載ってても違和感ない文章。
★3 - コメント(0) - 2013年2月28日

博物誌の 評価:90 感想・レビュー:65
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