ダブリナーズ (新潮文庫)

ダブリナーズ (新潮文庫)
あらすじ・内容
海外名作新訳コレクション。『ダブリン市民』が生まれ変わった! 『フィネガンズ・ウェイク』の訳者による画期的新訳。

アイルランドの首都ダブリン、この地に生れた世界的作家ジョイスが、「半身不随もしくは中風」と呼んだ20世紀初頭の都市。その「魂」を、恋心と性欲の芽生える少年、酒びたりの父親、下宿屋のやり手女将など、そこに住まうダブリナーたちを通して描いた15編。最後の大作『フィネガンズ・ウェイク』の訳者が、そこからこの各編を逆照射して日本語にした画期的新訳。『ダブリン市民』改題。

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ダブリナーズはこんな本です

ダブリナーズの感想・レビュー(329)

なかなか読みづらくてはじめは辛くかんじた。聴覚的な小説だとは感じたけれど、駄洒落っぽい多重性に気づくには翻訳では無理があるのかも。静けさや騒がしさの対比のある場面が多くて、美しかったり馬鹿らしかったり。酒に合う。
★1 - コメント(0) - 2月27日

ダブリンを舞台にした短編集。 相性が悪いのか、それともそういう類のものなのか分からないが、内容が頭に入ってこず、ふわふわと漂うように読んだが、それでも訳者こだわりの奏でられた雰囲気は楽しめた
★1 - コメント(0) - 2月20日

Ray
読み始めてすぐに連想したのはヘミングウェイの短編集『われらの時代』。どうやら実際に影響を与えたとも言われているようだ。巻頭作の『姉妹』の書き出しのユニークさにガツンとやられた。「あの人は今度こそ助からない。」
★2 - コメント(1) - 2016年11月26日

ダブリンの市井の人々の人生の一コマをおよそ感情移入なしに淡々と描く短篇集。率直に言って、私はこの系統に向いていない。何かわかるかもと思って読んだ解説の内容すら肌に合わないと感じたので、とことん相性が悪いらしい。ユリシーズは読めそうもない、先に読もうとしなくてよかった
★2 - コメント(0) - 2016年9月17日

全体を覆う鬱屈した気分。きっと、当時自治権のないアイルランドの首都ダブリンの貧しい人々の気分。それは男を無気力にさせるか(出会い)息子にも鬱憤を晴らす男にしてしまう(写し)。その世界に余り入り込めなかったけれど、三つの話が心に響いた。身近な者の初めての死。死の即物的な有り様への戸惑いと悲しみが形にならないもどかしさを感じる少年(姉妹)。情欲から嫉妬へそしてそうっと妻の傍らで横になる夫(死せるものたち)。貧しくとも居場所のある幸せを持ちこたえようとする人たち。蠟燭の光が部屋を照らしているかのよう(土くれ)。
★33 - コメント(4) - 2016年8月20日

ジョイス初期の短編集で,昔は地味な印象しかなかった.が,改めて読むととても詩的な散文で美しい.20世紀初頭のダブリンに生きる中産階級の人々の姿には,その土地と時代の固有の空気と,多くの人が共有できる人生の悲哀が込められているように思う.翻訳もたいへん自然で読みやすい.ロマンスと孤独を音楽と沈黙で対比させた「痛ましい事故」A painful caseが気に入って読み返している.
★1 - コメント(0) - 2016年6月12日

ダブリンに住むさまざまな市民の生活を描いた短編集。内容そのものというより、登場人物が行く店や道などが、歩いた順番通りにびっくりするぐらい細かく書かれていて、作者がどれだけ長くダブリンに住んでいてその土地を愛しているかが伝わってくる。実際ダブリンへ行ってみて(というよりダブリンへ行くためにこれを読み始めたのだが)1つ1つ出てくる場面を検証してみたら、現在のダブリンもこのダブリナーズ発刊当時からほとんど土地柄が変わっていなかったので一々楽しかった。ダブリンに行く人はこれを読んでから行くと楽しさが増すよ。
- コメント(0) - 2016年5月7日

ドイツ文学を中心に読んでいた者としては新しい感覚。視点があまりにも内面的な点にばかり気になってしまい、各々の人物にまでうまく理解が至らなかった。まだ理解できるには遠い。
★1 - コメント(0) - 2016年5月5日

「ダブリナーズ」は「ダブリンに住んでいる人々」ではなく「ダブリンという人生を生きる人々」だと思った。灰色の街を生きる、脆く儚い人間。その憂鬱が魅力的なのだ。「ユリシーズ」で早々に挫折した私もこれは読破できた。
★4 - コメント(0) - 2016年4月14日

ダブリンの人々の様々な一面を描いた短編集。表紙のように、全体に陰鬱な雰囲気が漂っている。青空の下で行われる豪華なカーレースでさえも。しかし、暗くはないのだ。死を描いていても、死者は彼らと共にある。各短編の前にあるダブリンの写真が街や人への理解を深める。 「出会い」が一番好き。少年の強がりと心細さと、ホッとする気持ちは、万国共通だとしても、この響いてくる感じがジョイスなのかもしれない。英文を読んでから和訳を読んだ。
★108 - コメント(3) - 2016年4月1日

ダブリン市民の写真集。客観と主観の区別なく、流れるように進んでいく。「」がないのが特徴かな。音楽を聴くが如くの読書体験。新鮮でした。
★7 - コメント(0) - 2015年10月31日

緻密で繊細な描写に感嘆しつつ、これがジョイスかあと楽しく読んだ。中でも、登場人物たちの自我の疼きのようなもの、そしてそれがもたらす拭えぬ苦味がとてもいい。おそらく何重にも意味があるテキストは何度も読まなくては解読できないのだろう。
- コメント(0) - 2015年9月11日

暗くじめっとした独白、「ポーヒョン!」酒場のノリ、あるいはワカモノの享楽はヌーヴェルぽくもあり、といずれもモノクロームの映像で脳内補完しつつ読む。読み進めるごとに濃い死の匂いが体に沁みついてくるよう。静かで淡々としているようで、意外なまでにエモいのが好き。
★5 - コメント(1) - 2015年4月25日

「出会い」の変態オヤジ、「母親」のクレーマー・ステージママといったダメ人間。心情は理解できるけどそこまで実行したらアウトという連中。「写し」の暴力的バートルビー・ファリントン、「小さな雲」の成功者をうらやむチャンドラー。だけど「痛ましい事故」のダフィー氏の孤独感、そして「死せるものたち」のラスト3頁の魂の昇華。「一人、また一人と、皆が影になっていくのだ。」(375頁)人生においてすれ違って行く人々は背景に過ぎないが、意識に絡みとられた瞬間、影となって影響を与える。執達吏と書いて「ひったくり」は見事!
★27 - コメント(0) - 2015年4月19日

★★★☆☆ 新訳を見つけたので再読。ちょうどいま読みたい空気に満ちていた。
- コメント(0) - 2015年3月18日

『ダブリン市民』というタイトルで何十年も敬遠してきたが、素晴らしいタイトルに生まれ変わった改訂版短篇集。一話単位で読むと、ごく普通の人々の様子がドライな文体で日記風に活写されており、物語としては成立していない。「けっきょく何だったの?」とツッコミを入れたくなる。普通なら積ん読本になる。しかし、本書には強烈に引きこまれる心地良い異国情緒が溢れており、年代物のワインかブランデーの如く豊潤な味わいがある。一篇ごとに一枚の写真が入っており、これがまたいつまでも眺めていたくなるノスタルジーと詩情に溢れている。
★1 - コメント(0) - 2015年3月12日

さながら牢獄みたいな小宇宙。されど宇宙。
★2 - コメント(0) - 2015年2月10日

十五篇収録のジョイス短篇集。独立前のアイルランドダブリンを舞台に、普通の人々の人生の場面が描かれている。話は表面上は静かなものが多い。しかし多くの場合に、登場人物の内面では大きな動きが起きている。彼ら彼女らがおそらく生涯思い返し続けるだろう瞬間が捉えられている。それが見事だった。個人的ベストは「死せるものたち」。柳瀬尚紀による訳はリズムがよく気に入った。ただ訳注も話の内容の解説もないのは辛い。その点、結城英雄訳の岩波文庫版の「解題」を読むと参考になる(こっちはいろいろ深読みしすぎではと思ってしまったが)。
★23 - コメント(1) - 2015年1月17日

気になってた新潮の海外文学の一つ。訳も良いし文学の表現の内容など正統な感じで好きでもあるのだが、そこまで新鮮さは味わえず。この中の一番の長編の最後の話が一番良かった。冬に読んだのも手伝って、解説にあるとおりまさに音楽的な詩的な体験。これはなかなか代え難い感じがした。
★2 - コメント(0) - 2015年1月2日

書籍は読み手に委ねるべきだと強く思わせられる
★1 - コメント(0) - 2014年11月11日

いつぞやの「ほんのまくらフェア」で購入した一冊です。ダブリンに住む人々“ダブリナーズ”の悲喜こもごもを描いた全15編の短編集。老若男女、貧富に関係無くいろんな市民にスポットが当てられていて、当時の生活の一端が垣間見えるようで面白かったです。改題してこのタイトルになったそうですが、個人的には邦題の一つ『ダブリンの人びと』の方が良かったのではないかしら?と思ったり。ストーリーよりも「てへっ!てへっ」「ポーヒョン!」といったコミカルな響きをもつ言葉の方が印象に残りました。
★61 - コメント(0) - 2014年10月30日

物語としては決して面白くはないけど、読んでいて楽しくなれる類いの作品の1つ。なぜって、ダブリンに滞在して、ダブリン市民の生活を垣間みれた気分になれたから。思わず、都内のおいしそうなアイリッシュ・パブを検索してしまった。
★3 - コメント(0) - 2014年9月13日

ジェイムズ・ジョイス「ダブリナーズ」読了。普通「ダブリン市民」というタイトルで知られるダブリンが舞台の15編の作品集。2、3心に残る話もありましたが、ストーリーは格別面白いわけでない。アイルランドの人情と自然に触れられればと思っていましたが、そこもさほど感じられず。「死せるものたち」という作品はジョン・ヒューストン監督が映画化しているそうですが、映像ならアイルランドの凍てつく寒さが見えるでしょうから、そっちは見たいと思いました。ジョイス20代前半の作だって。ほー。〈32〉
★3 - コメント(0) - 2014年6月19日

岩波版やちくま版とはかけ離れた,柳瀬ワールド全開のオリジナル文学。他の2つにあるような15編の短編への解題すらない。ユリシーズやフィネガンズ・ウェイクを訳した時の思いや,この短編集に仕掛けられたジョイスの謎かけを紹介することが楽しくて愉しくてしょうがない様子。作者や訳者の思いが伝わらなければ,読書の甲斐もないし。英語の文章をまた幾つか読んでみよう。
★33 - コメント(3) - 2014年2月16日

中篇「死せるものたち」がとにかく素晴らしい。牧歌的でハートフルな描写が続く前半のパーティ場面から一転、宴の後ホテルに戻った主人公夫妻を描く場面では、張りつめた緊張感が漂う。この転調のキーとなるのは、生者の世界の背後に潜む死者の影。パーテイの終盤、階段の途中で立ち止まり、ピアノの旋律に耳を傾ける主人公の妻は、生者と死者の仲介人となるのである。
★1 - コメント(0) - 2013年12月10日

初めて大学時代に英語で読まされて、なんて面白いんだろう、この全体に漂う薄曇りな感じ好き、と思った。何度目かの再読、いまや日本語なのにベッドに入って10分くらいで目を閉じ、いくつか挫折した話も…。エヴリンだけは昔の印象のまま胸に迫る。過去や日常や頼りくる人を捨て去ること、運命のタイミングについて。
★2 - コメント(0) - 2013年12月7日

民謡的な素朴さに溢れているでも、大都会の繁栄を謳歌するでもなく、理想主義的変革への展望は卑屈にくすむ、そんなアイルランドはダブリンに生きる人々の、嘆息に満ちた日常を描いた作品。アイルランドの宗教や文化、大英帝国との対立との歴史などとの関係性を考えながら作品を読もうと思う者としてはやや解説が物足りない気がしないでもない。しかしそういった作品の背景やジョイスの文学的手法に関する知識等を抜きにしても単純に読み物しての面白みに満ちていたと思う。特に酒と音楽の描写は最高。
★3 - コメント(0) - 2013年10月15日

ジェームズ・ジョイス32歳の時に出版された短編集。とりあえずはスタウトがなければ何も始まらない。あとはちょいとばかり上等なウィスキーがあれば大いに結構、近所のヤツらや英国王の噂話で盛り上がる。そんな楽しそうな会合の影に寄り添うようにどこか鬱屈した空気が漂うダブリンの街角の情景が見事に切り取られている。中でも、プラトニックな不倫の悲劇を描いた『痛ましい事故』は異色の恋愛ものとして強い印象を残したし、群像劇から徐々に一人の男性心理にフォーカスしていく描写が秀逸なエンディングの『死せるものたち』も素晴らしい。
★16 - コメント(0) - 2013年9月15日

『アラビー』に惹かれた。音が重要な役割を担っている短いお話。アラビーで絞め作業中の男二人が「銀貨や銅貨」を鳴らすところや、「二つの一ペンス銅貨をチヤリン」と鳴らして無言のまま行うところ、それら音による貧困の表出が悲しかった。
★3 - コメント(0) - 2013年8月9日

【『ダブリン市民』】ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』統治論とは旧約詩篇において説かれるも従来は古典的定義を免れない。それに対し『ダブリン市民』は新約聖書観点=モダニズム芸術論を継承した意味で正しく、言葉遊び=諧謔性を許可-つまり古典プロットを崩壊させるのではなく保守することでの安全性を確証する。ポストモダニズム幻想に取り入られる以前にジョイスは神話方法論を確立、古代ユダヤ教システムを崩壊させる準備事項をこの書から鑑みることが可能ともなり《T.S.エリオット》=《古典主義批判》を反証させる素材集合体意味。
★30 - コメント(0) - 2013年7月16日

ジョイスを読んでみたくて手にとった一冊。「ユリシーズ」に手を出す勇気はまだ無くて。登場人物の心情にずいずいと引き込む書き方は、きっと英語で読んだらもっと強烈なんだろうな。「死せるものたち」「下宿屋」「出会い」が好きだったかな。
★2 - コメント(0) - 2013年5月31日

はじめ、国語の教科書に載っている有名な短編小説的つまらなさを想像したけど結構面白く読めた。しかし「小さな雲」「痛ましい事故」みたいな情けなくて自意識過剰な感じにばかり共感してしまうのもそろそろ辞めたい。
★1 - コメント(0) - 2013年4月30日

B 鬱々たるダブリンに棲まう人びとの日常を文学作品に昇華させた短編集。リアリズムを追求した静謐な短篇からは、生活の襞とも言える、人びとの感情の起伏を味わうことができる。基本的には失恋と恨み辛み、金と酒の話なので、単純に楽しめば良い。映画のショットのような場面の切り替えを楽しめる「死せるものたち」ほか、「下宿屋」「土くれ」「痛ましい事故」あたりが好み。本書から、都市を主人公とする「サーガ」がアンダソン、フォークナーへ、作品の背後にも物語を忍ばせる手法がヘミングウェイへ受け継がれたことがわかる。柳瀬訳は初読。
★22 - コメント(0) - 2013年1月7日

「アイルランドの首都ダブリン、この地に生れた世界的作家ジョイスが、「半身不随もしくは中風」と呼んだ20世紀初頭の都市。その「魂」を、恋心と性欲の芽生える少年、酒びたりの父親、下宿屋のやり手女将など、そこに住まうダブリナーたちを通して描いた15編。」(裏表紙)
- コメント(0) - 2012年12月20日

原書と柳瀬訳と高松訳を織り交ぜながら読了。15篇の短編でダブリンに住む人々を描くことを通して、麻痺に侵された都市としてのダブリンを描いています。どの物語にも小さなとげが含まれていて、どのとげが痛いと感じるかは人それぞれだと思いますが、ひとつくらいはぐさりとくるものが見つかると思います。僕は「小さな雲」と「死せるものたち」でした。それにしてもなぜ新潮文庫版は脚注を載せなかったのだろう。脚注がないと意味不明な箇所がかなり多く、楽しめない原因になると思うので、他の版を参照しながら読んだほうがいいかもしれません。
★12 - コメント(0) - 2012年10月22日

土くれの意地悪さ
- コメント(0) - 2012年9月21日

ダブリナーズの 評価:56 感想・レビュー:94
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