呪いの時代

呪いの時代
あらすじ・内容
すべては自らにかけた「呪い」から始まった――まっとうな知性の使い方とは。

政治家の失言、ネット上の罵詈雑言、就活や婚活の壁……他人を呪うことは、自らを呪うこと。「ほんとうの私」なんてどこを探してもいない。ぱっとしない「自分」だけど、そろそろ受け容れて、もっと自分を愛そう。そして、他人にも祝福の言葉を贈ろう。時代に蔓延する「呪い」を解く智恵を語る、ウチダタツル的・新“贈与論”。

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呪いの時代はこんな本です

呪いの時代の感想・レビュー(734)

『呪いの時代』とは何と空恐ろしい題名だ、と思うでしょうが、内容はオカルトチックなものではなく、人間が人間として生きるためには何が必要なのだろうか、という現在を見つめ直す術が書かれたものです。難しくてよくわからない部分もありますが、私みたいな人にも読める様に書かれていると思いました。呪いの発現は自分自身の否定からなのではないか。人は人と関わりながら生きているが、それを否定しては生きていけない。脊髄反射的でなく受け入れ認め発信して創造する。対人関係は大抵これで丸く収まります。世界とて違いは大差ないはずです。
★9 - コメント(1) - 1月23日

第5章「適職イデオロギー」が目からウロコ。「就職情報産業にとって、『適職イデオロギー』を深く内面化した若者たちはいわばエンドレスの顧客です。「私だけのための天職」がこの世にあると信じてしまった若者は、もう決して一箇所に留まることができません。」(P109) 社会人としてまだ日が浅い私のまわりには、(自分を含め)思い描いていたクリエイティブな仕事と現実の地道な仕事とのギャップに苦しめられ、こんなハズではなかったと落胆する人々が多くいる。そんなときに読めたのはとても幸運だった。
★1 - コメント(0) - 1月8日

★★★☆☆ 興味深いキーワードが沢山出てくるので一回読んだだけでは頭が追っ付かない。「呪い」と「祝福」「ほんとうの私」妄想。自分を弱く見せることで有利な状況になるのを期待する「草食系男子」や「クレーマー」。荒ぶる神、日本の原子力発電。呪詛は人びとを苦しめ、分断しているし、贈与は今も人びとを励まし、結び付けている。呪詛の効果を抑制し、贈与を活性化すること。とする「贈与論」。ただ、わかった気になりそうで怖い。でも自分の頭で考えようとすると頭爆発しそうになるわ(笑)
★4 - コメント(0) - 2016年10月7日

これは良かった。 優しさが底辺にある。 ちょっと内田樹さんが好きになった。前は冷たい人だなと思ったけど。
★1 - コメント(0) - 2016年9月7日

数値化できぬものにこそ生き残るヒントが。「就活と婚活」についての話が一番印象に残った。多分また読む。
★1 - コメント(0) - 2016年8月23日

示唆に富む主張。すべてを受け入れられるわけではないが、「そうだよな」という点も多い。自分について再考すべき点もあった。
- コメント(0) - 2016年6月29日

現代を呪いと祝福の視点から考察した本。ネットでの誹謗中傷、自分でないだれかがやったと主張する犯罪者。六条御息所のように、心がリアルな自分を離れると呪いは生まれる。現代は確かに呪いの時代だ。更に素敵な自分がいるはずという幻想は、自己からの乖離を助長する。自己は分裂していて当たり前だ。いい面も悪い面も認め受け入れ、時間をかけて付き合っていくことこそ祝福。日本古来の祝福の思想は個人にも国家にももっと活用できる。日々の問題にも取り組みながら、理想も掲げられる、そういう新しい主義が今必要だと感じた。
★5 - コメント(0) - 2016年3月5日

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人の力を越えた存在や、それを祀る儀式が必要なのは、人が謙虚であるため。力の及ばぬ物に対して、緊張感を持ち続けるため。 何に対しても、「大切に扱う」、「価値あるものとして扱う」ということの意味を忘れずにいたい。
- コメント(0) - 2016年2月29日

『呪われた時代』ではなく『呪いの時代』ってところが内田さんらしい。新潮45に寄稿されたエッセイをまとめたものらしいから、興味がある話題はスルッと理解でき共感したり感心したり。特に娘が成人式を迎えたこともあり。「草食系男子」のくだり。大人になるということは「だんだん人間が複雑になる」ということ。表情も感情も複雑に。人格の層の厚みが増す。少年のような無垢さ。青年のような客気。老人のような涼しい諦念。「これもまた私」他者との共生能力の基礎は「我がうちなる他者たち」
★37 - コメント(9) - 2016年1月12日

題名からは、なんとも予想し難い本ではあります。読んでみると、成る程と思い考えが広がる一冊です。特別な事は書いてありません。先人の知恵など含めて噛み砕いて解りやすく書いて貰ってると思います。
- コメント(0) - 2015年12月27日

抽象的な自己から抽象的な敵に向かって吐き出される「呪いの言葉」は夢想的で、未熟で、無責任で、攻撃的で、破壊的である。時によって多くの人命を奪う人災や犯罪にさえ繋がってしまう。具体的で、個人的で、創造的な「祝福の言葉」を紡ぎ続けよう。地に足をつけた成熟した市民であろう。そんな内田先生からの祝福の言葉。
★1 - コメント(0) - 2015年10月28日

最近「呪い」や「邪悪」がいろんなところで元気な気がして、急にタイトルを思い出して購入。内田先生の本は(同じことを繰り返し書いていることが多いけど)Aの音はA、と思考や気分のズレをチューニングしてくれるような気もして心地いいところもある。レヴィナスのエピソードには泣きそうになる。届く気がしなくても、同じことしか言えなくても、「身をよじるようにして」言葉に置き換え訴え続けなければならないのだ。と思わなければ、と思う。私も、「呪い」ではなく、「祝福」する側に居たい。あと、「パス」が上手くならなくちゃね。
★4 - コメント(0) - 2015年9月19日

贈与がさまざまな経済や生態系の矛盾を解消するひとつの解決策になることに共感した。また、呪いは言霊につながる話だと思う。
★8 - コメント(0) - 2015年7月12日

何のために本を読むのかわからなくなってあまり本が読めないでいるが、これは自分を振り返るための本、とわかるので読めた。
- コメント(0) - 2015年5月30日

贈り物というのは、それ自体に価値があることが自明であるようなものではないのです。贈り物は受け取った側が自力で意味を補填しないと贈り物にならない。挨拶を送った側が返礼がないと傷つくこともそれで説明できます。挨拶を返さない人は『あなたが発した空気の振動には何の価値もない』という判定を下した。僕たちはそのことに傷つくのです。(p179)
- コメント(0) - 2015年5月16日

ネット上に飛び交う呪いの言葉、草食系男子、婚活、原子力発電所など今の時代を独特な見方で説明しています。漢字を読むのと、ひらがなを読むときに使う脳の位置が違うという話からの考察が短かったのが残念。これで1冊書けそうですが。どこかで書いているのかな。
★4 - コメント(0) - 2015年1月4日

いわゆる内田先生本です。大体いつもと同じことが書いてあります。共感できる部分もあるし、ちょっとどうかな?と思う部分もある。揺るぎない信念を持つ人で、1から10まで正しいところが少しだけ苦しいというか‥。上野千鶴子の〝おひとりさま”の考えに対する反論は納得がいくけれど、内田先生の唱える共同体は、私には濃い、みたいな。それから題名の、呪いという言葉の説明が、抽象的かなと感じました。
★14 - コメント(0) - 2015年1月2日

著者は同じことを何度も言ってきているけれど(もちろん繰り返し発言する必要を感じてのことだが)、何度読んでも贈与論の解釈は好き。『「ハウ」は受け取ったものに対して返礼をしなければならないと思った人の出現と同時に生成する』『その人がエンドユーザーであるような人間には誰からも贈与が届かない』といったあたり。
★4 - コメント(0) - 2015年1月2日

言論の自由とは、場の判断に委ねる、聞き手の知性を信じること、という意見に深く納得しました。 真実を語る人だけが語るより、多くの人の語りからその時点での暫定真実をいったん定め、反証があがったら再度検討という、科学的スタンスの方がアベレージの上昇に寄与するというのは、ものすごくわくわくします。
★4 - コメント(0) - 2014年12月10日

【図書館】内田自身が元々本書や他書で言及している白川の「呪いの思想」の根幹にある「呪」は口+兄であり「左は祝詞で、右は祝詞を頂いておる人」という意味であるが、(214ー白川)内田の「呪い」は通常の日本語の意味に終始している。これが何よりも残念に思う。内田の「呪い」は破壊を意味。1、9、10章がいい。レヴィナスについての言及が特に興味深い。62頁辺に展開するアメリカ論には少し閉口する。アメリカだって元々原住民/ネイティブアメリカンがいたんですが?その人たちを殺傷し、黒人を奴隷として発展してきたんだけどな。
★58 - コメント(2) - 2014年11月16日

「呪い」って?と思いながら読んでいたが、「ロスジェネ」のとこを読んで、確かに卒業年次のせいで「努力しても報われない」みたいな事を言ってる。それが自分自身を呪ってるって事なのかな。そして赤い糸イデオロギーに洗脳、「結婚できる能力」=「他者と共生する力」そうかぁ。帯に書いてある「ぱっとしない自分?はい、しょうがありません。そろそろありのままの自分を受け容れて、、」という言葉が胸に刺さる。
★4 - コメント(0) - 2014年11月7日

p.35から始まる「祝福する」と続く第2章「祝福」の言葉についてを明日の授業で使う予定。「ネットでのトラブルを防ぐ」がテーマ。「ネット上の呪殺」について言及し、被害者にも加害者にもならないようにするには、そして、呪いを解除するには「祝福」しかないという理路を生徒たちに伝える。事例研究をして「~してはいけません」「なぜ~してしまうか考えてみよう」だけでは解決にならない。「祝福できる自分になる」ということ。まずは自分が実践だ!
★2 - コメント(0) - 2014年10月7日

取り込んでため込んで停滞させて、周囲を否定するからこそできる独り勝ちは滅亡間近な呪いのようなもの。惜しみなく動かして贈与して、そんな相手を見つけ出すことは、やがて祝福される創造への道。
★1 - コメント(0) - 2014年9月27日

面白い。興味深い。この人の言葉はよく噛みしめるとすごく深い部分までスーッと沁みてくる。いろんな時事問題に関して公平性を持った上で独自の理論を説いているから読み心地もよかったです。うん、もっと読みたい内田樹
★3 - コメント(0) - 2014年9月22日

5〜6年前のエッセイですが最近文庫本になり、ありのままの〜♪が流行ってる今にピッタリな内容。呪鎮…是か非かの対立よりも、出来事や感情を供養する事で、呪いと祝福の間にある通過儀礼のような祈りを経て、自分も社会も成長するのでしょうか。「身の程を知る・人を見る目を養う」日常との共生の中に学びの起動がありました。「自分の論理を細かく割る。自分の感情を割る。自分の身体を割って分子、元素レベルまで、割れば割るほど他者と共有できる要素が増えていく」内田式演算道場で加減乗除を習熟したら、ありのままの自分に会えるのですね。
★38 - コメント(0) - 2014年8月22日

なかなか買えずにいた1冊だが、Amazonで安かったので購入。内田先生スミマセン。3.11後の記述が1/3ほど。ブログでも読んでいた内容だったが、3年を経て読むと、原発事故については当時の内田先生の指摘が正鵠を射たものであり、その指摘にもかかわらず、国も東京電力もその根本的な対応の考え方や姿勢を変えていないことがよくわかる。その結果事故は収束に向かうどころか徒に汚染水や放射性物質をばらまき続けているのは、国も東電も「原発事故なんて大したことじゃない」と思いたがっているわけですね、内田先生。
★1 - コメント(0) - 2014年8月17日

今回も付箋まみれになった内田先生の本。呪うこと=破壊は創造よりもはるかに簡単。だから自分に自信がない人は揚げ足を取り、何にも寄与しない批評を続ける。呪いは対象を「記号」として見ることからはじまる。(たとえばイスラム教徒=テロリストのように記号化しなければ人はそこまで残酷にはなれない。)だから「個別的」な祝福が大切。他にも「草食男子は“それ以上攻撃されないように”そのように振る舞っている」等ほぉ!と思う箇所がたくさん。先生の本はトピックが豊富すぎてまとめきれません。笑
★1 - コメント(0) - 2014年8月17日

また感服してしまいました。私は既に立派な「内田教」信者ですから(笑)。記号的・呪い=破壊よりも、個別的・祝福=創造を。内田先生が常日頃説かれている理がここでも分かりやすく提示されている。自分の知性を誇示するために「壊す」人が多いが、創造・再生するには、壊すことの何百倍ものエネルギーと知力・努力が必要。「就活」と「婚活」に通底する「この世の中にただ一つ(一人)だけ私に合う職業(パートナー)が存在する」というイデオロギーは、「今ここではないどこかに理想的な職(人)がある(いる)」「私がした選択は間違っている→
★9 - コメント(4) - 2014年8月13日

賢者の書
- コメント(0) - 2014年7月3日

預言書級。というか今のこの国に漂う腐臭の源流は2011年段階ですでに完成されている(というかずっと昔からか)。安倍という政治家の幼児性(自分は充分な尊敬を受けていないという妄想!)。自己利益を最優先にすることを「自分を愛すること」だと思っている人々(まさしくネトウヨ!)「記号化」という呪い(朝鮮人というレッテル貼り!)麻生太郎をはじめとする空っぽの政治家(空っぽゆえに「出方」への場当たりの対応しか出来ない)
★1 - コメント(2) - 2014年6月22日

呪いということばに惹かれて手にとりました。共感したりおもしろいなというところや、いやいや違うんじゃないと思うところや、途中であれ?という違和感などで疲れました(^^;)エッセイの連載をまとめたものとのこと。自由闊達に書かれているようです。記号化、匿名性、ラベリング…具体的な生身から離れたものに人は残酷になれますね。でも、とりわけ邪悪なものだけでなく人の感情などを観念だけで突き詰めて突き詰めていくと、それは人が幸せになるのに手に負えないものになっていくのかなと思います。
★4 - コメント(0) - 2014年6月10日

弱くて愚かでぱっとしない自分も受け入れて、自分を愛するということ。自分も含め周りをみてもそれがうまくできてない人がたくさんいるような気がする。人を愛するにはまず自分を愛さないと、だなぁ。
★2 - コメント(0) - 2014年5月28日

批評的に使われる「呪い」の言葉づかいについて。「呪い」は破壊することを目指す。何かを創造するより破壊する方が簡単で、破壊する側に回れば自分より社会的に実力のある人間と対等か上位に立つことが可能である。ネット上では相手を傷つけ、沈黙させる能力ばかりが競われている。という部分は、特に自分がずっと抱いていた違和感が腑に落ちた。
★1 - コメント(0) - 2014年5月7日

再読して「原発がかわいそうで祈っている」という部分に引っかかる。そうだよね、「原発」が悪いんじゃなくて「原発を扱っている人間」に問題があるんだよね。いや、その人たちもどうしようもない事情もあるんだろうけど。自分も荒ぶる神である原発を鎮めるよう毎日祈ろうと思います。
★3 - コメント(0) - 2014年3月25日

弱者が救済を求める時も、被害者が償いを求める時も 正義の人が公正な社会を求める言葉も「呪い」 この本が出て10年たったが、世間はヘイトスピーチ、アンネの日記事件、戦後レジームの破壊… さらに『呪い』が日本中に充満している気がする。 切って捨てたもの勝ちのすさんだ社会 自分も知らないうちに毒されていたことに気付く、 これを切り替えるのは、やはり『祝福』。自分を受け入れ、自分を抱きしめ、自分を愛すること。当たり前の結論だが、確かにそうだよね。
★11 - コメント(0) - 2014年3月23日

内田先生の本は本当に勉強になる。原発問題についても深い洞察がある。贈与経済については自分はもらってばっかりじゃないかと気になってしまう。
★1 - コメント(0) - 2014年3月22日

批判や悪口ばかりのネット社会とマスコミ、弱さという権力、贈与経済、他者との共生はまず自分との共生から、アメリカと日本の政治の在り方について、原発問題etcなるほど、そういう考え方があるんだなあと、興味深く読んだ。次は日本辺境論も読みたい
★2 - コメント(0) - 2014年3月12日

呪いの時代の 評価:66 感想・レビュー:222
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