エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦

エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦
あらすじ・内容
祖国への変わらぬ熱情を静かに燃やし続けてきた人々の魂に触れた紀行。

エストニアの人々が歌う「我が祖国」とは、生れた土地のこと。そして、それは地球そのもの――スカンジナビア半島の対岸、バルト海に面したエストニア。首都タリンから、古都タルトゥ、オテパーの森、バルト海に囲まれた島々へ――端正な街並みと緑深い森、他国による長い被支配の歴史を持つこの国への九日間の旅の記録。

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エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦の感想・レビュー(404)

梨木香歩さんの感性で辿るエストニア。他国に蹂躙されてきた過酷な歴史と、それに飲み込まれることなくエストニアという国を誇りを持って愛してきた人々、そして彼らを育んで来た懐の広い自然。梨木さんが操る言葉に、あちらへこちらへと視点を動かされ、濃い旅を終えた気分。
★66 - コメント(0) - 2月19日

この本を読んでふと連想したことは、「種の多様性」ということであった。小生が今まで知らなかった「エストニア」という国に住む人々と、その自然。小生にとっては未知の世界であっても、その中には豊穣な森と海の世界があった。長く被支配の歴史を持ちながら、自分のアイデンティティを失わずに、連綿と歴史を紡いでいる。小生ももし機会があれば行ってみたいな。
★4 - コメント(0) - 2月19日

エストニアで出逢った人々や体験、歴史を梨木さんの細やかで穏やかな眼差しを通して語られ、その土地の匂いまで感じられる素敵な紀行文でした。本当に好き。相手の考えが自分の好みでなければシャットアウトするような野蛮さのない、また出来るだけ多く吸収し、自分の中で熟考し落とし込もうとする梨木さんの姿勢は見習いたい。「国境などという「線」はどこにも引かれていない。彼らには世界がこう見えていたのだ。永遠に連続する海と大地。祖国は地球。渡り途中の鳥たちに、もしも出自を訊いたなら、彼らはきっとそう答えるに違いない」
★4 - コメント(0) - 1月30日

エストニアと聞いて何も浮かばなかった。どの辺だろうと調べてみる。ラトビア、リトアニアの北に位置し、スカンジナビア半島も近くバルト海を挟んでフィンランドのヘルシンキを北に見る。ロシアのモスクワが西側にある国。正直そこまで興味のない国だった。梨木さんの名前で読んだ本。序盤はなんだか印象の薄い旅物だなと思っていたが、中盤から著者の空想世界で面白くなってきた。森の入り口かどこかで全体的に緑で陰影が美しい最初の1枚の写真がとても静謐で神秘的だった。そして終盤は自然について考えさせられる。訪れてみたい国になった。
★59 - コメント(1) - 1月21日

2017-3 頭にすっと入る部分もあれば、何回目を通しても言葉がすり抜けていくこともあった。こんなにも自分の想像力が及ばないのか、それとも、梨木さんの視点が独特すぎるのか。あぁ、もしエストニアに行けるならば、都市よりも田舎の方にも行きたい。この本はそう教えてくれる。人間の鎖による、ソ連からの独立を果たすに至る歴史をもっと知りたいと思う。
★3 - コメント(0) - 1月11日

梨木さんのエストニア旅行の記録。人の旅について綴られたものを読んで面白いと思うことはあまりないのだけど、文章を読んでいくうちに、梨木さんが体感したエストニアを感じることができた。全編にわたって自然の描写が瑞々しい。小さな気づきから、エストニアという国に堆積している重みをうまいことこちらに運んでくれているような気がする。その国の特徴がタリンのような都市部に出るのではなく地方にこそあるのだなということがよく分かった。本当にいろいろなことを感じて旅をしているのが伝わってくる。
★13 - コメント(0) - 2016年12月27日

濃厚で端正な文章をゆっくりと堪能。予備知識の無い国だがその歴史は過酷だった事を知る。独ソ2大国に翻弄された過去はその風土のここかしこにその残滓を残す。作者はそこに然り気無く触れながら、人々の日常を敬愛を込めて語る。そして豊かに残る自然への賛美。特に鳥と茸に対するフリークぶりにはクスリとしてしまった。一方で失われて行く世界の生態系。それにに氏が抱く焦燥が文章の端々に伺えた。ソ連占領下の島が機密保持故にそれが保持されたのは何とも皮肉だった。一介の紀行文を越えた作者の思想が伺える一冊。穏やかな余韻を残して読了。
★36 - コメント(0) - 2016年10月4日

~旅の達人のスーツケースを覗いてみたくなる。悪趣味やけど。
★2 - コメント(0) - 2016年9月14日

梨木香歩さんのこういう類の本を読めるのはなぜだろうと思う。エッセイや随筆は読まないのだから。で、この「エストニア紀行」を読んでいる間に納得した。梨木さんは否定しないのだ。あるがままを肯定する姿勢を崩さない。どんな事柄に対してもだ。こういう心境になれることを、どんなにワタシは望んでいるだろうか。還暦を過ぎてから、なんとなく肯定する自分を発見した。半径50m生活のワタシと、とても地球の小さな梨木さんでは感じ方は違うだろうが、受け入れ肯定する事ということは同じかも知れない。そうでありたい。
★17 - コメント(0) - 2016年9月13日

読友さんがレビューされていたのが潜在意識にあったのか、図書館でなんとなく手にとり読んでみました。綺麗な写真が多く収録されていますが、梨木さんの文章もそれに負けず端正なもので、情報量が多いせいかページ数のわりに読むのにすこし時間がかかりました。「オジロワシはオオワシより遥かに生息域の広い鳥だが、例えば英国ではもう見ることはできない。」こういう文章がさりげなく入っていて、著者の個々の動植物に対する関心の深さ、観察眼の細かさ、計算された品のいいユーモアによる叙述の妙などに浸ることができた一冊だった。
★18 - コメント(0) - 2016年9月7日

エストニアについて何も知らないまま読んだけど、読み終わった後は私も旅したような気分になった一冊でした。梨木さんの動物や自然を愛する気持ちが伝わってきてよかった。
★12 - コメント(0) - 2016年8月27日

絶滅種を保護して放つ先は、人間の住めなくなった所。何よりも人間と言うか、経済が生態系にとって悪なのか。国とか民族とかなんて、ほんのちっぽけなものなのに。
★4 - コメント(0) - 2016年8月17日

行ってみたい。
★3 - コメント(0) - 2016年8月14日

梨木さん作品の中にあって繊細だけでく彼女の豪胆さにも気づく紀行文だ。現地集合前のトランジット空港で思わず書籍を買いこむ言い訳に、鳥の追跡調査の装置は鳥の重さマックス4%らしいが、書籍の重さと自身の体重から割り出し納得する生真面目さとユーモアが全体に貫かれる。念願のコウノトリとはついに合間見えなかったが、会えなかったという事実に向けて思惟を重ねる姿は哲学者のようでもあり、答えの導き出し方は「汎神論」者のようでもある。ヴィークランドとリンドグレーンのコンビ(最強だ!)の紹介本がまた実に梨木さんらしい。
★22 - コメント(0) - 2016年8月14日

旅に出ると植物や建物に目が行く。エストニアは位置さえあやふやな国だが、梨木さんの豊かな動植物の知識や、身をもって味わう旅の姿勢にすっかり引き込まれた。フィンランドに近く、サウナやボートが大切なものというのにも興味が湧く。自然と寄り添おうとする巣のためのポールと梨木さんがコウノトリに会いたかった理由を知り、自然界における人間というものを省みると言葉はなくなってしまう。「祖国は地球」。コウノトリの渡りの視点は梨木さんのそれと重なる。文中の絵本も読んでみたい。
★21 - コメント(5) - 2016年8月13日

旅のお供に。「自給自足はできるけど豊かにはなれない」のか、「豊かではないけれど自給自足はできる」のか。その考え方の違いは大きい。 静かな語り口の中にユーモアあり、深い思索あり。梨木香歩さんの小説はこういうところから生まれるのか…。
★6 - コメント(0) - 2016年8月4日

このエストニアを巡るエッセイを読むと梨木香歩さんの著作がこの人から生まれたんだということがよくわかる気がする。その場所の空間空気を壊さずに丁寧に一歩一歩踏みしめて着実に積み上げていくもの。知識だったり、思慮深さだったり、人との関わりだったり。アクシデントがあっても人やもののせいにしない。それは何故か考え探り受け入れようとする。エストニアの旅では楽しい事、素敵な出逢いもたくさんあったけれど同時に人間社会の醜さ傲慢さが(人間はとことん嫌われている)思い知らされる旅でもあった。祖国は地球。目頭がツンとした。
★26 - コメント(0) - 2016年8月3日

静かに、考える旅の軌跡。エストニアという自然溢れる小国で著者が触れて、感じた想いをゆっくり読みながら読了。辺境の地にしかない、この魅力は何なのか。この旅は仕事で行った2008年の出来事のようだけど、取材か何かなのかしら。
★21 - コメント(0) - 2016年6月29日

バルト三国の一つエストニアをめぐる旅のエッセイ。ソ連占領下での「歌の祭典」から独立の気運が高まった話し。チェルノブイリ放射能汚染地帯に野生では絶滅しているヨーロッパバイソンやモウコノウマが放され繁栄していること。など一言では感想を言えないような重いエピソードも多かったです。その一方でコウノトリ、茸、ベリーなどその地にあるものへの静かな愛情が行間に溢れていて、行ったことのない土地なのに親近感を覚えました。古いホテルでの幽霊騒動でもむやみに事を荒立てない作者の落ち着いた優しさが心に残ります。
★40 - コメント(1) - 2016年6月9日

エストニアについてほとんど知らなかったので興味深く読めた。美しい首都のタリンはIT産業も盛んな事は意外だったり地下通路などの話しが面白かったが、都市から離れて自然の中に入っていってから、特に島での話しは作者の想いが静かにひたむきに語られていて引き込まれた。他国による長い支配の歴史に翻弄されながら自然と共に深く根をおろしたエストニアの人々の暮らしを垣間見る事ができた。地図がないのと写真が少ないのが残念。
★15 - コメント(0) - 2016年6月5日

著者のエストニアへ仕事で赴いた際の旅行記。個人的には未踏の地であるエストニア。始終、静かな展開を感じさせるが、時折著者の強い想いが散りばめられている場面を読んでいると、文字面ではあるけれど想いって言うのは伝わるんだなぁと感じた。
★11 - コメント(0) - 2016年5月24日

梨木さんのエッセイを読んでる時間は、いつも湿った静かな森の中を歩いているような雰囲気に浸ることができて、好き。私も時々、独りで、自然に囲まれて(無理ならば都会のカフェや喧噪でもいいのだけど)自分に戻る時間を持つことがとても大切なので、「この時間を持って帰る」という姿勢と言葉にツンときた。エストニア、いろいろ調べたり知りたいことがたくさん出てきました。
★16 - コメント(0) - 2016年5月13日

紀行文はたいてい、楽しい気分転換となるのですが、この本は少し考えさせられました。 人間が自然を支配する、なんてことは幻想だと思います。でも本書に描かれた「楽園」を想うと「人間と自然とのちょうどいい距離」って、いったいどれくらいなのでしょうか?
★6 - コメント(0) - 2016年3月12日

エストニアの街や島々をめぐるエッセイ。 小説を読んでいるときに感じる静謐さや自然への愛がこちらでもひしひしと伝わってきました。バルト三国という知識くらいしかなかったエストニアの歴史、風土、人々の暮らしなど興味深く読めました。
★28 - コメント(0) - 2016年2月12日

★1 - コメント(0) - 2016年1月31日

美しい
★1 - コメント(0) - 2016年1月24日

ずいぶん長いことかけてゆっくり読んだ。全然知らない国の旅行記が梨木さんの美しい文章でちょっとずつしみ込んでくるようだった。
★6 - コメント(0) - 2016年1月3日

梨木香歩の小説は美しい自然を描くものが多い。この紀行で彼女が本当に自然を愛していることが分かった。訪れる機会があるとは思えないエストニアだが、これを読むと行きたくなってしまう。
★14 - コメント(0) - 2015年12月28日

歴史と地理に疎いため、エストニアの歴史の下りは殆ど理解できなかった。しかし、豊かな自然や動植物、人々の生き方の様は伝わってきた。チェルノブイリ汚染地域に絶滅保護動物を放すとこうも繁殖し、豊かな恵みとなるのかと思った。初めて知った。
★5 - コメント(0) - 2015年12月16日

長年ロシアに占領され続け、今もその爪痕残るエストニア。自然豊かで海や緑がたくさんあり、国民が素朴でゆっくりと暮らしているエストニア。自然と共存しているというよりも、自然の中で住まわせてもらっている印象です。写真もとても素敵で、実際にこの空気に触れてみたい反面、観光地化されてほしくないとも思える、そんな国でした。梨木さんの作品のベースがぎっしり詰まった紀行で面白かったです。
★85 - コメント(0) - 2015年12月16日

地図が欲しいなぁ、と思いました。
★1 - コメント(0) - 2015年9月26日

エストニアに行くので読んでみました。タリン以外の話が多く、なかなかそちらの方へ足を運ぶ人は多くなさそうですが、何となくタリン以外の場所のことも分かりました。タリンの街並みは石畳みと建物が本当に素敵でした。
★5 - コメント(0) - 2015年9月25日

梨木さんの文章、やっぱりすごく心に染み渡っていく。透明な北国の空気、深い森の湿気、ベリーや苔や針葉樹林に葦などの植物の呼吸、鳥と動物の気配、そこに佇むエストニアの歴史…。まるで自分自身が梨木さんと同じ目線で体験しているかと錯覚するくらい、エストニアの空気も香りも気配も漂ってきた。観光地化されていないところにその国が性質が表れるっていう文章に共感。はっとさせられる一文、キラリとした言葉にまたたくさん出会えた。
★8 - コメント(0) - 2015年9月17日

バルト海を挟んでフィンランドの下にあるエストニア。複数の国家に征服され続けた人々にとって、「祖国」とは文字通り先祖が、そして自分が生まれ育った場所である。それは支配する国とは何ら関係がない。ナショナリズムではなくパトリオティズムとしての祖国なのだ。だからこそ、そこに住まう人々は、土地との関係の歴史を持つ。渡り鳥がその地を代々記憶するように。エストニアを訪れる「理由」を記さず、機内の描写から、読者は紀行の同行者となる。著者の語りによって、共に驚き、風景を眺め、古の西洋を見て、語りに耳をすませる、贅沢な読書。
★7 - コメント(0) - 2015年8月26日

梨木さんのエッセイは好きで、文庫本ではないけど買いました。あまり知らない国だから不思議な感じ。梨木さんの、自然の中に身を置いて、その中で感じたり考えたりすることを表した文章が、落ち着きます。島国である日本と違い、ヨーロッパは、その時々の国の勢力で翻弄されてきたのですものね。世界史や地理で、もっと調べてみなきゃと思いました。渡りのことも。
★17 - コメント(0) - 2015年8月10日

梨木さんが書かれた本は読んでいても、エッセイは初めてでした。小説とは違う、作家さん本人にこういう形で触れられるのは良いなあといつも思います。 そして、梨木さんの視点から語られるエストニア。 エッセイを読むとき、その人自信が強く出過ぎて小説を読むときにも影響してしまうマイナス面もあります。でも、梨木さんの場合は押し付けがましくない語り口がとても好みでした。
★7 - コメント(0) - 2015年7月28日

紀行ものは、なかなか自分の抱えるその土地への思いや興味の対象となるものが、著者のそれと違うことも多くあまり手を出さないのだけれど、やはり梨木さんの文章は好き。そして紀行ものなのに、それ以上に梨木さんの考えを知ることができ、また、自分の根にあるものも考えることになる。十二ヶ月のゼリーの話が素敵。
★20 - コメント(0) - 2015年6月27日

コウノトリのいる国。 五月の風とか毎月のを考えるのは良いですね。 今月は何だろうか。
★6 - コメント(0) - 2015年6月14日

小説家が書くのだからただの観光の本にはならないと感じたのは正解だった。快晴が思いつかないほど廃墟めいたこの国の暗さは赤やオレンジという華やかな色さえもくっきりと、むしろ凛として哀しみを際立たせる。深緑色の森と湿気、むせ返る苔の匂いはどこか懐かしく親しみを憶えた。端々に出てくるコウノトリの名前はこの国とこの本の象徴。しかしなかなか出会えない著者たち。彼らは出会うことができるのか…そこには以外な結末があり、著者が思うコウノトリを介したこの国への解釈に泣いた。
★22 - コメント(1) - 2015年5月21日

ふらつく自分の頼りなさを、生きるための燃料である《熱》と考えたらいいじゃないか、という問いかけに気が楽になる。誰しも感じる「このままでいいのか?」という不安ごと、渡り鳥の目線まで徐々に引き上げてくれる本。梨木さんは控えめなようでいて自己主張が出来る人で、そのままの感情を目の前の人に渡すのがとても上手であるような気がする。梨木香歩の旅行話。シリーズにして欲しいほど、好きです。
★10 - コメント(0) - 2015年5月5日

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