雪の練習生

雪の練習生
あらすじ・内容
この子を「クヌート」と名づけよう――。白い毛皮を纏った三代の物語。

極北の地に生まれ、サーカスの花形から作家に転身し、自伝を書きつづける「わたし」。その娘で、女曲芸師と歴史に残る「死の接吻」を演じた「トスカ」。そして、ベルリン動物園のスターとなった孫の「クヌート」。人と動物の境を自在に行き来しつつ語られる、美しくたくましいホッキョクグマ三代の物語。多和田葉子の最高傑作!

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夜行
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雪の練習生の感想・レビュー(447)

図書館 著者はベルリン在住。ドイツ語でも作家活動をされているそうです。翻訳本ではないけれど、翻訳のような雰囲気を感じたのは、だからなのかなと思いました。皆さんの感想を読んで、実在の熊を元に書かれているのを知りました。
★2 - コメント(0) - 3月22日

あらすじを読んでいなかったら戸惑っていただろう。ホッキョククマ3代、それぞれの物語。「北極熊ナヌーク」を思い出しながら読む。絵のない絵本かと思ったが、けして童話ではない。会議に出席し自伝を書く「わたし」。その当時の政治的背景も示唆される。彼女はどうなったのだろう。サーカスの「トスカ」。ステージでウルズラと筋書きにないシーンを見せることに決めていた。そして、あの「クヌート」。実在なのでわかりやすいが、そのわかりやすさが残念な気もする。最後の一節がYouTubeの最期の映像と重なり、ただただ切なく哀れだった。
★39 - コメント(0) - 3月11日

読みながら、「あれ、クヌートって映画かなんかなかったっけ?」と思いつつも面倒がり、三章の終盤になってようやくぐぐった。そこで初めて、安楽死させるべきと言われていた事実を知る。本文にもあるとおり確かに不自然で全く不可解である。恐らく小動物や草食動物ならば全く問題にされないどころか、ありふれすぎて大したニュースにすらならなかっただろうな、と思うので一層。とは言っても、自分は飼育員ではなく何のリスクもないからこんなこと言えるのだが。 この小説が冒頭では語り手をいかにも人間であるかのように書いているのは、その結末
★6 - コメント(2) - 3月9日

白熊の3代記と言っていいのか、白熊を擬人化していて、最初のうちは読んでいて違和感満載なのですが、そのうち人間と動物の関係を考えるようになってくると、違和感は消えて切なくなる。動物園で、サーカスで、本来の生育地ではない場所で生きざるを得ない動物の悲哀。普段は考えまいとしている問題を突きつけられているようです。辛すぎて2章目を飛ばし3章目も最後の数ページのみ読みました。我が家の居間には、氷原を行く白熊親子の後ろ姿の写真があります。大好きな写真ですが、これからは眺めると切なさが蘇りそうです。
★60 - コメント(0) - 2月15日

なんとも不思議な世界。北極クマが主人公であり親、子、孫世代にわたる物語。 孫はあのクヌートなのかクヌートという名前、あの可愛らしい姿が思い浮かぶ。 そしてそのクヌートのおばあちゃんは小説家。苦悩したり亡命したり波乱な人生、なんだこりゃ。 と思いつつクマ世界なのか人間世界なのかあやふやな世界を漂いながらとても気持ちよく読了。
★44 - コメント(0) - 2月7日

「寒い」という形容詞は美しい。寒さを得るためなら、どんな犠牲を払ったっていいとさえ思う。現実と虚構が折り重なった、とても美しくて、切ない物語でした。何度も読み返してみたくなる。
★3 - コメント(0) - 1月10日

不思議な感触の作品。 現実と空想とがグラデーションで地続きになっていて、その濃度は自由に変化する。 印象に残るところが多く、第2部のキスの場面はとりわけ美しい。 クヌートのことは映画を見て知っていたが、より胸を締め付けられた。 まさかのあの人の登場にも。
★18 - コメント(0) - 2016年12月18日

"言葉と歩く日記"のなかで、本書をドイツ語に訳す過程が書かれていたので早速借りてきました。たくさんのモチーフが埋め込まれていますが、今回は"世界文学とは何か?"を読んだばかりだったこともあって、書かれたものが翻訳され、受容される側によって主題がすり替わってそれが話題になる部分が特に印象に残りました。多和田さんの作品はおそらく翻訳されることが前提で書かれており、多くのモチーフが詰め込まれているため、受容する側の文化的背景によって、多様な読みが展開されることが予想されます。でもそれも意図されているのでしょう。
★12 - コメント(0) - 2016年11月30日

最初は、何これ?と戸惑ったがだんだんシロクマの気持ちに寄り添えるようになった。
★3 - コメント(0) - 2016年11月14日

最高かよ!でしかない。人生の図書室に加えるべき本。背景の深遠さも見えつつ、ただただ「愛らしい」という感想を許してほしい、初回の記録として。
★2 - コメント(0) - 2016年10月2日

ホッキョクグマ三代の物語。何か寓話要素でもあるのかなぁと思いながら読みましたがまっすぐ話を読んだ方が疲れないだろと思って素直にいたしました。はい。社会生活を送っているのかーと思えばサーカスや動物園に居たりで社会的な立ち位置がイマイチ理解できないままのお話でした。まぁ理解しなくともよろしいのでしょうと。やはり不思議小説なのですがただ最後の一節はあまり見られないほどの名文と感じました。この11行の為にこの本を読んできたんだなぁ、それでいいや、と思いました。
★5 - コメント(0) - 2016年9月17日

三代にわたる白熊たちから幾つもの思い出と記憶と想いをもらいました。可笑しかったり、わくわくしたり、憂いたり。涙を誘ったり、心温まったり、どうしようもないほど愛しかったり。退化論の悲哀、接吻の恍惚、雪野原の郷愁、どれも忘れがたく焼きついています。親から子へ、先祖から子孫へ受け継がれてゆくものがすべて歓迎されるとはかぎらないけれど、想像してみることを止めたくありません。そして、故郷の夢を見るなら悪夢ではなくて焦がれる夢を見られるように。練習ではなくて白い大地と好きなだけ戯れられるように。
★17 - コメント(0) - 2016年9月6日

多和田葉子『雪の練習生』,新潮社,2011,253p[913.6]
★2 - コメント(0) - 2016年8月31日

不思議な本でした。おそらく私はこの本のあらすじですらちゃんと理解できていないと思う。クヌートが自分のことを「わたし」と言うようになった場面が、単なる成長ではなく自分と他者の境目を認識する瞬間のように思えて好きです。
★4 - コメント(0) - 2016年8月15日

所々 日常に溺れてる私に刺さる言葉があった他は、正直 どうとらえていいのか分からなかった。 所謂 東側の何かを訴えたい本なの?かな?
★1 - コメント(0) - 2016年4月28日

クヌート・・・可愛かったよね。 もし、クヌートのお母さん、おばあさんの物語をたどっていったら。というのが、このお話の内容。 動物園やサーカスの動物たちも、確かに人間の勝手な諍いや行いで、歴史の歯車を狂わされているのかもしれない。 まず、自然界から勝手に連れてこられた時点でそうだものね。 単純に可愛い、すご~いと言ってしまいがちなのだけど、彼らの心の底にはそんな先祖の記憶がチラチラとかすめているのかもしれない。そして、見たこともはずの寒さや暑さに、心が揺さぶられてのかもしれない。
★3 - コメント(0) - 2016年3月31日

随分時間がかかってしまった。白熊の話なのだけど白熊?人間?いやまぁ白熊ってことは分かっているのだけど不思議な感覚だ。この作者の使う言葉の使い回しは好きだと思う。
★5 - コメント(0) - 2016年3月26日

何の前知識もなしに読み進めると幾度となく「あれ?」と思わされてしまう。とにかく本文中の至る所に散りばめられた仕掛けや謎に多くの読者が惑わされると共に、読むことの楽しみを見出すに違いない。恥ずかしながら本書の中盤にさしかかったところで、ようやく主人公がシロクマだということに気づかされた。かつて中沢新一が古来人間とクマとが非常に近しい存在であったと述べていたが、その古の記憶が呼び覚まされるような限りなく人間に近い熊が織りなす物語はなんとも言えない詩情をたたえる。これは手元において読み返すべき一冊かもしれない。
★7 - コメント(0) - 2016年2月12日

再読。
★2 - コメント(0) - 2016年2月8日

著者の世界を見つめる感性は凄いです。物語にはずっと悲しさが漂っていて切ない気持ちになりました。
★5 - コメント(0) - 2016年1月26日

動物目線で物語を書くときどのように作品を書いていけばいいのか。第一章では、「わたし」が自伝を書く。第二章では、「ウルズラ」と「トスカ」が「わたし」という人称を使い自伝を書く。第三章では「クヌート」という実在の熊が、自身の呼び方を「クヌート」から「わたし」に変えていく。
★4 - コメント(1) - 2015年12月16日

子供の感性を失わず、思うがままに物語が紡げる人なのではないだろうか。貴重だと思う。子供は五感が発達していて動物に近い。本作はシロクマが登場する寓話。設定はベルリンの壁があった時代から崩壊した後までの、ロシア、東西ドイツ、カナダ。シロクマの体感表現が鮮やかだ。作者は前世が動物で、記憶をしっかり握っているのか?風刺の効いたセリフの裏を考えると、別の読み方のレールにはまってしまう。今回はシロクマの可愛さ、せつなさ、やるせなさ、不思議さを堪能。シロクマとの曲芸「死の接吻」は、ぜひ見てみたい。3部構成。
★31 - コメント(1) - 2015年12月8日

ホッキョクグマ三代の静かで可愛らしい物語。会議に出たり銀行でお金を下ろしたり、そのシュールさが堪らなく愛おしい。ホッキョクグマの視点で描かれる人間の姿にハッとさせられたり悲しくなったり、面白かった。
★33 - コメント(0) - 2015年10月21日

クヌートの話が一番面白かった。赤ん坊視点で、世界の成り立ちを基礎から知っていく小説は他にもあるだろうけど、描写力がすごいので。現実から遊離しためくるめくマジカルさと、「この感じわかる!」と思わせる比喩としてのリアリティ、両方を高水準で兼ね備えている。また、「異なる者」の視点から今ある世界の価値を相対化するというやり方も多くの小説で見られるけど、赤ん坊であり熊でもあるという二重の異質さによって、相対化にも複雑で独特な面白さが生まれている。いや、繰り返しになるけど、それにリアリティを持たせるのは兎にも角にも
★10 - コメント(3) - 2015年9月20日

熊が自伝を書く…その中の登場人物が自伝を・・・書いたのか・・・回想か空想か・・・だまし絵のような面白さ。
★6 - コメント(1) - 2015年9月12日

面白い!熊の誇りを持ちつつ、人と交流しサーカスの舞台に立ちつつ自伝を書き亡命する。さらにトスカとウルズラ、クヌートとマティアスの物語へと続く。海外文学のようでもありましたが、文章は読みやすいです。
★6 - コメント(0) - 2015年8月14日

ホッキョクグマ3代のそれぞれの物語に感動する!文章が美しい!
★7 - コメント(0) - 2015年7月20日

これはすげー。特にトスカには震えた。
★2 - コメント(0) - 2015年7月16日

abs
気持ちはわかるのだけど感情移入しづらい。それがしっくりくる。 なんだろ、それが熊というかヒト以外の動物の感覚なんだろな、みたいな。 感情ないわけじゃないけど自分のことなのにちょっと他人事っぽいというか、妙にドライというか。
- コメント(0) - 2015年7月4日

読んだのは、もう ずいぶん前でした。美しいトスカ、おやすみなさい。
★3 - コメント(0) - 2015年6月24日

サーカスの花形から作家に転身し、自伝を書き始めた、あるホッキョクグマの「わたし」から始まる、三代の物語。その娘・トスカが語る、「死の接吻」。ベルリン動物園で世界的アイドルとなった、その孫・クヌートが語る、「北極を想う日」。 終盤での、クヌートとミヒャエル(Michael Jacksonと思しき人物)との対話や、この本の発行後すぐのクヌートの死など、個人的にいろいろと感じるところがあった。どこまでも果てしなく白い感じの物語。
★28 - コメント(0) - 2015年4月13日

すみません、この表紙は盛大なネタバレではないのかーっ。最初の数十ページを読み解く面白さを奪われた気がしてとても残念なのだーっ。それとも皆さん「主人公はクマ」という前提でこの本を手に取ってるからオッケーってことなのかーっ。内容はひたすら切なかった。とくにクヌートの最後。
★6 - コメント(0) - 2015年3月12日

「バケツでごはん」を思い出した人は減点です。(正直最後の3代目――クヌートの物語にはウルッとくるものがあった)
★5 - コメント(0) - 2015年3月5日

寓話なのか、ホッキョクグマ人のいる世界の話なのか、おとぎ話なのか不思議ワールドでした。途中話し手がわからなくなる時もあったりしましたが、すっと話の中に引き込まれました。凍てつく舞台と相まって、一人で生まれて一人で死んでいくんだなと寂寥感に襲われました。
★6 - コメント(0) - 2015年1月14日

人と意識を交わし、日記を書き、人社会に溶けこむ白熊の年代記。濃密な文学世界が展開されてくらくらした。異文化を書き続ける彼女の到達点なのか、
★5 - コメント(0) - 2014年12月24日

mm
雪の練習生って、ドイツ語で書いたら別の意味も含んでいたりするのだろうか。白熊が書いた3代記という形式。白熊・サーカス・動物園・だけでも舞台装置は魅力がある。しかしこの本には沢山の対立軸が仕掛けられていて、それを数え上げるだけでも原稿8000字位いけそうだが、それで終わらすにはもったいない。もっと白熊的に感覚を効かせてみたいな。言葉がで分かろうとする以外に匂いと音と手触りで今の自分の周りのものを見直してみたらどうなるんだろう。
★17 - コメント(1) - 2014年10月27日

★★☆☆☆熊にはね~、ちょっとまいりました。
- コメント(0) - 2014年10月8日

難解。文体に湿り気とエロスがあった。純文学ってこういうのなのかな…。
★1 - コメント(0) - 2014年9月26日

東欧、猛獣使い、ほっきょくぐま、みんな絶滅危惧種? 切ない。
- コメント(0) - 2014年9月20日

雪の練習生の 評価:96 感想・レビュー:210
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