どこから行っても遠い町

どこから行っても遠い町
あらすじ・内容
捨てたものではなかったです、あたしの人生――。

男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ「平凡」な主婦とその姑、両親の不仲をじっとみつめる小学生、裸足で男のもとへ駆けていった魚屋の死んだ女房……東京の小さな町で、ゆるやかにつながって生きる人々の、その平穏な日々にあるあやうさと幸福。川上文学の真髄を示す待望の連作短篇小説集。

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どこから行っても遠い町の感想・レビュー(1264)

輪廻転生。男と女の「平凡」で「深遠」な旅が永遠に繰り返されていく。
★5 - コメント(0) - 3月12日

川上弘美の小説はかなり久しぶりに読んだけど、やっぱりすごかった。だいたいどの話でも語り手が社会にすんなりと馴染めないようなところがあって、つまり小説というものはそういう人たちに向けて書かれているのだろう、と思った。 個人的には恋愛の話よりも、老婆と若い女性とか、微妙な距離感の同級生とか、定義しづらい関係性を描いた時に一番文章が冴え渡っている気がする。そしてよく人が死んだり不倫したり、事件ぽいことも起きるけどそれも淡々と書いていくのは、そういうことも普通にあることだ、と川上弘美が思っているからなのだろう。
★22 - コメント(0) - 1月21日

1つずつがなんとも説得力のあるお話やった。淡々と続いてゆくのに濃い〜中身。
★3 - コメント(0) - 2016年9月27日

「子どもは、こわい。壊れてしまいそうだから。」 みんな、いつかは、いなくなる。でも、「死んでも、あたしのかけらは、きっと残る」。 表題作と「緩く巻くかたつむりの殻」が好き。 「幸せは途切れながらも続くのです。」というフレーズを思い出した。 脱線するが…。著者は安田講堂事件にかなり興味を持っているのだろうか?(出てきたの二回目)
★10 - コメント(0) - 2016年7月12日

再読。良いですね、川上作品。儚さと危うさに同居した、連綿とした人の繋がり。結局は決める人だけの世界。
★4 - コメント(0) - 2016年6月28日

連作短編集が好きなので借りてきたが、実は未映子さんだと思っていたのだった、家で開いてみたら弘美さん。「水声」以来1年半ぶり。普通の商店街での様々な人生が面白い。特に時江と姑弥生さん、東大を中退した占い師の話が好き。川上弘美さん、もっと読みたい。
★13 - コメント(0) - 2016年6月25日

ノルスタジーと、こどもの頃感じていた不安や寂しさに似たに恐怖があった。連作短編集でループ状に読めるようになっている。もう一度読みたい物語。表紙の絵もいい。
★13 - コメント(0) - 2016年6月2日

再読。落ち着いた雰囲気なんだけど作中、けっこう人が死ぬ。案外ドラマチックな日常を送っている顔なじみの人達の話。
★15 - コメント(0) - 2016年5月4日

どの主人公も自らの日々を淡々と語っているのに、濃い人生と感じられるのは何故なんだろう。やっぱり川上弘美は大好きです。読み終えてしまってさみしいです。
★7 - コメント(0) - 2016年4月23日

東京の小さな町の商店街。そこで生活する人々の連作短編集。平蔵さんや真紀の家族は立て続けに死に過ぎ…。でも、現実問題そんな家もあるかもしれない。命は儚い。人生や記憶も儚い。だけど、それまで関わってきた人々の記憶によって、死後でもその人の人生のかけらが浮かび上がり形どられる。気が滅入る暗い話ばかりだったが、「夕つかたの水」の、うれしいとき…“水の中に沈んで、ゆっくり水を含んで、しみとおっていって、含みすぎちゃってかなしくなる”こういった儚くも美しい表現による清らかさもあり、読了感は良い。
★9 - コメント(0) - 2016年4月19日

登場人物の視点がお話ごとに変わるので、最初ちょっと読みにくかったような。けれどどこかしら繋がっているんですね。生をほの暗く感じさせ、死のなかに温かさを感じさせる書き方…読んでるうちに引き込まれました。ちょっと癖があるかもしれないけれど、もう少し読みたい、そう思える作家さんです。
★5 - コメント(0) - 2016年2月6日

もらいものの本。この町はどこにあるんだろう。馴染みがあるようで、どこにでもあるようで、身近なようで、でも気軽に行けそうにはないような。でも舞台は東京、ああそうか、昭和の香りなのかもしれない。子どもの頃に連れられて歩いた商店街の記憶なのかもしれない。商店街のあのざわめきが思い浮かぶような、「日常」がよく描かれていました。そんな日常の中で、人はいろいろ抱えているわけで。劇的ではないけど丁寧に描かれていて、不思議に深く余韻が残るんですよね。一編一編に面白みが確かにありまして、読み終えると一周するという本でした。
★18 - コメント(0) - 2016年2月3日

川上弘美初読。ずいぶんと読点が多い文章に、少々押しつけがましさを感じてしまい、読み始めから私の中ではマイナススタート。淡々と、盛り上がりやオチらしいものなど何もないまま連なっていく短編集としては先日『人質の朗読会』を読んだばかりだったので、どうしても比べてしまう。振り返った人生で心に生まれたかすかな起伏を物語る『人質』。人生にこれから生まれるであろう起伏を神経質に打たれた読点の位置や数から読み取れと言われているような気がしてならなかった本作。読点の遣い方に一々引っかかる私が一番神経質なのかもしれないが。
★3 - コメント(0) - 2016年1月26日

〈「男なんかと一緒にいて、女が幸せになるものなのかしらと思ってさ」〉
★1 - コメント(0) - 2016年1月2日

連作短編集。登場人物の生き方がそれぞれとつながっている。生きるのも怖いし死ぬのも怖い。誰もが問題を抱えて生きてるんだなあ。暗い話で読み進まなかったけど、きっとまた読みたくなる。
★1 - コメント(0) - 2015年12月14日

よくあるどこかの町の風景、そんなふうに見せかけて、でもこの町にはきっと行くことはできない。もしたどりついたら、きっと戻れない。この町のひとびとは、本当にひとびとなのだろうか、ひとはそもそもこういうものなのだろうか、ぬるりとした怖さが染みている。川上弘美さんの小説はあれこれ読んでいるけれども、これは何度読んでも何かが怖い。その怖さをうまく言い表すことができない。
★5 - コメント(0) - 2015年11月27日

郊外の、よくありそうな商店街を舞台にした、連作短編集かと思って読んでいると、やられる。少し読むと、奇妙な人のつながりに気づいて、次の一編はどこにつながっているのかを探している自分がいる。終盤になると、蛇も出てきて、この小説はきつねかたぬきのように一気に正体をあらわし、川上ワールドがさく裂する。最後は死者が主人公になり、生き残った人の中の自分の記憶について静かに思いをはせる。人間の存在とはそういうものかもしれない。『蛇を踏む』以来この人は唯一無二の作家だ。なぜか途中止めになった『真鶴』に再挑戦してみよう。
★52 - コメント(0) - 2015年11月16日

人には色んな人生があるので。暗すぎず、明るすぎず、仕事や老後の現実的な話も含むと思うが読了感は良かったです。
★6 - コメント(0) - 2015年11月2日

【図書館】ひとつの町を舞台にした連作短編集。最終話まで読むと一回りした感があります。まるで引っ越していった新しい町を、ゆっくりと巡って路地や人々を見知っていくような感覚。知らず知らずに過ぎた小さな分岐点や死者など、振り返ることは出来るけれど帰れない場所について描かれています。全編通して静かな描写が続き、心地よく懐かしいような感覚で読み進めることができました。長い夜の紅茶がとても良かったです。
★35 - コメント(0) - 2015年11月1日

知らぬ間に人は、何かと繋がっている。人と人、人と社会、自分の人生と他人の人生…。一日って、いろんな人たちのリレーで出来上がっているんだなぁって、しみじみ思った。「平凡と平均的とは、ちがう―――。」(『長い夜の紅茶』より)チクッときて、そしてため息がでた。冬に向かうこの季節に読めてよかった。
★3 - コメント(0) - 2015年10月27日

日々の暮らしの中の鋭い感性をさらりと書くところは上手いが、物語性の面白みはないので、ひたすら作り上げられる人間の行動と思考の叙述を見るだけになる。結局は何が言いたいのか、読み手の受け取り方で変わってくるが、中級以上向け。でも町に住むこれだけの等身大の人物の人生を作り上げる力は並大抵ではない。話としては面白くなかったけど、結局は印象を残して、そういう町の人々が行き交う様子が浮かんできた。
★10 - コメント(0) - 2015年10月23日

図書館の新着リストに入っていたので、てっきり新刊だと思って予約したら、文庫本化されたため入ったもので、しかも予約したのは単行本だったという、何だか混乱した状況。つまり再読でしたが、それも4年前のちょうど今日、読了していたという不思議な縁。…何だか少し、川上文学の中に紛れ込んだような気分になりました。▼物語自体は、寂しいような儚いような、とある商店街とその周辺を舞台にした、彼女らしい連作短編です。
★21 - コメント(0) - 2015年10月13日

同じ町にいる人たちの話。どことなく切なくて、どことなく暖かい。この人の文体が好きだなあと思った。恋の話だったり恋の話ではなかったり。人と人との繋がりの話ではあったり。四度めの浪花節が一番好き。
★9 - コメント(0) - 2015年10月13日

短編集 微妙に繋がっている主人公達 次の人は誰かな?なんて考えながら読み進めて行きました。魚屋さんや八百屋さん昭和の臭いが届きそう。
★14 - コメント(0) - 2015年9月30日

不安になるようで、ほっとするような。生きること。まっとうに生きたいとおもっていたけど、できないって思いたくなかったけど、できない。それが、ふつう。決めながらいきてること、気づかないフリしてた。覚悟して生きよう。長い夜の紅茶。最後の一編でつながった。すごい。
★4 - コメント(0) - 2015年9月6日

魚春に住む平蔵と源がいる、都下のある商店街が舞台の連作集。魚春から仕入れているぶどう屋の店員、常連、その教え子、両親等から各々が小さな世界の中で何となく繋がり、孤独を埋めている様子が語られるが、相関図を書く様な野暮は我慢。家族であってもどこか他人のようだったり、他人でも情を交わしたりがまるで日常のように、そして愛人に走ったり、恋人を刺したりといった激情すら第三者の視点から静かに描かれ、この商店街の人々の持つ一定した空気が心地よい安心感をもたらす。真紀さんをはじめとした女性達のしなやかな生に力をもらえる。
★6 - コメント(0) - 2015年8月12日

連作短編のなかに結構たくさんの死者がいる。「解説」を読んで気づいた。死者は「未来」から排除されているので、「未来」から見た「今」に、どの人もいずれいなくなる、自分も含めて。だから、今を生きている人は、今を感じて生きようというメッセージが受け取れた。
★2 - コメント(0) - 2015年7月21日

再読 男親子のお話が好き。写真の話は川上弘美さんのお話の印象が薄かったけれどお話自体の印象はすごく残っていた。
★3 - コメント(0) - 2015年7月8日

なんかちょっと普通じゃない感じなんだけれど、そんなこともあるかもしれないとするりと入ってくる。こんなことあってもいいよな、とおもう。素敵そうじゃないものの素敵さをおもう。『この父親を、僕はやっぱり嫌いなんだと思った。嫌いでも、まあいいか、とも思った。嫌いであることに、あんまり意味がなくなっている感じだった。』
★3 - コメント(0) - 2015年6月27日

なぜだかわからないけれど、懐かしい気持ちになる。雨の中、古い家で埃にまみれた古い本をながめているような、そんな気持ちになる。かなしくは、ない。終わり10ページくらいが、ちょっと気に入らなかったけれど、よい一冊だったと想う @Seoul
★6 - コメント(0) - 2015年6月23日

短編集。「おっ、繋がっているのね」途中で気づく。好きな人がいる、と言う物悲しさがあるとすればそんな感じ。商店街で食う飲む人、話を聞いて欲しい人の物悲しさもある。晴れた日ばかりではないそれぞれの生きざま、やはり川上弘美は良い。
★25 - コメント(0) - 2015年6月19日

登場人物たちは人生を達観しています。外には出ていないだけで、人間は誰もがこんな感じなのかもしれません。
★6 - コメント(0) - 2015年6月10日

わたし、僕、あたし、ぼく、わたし、俺、わたし、おれ、わたし、おれ、あたし…とつながる連作集。「生きていても、だんだん死んでゆく。大好きな人が死ぬたびに、次第に死んでゆく。死んでいても、まだ死なない。大好きな人の記憶の中にあれば、いつまでも死なない」死んだ人、そこにいなくなった人も町の一部というのはよくわかる。「ただ誰かと知り合うだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ(略)そうやっておれはここにいるのだった」私自身も町の一部なんだろうと思う。
★12 - コメント(0) - 2015年5月30日

普通ではないが異常でもない、都会の下町に暮らす人々のつながりを書く連絡短編集。誰もが清濁併せ持ちながら、大きく間違っていかないように生きているようです。また、生きてきた、ということは、つねに何かを決めてきた、ということのようです。そうして、ここにいるのです。派手さはないけど、良い本でした。
★17 - コメント(0) - 2015年5月20日

読むスピードがおそくても退屈する感じにはならない。遅い歩調にあっている本、と言えるのかな。ゆるゆる読んでなかなか味わい深いのは、川上弘美さんの短編の特徴。 どうやら全部登場人物がどこかでつながっているらしいと気づいたのは最後のほう。最後まで読むとすぐにまた最初から読んで、だれがどこに出てくるのか確かめたくなる。 誰でもみんなどこか変なところがあるのかもしれない、と思う。それをすくいあげるのがうまいんだなあ。
★6 - コメント(0) - 2015年5月15日

久々に川上さんの本を読んだ。日常な連作短編集。まったりと読めてよかった。なんてことはない気がするのに、さらっと読める。それぞれの作品になんだか残るセリフがある。真代さんのハムスターは読みながらわたしも気に障ったわ…
★8 - コメント(0) - 2015年5月14日

久しぶりに川上弘美を読んだ。良くなったなあ~って思う。もともと良いのは承知の上で、それでも良くなったなあ~と、親戚のおじさんみたいな感想を声に出してみた。東京の下町、遠い町?そこは私の町であり、あなたの町でもある。人に宿る記憶が宿主を語る・・ 11の話がグルッと一回りして浮かぶ変哲、作家の物語る平凡を裏返すと読者自身の記憶と共鳴し不思議な遠近が心に触る。作家との間を答えを期待しない問が往き来する。永く動きを止めていた内なる不安が揺らぐ驚きに身をひたし、止まない震えを楽しむ。儚い記憶の語る死と不安の心象。
★44 - コメント(0) - 2015年5月6日

図書館本。とある町に住む人々の何気ない日常と、ちょっと不思議なお話。緩やかな時間の流れと共に変わっていくものや変わらないもの、作品たちの中から滲む切なさと優しさが染みました。「ゆるく巻くかたつむりの殻」で真紀が言った「好きな人が死ぬと、すこし、自分も死ぬのよ」という言葉が印象に残りました。
★9 - コメント(0) - 2015年4月29日

「生きているのは、おもしろかったです。」
★2 - コメント(0) - 2015年4月4日

おっと、川上弘美作品の中では割と冷たい雰囲気?なさそうでありそうな短編集、なんとなく話同士がつながっています。これを暖かいと感じる人もいるのかもしれないけど、私は人の中にあるどことなく残酷でひんやりした部分を見事に抽出されているようで少し怖かったかな。それでも、なんかいい と感じさせてくれる。
★20 - コメント(0) - 2015年3月24日

どこから行っても遠い町の 評価:82 感想・レビュー:408
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