狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
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罪の声
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狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホの感想・レビュー(79)

力作です。一気に読んでしまった(疲れた)。「死の棘」やミホに関しては、神格化されすぎな気がしていたので、今作を読んで少し溜飲が下がった。やはり事はそんなキレイゴトだけでは済まない。この共狂い、言い方は下世話になるけどこの夫婦のプレイの一環だったんだろうなと思う。夫婦だけならどうぞ好きにやってくださいだけど、子供(犠牲者)が二人もいたんだよね・・・。長男・伸三氏の「きれいごとにしないでください」「父は死ぬ順番を間違えた」等の言葉、短いがなぜか胸に刺さった。
★4 - コメント(0) - 3月23日

先日「死の棘」を読み終わり、この本を手に。「死の棘」は長い人生の中の精神を病んだ壮絶な時期にスポットが当てられていたので、理解に苦しんだ。ミホと敏雄の生い立ちから出会いが詳しく書かれている本書は自然の流れの中で壮絶な「死の棘」の時期を受け入れることができた。人生を狂わせた「十七文字」。鍵となる言葉だけに胸につかえたままの読後感。「十七文字の中身を決して誰にも言わなかったミホ」とあるが作者は分かったのか?息子に「ごめんね。私はお前のお父さんを殺してしまった」と言う。人を愛しすぎるとお互い苦しい。
★6 - コメント(0) - 3月20日

「死の棘」を始め、島尾夫妻の作品を一つも読んでいません。これからも読みたいとは思いません。お子さんたちが本当に気の毒です。
- コメント(0) - 3月20日

夫の不貞を記した日記を読んだことをきっかけに狂った妻、死の棘の妻のモデルである「島津ミホ」の評伝。大変な力作、構成も文章もよくて夢中で読んだ。戦時下の異様な陶酔感の元で悲恋の主人公だった二人は、肩透かしをくったかたちで戦後に突入し、端役にすらなれないような鬱屈した日々を過ごす。夫の不貞は起死回生の打開策で、妻は夫の日記をさりげなく見せられた瞬間に、阿吽の呼吸で新たな芝居の幕開けに見事に乗った。この二人にしかできない、生きざまにただただ唸る。
★12 - コメント(0) - 3月13日

愛憎の激しさ・執拗さと、作家としての冷徹な目線の落差にゾゾッ…と寒気。未読な『死の棘』を無垢なラブストーリーだと想像していたのに。島尾敏雄は人生を小説執筆の材料にしてしまうとはねぇ~!修羅を選んで生きている二人に比べ、養父の文一郎のミホへの愛情は南島らしく底抜けにおおらかだ。敏雄とミホの婚前交渉の為に、疎開小屋に移った父の複雑な気持ちを想像すると居たたまれない。戦前の奄美の貞操観念や道徳観について、又キリスト教との関連も描いて欲しかったな。
★12 - コメント(0) - 3月9日

TB
★★★ 妻の精神を壊してしまう17文字の夫の日記の言葉とは何だったのかと、ゴシップを読むレベルの好奇心で読みはじめたら、ずいぶん高尚な内容で読み終えるのに少々難儀した。 調査のきめ細かさ奥深さに脱帽。 しかし結局、17文字の謎は解けず。 島尾は小説を書くためなら手段を選ばずだったのか、ミホは本当に狂っていたのかの謎も消化不良。 夫の行動には作為が含まれ、妻の狂気もほんの少しは芝居、その上で書かれた作品は小説なので、事実とノンフィクションと誇張が入り交じった、というところか。
★6 - コメント(0) - 3月8日

いやはや参りました。
★2 - コメント(1) - 3月8日

戦時下の加計呂麻島での特攻隊長と島の名家の娘の死を前提とした恋は敗戦によって戦後の現実に投げ出され、作家となった男は小説のために浮気をし妻の狂気を誘うものの主従関係は逆転、書かれる側の妻はやがて書く側へと転身する。その妻島尾ミホの実像に厖大な資料と精緻な筆力で迫る力作。全てが規格外の話なのでいっそフィクションだと言われたほうが気が楽でした。島尾敏雄と長崎との縁や伊東静雄との関係、さらには武田百合子とも交流があったことにもびっくり。ところどころ揺らぎつつもここまでまとめあげた著者の執念に脱帽です。装丁:司修
★10 - コメント(0) - 3月3日

筆者の徹底した調査と探求ぶりに感心した。本書を読んで自分の『死の棘』像が、あるいは私小説観が変わった。虚実皮膜のあわいをとことん描く、そこには虚構なのか夫婦の実態へのひたすらな観察の記録なのか、判別は不能なほどに微妙だ。敏雄は妻のミホを追い込むことで創作熱を高めたのであり、同時にミホも狂気を生きることで前代未聞の世界を敏雄に描かさせるようでもある。
★27 - コメント(5) - 3月2日

小説を書き続けることは痴態の狂言で自他の生命を削り続ける行為なのかと空恐ろしくなります。濃密な評伝を読んだ後では初めてみる年譜が以前から知っていたかのように錯覚しました。こんど死の棘を読んでみようと思います。
★7 - コメント(0) - 2月28日

戦時下での熱に浮かされたような恋愛から、夫の日記をみたことに端を発するミホの狂気、入院、生まれ故郷への帰還、死別……。まさに小説よりも奇なり。夫婦とか、親子、生まれ育った環境(特に独特な加計呂麻島!)といったものに深く思いを巡らせてしまった。業の浅い夫と業が深すぎる妻、互いの足りない部分を補うには似合いの夫婦だったのかもしれないね。でも、敏雄の晩年は幸せだったのだろうか、胸が痛まないでもない。梯久美子さんの推理と検証は一々腑におちるけど、「十七文字」であれほど思わせ振りに引っ張らなくてもなぁ、と少し思った
★15 - コメント(0) - 2月27日

「死の棘」の狂える妻のモデルになった島尾ミホを中心に据えた島尾夫妻の評伝。膨大な量の資料を読み解き関係者に取材を行い所縁の土地に赴く、圧倒されそうな著者の仕事の量に見合った読み応え。書かなければ気がすまず書くために人を踏みつけにもする島尾敏雄の業、奄美の名士の親から愛されて育ったことが誇りのミホ、本土の人間に潜んだ奄美・沖縄への蔑視、戦前戦後の文学青年達の事情や思い上がり、最大の犠牲者にも思える「あいつ」等書かれていることのどれもが面白かったが、ミホという人の困った魅力と人となりがやはり印象に残った。
★4 - コメント(0) - 2月27日

死の棘を知らずこの本を手に取りました。どこまでが真実でどこからが創作なのか?もう誰も知ることはできないし、2人も実際に起こった出来事と小説の狭間で生きていたのではないかと思います。この本を読んだだけでも気持ちが変になりそうでした。とても死の棘を読む勇気はありません。
★9 - コメント(0) - 2月25日

「死の棘」は未読ですがあらすじは良く知っており、読むべき本と思い、一日がかりで集中して読みました。ミホの狂乱のきっかけは実は、敏雄がしかけた可能性が捨てきれず、関東大震災でも戦争も自分をすり抜けて行き、小説を書く必然的な立場がないのではと悩み、また己の罪深さに「審き」を求め、ただ書くために逃れようのない自分を作りたくて妻を巻き込んだとも見える。またミホも「書かれる自分」を意識し、行動化していたところ、物を書く人の業は恐ろしいと改めて思いました。力作です。
★19 - コメント(0) - 2月24日

島尾ミホの評伝。11年をかけた徹底的な取材と、貴重な一次資料の丹念な読解によって、島尾敏雄とミホの愛とはいったい何だったのかを問うた労作だ。この夫婦と「死の棘」の従来の読みに対する脱・神話化が意図されており、鋭い視点を持った文学批評だと思う。言葉で結びついたふたりは、言葉を巡って諍い、言葉によって関係を再構築する。敏雄の言葉はすべてミホが検閲している。書き書かれ、束縛し隷属し、周囲を嵐のように巻き込んで生きたふたりの姿に、書くとはなんと暴力的な行為なのかと思い知らされる。ミホの作品を読もうと思う。
★9 - コメント(1) - 2月21日

ヒトが生きていくというのは、実は死んでしまうことよりもしんどいことなのかもしれない。ふたりとも生き過ぎてしまったがゆえのしんどさに絡めとられてもがきにもがいていたように思える。その過程で意地と業が頭をもたげてきて、もともとどちらも持っていた劇場性と承認欲求によってそれが煽られていったのではないか、なんてことを考えた。周囲が造りあげた自分像に自分を当てはめるために身を削っていくって…なんて強烈な意地! そのために「書かれなかった部分」をあぶり出していく過程が、こんなにもスリリングだとは。梯さん、すごいっ!
★22 - コメント(0) - 2月20日

大作。栗林中将のドキュメンタリーでファンになりました。筆者の書籍はほぼ全作読んでいますが、これが最高峰。膨大なリサーチの賜物。死の棘を単なる私小説ととらえるのではなく裏に潜む夫婦の葛藤、創作への拘りを見事に捉えています。
★4 - コメント(0) - 2月19日

二人の息子である伸三さんの言葉に「あの二人は、知力も体力もある二人が総力戦をやっていたような夫婦だった。。。。。」とあったのが、読んだあとの感想としてはその通りと思いました。伸三さんとマヤさんから見た二人の実像はどんなものだったのかをちょっと知りたいを思いました。そして、そこからミホが豹変したという敏雄のに日記の17文字には何が書かれていたのかが最後まで謎なのがすごく気になった。
★11 - コメント(0) - 2月16日

昔読んだ原作の負の無限ループの長さも印象的だったが、この本の長さも印象的。夫妻の作品の表現を細かく分析することで、何が描かれたのか、そして何より大事なのが「何が書かれなかったのか、除外されたのか」を明らかにした。ことばが夫妻を切り刻み、つなぎ合わせる大切な存在だったことがよく分かる。これまで描いてきたイメージが遠のき、実像は何なのかがまったく分からなくなる。著作ガイドの役割も果たしているので、いろいろ読んでみたくなった。読み通す側もエネルギーがいるが、筆者のエネルギーたるや並大抵のものではない。労作。
★24 - コメント(0) - 2月15日

労作そして力作です。島尾夫妻の愛憎と狂気にたじろいでしまいました。
★5 - コメント(0) - 2月10日

tom
島尾敏雄の妻ミホの評伝。というのか、ミホのことを書きながら、島尾の小説作法のすさまじさを、残された記録と周囲の人からの聞き取りをもとにして書きだした本。島尾敏雄は、妻を追い詰めるために女性と交際し、そのことを日記に書き、日記を妻に読ませる。そして、追い詰められたミホを観察しながら、それを文章にしようとしていたとのこと。そして、島尾敏雄は、ミホが精神的に安定になった後、ミホにお仕えする。そして、夫婦がいつの間にか共依存の関係に入っていったと読める物語。しかし、二人とも、本当に自己中。友達にはなれない。
★17 - コメント(0) - 2月7日

39年前『死の棘』の装幀をした司修氏による装幀。タイトルの「狂」という字の中に十字架がある。表紙に描かれた蝶は何だろうと思い読んでいたが、作中、奄美では三角が蝶のかたどりで人間の魂であり魔除けとされるということが説明される。島尾夫妻の後半生で「なきもの」のように扱われていた「あいつ」川瀬さんの足跡を辿ることで、三角関係の隠されたもう一つの頂点が見えてくる章が心に残った。息子の伸三さんの「きれいごとにはしないでください」という言葉と共に、長じて言葉を発することができなくなった娘のマヤさんの生涯が気になった。
★8 - コメント(0) - 2月1日

島尾敏雄のテクストの読みが安直な感は否めないが、丁寧に書かれた評論。『死の棘』の一番の被害者に浮気相手の「あいつ」を据える点や、神話化の欺瞞を暴き出す点は慧眼。
- コメント(0) - 1月31日

「狂う人」は「死の棘」で書かれる側であったミホの評伝作品だ。取材や資料から緻密にミホその人を描き出していく力作でより深く彼女の事を知ることが出来た。そしてもともと他人である夫婦とはなんなのか、ずっと一緒にいるということは、お互いをお互いでがんじがらめに縛りあう関係とはなんなのかと思ってしまう。こんなに深くお互いの事を考える日々。とてもこんな濃厚な関係は築けないなあ。 普通の夫婦と違うのはやはり二人が書く人と言うことだ。もしも敏雄が作家でなかったら。まだまだ考えることはありそうだけど年末年始「死の棘」「狂う
★10 - コメント(0) - 1月31日

文学、「書くこと」「読むこと」の魔に憑かれた女と男。表の世界と裏の世界。島尾敏雄の本が好きな自分が彼の死後30年にして読むには苦しい伝記的作品だった。『死の棘』をこのような形で読み直すことに意義はあるのだろうが、今は距離を置きたい。書物はどのようにも読めるのだから、限定されることの不自由さや、私小説的作品の背景の真実にいかに迫ろうとも、作品と縁遠い無表情さを湛えていて徒労の感がする。亡くなって反論できない人物達を思うと後味の苦さが胸を塞ぐ。島尾夫妻への尊敬の念を持ち誠実に取り組んだ労作であることは確かだ。
★38 - コメント(1) - 1月26日

島尾敏雄「死の棘」は、夫の不貞を知った妻が狂気の底へと落ちていく様を描いた私小説で、第29回読売文学賞を受賞した。その狂った妻が本書の主役たる島尾ミホである。本書では、「死の棘」に描かれたこととその裏に隠された現実を、ミホが遺した膨大な記録を丹念に紐解き、関係する人々の証言を積み上げて、島尾夫婦の真実を描き出して、圧倒的なノンフィクションに仕上げていく。奇しくも、本書は第68回読売文学賞評論・伝記部門を受賞した。「死の棘」と同じ文学賞を受賞したことに不思議な因縁を感じてしまう。
★8 - コメント(1) - 1月21日

島尾ミホ伝。『死の棘』に書かれた異様な事実にまずは面白さがあるのだが、本書によれば、その「書かれた事実」が一筋縄ではいかない。敏雄が書くために引き起こした(かのような)女との交渉を日記に書き留め、ミホがそれを見るように仕向けることにより、ミホは狂う。さらにそれを敏雄一人の手で小説に仕立てるのではなく、ミホが事件を先行して自ら書き、また敏雄がミホの意向を反映させつつ『死の棘』が成立する。「書くー書かれる」という行為を通じた二人のぶつかり合いは、死を目前にした高揚に始まり、敏雄が世を去り『死の棘日記』
★21 - コメント(1) - 1月21日

「死の棘」が美しい夫婦の愛の物語とは思えなくて、私の読み方や人間の見方が浅いんだなあと思っていたけど、やっぱりそんな美しいだけのものじゃないよね、って少し腑に落ちた感じ。晩年の敏雄と親しいつきあいのあった元教え子の遠藤さんの「そうやって島尾先生がご自分をしめつけるようにしてミホさんと一緒にいたのは、それが快楽のようになっていたからかもしれないと思いました。そういう状態の方が小説が書けるのではないか、と」という言葉が印象的。そこまでして「書く」という小説家の凄みというか。でも川瀬さんのことを考えるとね…。
★16 - コメント(0) - 1月16日

延々と夫婦間の戦い。最後に「死の棘」のあらすじもある。夫の死後、最後からもしれない、終戦時の海岸で喪服を着て、一夜を明かすことを繰り返す、奥さん、ミホ。ああ、怖い。
★7 - コメント(0) - 1月15日

僕は『死の棘』のことほとんど知らないのだけど(『火宅の人』と混同するほどだ)、驚いたのは「知らなくても面白い!」ってこと。おすすめ度は★★★★☆くらい。書物の特性上慣れないと読みにくい部分があるから星4つとした。島尾ミホさんについては、おそらく吉増剛造さが「ミホさん、いいねぇ」と語っていたので、そこで知ったのだと思う。『死の棘』自体もそうだけど、島尾ミホ作品が読みたくなる一冊。労作である。感嘆。喫驚。
★32 - コメント(1) - 1月9日

島尾敏雄「死の棘」の妻ミホの評伝。狂った妻との生活を描く私小説が有名だが、その神話と実像をミホ本人や関係者や日記などの資料から浮き彫りにする。曖昧なままの愛人の正体や小説の内容はどこまで実際のことかなど。敏雄の作家の業やエゴがむき出しで痛々しい。短編集「死の棘」というものがあるのを初めて知った。島の旧名家の一人娘と赴任した27歳の島尾特攻隊隊長は恋に落ち、極限状態のまま出撃を待つが終戦を向かえてしまうという、神話のような出会いはどこまで本当なのかが知りたかった。労作。良作。
★80 - コメント(1) - 1月4日

☆☆☆☆梯久美子さんは「週刊ブックレビュー」の司会者を務めていた時期もあります。わたしが梯さんを知ったのは「週刊ブックレビュー」のゲストとしてでした。この本は渾身の力作です。2006年に奄美で梯さんは島尾ミホさんにインタビューしていますが、わたしがはじめて梯さんをテレビで見た時期と重なります。梯さんはミホさんの話を聴きながら、島尾敏雄が「死の棘」に書かなかったことを自分が聴いているという感動に背筋がぞくりとしたといいます。梯さんは島尾ミホのまとまった評伝を書きたいと思いました。
★11 - コメント(3) - 1月4日

どうしても年内中に読み終えたいと思いました。こんな狂気の世界を年またぎで読みたいとは思いませんでした。「狂う」は文学的な表現だと思いながら読みました。無垢な愛の姿とも言えるだろうし、何かに取り憑かれた狂気とも言えます。文学のために引き起こしたような記述もありますが、傷つき犠牲になった方には何とも虚しさしかありません。ここまであからさまであるにも限らず、ミステリアスな要素は残されたままです。それでも、この評伝は、体力が奪われていくような激しさを感じさせ、ここにも著者の作家としての業を強く感じました。
★33 - コメント(0) - 2016年12月31日

ミホは敏雄の日記を目にしたことを機に心の均衡を失うが、敏雄は初めからミホに読ませることを前提に日記を書いていた…。終戦の肩透かしにあった特攻隊長たる敏雄が自身の罪悪感の代償として選んだのは自らを悲劇の演者に仕立てることだった。一方のミホも、戦時の特殊な状況下で敏雄に恋い焦がれ、結婚後は貞淑な妻でいようとするが、姫君として育ったミホには窮屈でしかなかった。敏雄の日記は、ミホを図らずも解放し、支配者の地位に返り咲かせた。ミホの狂気は敏雄にとって格好の題材であり、敏雄自身も嬉々として束縛を引き受けたのだ。
★32 - コメント(5) - 2016年12月26日

★★★★
★1 - コメント(0) - 2016年12月19日

2016.12.18(読んだわけではありません。日経 H28.12.18書評欄から、書評者:赤坂憲雄) (見出1=『死の棘』の神話的解釈を解体)  (キーワード=)  (著者=梯久美子) (書評者=赤坂憲雄) 異形の暗い輝き、『死の棘』。  未完に終わった島尾ミホへのインタビューから数年。  ミホの死後、残された膨大な資料。  読み込みに没頭。  吉本隆明が作った、南島の高貴な巫女の血を引く少女と、海の彼方のヤマトからのマレヒトの男の天上的な恋、が解釈される。  出てきたのは、地上的な、
★57 - コメント(1) - 2016年12月18日

力作過ぎて、何を書けばいいのか分からない。参考文献のページ数だけでも溜息です。一つの舞台を演じたような島(戦争)時代が終わり、素になった2人が「あいつ」を巡り対峙する結婚生活、島へ帰ってからの表面上穏やかなその後の生活…2人が幸せだった時はあったのか?それともそんな事はとうにどうでも良くなり、共に生活することだけが目的だったのか?ご長男伸三氏の「きれいごとにはしないでください」という言葉が深く胸を打つ。著者は真っ向からその言葉に応えたと思う。拍手。やはり、誰の人生もきれいなだけじゃないのだ。
★13 - コメント(0) - 2016年12月15日

「ミホという圧倒的な存在に自分の文学を乗っ取られたという思いが島尾の中にあったのかもしれない」---夫妻の本質の一つだと思うが、これだけ抜き出すとそう簡単なものではないという気持ちになる。ミホの劇場性、敏雄の劇場性、そして、そこに携わった人たち、伸三氏のエッセイを読んだ時に感じたなんともいえない哀しみ、それは「意図的に存在を希薄にされた人」にも当てはまる。その人物に関して著者は一線を踏み越えていない。それは道徳であると同時に「死の棘」の幻想を守ることにもなっている。恐るべき傑作。
★8 - コメント(0) - 2016年12月14日

この圧倒的な評伝のヒロイン・島尾ミホとは妙な因縁がいくつかあった。 Facebookにもいる私の後輩で、今はTV番組のディレクターになっている男が奄美大島出身で、学生時代、彼の故郷の島に10日間程、滞在したことがあった。 行く前から、彼から、彼の母は沖縄で云うユタ体質で、どうもその縁で、島尾ミホと会ってよく話すくらいの付き合いはあったとのことだった。 そして我々は彼の父に連れられ、加計呂麻島の人間魚雷の基地跡にも連れて行ったもらった。 だが、戦後文学好きな私が何故か、島尾敏雄はノーマークだったのだ。
★4 - コメント(0) - 2016年12月11日

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホの 評価:100 感想・レビュー:44
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