冬の物語

冬の物語
あらすじ・内容
北欧の春は華やかに押し寄せ、美しい夏が駆け抜けると、長く厳しい冬がひたすら続く。デンマークがナチス占領下にあった冬の時代、大自然のなかに灯された人びとの命の輝きを描いて、作家自身がもっとも愛した短篇小説集。〈イサク・ディネセン生誕一三〇周年〉

あらすじ・内容をもっと見る
363ページ
257登録

冬の物語はこんな本です

冬の物語の感想・レビュー(77)

ライラックの緑と雪の白と水の青。すべてが澄んで、キラキラとスノーダストの輝く冬。そんな美しい北欧の自然の中で語られる物語はやはりオーロラのように不思議な形をとり見るものを惹きつけてゆく。けれどどの物語も行き着く先はみえなくて後ろを振り返ってしまう。この道があっているのか、進んでよいのか躊躇しながら。其れ程読んでいる間も、読んだ後も不思議な感覚に包まれた読書だった。水夫の話がよかった。
★20 - コメント(0) - 2月21日

デンマークを舞台にした11の短編。懐の深い作品が多く、人生の様々な局面に対峙する態度を問われるよう。どの話も単純な結末は迎えない。一読では分からない様々な伏線もありそうだが、それは次の楽しみにしておきたい。北欧の美しい自然、女性の複雑さ、奥行き、闇。さらに自然の中で感じる調和の感覚。新鮮な読書体験。
★30 - コメント(1) - 2月14日

図書館本。 「冬」が好きなのでタイトルに惹かれて手に取った。 広大な土地と厳しい自然に神を見出す。「アイヌ」文化を思いながら読みました。 とても良かったです。
★2 - コメント(0) - 2月1日

カバーイラストから勝手に「美しい冬の北欧を舞台にした愛らしい短編集」というイメージで手に取った本だったけれど、全然そんな本じゃなかった。「冬」とはデンマークがナチス占領下にあった厳しい時代のことだと訳者あとがきで知った。登場人物のセリフには難解なものも多く、また聖書の引用が多かったので、私にはそれほど入り込めなかった。ざっくりした印象を言うと、「ジョイスの『ダブリン市民』に美しい自然描写を加えた」感じ。それにしても、訳者の方は出版時80代。すごいなぁ。
★4 - コメント(0) - 1月21日

表紙に引かれて購入。デンマークの作家さんなんですね。一度読んだだけじゃ難解な比喩表現と、一概にハッピーエンドとは呼べない結末たち。それでも目の前にその光景が浮かんでくるような、その世界に浸れるような作品でした。お気に入りは『カーネーションの若者』。作中で語られる小話がよかったです。
★4 - コメント(0) - 2016年12月17日

よかったです。できれば真夏は避けて読んだ方が情景を丁寧に終えるような気がします。海、船、教会、牧師、きびしい時代・・・少しこわいおとぎ話のような「少年水夫の話」がいちばん好み。養子の子どもたちが登場する「夢を見る子」「アルクメーネ」もよかった。「悲しみの畑」「ペーターとローサ」はラストが悲しい物語。あとがきに作者の不運な人生が記されているが、だからか何か余韻が残りぐっとくる。
★34 - コメント(1) - 2016年7月31日

満ち溢れるのは無常観と一瞬の輝き。「少年水夫の話」はホモセクシュアル的要素ありでドキドキしてしまいました^^;しかし、「女の英雄」の収容所でも毅然とし、修道女達を助け、将校達の敬意を得たエロイーズの最後の過ぎ去って取り戻せない女の生きている若さを惜しむ言葉は印象的。女性ならばいつかは抱く虚無感と義務的な人生への諦念に溢れています。「魚」の微笑ましい話だと思っていたらそれは最後の事実の提示で繋がる経緯だったという事に慄然。「ペーターとローサ」の二人の愛は永遠になったことの経緯の凄まじさにも震えが止まりません
★51 - コメント(0) - 2016年7月10日

翻訳されて嬉しい、なにげにディーネセンの作品が近年読める。身分差の高慢な美しさ素敵…
★2 - コメント(0) - 2016年6月13日

『アフリカの日々』で惚れたデンマークの作家の短編集。たいへん示唆に富んでいるのに優雅で面白い。いちばん好きなのは『ペーターとローサ』、とっても美しい物語だった。
★5 - コメント(0) - 2016年5月21日

書店で、なんとなく気になって、手に取った本です。 どの物語も、ていねいに書かれていて、読んだ後に、物悲しいような余韻が残る作品ばかりでした。 とてもよかったと思います。
★3 - コメント(0) - 2016年5月16日

~拠り所になる存在の大切さ。
★2 - コメント(0) - 2016年5月4日

初読みの作家ですが19世紀末が舞台ね。なかなか良かったです。
★28 - コメント(0) - 2016年4月30日

この数日 爆読に陥って目が
- コメント(0) - 2016年4月13日

読むのが苦痛だった。北欧の美しくも恐ろしい自然描写はいいと思う。だが内容がなんとも保守的で好みじゃない。時代を考えれば仕方がないのだろうけど。「夢を見る子供」「アルクメーネ」あたりで本を放り投げそうになった。
★1 - コメント(0) - 2016年4月5日

充実した短編集だった。北欧の豊かな自然描写が素晴らしく、それを背景に、北欧神話やギリシャ神話、キリスト教教義を底辺にして様々な人生が語られていく。厳然たる階級制度が健在な様も見え隠れしながら、偶然の出会いやすれ違い、些細なことで思わぬ方向に舵をとるそれぞれのままならない人生模様が鮮やかで、考えさせられ、時を経てから再び繙きたいと思う本だった。
★19 - コメント(0) - 2016年4月2日

どこか懐かしい風景とゆったりとした雰囲気の導入からの先の読めない急展開が面白くて、エンタテイメントを意図していなくてもそう読める作品がけっこうあったり。すべてよかったけど「カーネーションの若者」「ペーターとローサ」「悲しみの畑」が特にお気に入り。
★41 - コメント(0) - 2016年3月31日

読み急ぐための本ではない。出来るなら、古い家の暖炉の傍で、分厚い膝掛けを撫でながら、ゆっくりゆっくり読みたい短編集。舞台は19世紀半ばのデンマーク。殆ど知らない国、でもそこに降る雪を、訪れる芽吹きを、ひとつずつ手渡してくれる。本を読むのは旅することだ、と思う一冊がまた増えた。
★38 - コメント(2) - 2016年3月31日

冬がおわってしまった。でもいい時間だった。ことばが深々と降り積もったり、澄んだ空気に浸ったり。そこにあるだけでいいなと思えることばっていいなぁ。とりわけ印象的だったのは「少年水夫の話」「カーネーションの若者」「真珠」「無敵の奴隷所有者たち」「女の英雄」「夢を見る子」。 “ マスコミが一定方向に染まる時代でも、本は個々が所蔵できるし、それを自分の時間の中で読むことができる。” に当時のデンマンークを北欧の短く美しい夏と長く厳しい冬を重ねる。「ペーターとローサ」は、読み終えて鼠色のきもちになった。
★19 - コメント(0) - 2016年3月31日

ともかく自然の描写が神々しいほど美しく、思わず音読してしまったほど。フォークロアっぽいハヤブサと水夫の「少年水夫の話」、禍々しき幸福の王子とでも呼びたいイェンスと養親の関わりを描いた「夢を見る子」が特に好き。そして、挿入話のレディへレナの話。水の球体地球を航海する船、地球の裏側、その真下を行くもう一艘の船。互いに影を落としながら。いつか同時に沈没し地球の中心で二艘は出会う・・何というイカサマ科学!麗しきファンタジー!正直、よくわからない作品もあったけれど、それも含め言葉そのものの美しさを堪能しました。
★34 - コメント(3) - 2016年3月30日

今から百年近く前のデンマークで書かれた短編集。作中の年代は19世紀くらいの頃のものが多い。富むものと持たざるものの支配被支配の関係をめぐるものが多くて読みながら考えこんでしまうものや、反対にすっと心に馴染むものの二つに別れた。後者は少年少女をメインに据えたものが多く、特に「アルクメーネ」が胸に残った。「少年水夫の話」「ペーターとローサ」「女の英雄」も好きである。「夢を見る子」「悲しみの畑」の起伏に富んだ物語も印象的。何度か読まないと掴めなさそうなもの含めて、登場人物の造形や語り口に力があって引き込まれる。
★9 - コメント(0) - 2016年3月24日

ご本人の劇的な人生に反してストイックで分別臭いと敬遠される向きもあろうが、どうにも好きである。ディネセンの作品には質素な洋服の下に豊満な肉体を一生隠し続けるようなエロティシズムを感じてしまう。時にお伽話のように残酷な結末も堪らない。「女の英雄」はモーパッサンの「脂肪の塊」を想起致しました。
★49 - コメント(3) - 2016年3月24日

訳者のお手柄?静謐な語り口が素晴らしい♪ 要再読! ★★★★
★10 - コメント(0) - 2016年3月18日

読んでいるこちらの意図を翻弄し、予定調和の展開を予想していると、はぐらかされてしまい、戸惑いながらも、そこに含まれている、愛や悲しみ、人生の苦楽を、滾々と重ねていくような印象が好み。自然の美しい風景と、そこに拡げられる物語が、相互に干渉しながら、様々な絵を見せてくれる。寓話のようなお話もあり、全体像を一言で延べられないのがもどかしいのだが、読み返してみて、そこに潜んでいる意図を、自分なりに解釈する事で、本作が持つ側面を発見する、不思議な楽しさもあった。若干重い流れから、軽妙な印象で終わる構成が良い
★36 - コメント(2) - 2016年3月14日

おとぎ話のような11編の物語だが、その多くはすっきりとしない終わりで、人によっては後味が悪く感じられるかもしれない。しかし、絶望的な状況にあって希望とはいいがたい希望を感じさせるところが素晴らしい。ナチス占領下で書かれたということもあるかもしれないが、北欧の自然の厳しさと時代の厳しさが交錯するような気がする。繰り返し読むに足る作品。
★12 - コメント(0) - 2016年3月13日

とても良かった。いわゆる"昔語り"なのだが、ほんの数行を目で追うだけで、その情景の中に引き込まれ、凛とした静けさの余韻に浸ってしまった。前半数篇読んだ時点では、表紙は可愛らしいけれどちょっとイメージ違うなあ…と思っていたのだが『ペーターとローサ』の一場面なんだね、ラスト一行を読んだ後に改めて表紙を見返し、この牧歌的な絵にまたぐっときた。どれもこれも素晴らしかったが、自分的ベストはペーター〜と『アルクメーネ』『夢を見る子』『少年水夫の話』『無敵の奴隷所有者たち』あたり。『アフリカの日々』も読まねば。
★46 - コメント(1) - 2016年3月7日

正しい事とするべき事で 揺れる思いが清過ぎ、敬虔値の低さで、時々置いて行かれる。作中話に惹きつけられ、終わりの在り方を慮る。今回はワインと牡蠣の男爵夫人というより、生きてるぞ~感が強く、著者の波乱に満ちた人生が興味深い。
★27 - コメント(0) - 2016年3月7日

予想以上に素晴らしい内容だった。幻想的なリアリズムとでもいうのか、北欧の自然に呪術的な呼び声が溶けこんでいるよう。悲しい結末の話が多いのに湿っぽくはない。乾いてきりっとしている。いいなあ、これ。
★12 - コメント(0) - 2016年2月20日

こんな話があるのです、と次々語られるがごとくここにある十一もの物語、そのまた物語に、著者の人間性の深き魅力を感じる。物語られる人生の中にある無数の感情は、推し量る以上に溢れてくる。そこにある気高さは、きっと登場人物たちだけでなく、著者自身でもあるのだろうと、ひとつひとつの物語を読み重ねるほどに思い至る。そうして心の在り方は、真っ当であるべきだと強く感じ入る。人生と世界への深い洞察は、読みながら何だか試されている心地にもなる。過去、今、その先。そこにいる自分を、そこにあるものが語り出すのを見つめたくなる。
★34 - コメント(2) - 2016年2月20日

「アフリカの日々」がとにかく良かったので期待を込めて読んだ一冊。寓話的な物語が多く、またキリスト教的な道徳観も色濃いのだが、物語がどちらに転ぶかわからない破天荒なところもあってそこが面白い。また描かれる女性たちがみな強いところに、ディネセンらしさも感じる。この物語はナチス占領下のデンマークで書かれたとのこと。これらの物語が当時の人々にどう受け止められたのだろう。
★37 - コメント(0) - 2016年2月19日


★1 - コメント(0) - 2016年2月10日

全体的にすかっとするお話はないんだけれど、著者が女性でそれを隠して男性筆名で作品を発表していたとか、ナチス占領時代のデンマークで書かれてひっそりと海を渡って米英で出版されたという背景のほうに興味がいってしまった。私自身がキリスト教徒ではないことや、一神教に対する不信感があるせいか、どうしても物語にひそむ宗教くささに拒否感を示してしまう。風景描写とかはっとする一文は多いのだけれども。
★5 - コメント(0) - 2016年2月7日

装丁は現代の手になるものだろうが、作品イメージをよく表わしている。ディネセンは男性と思いきや、女性、ペンネーム。100年以上も前の方で収められている11の短編の舞台は大半が19ⅽ半ば、もっと以前のもある。原題通り、春の訪れが何かしら運命の一歩を進めんとする高鳴りを読み手の心に打ち続ける・・筆者の知的センスの高さ、研ぎ澄まされるようにきらめく教養も随所で感じる。正直、一読では?という作品もあり、消化不良気味の読書といえなくもない。とはいえ、横山さんの訳は素晴らしく音読した箇所も多く、楽しく豊かな感慨を戴けた
★52 - コメント(2) - 2016年1月30日

北欧の美しい景色に彩られた11の物語。悲劇的な結末も多いのだけど、おとぎ話のようで、哀しみより情景の美しさが先に立つ。氷の海に沈みゆく少年と少女にさえも「美しいものは悲しい、悲しいからこそ美しい」という言葉が思い浮かぶ。印象に残ったのは、その『ペーターとローサ』、様々な愛の形をおもう『無敵の奴隷所有者たち』と『夢を見る子』、もうひとつの「脂肪の塊」ともいえる『女の英雄』。たった一度のキスのため『少年水夫の話』。訳者あとがきで語られるディネセン=ブリクセンも興味深く、「アフリカの日々」はぜひ読んでみたい。
★50 - コメント(4) - 2016年1月28日

冬景色の中に溶け込む白樺と雪に覆われた山々、空を行く白鳥。装丁に惹かれて手にした本。北欧神話やギリシャ神話の他にキリスト教的なテイストをたっぷり含んだ11の物語たちは、「大地」とともに「海」が重要な役目を果たすものも多く、そうした背景が“北欧の国デンマーク”という異国への憧れをかきたてる。幻想的だがはかなげな雰囲気はなく、悲劇的な展開も多いが後味は悪くない。多くが余韻を残す結末なのにどこかどっしりとした安心感がある。寒い日に暖炉の火にあたりながら静かに耳をかたむけたくなる、そんな物語たちだった。
★32 - コメント(1) - 2016年1月25日

現在過去未来を凝縮したような一瞬を捉えた短編が3つほどあってすごくよかった。風景の描写が美しくてうっとりしてしまい読むのに時間がかかる
★4 - コメント(0) - 2016年1月24日

「カーネーションの若者」にあるようにほとんどが恋愛もの。しかもお互いの気持ちが地球の反対側にあるような切ないものばかり。「千一夜物語」好きなディネセンのこと(ここでも引用やってます)「真珠」以降はチャールズ・デスパード(デスペラードのもじり?)の作品という、入れ子構造なのだろう。でも一番はディネセン作の「少年水夫の話」。「男を一人殺し、一人の女の子にキスをした。これ以上、人生に求めるものは何もない」まさしく
★7 - コメント(0) - 2016年1月19日

「冬の話は怖いのがいい」と言ったのはシェイクスピア。ここに出て来るのは哀しい恋の話ばかり。モーパッサンの『脂肪の塊』みたいになるのかな?と思わせて…ラストのエロイーズの台詞で思い出したのは「汝がとこしえの夏はうつろわず」というクリスティの小説にも登場したシェイクスピアの詩『女の英雄』ある勘違いが男女の恋を阻んでしまった『カ-ネ-ションの若者』凍てつく氷の国らしい恋の成就『ペーターとローサ』真相は一体どちらなんだろうと悩む『夢を見る子』作家イプセンが脇役で登場する『真珠』
★40 - コメント(2) - 2016年1月19日

★★★★★ ◎「悲しみの畑」、◎「アルクメーネ」、◎「カーネーションの若者」、◎「女の英雄」、◎「夢を見る子」、◎「ペーターとローサ」、◎「心を慰める話」、○「真珠」、○「無敵の奴隷所有者たち」、○「少年水夫の話」 …デンマークの郷愁。ひじょうに良かった。カバー装画は児童文学を思わせるところもありますが、中身はかなり渋く、苦く、そして、泣けた。お話が、でなく、描写それ自体で泣けた。「悲しみの畑」「アルクメーネ」が私的2トップ。
★4 - コメント(3) - 2016年1月16日

十一編のデンマークを舞台にした冬の時代の短編集。図書館で見つけてぱらぱらとページをめくり、目についた文章の流麗さに惹かれて借りて読んだが、どの短編も期待以上に良かった。キリスト教の概念をベースに、人々の暮らしや生き様、選択、そして喜びのない結末が淡々と語られる(「ペーターとローサ」の、二人が冬の海に飲み込まれる様など象徴的だ)。 一番印象に残ったのは「魚」。散々贅沢を極めた王が少年時代以来に、改めて自分の喜びを求め、自分の魂に燃えるような愛を感じ、孤独を感じ、神と自分に共通点を見る描写は非常にうまい。
★7 - コメント(0) - 2016年1月16日

短編集ですが、最も惹かれたのは「女の英雄」。モーパッサン「脂肪の塊」と比較して、思わず興奮。
★17 - コメント(0) - 2016年1月15日

冬の物語の 評価:100 感想・レビュー:42
ログイン新規登録(無料)