わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))

わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))
あらすじ・内容
作者七十七歳にして川端の『眠れる美女』に想を得た今世紀の小説第一作。

満九十歳を迎える記念すべき一夜を、処女と淫らに過ごしたい! これまでの幾年月を、表向きは平凡な独り者で通してきたその男、実は往年、夜の巷の猛者として鳴らした、もう一つの顔を持っていた。かくて昔なじみの娼家の女主人が取り持った、十四歳の少女との成り行きは……。悲しくも心温まる、波乱の恋の物語。二〇〇四年発表。

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わが悲しき娼婦たちの思い出 2004巻はこんな本です

わが悲しき娼婦たちの思い出 2004巻の感想・レビュー(446)

五十路を前にした独身者として、読んでいて何とも身につまされた(苦笑)。訳者解説では本書の悲哀について全くと言っていい程言及されていないが、90を迎えてもなお性愛を求める主人公の姿には、何とも言えず心が痛む。とりわけ、終盤近くで、嫉妬紛れの妄想にかられ、狼藉を働き、愛する少女を失う件は正直読み進めるのが辛かった程。それでも最終的にはハッピー・エンドで終わるというのは、著者お得意のマジックリアリズムの一環だろうか?また、解説で『ロリータ』と比較しているが、訳文体がナボコフと似ているのが面白い。読み比べも一興。
★5 - コメント(0) - 3月8日

21世紀のドン・キホーテは書物から飛び出して昔話になったのだろうか? 騎士道物語の書物に没入する老人が衰弱して死ぬ物語をM・バフチンは「初めて書物を目指した小説」と呼んだ。セルバンテスは書物の時空を狂気によって物語を逸脱するパロディとして小説なるジャンルを作った。一方、眠り続ける少女への接触を禁じられた老人が主人公の川端康成『眠れる美女』に想を得たというこの作品は、そんなタブーを軽々と打ち破り、老いに新たな生を与え、14才の少女との愛の成就へのドタバタを描く。読後、昔話を聞き終えた後の優しい笑いが起こる。
★2 - コメント(0) - 2月10日

老いは取り残されるのではなく、自分を知る人間が死に絶えるからこそ別の人生が始まるのだという、思わぬ希望の方向性が示され慄く。
★18 - コメント(0) - 2016年12月8日

大団円なのだが個人的なクライマックスは第一節の最後、生気に満ちた裸体で滾々と眠るデルガディーナに祈りをささげ、己の年齢の重みと迫る死を考えながら朝帰りする90歳の老人の姿だった。すぎたことはすぎたこと、さらりと未練は捨てましょう、どうせすべてはすぎていく、ってなんだか無性に泣けた。
★2 - コメント(0) - 2016年10月20日

映画で観た「コレラの…」より読みやすいと聞いて、まずはこれでガルシア=マルケスに挑戦してみた。挑戦してみたのだが、南米社会を理解していないからか、今ひとつピンとこなかった。▼やはり、主人公が90歳にして初めて恋をするという設定と、その彼が14歳の少女の愛を手に入れるというのは無理がある。▼少女が自らの言葉で一切、語らないのが一因のように思える。やり手婆にいいようにしてやられているだけではないのか。まぁそれでも良いのだろう。「幸せとは自ら自身の外に出ること」なのだから。
★13 - コメント(0) - 2016年9月17日

マルケス最後の小説。馬鹿げた設定ではあったが、ラテンの熱情やみなぎる生命力も感じ、意外と爽やかな読後感だった。爺さんがバスルームで鏡に書く一文で、少女が読み書きを憶えるとか、新聞記者らしい粋な表現であったと思う。
★15 - コメント(0) - 2016年9月15日

初ガルシア・マルケス。読書会の課題本のためにこの作品を読んだのだが、主人公の行動の描写の仕方や猫が出てくるからか何となく村上春樹の作品を思い出した。川端康成『眠れる美女』の主人公は昏々と眠る女性と添い寝しながら過去の出来事を思い出していく様子がまるで走馬灯のようで死を迎えた老人の哀愁が漂っていたが、こちらは娼館で眠る14歳の少女に出会ったことで恋に落ち元気になっていくのが印象的だった。高齢化社会における希望のようなものも感じた。
★3 - コメント(0) - 2016年9月12日

再読。「年はとるものではなくて感じるもの」というように、90歳にして少女に純粋な気持ちで恋をすることは ひとりよがりの恋であっても幸せなことだろう。独り身で死を迎える時が近づきつつある孤独感と恋に苦悩する生き生きとした姿が印象的。
★12 - コメント(2) - 2016年7月15日

これは主人公の90歳の誕生日から91歳の誕生日までの物語です。・・・いや,実際そうなんですが,なんだこの生命力,笑。しかも書き出しが実にけしからん!ただ,本の中身は,書き出しの煽りとも,題名の分別臭さともちょっと違った印象を残す,味わいのある小説です。ガルシア・マルケスは「百年の孤独」に次ぎまだ2作目ですが,詩情もふんだんなのに最終的にあっけらかんとした感じが独特で好き。
★28 - コメント(0) - 2016年4月29日

老いの身の性を題材にした、幻想的で綺麗な/生々しくグロテスクな純愛物語。ラストを大団円と読むか、娼館の女主人の詐欺を見て取るか、あるいは老いて尚盛んな生命力の横溢を感じるか、死に気づかぬ老境の愚を思うか。何れにしろ読後感は変わらない。少女との関係性が主人公の思いのみで構成されているなど、本作を支えているのは事態がどう転がろうと変わらない(シニカルな閉鎖性に依拠した)愚直さゆえの強さである。その強さが、生と死の違いさえ無化してしまう。
★10 - コメント(0) - 2016年4月23日

生やエロスの讃歌、死を目前とした再生への昇華…などと言えるのかもしれない、が、やはり違和感がある。マルケスにしてはさらっとした文章だから、この内容が嫌らしくならないというのはあるかもしれないが、じゃあどこかの小学校の校長がフィリピンで買春しまくって捕まったのとどう違うのか。いや、あの人の方がナボコフ的な気もする。マルケス老いたり!と済ませるには、力強さは少ない代わりに叙情的な香りも漂う気もしてよいなぁと思える面もある。だけどスッとしないのです。
★39 - コメント(0) - 2016年3月21日

人間という生き物は、老いと若返りを繰り返しながらただただ死へと向かっていくのだと思った。ただ、ここでいう「老い」とは年齢によって決定されるのではない。何故なら、「老い」は自分が内側から感じるものではなく、他人によって外側から決定されるものだからだ。死の肯定は、同時に生の肯定でもあるのかもしれない。
★5 - コメント(0) - 2016年2月10日

ガルシア=マルケスの言う『本当らしさの限界というのは、我々が考えているよりも広がりのあるものなんだ』って言葉は、この物語に関していえば、ただ単に90歳の老人が14歳の娘に恋をするということを指すのではなくて、その恋が成就することを、それによって希望に満ちることを指している。おじいさんが少女に恋をする。それだけで実に夢のある話じゃないか。あやかりたいとは思うものの、現実的には非常に生臭くなるんだろうなと。本当と本当らしさは違うだろうなとも思うのであった。
★12 - コメント(1) - 2016年1月2日

“そして最後に、恋というのは魂の状態ではなく、十二宮の星宮の位置によるものだということを発見した。”い、いい話だなぁ~。『わが悲しき娼婦たちの思い出』なんてタイトルの割にはユーモラスで前向きかつ幸せな話だった。その生涯で一度も人を愛したことがなかった男が直面する御歳90にしての初恋、してその相手は14歳の少女!そんな設定からして普通じゃないしガルシア=マルケス特有の過剰さが全開だけれど、死と老いに対する少しの哀しみと、恋と運命に対する喜びが前面に溢れており、爽やかな読後感を残す。まさかのラブコメであった。
★28 - コメント(0) - 2015年12月5日

ガルシアマルケスとの出会いの一作、再読。
★2 - コメント(0) - 2015年11月23日

行ったことも、言葉を勉強したこともないラテンアメリカものが、ことごとくはまるのはどうしてか。ラテンアメリカの国々に対するイメージが、実はあまりよくないからなのかもしれない。帯の煽り文と内容の解離がひどいなと思った。売るための一言としても、読んで字のごとく買い手を「煽る」文でいいのか?
★7 - コメント(0) - 2015年11月1日

「満90歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた」。書き出しから秀逸。パートナーは「『百年の孤独』はよく分からなかったけれど、これは美文で好き」。昨年4月に86歳で亡くなったノーベル賞授賞作家77歳の作品。
★11 - コメント(0) - 2015年9月27日

90歳の主人公によると「恋というのは魂の状態ではなく、一二宮の星宮の位置によるものだということを発見した。」とのこと。たいした老天文学者である。道はまだまだ遠い。
★7 - コメント(0) - 2015年9月26日

「眠れる美女」から想を得て……というので読んでみたが、所変わればここまで違うものなのか。生命力みなぎってるなぁ。コロンビアの太陽と海風が漂ってきそうな文章、九十過ぎても定職もあって元気なじいさんと、野生動物のように生気に満ちた眠る少女。とはいえ、ブ男だが逸物持ち設定のせいか、インテリ層で周囲にも愛されてる設定のせいか、主人公に悲壮感も老人感もない。悲しくもなんともない本なので、タイトルに騙されないように。
★7 - コメント(0) - 2015年8月30日

恋とは余白が作り出す幻影。眠れる少女は老齢の男にあますことなく甘美な夢を与える。吐息が二人の会話を織りなし肌が饒舌に官能を伝える。愛しきものに触れる。それ以上に何がいる?中南米の太陽は輝いて雨が降っていても陽の気配が感じられる。陽が眩しすぎて白日夢をみていたのかもしれない。騙されたっていい、これほどまでに完全なるペテンになら。冒頭に掲げられた川端康成「眠れる美女」の二文を読んで二話のかけ離れぶりに唖然。地下の鉱脈をうかがいその裏側から掘るのが才なんだ。お初のガルシア・マルケス、あまりの物語ぶりに唖然騒然。
★40 - コメント(0) - 2015年8月15日

プラス30年は生きそうな90歳じじいの話。「この世界で生き残れる乙女座の人って、八月生まれの人だけだものね」って何なんだろう。九月生まれ乙女なので気になるぜ
★8 - コメント(1) - 2015年8月8日

題名からなんとなく「土佐源氏」っぽい話なのかなーと思ったが全くちがった。地味にぶっとんだ話。コロンビア人って殺されなければ長生きな印象あるけどまさにそれ。主人公の周りには常に女達がいるのに90歳になっての初恋()が眠り薬飲まされた少女って……しかも物語の全体的な印象は明るいって本当、普通じゃない。眠れる美女の江口老人がもし「浮気」をしなかったらこんな感じの物語になったのだったのだろうか。気持ち暗めで。
★3 - コメント(0) - 2015年4月21日

アイドルに夢中になる人の話に思えた。おじいちゃん元気だ。
★5 - コメント(0) - 2015年3月17日

「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた」こんな文章が書けたら、人生はどれほど楽しいだろう。私は、しばしば人生の半分はいつだったのか、あるいはいつになるのか考える。そして残された時間をはかり、不安になる。しかしマルケスに言わせれば、それは死神の怒号らしい。終末に向かって怒涛のごとく流れるのが人生だと思っていたが、人生には、片面だけでなく裏面もきれいに焼き上げる機会が与えられている。死神が私を食べるのはそれからなのだ。日本のお年寄も元気で長生きしてください。
★6 - コメント(0) - 2015年2月15日

処女と交わることを自らのの誕生日のお祝いに思いついた老境の新聞記者。なじみの娼館で、薬により眠らされた少女を準備してもらいますが、90の齢にして、はじめて彼は恋心を知ります。寝ている娘に名前を与え、本を読んで聞かせ、あまつさえ生活をともにする空想を見る…。一方、現実の彼女については娼館の主の口から伝え聞くばかりで、老人は一人よがりの愛の妄想を発展させます。少女を買うのは悪徳だし、老人の恋だって一方通行の孤独な想い。それでも、死を目前に控えた年齢で人生の素晴らしさに目覚めた男の、生きる力漲る作品でした。
★13 - コメント(5) - 2014年11月30日

上手い文章に敬服。「コレラの時代の愛」への回答でもあるわけですね。
★2 - コメント(0) - 2014年11月29日

なんだこのじいさん。
★1 - コメント(0) - 2014年11月8日

「百年の孤独」の余韻デカ過ぎ、口直しにSFを読んだが、やっぱりガルシア読んでみたくなり、図書館にてGet。本の帯にあるように主人公の私は90歳の誕生日の記念に処女と淫らな一夜を過ごす計画を立てる。川端康成の「眠れる美女」にインスパイアされて書いたらしい。川端康成は当時61歳、ガルシアは77歳の時の作品。私90歳と少女14歳の歳の差76歳。90歳にして普通の初恋の様にトキメキやがりスゲ~❗て話だが ガルシアマジックってやつだな。ガルシアマジックから脱け出せません。
★52 - コメント(1) - 2014年11月1日

「満90歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して誕生祝いにしようと考えた。」ではじまる物語。人は、ほかの人なら、あれはこれこれの人だと思われている人間にならずに終わることはあり得ない。マルケスの独自の世界へ引き込まれていく。
★20 - コメント(1) - 2014年10月7日

川端康成の「眠れる美女」にインスパイアされて書かれた作品。主人公が満90歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して自分の誕生祝いにしようと考えたことから、物語が始まる。とてつもない純愛。生きることへの喜びや希望が伝わってくる。ありえなさそうで、ありえそうな話なのもいい。川端のは積ん読にしていたから、この機会に読んでしまおう。
★55 - コメント(2) - 2014年10月5日

マルケス得意の愛と孤独と死というテーマがふんだんに盛り込まれた作品。それに加えて、やはり再生というテーマが大きいと思う。序盤では老人であることを強く意識させられる描写が多く、死を連想せずにはいられなかったが、老いに対する世間の目を自覚することで芽生えた世間への批判、少女への愛情が、老人を死の世界から復活させたように思える。序盤と終盤では、死に対する印象、老人に対する印象がまるで違う。世間の老いに対する印象、それに対する老人の批判。それはたぶん、今の世の中を反映したエピソードなのかなと感じた。
★16 - コメント(1) - 2014年9月24日

レビュー400件目。いつか『百年の孤独』に挑戦したいので、その前哨戦的な読書。「90歳の誕生日に13歳の処女を…」なんと自己中なプレゼントかと、始めは軽く憤りを感じた。しかし、渇いた独りの男が、生命力の象徴のような少女によって輝きを取り戻す過程は、私の心も潤わす不思議な作用を持っていた。私は女性であるということと、未だにうまく折り合えない。こういう物語を読むと、もっとおおらかにもっと軽やかに「女性」の性を生きたいと改めて感じる。
★25 - コメント(2) - 2014年9月22日

帯の『満九十歳を迎える記念すべき一夜を、処女と淫らに過ごしたい!』はちょっとミスリードな感じがするなあ。とってもきれいな作品でしたよ。
★2 - コメント(0) - 2014年9月20日

90歳の誕生日に「うら若い処女を狂ったように愛する」ことを思いつく。新しい人生を踏み出す決意である。訳者木村栄一が「幸せとは自分自身の外に出ることである。」というオルテガ・イ・ガセットの言葉を引用している。主人公は常に過去を切り捨ててきた。母の残した宝石さえも処分しようとする(しかもそれは、偽物でしかなかったのだ!)。川端の「眠れる美女」では、老いと対比した少女の美しさが主題だが、これは90歳にして14歳の少女との新しい幸せをつかみ取る「レジリエンス」の物語である。私もこんな90歳の誕生日を迎えたい。
★34 - コメント(0) - 2014年9月17日

★★★☆☆不思議な話。妄想かも、夢かも、現実かも。美しい文章で好きな世界でした。存じませんでしたが、木村榮一さんの秀逸な翻訳がとても良かった。そしてメタファーとしてのデルガディーナ…。
★11 - コメント(0) - 2014年9月13日

主人公は90歳の御仁、この人、悟りとか、達観とか、そういう老いの象徴なんぞとはまったく無縁。冒頭の「若い処女を…」っていう呆れた決意が奏効して、じたばた足掻くわみっともなく煩悶するわ、でもそれがちっともいやらしくなくて、むしろ特別な権利のように思えてくる。それなりに年を重ねてもまったく完成とかイメージつかない自分にとってはむしろ、こちらの方が理想像だ。あふれでる過剰な自己、ラテンだからって訳じゃない、北斎だって宮本常一の描く老人たちもそうなのだし。嫌いだったオヤジ週刊誌のセックス特集もいいことなのかもな…
★52 - コメント(1) - 2014年8月30日

わが悲しき娼婦たちの思い出 2004巻の 評価:78 感想・レビュー:159
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