小説のように (新潮クレスト・ブックス)

小説のように (新潮クレスト・ブックス)
あらすじ・内容
「短篇小説の女王」による、国際ブッカー賞受賞後初の最新短篇集!

子連れの若い女に夫を奪われた過去をもつ音楽教師。新しい伴侶とともに恵まれた暮らしを送る彼女の前に、自分の過去を窺わせる小説が現れる(表題作「小説のように」)。ほか、ロシア史上初の女性数学者をモデルにした意欲作「あまりに幸せ」など、人生の苦さ、切なさを鮮やかに描いて、長篇を凌ぐ読後感をもたらす珠玉の十篇。

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小説のようにはこんな本です

小説のようにの感想・レビュー(246)

マンローの短編集。「女たち」は秀逸。死にゆく青年と取り巻く女たちの暑苦しさったらない。こんな張り詰めた関係の中では落ち着いて死ねない。ちょっと劇的そしてほんのちょっと意地悪。意地悪を上回る、ある人生にとっては厄災であり、苦い後悔すらありそうなのだが、マンローの描く女性たちはとても存在感がある。自分の人生と交差しそうで怖い。最後の「あまりに幸せ」はいつもと気色が違う。私はこれは読みにくかった。
★5 - コメント(0) - 1月31日

短編なのに、濃厚な長い印象で、読後感は半端ない。どれも物語の展開といい、心情の描写といい、複雑な人間関係といい、恐ろしいほどに、完成度が高い。人間性の神髄を、苦み、辛さ、葛藤も含めて鮮やかに描いて、読者に深く考えさせる。作家の悪意がにじみ出る作品もあり。内省的で、あまり万人向けとはいえないかもしれないが、「小説」本来がもっていたはずの醍醐味を味わえる稀有な作品。
★3 - コメント(0) - 1月29日

原題の表題作「あまりに幸せ」が最も印象深い。主人公のソフィア・コワレフスカヤは中学2年の担任が数学の授業で「私の尊敬する人。」と言っていた人。その後小林秀雄の「ドストエフスキイの生活」で、ソーニャの姉のアンナが少し出てたリ、岩波文庫の「コワレフスカヤ自伝」を読んだりしていたが、この短編読んでその人物像が鮮明になった。可愛くて複雑。女性数学者としての道のり、姉とその子、2度の結婚相手への愛情、ヴァイエルシュトラウスとの師弟関係など全て複雑。その複雑なものが鮮明に伝わってくるところがマンローの技でしょうか。
★4 - コメント(0) - 1月29日

原書の併読用でござる。文学賞の本で推薦されてたから。Dimensionがいきなり衝撃。短編なので切り詰められた文章がすごい。一か所だけ誤訳?てとこ見つけたけど訳者が書いてるように版による違いなのかもしれない。私はたぶん〇〇〇と言った と 私は「たぶん」と言った。てところだけど前の方の文章にでてくる「たぶん」のことを言ってるんだと思うんだよね。DeepHoleだけど。タイトルがいちいちいいよね。今読んでるのはフリーラジカル
★1 - コメント(0) - 2016年12月10日

す、すごい。前評判を聞いて(読んで)図書館で借りたのですが、衝撃。「小説」ってそうだよ!と言う以前に、「人生ってそうなんだよ!!!」すごいな〜〜〜。そういうものを書けてしまうのは・・・。しばらく忙しくしているうちに返却期限が来てしまった。何編か読んでいないのが心残りでなりません。
- コメント(0) - 2016年11月20日

すごくよかったです。短編小説というと細やかな事件や関係の変化を丁寧に描くみたいなものがよくある印象ですが、ここに収められてる作品はそうした視点の繊細さを持ちつつ、でもひとの一生を貫いて行き来する豊かな時間が流れてて、ひとつの作品がひとつの人生の結晶のようでした。
★7 - コメント(0) - 2016年10月19日

「次元」が一番やばい。これを冒頭に置くのもすごいが、冒頭だからこそインパクトが半端なかった。「あまりにも幸せ」は読者には不親切な書き方だなあと思ったけど、それだけマンロー御大に気合いが入っていたのか。無駄を極限まで削ぎ落としてく媚びない文体と冷徹なまでの観察眼は毎度のことながらシビれる。これがノーベル賞かと気圧される。
★1 - コメント(0) - 2016年10月16日

いやー…すごかった… 読もう読もうとは思いつつも、大して期待はせずに手に取ったが、冒頭の『次元』を読んで「これは…!」と(休みつつではあるものの)一気に読んでしまった。作中に10あることに対して、7から8しか説明をせず、しかも事実以上は述べない書き方をするので、かなり激しく人を選ぶと思うけれど、この感覚がハマる人にはたまらないと思う。悲しくは人を選びすぎて文庫化が絶望的なところ。
★14 - コメント(1) - 2016年10月10日

抜群に苦しい読みだった。時折、質の高い文章、一節に出会うとその良さに驚くこともあるが、それだけだ、全体にわたって、著者の要点がよく分からない。解説には長編のような読後感とあったが、自分には感じられなかった。長編の持つ重量感、圧倒感はなかった。それは、洗練され、無駄を省いた、シーンを切り取るような描写が多かったからだろう。でも、とにかく自分には読み解くことは叶わなかった。惑わすような文章に過ぎないのではとさえ思うこともあった。再読を重ねれば気づくこともあるのだろうか。素晴らしさが分からない自分がいる。
★4 - コメント(1) - 2016年8月3日

すごく時間がかかってしまったが、やっと読み終えた。マンローの短篇集を読む時は、こちらにも覚悟がいる。どの短篇にも、人生の重み、苦味がぎっしりと詰まっていて、楽しいというばかりではない読書になるからかも。それでも時間がたつと、なぜかまたマンローの作品を手に取りたくなる。
★6 - コメント(0) - 2016年5月31日

不穏な緊張感でなんだか苦しいなあと思いながらの読書だったが、「子供の遊び」で頂点に。アリス・マンロー恐るべし、この人すごく怖いわ。こんな評価は異端なのかもしれないが「見えすぎる」人は怖い。人間の人生は片目つぶってほどほどに、共感性を持って描いてくれると救われるのだが。今は読んだタイミングが悪かった、多分そうなんだと思いたい。後日の再読を誓って嫌々返却。新潮社さん文庫化してくれないかな。
★22 - コメント(0) - 2016年4月14日

圧倒的な人間への洞察。短編なのに読後のすごい充実感。村上春樹の尻切れとんぼ感と比べると対照的
★1 - コメント(0) - 2016年2月29日

前評判など何も知らず、図書館で手にし、衝撃を受けた。 なんか、久しぶりに、リアルなものを読んだと思った。他の作品もぜひ読んでみたい。
★1 - コメント(0) - 2016年1月9日

短編集なので比較的読みやすかった。しかし、時間を置いて読了したせいか、あまり面白く感じなかった。今度、時間をかけてゆっくり再読したい。
- コメント(0) - 2015年12月30日

短編集。表題作の「小説のように」は、原題をFictionといい、本国で出版された時のタイトルはToo Much Happiness、あまりに幸せ。もうこれだけで小説の深みが表れるようで(新潮クレストブックスだし)図書館で衝動借り。そして、期待を裏切らないどころか、一編一編読むごとにアリス・マンローすごい、と思わずにいられない読後感。今年最後の本に相応しい読書。
★4 - コメント(0) - 2015年12月30日

この本の文章は読みやすかった!「善き女の愛」の読みにくさはなんだったのか。ページを繰る手がとまらないってやつで、面白かったです。
★2 - コメント(0) - 2015年11月4日

アンソロジー「美しい子ども」のなかで読みやすい文章だったので借りてきた。期限内に読みきれなかったので未読が二編あるが、「顔」は切ない。
★3 - コメント(0) - 2015年11月3日

世の中では若さがもてはやされます。もちろんそれは当然のことですが、年月を重ねたからこそわかる、生きることの理不尽さ、悲しみ、やるせなさ、ばかばかしさ、喜びがあります。それをしみじみと行間から味わわせてくれる1冊。翻訳で、ん?となる日本語がいろいろありますが、それも海外文芸を翻訳で読む楽しみとして。
★1 - コメント(0) - 2015年10月14日

すっごく良かったです!「木」がダントツで好きです。「とにかく、起こってしまったのだ」「最悪の事態ってわけじゃない」「決して頭をあげてあとまだどのくらい進まねばならないか確かめることはしない」人生そのものについて書かれたような、そして光溢れた福音のようなラスト。あと「次元」「小説のように」「ウェンロック・エッジ」「遊離基」「顔」「女たち」が好きです。ほとんど全部(笑)「済んでしまったことはどうしようもない」やっぱりアリスマンローすごくいい!大好きです!
★12 - コメント(0) - 2015年9月18日

短編集。「深い穴」「顔」「あまりに幸せ」が好き。淡々と目にも口にも耳にも優しい文章なのに、胸が苦しくなる。足長おじさんに出てきたマシュー・アーノルドの詩とか。読書って繋がりを感じて幸せになった。
★1 - コメント(0) - 2015年8月29日

再々読。短編集。短くともここまで人間を掘り下げることができるんだ、と衝撃的でした。狂うことと人間的愛情の狭間にある、凄い微妙な隙間のかげに突き落とされる想いがした。人生も、人間も、本当に複雑なんです。けど、人はそうした複雑さを無視するか、簡単に言葉にしてしまっているのが常態。見知らぬ、名付けようのない世界が本当は私たちを取り巻いている。そういうことに気づかせてくれたマンロー小説の凄い力。
★3 - コメント(0) - 2015年7月28日

今年のノーベル文学賞受賞者というので、読んでみることに。短編小説の女王と賞されるほどというので、楽しみにしながら読んでみました。どの短編にも淡々とした長い時間が流れ、静かな中にも人生を彷彿させるような味わいがありました。また、別の作品も読んでみようと思います。
★1 - コメント(0) - 2015年7月15日

どちらかというと暗く、陰惨な味わいの作品が多かったけれど、それは、つまり人生の一つの表情に違いない。むしろ死は幸福でありうる、となぜか思った。ただ、偶然の不幸や、悪意や殺意に、目を背けたくなる読者もいるのかもしれない?カズオイシグロの短編集がすごく良くて、久しぶりにがっつり読んでみたくなったムンロー。本当に上手いです。
★2 - コメント(0) - 2015年7月6日

予想外だった。予約していた本がやっと読める。帯に「人を描く。人生を描く。短編小説の最高峰を示す10の物語!」とあるので。前作「イラクサ」や「りんごの木の下で」のような読後感を期待していた。・・どの短編も確かに、チェーホフを想わせる、主人公たちの人生がぎゅっと、凝縮されていた。とても重くのしかかってくるようだった。それでも、物語世界に入っていけず、雑念ばかりが生じ、読むことに集中できなかった。・・「次の物語は、」と思って、8作目にきたが、もう限界。読むことを投げ出してしまった・・。何でだろう?
★14 - コメント(0) - 2015年6月24日

ちょっとした仕草や発言でそのひとがどんなふうに暮らしてきたかどんなことを考えているかをにおわせる文章に読んでるあいだずっとどきどきしていた。
★1 - コメント(0) - 2015年4月23日

tom
いい話も多い。表題作はなかなか面白い(気がする)。けれど、どういうわけか、物語の中に入っていけない。同じ短編作家でも、ラリヒやアリステア・マクラウドなどなら、まっすぐ本の中に入っていけるのですよね。だから、この人の本にはどうしてなのだろうと、不思議な感じを持ってしまう。なにやら読みにくいのです。ひょっとしたら、私と翻訳の相性の問題があるのかも。この人がノーベル賞というのも、私には、よく分からない。もう一冊だけ読んでみますけど、その本も楽しめなかったら、読むことを諦めます。
★12 - コメント(3) - 2015年3月20日

読みやすい小説ではあるけれども読むのがつらい。
★2 - コメント(0) - 2014年11月20日

原著の題名であり、実在したロシアの数学者ソフィア・コワレフスカヤを題材にした'Too Much Happiness(あまりに幸せ)'を除き、多くの作品は、死、そして肉体的あるいは精神的に病んだ人々が扱われ、凄惨な印象。読む以前に想像していたものとは、かなり異なる印象が私の中に強く残った。どう評価したものか、実に難しい。
★2 - コメント(0) - 2014年11月3日

短篇でありながら長篇小説のような読後感があった。内一つはロシアの女性数学者、ソフィア・コワレフスカヤの生涯を描いた物語。あのポアンカレがちょっとだけ登場するのが数学好きには堪らない。邦訳の表題作となった「小説のように」は、おそらく彼女の体験談ではないだろうか。結構ショッキングな内容のものが多いのだが、淡々とした筆致のせいかそれを感じさせない。人生を達観しているマンロー独特のセンスなのだと思う。そしてどの作品もまるで映像が流れるように感じられた。クオリティの高い短篇集だと思う。
★22 - コメント(36) - 2014年10月5日

物語に登場する年齢も性格も境遇もバラバラな人々。その行動や思考をなぞることで、普段は気にも留めない自分の心の動きや言語化できない感覚が浮かび上がってくる。「自分もフリーラジカル状態のときは可愛い子ぶった演技してたな」「だって嫌なものは嫌なんだもん。みんな善人ぶっちゃってさ」「早くこの顔から解放されたい。自分がいなくなるって想像しただけでこんなにも穏やかな気持ちになるなんて」等々。どんなに辛くても人生は小説のようなものなのかもしれない。いつか誰かに語れるようになる日が来る。そう思うだけで少し楽になれる。
★5 - コメント(0) - 2014年9月28日

じっくりゆっくり読みたい短篇集。質のよい短篇集を読み終わった時の充実感はよいものだ。どの物語もしみいる。
★2 - コメント(0) - 2014年9月20日

1話1話、深い余韻を残す1冊でした。3冊目にしてやっとマンローさんの面白さが沁みてきました。
★8 - コメント(0) - 2014年9月13日

釣り合うはずのない痛みと心地よさが不均衡なままにバランスする一瞬。
★3 - コメント(0) - 2014年9月12日

密度の濃い短編が並んでいて、読むのにかなりの時間がかかった。長編とは違った短編の魅力があると思うが、ほとんどの短編で、女性の人生のほんの一部を切り取っているが、そこだけで、その全生涯を感じることができるかのよう。
★3 - コメント(0) - 2014年9月8日

面白く読んだ。短編~中編を集めた1冊だけれども、モチーフもエピソードも、端的に「これ!」と話しづらいとても小説である意義のある話ばかりで読み応えあり。原題は、“Too Much Happiness”。作中では『あまりに幸せ』と訳しているけれど、ここだけ切り取ると違和感が。ということでタイトルを変えたのかな。この、寂しさと希望が同居しているような読後の気分は何なんだろうかねえ。
★4 - コメント(0) - 2014年8月28日

短編集。平凡で、少しだけ日常に起伏があって、でも満足のいく生活を送っていた主人公に、突如異物が――その人の人生の意味を変えてしまうくらいのアクシデントが起こる、そんな話が多かったように思う。どの作品も読み終わって、主人公の来し方行く末を想ってしまう。最後の一編「あまりに幸せ」は、歴史上の実在人物を題材にした作品で、主人公がロシア人ということもあってか、他の作品と一風変わった作風だった。主人公の最後の数日と、彼女の人生がフラッシュバックする。場面の移り変わりが幻想的で、まるでロシア映画のような。
★5 - コメント(0) - 2014年8月28日

質の良い短編集だと思います。人や人生の描き方が丁寧で、短い話の中に芳醇な時間が流れているような感じがしました。悲しいことも喜びもじんわりくる感じがします。読み終えると少しぼうっとするような不思議な印象のある作品ばかりです。物語に結末的なものがないからかもしれませんが、それが深い余韻を味わわせてくれるのだと思いました。非日常的でありながら日常の生々しさがあるのがまたいいですね。ほの昏く輝く何かを見たような気がします。ゆったりとお茶でも飲みながら読みたい1冊でした。
★48 - コメント(0) - 2014年8月9日

ラヒリ関連で気になったので。翻訳をほとんど意識せず楽に読める。訳も上手いのだと思うが、何というか著者が「近しい」気がする。本が好きで、スノッブで、そのしょうもなさも自覚しているような...。どれも読み終えてちょっとぼうっとするような余韻があったが、「ウェンロック・エッジ」が一番好き。非日常的な体験の話なのに、文章が体感として感じられるほど生々しい。「あまりに幸せ」だけ毛色が違ってちょっと読みにくかった。
★4 - コメント(0) - 2014年8月8日

女であることの苦しみ、女が女に向ける憎しみ、読んでいてつらい表現も多かった。どうしようもないけれど生きるしかない登場人物に、作者は時折、小さな希望を与える。それを読んで私も安心する。「子供の遊び」の迫力がすごかった。
- コメント(0) - 2014年7月23日

最初の一篇「次元」で、いきなり一撃を喰らう。主人公に全く共感できないにも関わらず、元夫や偽善者めいたカウンセラーに感じる息苦しいまでの苛立たしさと怒り、それが、これまで読んだ短編の中でも最上の部類に入る切れ味を感じたラストシーン(それを安易にカタルシスなどと評したくない)へと繋がっていく。他の作品も、何れも甲乙つけ難い。前に読んだ「イラクサ」等は、上手いなあとは思いつつ、そこまで印象に残っていなかったのだけど。今作については、まぎれもなく傑作だと思う。
★10 - コメント(0) - 2014年7月12日

小説のようにの 評価:100 感想・レビュー:114
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