失踪者たちの画家

失踪者たちの画家の感想・レビュー(82)

gu
寓話めいているが寓意はどこに辿り着くのかよくわからない。小説を構成するあれこれが皆どこかで途切れているように感じる。視界の外に都市は存在しないと作中で語られているが、そういう風に枠物語の仕掛けも登場人物(と失踪者たち)の行く末もある地点で消失していて、その空隙に魅力があるのかなと思う。
★4 - コメント(0) - 2015年1月10日

これはファンタジィ?寓話?ディストピア?訳者(柴田氏)のあとがきの通り、読み始めると不思議な雰囲気にどんどん絡め取られる。結局なんなんだ?と思うけど、面白かったからいい。挿絵も味がある。
- コメント(0) - 2015年1月3日

端的に言えば、失踪した恋人を追い求める画家の物語ということになるだろうか。舞台は現実離れした機構を備えた都市である。幻想小説ということもできるだろうが、その幻想が濃厚すぎず、不条理性も難解さも深すぎることはなく、バランスが取れていると思う。読んでいるうちにいつの間にか引き込まれ、最後まで興味を失うことなく読み通せた。
★2 - コメント(0) - 2014年9月27日

2ヶ月くらい前から読んでは積み、読んでは積み…を繰り返し続けた本。今回読めなければ挫折本認定やむなしと、3度目のトライでようやく読了。3度目は意外とすんなり読めたものの、心から楽しめたとは言い難いな…。物語は主人公と死体専門の写真家との恋物語を一応のメインストームとして動いていくが、実際には失踪した彼女の姿を追い求める主人公が巻き込まれるあれこれがこの物語の本筋。それを上手く自分の中に取り込めず、何だか取り残されたような読後感。まだまだ未熟な本読みぶりを自覚、反省。いつか再読したら、感想が変わるかなあ…
★15 - コメント(1) - 2014年5月14日

面白かったです。舞台はどこでも無い場所だけど、ヨーロッパの古い都市を思い浮かべました。運命の女性プルーデンスを追い求めるフランクと、不思議な都市の物語。最後まで読んで、序文を読み直すとまた印象が違って味わい深かったです。
- コメント(0) - 2014年3月24日

都市へ出てきて独学で絵をはじめ、出会った女の失踪をきっかけに失踪者の絵を描くようになった男の話。とか書いてみたけどそれがこの話の説明になるかといったらそうではなくて、なんていったらよいのかわからないけれど変な話でおもしろかった。たぶんこの本を読む感覚が最初の都市のお話そのものな気がする。
★2 - コメント(0) - 2014年3月18日

mi2
異聞奇譚、摩訶不思議、奇々怪々。澁澤龍彦の高丘親王航海記的な感じか。理解しようとするとさっぱりわからないが画像を見るように読むと面白い。
- コメント(0) - 2014年3月16日

迷宮のような都市を舞台にした小説で、登場人物の名前で遊んでみたり、入れ子構造を使ってみたりと、文体から滲み出る妖しさこそこの作家独特だとは思いながらも、中盤まではオースターの二番煎じという印象を拭えなかった。そしてオースターのようなエレガントさがこの作品にはない。ところが、中盤以降の入れ子の畳みかけは圧巻で、これぞマトリョーシカ人形的構造のお手本とも呼べる巧みさがある。平面的な迷宮は次第に垂直方向にも肥大して、空間的な迷宮を形成し、読者は妖しい霧に覆われたこの空間を歩みながらクライマックスへと辿りつく。
★21 - コメント(0) - 2014年1月19日

とても面白かった。この想像力の奔放さは、たしかに、ずっとさまよっていたくなる。捉えどころのないふわふわした語りに誘われて、ふらふらついていく感覚もいいし、迷い込んだ先が無限にループする迷宮なんて、愉しくて仕方ない。読み進めるごとにあちらもこちらも境界は解けていってしまうけれど、海底カフェで見知らぬ老人と酒を酌み交わしたり、月が水に沈み、潮が崖をのぼっていくところなんて、ときめいた。119歳まで生きられるかは愚問ですが。
★9 - コメント(0) - 2014年1月16日

昨年のベスト10に多く入っていた作品、訳者買いの側面もあったが、読み終わるまでえらく時間を要してしまった。面白くないわけではないのだが、なかなか読み進むことができないのだ。読後感も結局はそんな感じ。オースターや村上春樹を想起させるとの評を見て、なるほどと思ったものの、オースターや村上春樹ほどの魅力を感じないのは読者(わたし)のせいか?
- コメント(0) - 2014年1月6日

最初の30ページほどはだらだらして退屈しかけたけど、それを超えると、なんの脈絡もなくたたみかけてくる奇想の波の連なりが妙に心地よくて、この人、連作短編集を書いてくれたらけっこう好みかもしれないと思った。装幀、挿絵がいい。
★5 - コメント(0) - 2013年12月30日

個々にひらめいた挿話(アイディア)を全部物語に詰め込んでみた、という印象。一つのお話として成り立っているかどうかはかなり危うい。幻想文学の混沌とした所が好きな人にはいいかもしれない。ところで、解説にある"the immersive text"が非常に気になる。webページごとどこかで訳してくれれば…
- コメント(0) - 2013年12月20日

 最後に辿り着いたカフェで酔っ払いたちを相手にフランクが語る物語。いなくなった恋人プルーデンスを探す話、も酔っ払いに聞かせているとすれば、文字通り「思慮分別」を探しているようにも思えて、最後に思わず笑ってしまった。語り手自身もカフェに行き着くまで酒をちゃんぽんしてる状態だからかなり酩酊してる状態じゃないだろうか。泥酔した頭で何か喋ろうとするとき、自分がひどく遠く感じられて、それこそ本文中いたるところに差し込まれる奇想天外な話が口から飛び出すことがある。三人称で滔々と語る様がそれに似てるなあ。
- コメント(2) - 2013年12月14日

柴田元幸先生翻訳絶賛ということで期待値絶頂にて、そのような場合往々にして自ずから高めた期待を裏切られる仕儀となるのが必然にて、中盤駄作の謗りを拭いつけ候、然れども最終盤にて至る、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」が如く恍惚。……えーとさっき「シグルイ」見てました。
★1 - コメント(0) - 2013年12月13日

物語のイメージをふくらませようとするとろう人形のように溶けていく。 どこかにもう一つこんな世界があるのかもしれない。今度読んだら もう少し迷わないだろうか。
- コメント(0) - 2013年11月3日

冒頭で、これはイタロ・カルヴィーノの「見えない都市」的な?でもって、あっちより取っ付き易そうな?などとワクワクしながらページをめくった訳ですが、ちょっと予想と違ってたなー。いつか見た夢のような、ふわりふわりと捉えどころがないストーリーには、挿入される版画の色合いが強すぎてちょっと目がチカチカするし。柴田元幸さんは名前で読んでしまう翻訳家だけれども、今回は合わなかったなぁ。疲れているのかしらん。
★6 - コメント(0) - 2013年10月11日

読了:○
★2 - コメント(0) - 2013年10月6日

まるで喪失感(アイミスユー)が自ら語りだしたみたいな不思議な物語だった。
- コメント(0) - 2013年9月27日

奔放な文体と幻想の世界観で描かれる〈都市〉と人々の情景と物語は、境界が曖昧でふわふわと移り変わり、意味がわかるようでわからないような感覚と、時折現れる詩的な文章が癖になります。カフカ的というには絶望が足りず、村上春樹的というには淡白。不可思議な寓話達の中に本質が描かれているような気がする、ある喪失の物語。
★6 - コメント(0) - 2013年9月19日

ちょっと自分には合わなかったかも。幻想小説、都市小説、不条理小説…どれか一つでも、もうちょっと突き抜けてると、きっと楽しかったんだろうなぁ、と思う。
★6 - コメント(0) - 2013年9月11日

強力。中毒性が高い。序章が面白かったので期待してたら(あとがき読んで訳者と同じだったことに驚く)、想像以上のおもしろさであった。 ぶっ飛んでいるんだけど、幻想にありがちな置いてきぼりになる程訳がわからないわけではなく、読みやすさもある。おっと、これ以上書くと逮捕される。
★3 - コメント(0) - 2013年9月8日

死者の写真を撮る写真家 喪失感を抱えた人の語る特徴を元に失踪者の肖像画を描く画家 あらゆるなくし物が集められるという警察の倉庫 失った人たちが現れるという海辺 物語はどこまでも幻想的なのに ふんだんに挿入された版画の白黒が 妙な現実感を読み手につきつけるかのよう。 愛について語っているようでもあり、 生と死あるいは真実と虚構について語っているようでもあり、 幻想的であるのにどこか生々しい物語。 書き出しはこうだ。 「思い描いてほしい、死んだ男がある都市に着くところを。」
★6 - コメント(0) - 2013年9月6日

とてもよかった。まず不可思議な都市そのものに、戸惑い、引き込まれた。まさに迷宮だった(119歳にならないと把握は無理、ですと)。さっき語られたばかりの物語が忽ち押しやられ、次の物語へと置き換えられる。いったい何が本当なのかが分からなくなっていく展開に、自分もまた失踪者の一人になりかねない、他人事じゃない…という気持ちに陥りつつ、ふらふらとついていった。(喪失の物語はどうしても懐かしく…)。
★10 - コメント(0) - 2013年9月6日

ben
冒頭からよくわからないままダラダラと読み始めた本ではあったのですが、徐々に中毒性を増し、その止め処も無い不思議であふれる世界にどっぷり引き込まれていきました。 読み終わっても抜け出せないので、多分、また読んでしまうかも知れません。 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO58368760Q3A810C1MZB001/ 最近の米文学はご無沙汰でしたが、柴田先生のおかげで久々に面白い作品に出会えました。
★2 - コメント(0) - 2013年8月28日

生者の街を訪れた死者の奇譚にはじまり、いくつもの時空、いくつもの部分に分解された主人公の人生の迷宮に、ずぶずぶ入り込む読書の快楽ったらない。様々に無限に姿を変える都市と失われたものたち、そして次々と語られる物語たち。変化のスピードにくらくらする奇想天外さの中にも、全体を貫く喪失は切実で、すっと胸に迫り、心地よい酔いの残る読書が味わえる。
★9 - コメント(0) - 2013年8月20日

<標榜すべき理想は理解不可能性>、<不実であることの魅力>、<無限に変化する風景、はてしなく増殖しつづける展望・・・とにかく喋って、喋って>、そして・・・わたしは物語になる。
- コメント(0) - 2013年8月19日

話の先がまるで予想できない話になる
- コメント(0) - 2013年8月19日

ふわふわとどこかに連れて行かれそうになりながら、でも、ふわふわとそこにいる。とても気持ちいい。
★2 - コメント(0) - 2013年8月19日

曖昧模糊とした霧の中を歩き続ける読書感覚。都市全体と住民たちには(挿絵の)版画のように現実感がなく、主人公の描く失踪者の肖像画や写真家の撮る事件現場の写真にリアリティを感じる。読み終わってもなお面白かったのかどうかよく判らないが、強い光を見た後の残像に似て消せない印象。
★5 - コメント(0) - 2013年8月18日

ストーリーをまとめるのは難しい。まるで夢の中の夢、またその夢の中の夢をずっとずっと果てしなく彷徨い続け、彷徨い続けるうちにいくつかの大事な何かを失い、喪失感と無力感と孤独感が目に見えないカビのように全身を包み込んだ頃、気がつけばいっさいが気怠げに青白く染まる夜明けを迎えている、でもまだ夢の中にいるのか判然としない、そんな不思議な読後感。夢の中で語られる様々な物語はあるいはもうひとつの過去であり未来であり、あるいは都市の亡霊たちの夢想するもうひとつの世界の物語なのかもしれない。
★8 - コメント(0) - 2013年8月16日

イベントでも訳者の柴田元幸先生と作家の柴崎友香さんが、あらすじを説明するのは難しい、と語っていたとおり、主人公のフランクとプルーデンスの恋愛が軸になってはいるが、その言及だけでは、本書の魅力の10分の1の魅力も伝えたことにはならない。本書の何を私がいちばん楽しんだか、といえば、ラファージのなににもしばられない自由奔放な創造力。売れる売れないといった商業主義や読者側の想像力も一切意に介することなく、自分が読みたいと思った小説を書いた、そんな印象を受けた。だからと言って、物語に置き去りにされて、おもしろくなか
★12 - コメント(0) - 2013年8月13日

行方不明者たちを捜すポスター用に、似顔絵を描く仕事が軌道に乗り出したフランク。恋人もできて楽しい都会生活が始まると思ったのもつかの間、失踪者捜索という警察の仕事を妨害したとして逮捕されてしまう。裁判を経ず処刑される様子は何かの寓話かと思ったが、今朝の朝日新聞のコラムからそんな事態が遠い過去や異国のことではないということを思い出した。海や空の描写が素敵だ。
- コメント(0) - 2013年8月10日

とても良かった。
- コメント(0) - 2013年8月8日

★★
- コメント(0) - 2013年7月31日

一行目から、この本は面白そうだとの予感がした。読み進めると期待どおり、大人の物語。そうだった、物語とは別世界へ連れて行ってくれるものだったのだ。ぞっこん、のめり込んだ。
★7 - コメント(0) - 2013年7月31日

人は見たいものしか見えない。言い換えれば見たいと思えばいくらでもみえる。その潜在的な能力を制限をかけずに引き出すと世界がどういうふうに変わっていくのか。主人公が描こうとするが描けない他者の顔は、それが自分の環境や感情、相手の状況や態度等の様々な要因によって常に変化していることを考えさせられる。自分がみている世界は、自分が見たいと思っている世界でさらにそのなかの一側面というわずかなものでしかないのかもしれない。
★4 - コメント(0) - 2013年7月20日

感触は『闇の国々』に近い。主人公にとっては地獄めぐりに近い展開が、読者にとってはかっこうの街巡り。あらゆる失せ物を保管する発見物局や奇妙な刑が科せられる監獄など、煉瓦と騎士ではなく、セメントとお役所で構築されたファンタジー。しかし、その街にはどうも現実感がなく、むしろ、死者の写真、失踪者の似顔絵、生き人形……命ないものの方が、活き活きとし、人格を保有しているように見える。ついには、画家本人を無視して作品そのものが出鱈目な来歴で有名になり、人形こそが裁判を受ける資格を有する、あらゆる境目が解けていく……
★9 - コメント(0) - 2013年7月19日

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