少女コレクション序説 (中公文庫)

少女コレクション序説の感想・レビュー(618)

久々に澁澤を。彼の文体は、飄々としていて力みがなく、読者への押しつけもない(と私は感じます)。滅茶苦茶な日本語が氾濫する今日日、彼の語り口は少々衒学的に感じることもあるかもしれませんが、学者風の威張った嫌らしさがないので◎。夢と幻想の精華を堪能しました。本書は、早稲田の五十嵐書店で購入した古本。今となってはただただ懐かしいお店です。
★23 - コメント(0) - 3月19日

《少女という存在自体が常に幾分かはオブジェである》と著者はいう。現代において男性リビドーに働きかけるのは、女性そのものより女性の断片になってしまった事を、むしろ肯定しているのだ。オブジェに成りうる少女は空想の中にしかおらず、それを現実化しようとする途方もない夢が男の性を支配しているのは確かだろう。勿論その欲望は挫折するしかない。四谷シモンの少女人形はエロというには余りに可憐であり、存在してはいけないような悪の光を帯びている。存在の根拠を奪われた人形は、現代に生きる我々の形代であり、時には女神にさえ思える。
★64 - コメント(2) - 3月7日

いちいち例を挙げるまでもなく、いわゆる「少女性」の消費があまりにも一般化してしまった昨今、もはや消費される「少女」とは何なのか誰にも分からなくなってしまっているのではないか。澁澤の時代は、それが男性による一種の性倒錯として理解できたからこそ、こういうエッセイができあがったのだと思う。少女を消費することが普通になってしまった現在では、本書からかえって高尚な感じすら覚える。
★4 - コメント(0) - 2月16日

エロティシズム、フェティシズムたっぷりなエッセイ。文学、美術、神話、哲学、心理学、などなど話題は多岐にわたりその博覧強記ぶりには驚くばかり。タバコを吸うのは乳首を吸うのと同じだという説は聞いたことがあるが「アルコールが母乳の代理表象」というのは初めて目にした。私は大酒飲みなんです。乳房への激しいノスタルジーだそうです。まぁそういうことでいいです。
★17 - コメント(0) - 2月9日

人形愛、セーラー服、処女生殖、コンプレックス、匂い…澁澤龍彦が縦横無尽に繰り広げるエロスと倒錯の世界。古今東西の文献から様々な逸話が満載。単なるスケベ心で読んでいると痛い目に合う。ペダンティックともいえる澁澤氏の引き出しの豊富さは驚嘆するしかない。個人的には最終章のマンドラゴラについての記述が興味を惹いた。
★19 - コメント(0) - 2016年11月18日

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』で知ったもの。「少女という存在自体が、つねに幾分かは物体(オブジェ)である」男性的考察は興味深くて面白かった。
★7 - コメント(0) - 2016年11月5日

「官能的なの読みてえ~~」と思って衝動的に買った。意外とユーモアがあるというか、何しろ澁澤は博覧強記なので話題が幅広く、当初の目的はやや不燃焼気味な結果となってしまったが楽しく読めた。とても勉強になった。
★19 - コメント(0) - 2016年11月3日

澁澤龍彦二冊目。澁澤の子供を作らない理由はこの本を読んで納得しました。偽らざる本心を知ることが出来た。ポルノグラフィーを読む様な秘密めいた楽しさは以前より味わう人は少ないだろうとうなずきます。今は恥ずかしめもなく読んでしまう。芳香分子が風に飛ばされ妊娠してしまうこと、クレオパトラが熊の脂肪で作ったポマードで手練手管の利用、江戸川乱歩、稲垣軽穂が玩具を愛していたこと、マンドラゴラの使用法また特性、ワクワクが叫ぶこと、四谷シモンの澁澤の人形など興味深いことを知ることが出来ました。しかし内容が濃い!
★75 - コメント(0) - 2016年10月22日

少女、人形愛、幻想文学、異端なるもの、香りの官能性、近親相姦の夢ーー澁澤氏の偏愛するものを集めた、彼自身のユートピアを表したようなエッセイ。処女生殖については最早笑い話だけれど、それでも当時大真面目に研究をした彼等には何だか頭が下がる思いです。一番興味深く感じたのはストリップ・ティーズの哲学。澁澤氏は男性なので男性目線から語られているけれども、これが女性目線であったらどうなのだろう?と興味がわく。エロティシズムはその先を想像させる「余韻」がなければ成立しない。それが妙に人間らしく思えるのは私だけだろうか。
★105 - コメント(0) - 2016年10月15日

エロティシズムと異端、幻想耽美的なテーマでさまざまな話が語られる面白いエッセイだった。想像力がかきたてられるという気がする。人形愛と近親相姦、自己愛、処女生殖といった話題が興味深かった。あと「幻想は現実の否定、私たちが認めている事物の秩序の攪乱」だというところに頷いた。
★3 - コメント(0) - 2016年9月28日

ひさしぶりに再読。物体に対する嗜好、ひいては自己愛に通じるそれを認識しつつ好みのテーマを取り上げるエッセイで、澁澤龍彦の基本姿勢がよくわかる。本質的に内向きで不毛である中で、実現しえぬ彼方への憧れをそれそのものとして優雅に玩んでいる点を見逃さないようにしたい。「ユートピアなるものは、なるべく私たち自身の手の届かない永遠の未来に、突き放しておくべきものであって、安直に手にはいるようなテクノクラシーのユートピアは、真のユートピアとは似て非なるものだ」
★7 - コメント(0) - 2016年7月29日

私にはハイレベルな内容かと思います。このような世界もあるんだなぁ!と驚き、とても楽しめました。
★9 - コメント(0) - 2016年7月21日

近親相姦が禁止されているから子供は生まない!うーん、格好良すぎる。このような教養のある(変態)紳士になりたいものだ。
★4 - コメント(0) - 2016年7月4日

ものっそい変態的なことを大真面目に議論するものだから、何度も笑ってしまった…
★3 - コメント(0) - 2016年5月22日

雑学まみれ。
★2 - コメント(0) - 2016年4月24日

澁澤自体、30年ぶりかな、「こんなに面白かったっけ?!」とびっくり 理知的にむずかしいことが書かれているわけでは決してないので、ボク自身の世界観や感性がやっと澁澤に追いついてきたところがあるんだろう さて今回、本書を手にとったのは オタク論の参考書と紹介されたからだ 一読、「ホントだー!こりゃ、オタクの元祖、ってか原初だわ」とつよく印象づけられた とくに最初の三篇(人形論と少女論)は、この分野に興味をもつ人には必読だろう 初出が示されていないが、1980年前後のもの、おそらく70年代 大変刺激的だった
★9 - コメント(0) - 2016年2月29日

「人間の肉体、特に女体に対するベルメールの飽くことなき探求心は、あたかも好奇心の旺盛な子供が、時計や玩具や人形をばらばらに分解して、その内部の秘密のメカニズムをあばき出し、その生命を見極めようとする熱望に似たものを感じさせはしないだろうか」エロスの論考群。
★23 - コメント(0) - 2016年2月8日

【エッセイ】 1985年刊 評価5 口絵写真:◎ 挿絵:― 感想:我がバイブルのひとつ。高1(刊行直後)の初読以来もはや何回再読したか(そして何回親に捨てられたか)忘れた。口絵写真は四谷シモンの少女人形。 備考:初刷・帯付き。
★17 - コメント(3) - 2016年2月3日

少女、人形、宝石(石)、鏡、香水…。絢爛なエッセイ集。素敵な世界。表紙の四谷シモンさんのドールももちろん美しい。
★5 - コメント(0) - 2016年1月15日

エロに関する考察本。少女趣味の薀蓄などではなかった。 古今東西の文献、神話、逸話が溢れるほど。話は形而上学、哲学、心理学に至る考察の数々。…多分、理解に遠く及ばなかったと思う。エロをなめてかかってはいけない。
★22 - コメント(0) - 2016年1月15日

ここでいう少女というのは、美しさの幻想だと思う。 現実にはいない。
★4 - コメント(0) - 2016年1月6日

★★★★★
★2 - コメント(0) - 2015年12月2日

僕は人形を愛でる性癖などないのでその件は斜め読みだったが、「犠牲と変身」の章に目が止まった。ゴヤの絵からストリップへの論理の飛躍。論じられるのは着衣と脱衣のエロティシズム。完全な着衣や完全な脱衣には神秘性はないが、脱衣の過程、そこには無限のエロティシズムか表象する。決して裸体が見えてはならない。「見えそうで見えない」ことに意義がある。スピッツの「涙がキラリ☆」の歌詞のとある一節が、えもいわれぬ官能を誘うのもそれと同じだろう。この章だけでも読む価値はある。
★6 - コメント(0) - 2015年9月24日

パラパラとめくって、買うしかないと思った一冊。ただ「なんだこの変態ジジイ」とバカにして読めると思えば大間違い。読み進めるうち、少なからず自分との共通点が出てきて、正常ー異常とか、倒錯とか言うものの境界って、実はとても曖昧なものなのでは? と気付かされます! 小さな声でオススメ。
★4 - コメント(0) - 2015年9月20日

シモンの少女人形が目を惹く一冊。美しい少女をコレクションしたい、娘を持ちながらインセストを犯さないのは―、等のくだりはいかにも著者らしい。残念ながらあまり少女が主体の内容ではないが、読みやすいのでなんとなく手に取る一冊。ちなみに私の少女のイメージはウォーターハウスのオフィーリア。少女はエフェメラだからこそ価値があるのだ。
★3 - コメント(0) - 2015年9月16日

西洋は世界史も片仮名の人物名も苦手で勉強を怠ってきたので判らない事も多かったが、反面、自分は何が好きなのかということを考える良いきっかけになった。そして作者の恐ろしく広くも深い知識に敬服する。
★3 - コメント(0) - 2015年9月3日

中学生に「これは魔導書です」といって渡したら、うっかり信じてしまいそう。近親相姦や人形愛をその含蓄でさらりと綴ってしまう様はまさに魔術師。
★5 - コメント(0) - 2015年8月25日

動くものでありながらも思い通りになるものが欲しい、その根底に流れる自己愛、これらはいろいろな物語に多用されており、それゆえに人類に普遍のテーマであるのだろう。
★2 - コメント(0) - 2015年8月14日

タイトルが秀逸、またそれをうけた序章が一番の出来。中身自体は、大っぴらに話せないような、背徳感溢れる感情や考えについてのエッセイ。どこかまとまりに欠ける部分は否めないが、しかしその一つ一つは、足元の安定に欠ける別世界に連れ去られるような不思議な気持ちにさせる素晴らしいものばかり。禁忌とされたり、常識とされたりするものについて、普段からもう少し踏み込んで考えてみたくなった。
★1 - コメント(0) - 2015年7月5日

背徳的、非文明的な事柄を摘み上げた簡単なエッセー。序説の名にふさわしく、どこをとっても著者の広漠たる知識量が紹介の形で示され、また分析的な立場を崩すことがない。少女コレクションなるものは本書でも早々に明かされているが、こうした形で偏愛を語ることでしか見いだせないのだろう。ハンス・ベルメールについて語るときはひときわ熱が篭っていた。その理由を知りたい。
★2 - コメント(0) - 2015年5月31日

c
文庫用に幾つかの本からエッセイを抜き出し再編されたものなので、纏まりに欠ける。澁澤龍彦の中では下位に属する本と思うが、それでも広く読まれているのは、本人も自画自賛している秀逸なタイトルゆえだろう。当たり前だが、「少女をコレクションしたい」という欲望は一種の観念的な洒落であり、リビドーの暴力性の言い換えに過ぎない。が、後世の読者の特権として、我々は澁澤の矢川澄子への仕打ちを知っている。或いは母親との関係や、二人目の妻が澁澤と同じく「龍」を名前に持っている因縁も。勿論、それらは個人の凡庸な生の一断面である。
★1 - コメント(1) - 2015年5月25日

「エロスとフローラ」の章の、貝殻や骨は、いわば生の記憶であり、欲望の結晶である、のところ。以前は無いし(想起はされるけど)以降も無い、見出される悠久、永遠性という言葉が的確すぎて、それだぁっっ、、と一人勝手に嬉しくなっていました。
★8 - コメント(0) - 2015年5月6日

椅子に腰掛けたサロメは何をしていたか。ベルメールはなぜ人形に靴を履かせたのか。ひとまず、公共の場で読み辛い。
★1 - コメント(2) - 2015年4月9日

だいぶ前に読んだので詳しい感想は書けませんが...。 少女とは言っても、現実の人間というよりはもっと観念的なお話です。イメージを頭の中に作り出すことは出来ても、これだけのものを文章に起こすのはかなり難しいと思います。自分の頭の中でまとまっていないものを言葉に表してくれているような感覚に囚われることしばしば。人形愛とか少女愛というものに興味がある人は一度読んでみては?
★8 - コメント(0) - 2015年2月24日

美少女を蒐集したい――著者はそれを、神話の時代から現代までつづく男の普遍的な感情と本書で述べている。少女から言葉や、その他ありとあらゆるものを奪い去って、少女そのものの形をした物の中に閉じこめてしまいたい。そんな男の暗い欲望のはけ口として人形が存在するという論考は、なるほどとうなずかされる部分があった。
★2 - コメント(0) - 2015年1月29日

「少女」に対する男性の憧憬を知った時、一女性として「何を勝手なドリームを見てるんですか!」と鼻白む部分もあるのだが、まあ一つの見方として捉えれば実に興味深い。人形愛、近親相姦、処女生殖、マンドラゴラ等、日常生活からは隔絶された、妖しい世界に引き込まれていくのを止められない。そしてシンプルな問いに辿り着く。「どうして人はタブーに惹かれ、取りつかれてしまうのか」と。取りつかれる程ではないにしても、禁忌を覗いてみたい欲求は、誰しも心の中にあるはずだ。その欲求を刺激してくれるこの本は全く困ったものだ。
★2 - コメント(0) - 2015年1月16日

少女、という事を考える上で、読んでおこうと思っていた本のひとつです。実際は少女よりもエロティシズム考が多いです。少女論は、著者が男性だからでしょうか、男性原理の少女観のみが少女の全てのように語られてます。男性原理少女(エヴァ、リラダンのイヴ、アリス他)が“男性から性的に見られる前提で作られた美少女ヒロイン”だとすると、少女にはこれと別に、“女の子が憧れる美少女ヒロイン(理想の私)”というタイプもいると思うのです(アリスは後者でもある)。そっちの少女観にもスポットが当たっていたら良かったと思います。
★21 - コメント(3) - 2015年1月7日

YM
あー、澁澤先生の「少女コレクション序説」って講義あったら絶対受けたい!一般教養でやるべき!処女生殖とかピグマリオニズムとかマンドラゴラとか知らないことばっかりでとっても勉強になりました。三島由紀夫がビアズレーの描いた「椅子のサロメ」の卑猥さを教えてくれるくだりも最高!サロメ見返したけど分かんなかったもん。まさかサロメがアレな絵だったなんて。まだまだ味わい尽くせてないな。あー、いちいち引用される本が読みたくなっちゃうから困るんよなあ。
★76 - コメント(5) - 2015年1月6日

エッセイ集。エロティシズム三部作。良風美俗を敵とする文学者である澁澤。199X。
★6 - コメント(0) - 2014年12月14日

少女コレクション序説の 評価:64 感想・レビュー:117
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