ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫)

ぼくが電話をかけている場所はこんな本です

ぼくが電話をかけている場所の感想・レビュー(226)

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心のあまり触れてほしくない琴線に触れる8編の短編集。村上春樹訳。日常の小さな(あるいは大きな)出来事が意識下で膨らみ日常への歪みとなって現れる。その意識下は直接語られず、会話の断片、行動、その他の描写でそれの機微を暗に示す。描写が巧みで読んでいてどきどきする。とりわけよかったのが「足元に流れる深い川」 男仲間と釣り旅行で女の裸体死体と遭遇した男と、その時とった男の行動を知り困惑する妻の話。その心理の機微に自分の中の何かが抉られる思いがした。
★16 - コメント(0) - 2月15日

レイモンド・カーヴァーの短編集(村上春樹訳)村上春樹の作品と同様にこの著者の作品はとても独特な雰囲気がある。村上春樹が訳した本だということで読んでみたが、なるほどこの二人は作風が似ているかもしれないと思った。
★3 - コメント(0) - 1月26日

もともとの独特な雰囲気に和訳が拍車を掛けている、気がする。
★1 - コメント(0) - 1月9日

村上春樹訳の初読み作家。短編と詩集のみの作家らしいが、後半にはいくつかの賞を受賞しているらしい。読み始めはなんとも説明不足でストーリーに入りづらくあっという間に終わってしまう。盛り上がりに欠け落ちもない。しかし途中から独特の雰囲気を感じ取れるようになる。もしこの本に書かれてある順番で訳されているなら、訳者の力不足と感じていたであろうが、中程から違った印象をもった。好印象でなく、ストーリーにのめり込むわけでもない。プロ向けに書かれた作品と感じられた。好みでないがまた読んでみたい。
★20 - コメント(0) - 2016年11月10日

解説にある中産階級の風景云々といった言葉のまま受け取れてすんなり読み終わってしまうのに、作品それぞれの世界や登場人物の孤絶感、読者それぞれとあまりに隔れた世界で彼らがいまも生きていて、どうしたってそこに近づけないような閉鎖感はどうしたことだろう。「日本における中流階級がまだそんなにこわばりついていない」から「一種の予感として読める」とあるが、ほんとうにそうなんだろうか。
★2 - コメント(0) - 2016年9月19日

気づかずに何かにいらついていたり、誰かとのつながりを希求している登場人物にやけに共感している自分が心配になりました。 
★3 - コメント(0) - 2016年7月16日

y
レイモンド・カーヴァーの短編集の一つ。物語が殆ど後日談で構成されているのはこの作家さんの特徴なんだろうか。登場人物に「起こった」物語の残滓を主人公が受け取り読者に伝えるといった又聞き的な手法が多いのだが、何度も濾されたその微かなWABISABIを伝える技が凄まじく卓越している。微かな「それ」の存在を知らない人の手からはすり抜けていくが、知っている人には砂金のような煌きが残るようになっている。凄い。
★3 - コメント(3) - 2016年3月26日

A'
村上春樹が好きで、彼が翻訳しているという情報だけで15年ほど前に買ったのだけど、20歳頃の私は少し読んでよくわからなくてずっと本棚に仕舞っていたものを、久々に読み返した30代半ばの私はすっと読めたしおもしろかったし胸の奥にじわりと滲むものもあり、本というのは確かに読む時期というのが存在するのだなと思った。
★2 - コメント(0) - 2016年1月23日

87/11/20 ¥280
★1 - コメント(0) - 2015年12月23日

★★★★★
- コメント(0) - 2015年11月29日

昔読んだ本を再読。内容はほとんど忘れていた。始めの二つを読んで良くわからないと思ったが、その後の作品はもう少しわかりやすい感じ。男性目線の「ぼくが電話をかけている場所」が良いと思ったが、女性目線の「足もとに流れる深い川」は、すごく気持ちがわかる。読み終わって、ここに書かれていることはどういうことだったんだろうと思いながら解説を読むと、「人間存在の有する本質的な孤独と、それが他者とかかわりあおうとする際に生じる暴力性」という言葉があり、まさにその通りだと感じた。前回読んだ時よりは理解できたんだろうか?
★6 - コメント(0) - 2015年11月14日

suu
初のアメリカ文学。しかしとても読みやすくて、読後感としてはとても村上さんに近いものがあるように感じた。しかし、全くシュールさはなくて、どこまでも市井の感覚の延長上にある物語である所が敷居の低さのようなものを感じさせているみたいな気がした。孤独と暴力から人間の姿をあぶり出そうという意識のようなもの、日常の瑣末な部分への丹念な筆致によって、つまり、ミニマムな素材で大いなる表現へと挑戦しているような印象を受けた。次にも何も特別なことはないんだろうけど、どんどん次のページを手繰りたくなる感覚は新鮮だった。
★1 - コメント(0) - 2015年10月18日

★★★★★ 再読 ◎「足もとに流れる深い川」、◎「ぼくが電話をかけている場所」、◎「ダンスしないか?」、◎「大聖堂」、◎「出かけるって女たちに言ってくるよ」、◎「あなたお医者さま?」、◎「何もかも彼にくっついていた」、○「菓子袋」 …「足もとに流れる…」の翻訳は傍線付きの本書のがいちばん好きです。「菓子袋」はロング・バージョン「浮気」の方が出来が良いと思う。「出かけるって女たちに…」は、この唐突なエンディングは長く記憶に残るが、読み継がれるのはロング・バージョンの方だと良いなと思う。
★2 - コメント(0) - 2015年9月23日

再読(25才までに一度)。当時、楽しめなかった事しか記憶になかったが「大聖堂」の盲人の服装と「足もとにー」の最後の訴えだけは思い出した。何も成長のない自分を思って今日まで来て、この短編の数々が若い日の自分と違ってこんなに切なく訴えると感じ入る。長編であれば自己紹介も始まったばかりの数ページで思いがけない展開がある。人の毎日も心を砕けば実はそんなことの連続のはず。しようのない切なさでいっぱい。
★3 - コメント(0) - 2015年7月5日

表題作と「大聖堂」がとりわけ気に入った。あと作品それ自体とは直接関係のないことだけれど、「大聖堂」は「ファミリー•アフェア」だったり、「あなたお医者さま?」は「ねじまき鳥と火曜日の女たち」だったりと訳者村上春樹の作品との関連性を見出すことができて面白かった。
★2 - コメント(0) - 2015年6月22日

私たちは毎日出会う多くの人や、現場でたくさんの選択をしながら生きている。昼飯は何にするかとか晩酌はビールかウイスキイーにするかは、どちらを選んだとしても人生にそれほど多くの影響を与えることにはならない。しかし、人間相手では微妙な対応が必要になる。自分が好きか嫌いかまたは、賛成、反対かの意見よりもその問題に対して誠実に向き合うことが重要になる。「足もとに流れる深い河」の主人公スチュワートはなぜ、川に浮かんだ若い女性の死体に対して誠実になれなかったのか。彼の妻が言うように彼女は死んでいても助けを求めていたのだ
★1 - コメント(0) - 2015年6月22日

以前から村上春樹の翻訳物が読みたかったので購入。村上さんと質的に似た作家さんなのかなと思いました。だからこそ、翻訳を手掛けて日本で紹介したのだろうけれども。
★5 - コメント(0) - 2015年6月11日

Iko
噂には聞いていたけれど、訳者の村上春樹の呼吸と重なる文章にまず驚いた。読んでいくと春樹とは異質の作家だと分かったのだけれど。1つの作品に長いバージョンと短いバージョンがあると春樹は書いているけれど、確かにカーヴァーの短編には2つのパターンがあるように思えた。ここにおさめられている「大聖堂」や「足元に流れる深い川」は長いタイプ(バージョン?)なんだろうけれど、そういう作品は組立てがしっかりしていて、読後にずっしりとした重みが残るように書かれていると思った。逆に「ダンスしないか?」や「菓子袋」などは短く→
★1 - コメント(2) - 2015年4月30日

レイモンドカーヴァーを初めて読みました。村上春樹訳ということで手に取りました。トリックやオチがない作品ばかりですが、【大聖堂】【菓子袋】【あなたお医者さあ?】などは、作品内の空気が好きでした。
★18 - コメント(0) - 2015年4月7日

うわーなんだこれ。短編八本とも全部すごい。これまで食わず嫌いしていてたいへんな損をした。とくに「足もとに流れる深い川」って、これ、このこわさは何。読んだ前と後で人が違っちゃうような大傑作だ。
★2 - コメント(0) - 2015年3月16日

久しぶりに読んでみると唸らされる部分がとても多い。村上春樹の偉業ってカーヴァーを日本に広めたことだと思う。『大聖堂』は何度でも読み返したい。
★1 - コメント(0) - 2015年2月7日

レイモンド・カーヴァー作品初体験。読んでるとき、常に村上春樹の「納屋を焼く」の妖しい空気感が漂っていた。僕は面白いと感じたし、この作品が好きだ。でもそれは間違いなく「村上春樹の影」という付加価値があってのことになる。それほどに色濃い影響を感じた。カーヴァー作品の感想を書くのが難しい。僕は何の予備知識もなしにこの作品を読んで、好きになれたのか疑問に感じる。変な感想になるけど、自分の中の村上春樹という作家の存在感が浮き彫りになった。レイモンド・カーヴァーが大好きになったけど、間違いなくショッキングな出会いだ。
★27 - コメント(0) - 2015年2月7日

私は小説の読み方がうまくないと思います。特に詩とか短編…。うまく想像力を働かせられないからかもしれません。一つの文章から紡ぎ出される世界と、書き出されない世界(内面的なものも含めて)に相当戸惑いながら読み進めなければなりません。「足もとに…」とか「あなたは…」とか、一つを読むごとにいろいろ考えてしまいます。でも「大聖堂」なんか、素敵な話だと思います。ですから、嫌いではありません、こんな雰囲気が…。
★2 - コメント(0) - 2015年1月14日

父に勧められて読んでみたけれど、なんだかよく分からなかった。全て男女の話で、浮気についてのものもあった。これといったオチや、トリックがあるわけでもないのだけれど、なんとなく、私に読むのを促す何かがあった。
★3 - コメント(0) - 2014年6月25日

評価 4
- コメント(0) - 2014年6月24日

あとがきにも書かれていた通り、本当にオチはない。だからと言って詰まらないのではない。
★2 - コメント(0) - 2014年6月10日

三回以上読んでいたようですが、モヤモヤしたまま忘れてしまう短編集のようです。カバーは落田謙一氏。マグリットとシャガールをミックスしたような浮遊系。好きですね。短編と詩しか書かない・書けないカーヴァー。村上氏お得意の『井戸』が出てきてました。訳者曰く、最初に全体のストラクチャーが存在しない小説作法。「トリック」や「おち」がない、無意識下における意外性を指摘。家庭生活を営む男性が、一方に持つ本質的な暴力性に眼が行きました。短編小説は絶版が多い状況とか。忘れて再読してしまうかもしれない「小説家受けする小説家」
★5 - コメント(0) - 2014年5月6日

「『あの人の近くにいると自分が虫けらみたいに思えるんだ』とJPは言った。『彼が僕にそう感じさせるんだ。なんだかかんたんに踏み潰される虫けらみたいにさ』」
★1 - コメント(0) - 2014年5月5日

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何篇かは何回か目の再読。やはりいいな、この空気。
★1 - コメント(0) - 2014年3月21日

この一冊を一言では語れないけれども、作品から感じられたのは、「これは理屈で語られても伝わらない」ということ。物語を通じてでしか人に伝えられないこと、それが書かれている。皆欠陥を抱えていて、でも一生懸命生きていて、作者と我々が何となく仲間意識を感じられる「サイド」の人間と、そうでない側の人間がいて、同じサイドの中ででもお互いを傷つけあってしまったりなんかして。「悲しいけどそういうものだよね」と言いつつ、共感しあえる仲間が、友達以外にもいた方がいい。カーヴァーはそういう「仲間」の一人なのかな、と僕は思う。
★1 - コメント(0) - 2014年2月11日

秀逸。「カセドラル」「何もかもが彼にくっついていた」がお気に入り。大ファンになりました。
★3 - コメント(0) - 2013年12月4日

どんな話だった?って聞かれたら説明するのにすごく困る感じ。ただ読み終わって残る感覚の余韻はなんだか心地がいいような、そんな本だったかな。一つだけ印象に残るのは酒飲み過ぎー!ってところだね。笑
★2 - コメント(0) - 2013年11月20日

mm
文に手触りがあるとすれば、多分滑らかで冷んやりしていて、チョッピリ湿っている。起こった物語とも読めるけど、おこったかもしれない物語とも読めるなと思った。そして、起こったかもしれない物語の周りには、もっと沢山の起こったかもしれない物語たちの気配がある。何がが生じるためには、生じなかったものの意味も含まれる?登場人物がガンガン酒飲んでます。ここにアメリカの息苦しさからの逃避を感じました。大聖堂がわりと好き。
★2 - コメント(0) - 2013年11月7日

最初はちょっとカポーティーっぽいなと思った。訳している人が同じだからかな。けどカポーティーより湿度が低くて、さらっとしているように感じられる。そしてフィッツジェラルドの華やかさもなくて、ひたすら内面的な些細な物語が並んでいる。害のない小説、といって良いかもしれない。盲目の男と麻薬を吸いながら絵を書く『大聖堂』、アル中の仲間と共に慰め合う『ぼくが電話をかけている場所』がおすすめ。とりあえずこのどっちかを読んで、面白いと思ったら買っていいと思う。
★5 - コメント(0) - 2013年10月16日

村上春樹がはじめてカーヴァーを訳した短編集。同化しすぎてカーヴァーが書いているのか村上春樹が書いているのかわからなくなってくる。ちょっとずつどこかがずれていて「ん?」と思ったり、苦かったり、後味が悪かったりする。正直あとがきがいちばん面白かった。テキストを源さんに借りたなんて、意外
★1 - コメント(0) - 2013年10月6日

村上春樹の作品と錯覚するほど春樹っぽい。春樹訳だから?淡々と感も似ている。井戸のくだりはねじまきを思い出す。違う人の訳で読んでみたい。
- コメント(0) - 2013年9月27日

こういう短編集は大好きだ。しんとして、うっすら悲しくて心の奥が寂しい。
★1 - コメント(0) - 2013年9月14日

「井戸」がモチーフとされている点、日常の話しなのだけど違和感を感じる天、カーヴァーと村上春樹の創作姿勢などに共通するものを感じた。
★1 - コメント(0) - 2013年5月8日

読み終えていちばんに思った言葉は 「いかしてる」 です。端端に村上春樹を感じたのは、彼が翻訳したための文体だけではないと思います。初読みの作家さんで、難しいのだろうと気合いを入れて読み出しましたが (翻訳ものはだいたい読みにくい) 、すらすらと読めました。他にも読みたい。表題作が好き。恐れている平常の描写がそこにはあった。
★3 - コメント(0) - 2013年4月20日

短編集なのでちょっとした時間の隙間によく読んでいる。今回は髪を切っている時。生活のほんの1コマが深い。何回読んでも深い。全部大事で全部意味がある。でもそれをひとつひとつ心に刻んだとしても、日常にうずもれていってしまう。望むと望まざるとにかかわらず、気がつくと自分はこんなところにいる。そんな不思議でせつない気持ちになる。
★3 - コメント(0) - 2013年3月3日

ぼくが電話をかけている場所の 評価:80 感想・レビュー:70
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