猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

猫のゆりかごはこんな本です

猫のゆりかごの感想・レビュー(1151)

面白かった。原爆開発者について調べるジョーナが主人公。科学的で無味乾燥な真実は人間を幸せにしない。だから、物語めいた幻想が必要なんだけど、人々はあまりにも愚かで…。という筋書きを、カリブ海を舞台にカリプソの陽気なリズムで紡ぐ。紡ぐんだけど…。現実を笑い飛ばそうとするんだけど、なかなか上手く出来ず、それでも笑おうとする苦味っていうのかな。シニカルさを気取ろうとするあがきが、心に響いた。
★1 - コメント(0) - 3月20日

細かく分かれた一章一章のそれぞれどこかに、なにがしか刺さる一文がある。ボコノン教に感化されそうだ。カルト宗教が世間を騒がせた時代の雰囲気というか、世紀末感というか、妙な万能感や突き抜け感を本書から感じた。そして、その感じの先に何が待っているのか。
★12 - コメント(0) - 2月26日

【猫の日イベントでン十年ぶり再読】海外のSFが好きでよく読んでいた学生時代。ハインライン、アシモフ、クラーク&ディックの後に手を出したのがこれ。全く違う世界観に圧倒・困惑した覚えがあります。いつか原書でチャレンジと思ったが未だ実現せず。
★34 - コメント(7) - 2月23日

良い。
- コメント(0) - 2月12日

1963年出版のブラックユーモア小説
- コメント(0) - 1月5日

日本に原爆を落とした日、アメリカは何をしていたか。主人公はそれを調べる中で、原爆を発明したうちの一人が死の間際に3人の子供達に分け与えた「全てを凍らせる物質アイス・ナイン」に行き着き数奇な運命に巻き込まれていく。原爆とアイス・ナインは小説内ではっきりと結び付くわけではないが、著者は世界の破滅や終末は時に信じられないような理由で起こってしまうとシニカルに暗示しているように思う。主人公がボコノン教に転向した最後の一押しが教義や崇高な理想ではなく女であったのも風刺のようでウエルベックの「服従」を連想した。
★10 - コメント(1) - 2016年12月26日

世界の崩壊まで、アッチコッチ連れて行かれます。
- コメント(0) - 2016年12月21日

ボコノン教徒。
★7 - コメント(0) - 2016年12月8日

皮肉たっぷりで目が回りそうになったけどなんとか読了。結局人間は嘘を真実として生きてる存在だから、唯一真実を映し出してくれる科学には次々と裏切られる(ように感じる)宿命なのかな…と思ったり。でもそういう宿命論的な滅びの廃墟の中で「嘘でもいいから希望を持って生きていこうぜ!」というメッセージを感じるあたり、ヴォネガットらしいなーと感じた。それと、作中に出てくる謎めいた架空の宗教のボコノン教が面白い。言わば「アンチ宗教」を説くなかなかひねくれた宗教なんだけど、結構そのとぼけたニヒリズムが真理を突いてたりする。
★5 - コメント(0) - 2016年12月4日

ねこもゆりかごもないのに、わたしたちはねこやゆりかごを見ようとしたがる。秋の空疎な日々にふさわしい「不機嫌でシニカルな」物語。P.83の語り手(の一族?)が墓を買った話とラストなど、それぞれのエピソードはつながらないように見えるのに、すべてボコノンの導きによって人々やものが集まる流れはついつい先を読みたくなる。すべてが<フォーマ>(うそっぱち)だというのに、失恋して後悔して諦めるように描かれる人たちの感情はすべて本物で、人の感情が物語の原動力になることを改めて思い知らされる。
★24 - コメント(0) - 2016年10月25日

「世界が終末をむかえた日」というタイトルの本を書こうとしているジョーナの体験するキテレツな終末を描く(作者本人はこういうと怒るけど)SF小説。「ボコノン教」という謎のカルト宗教が常に話の中に出てくる。この架空の宗教を使って、宗教を多いに諷刺している。細かいエピソードを積み重ねて構成されている(何と127章)。ナンセンスなギャグ、ユーモアな語り口で、さらに出てくるやつらはみんな狂人変人偏屈ばかりで笑ってしまう。しかし実は物語には人間の悲しい側面がちりばめられていて、さすが。何だかとらえどころがないのも良い
★52 - コメント(1) - 2016年9月17日

mt
ヴォネガットの代表作ばかり読んで3作目。細かく分けられた章の最後に、架空の宗教ボコノンの教祖が皮肉や風刺がきいた一言を残していく。甘い希望を持たせた言葉を排除したヴォネガットの持ち味だが、またかと食傷気味にさせない上品さはさすが。最後まで丁寧に読ませてくれる。ただ、これまでに読んだ「スローターハウ5」、「タイタンの妖女」の印象が強すぎて、まだヴォネガットの習作的な作品のように思えてしまった。
★32 - コメント(0) - 2016年8月7日

『「急ぐことはないって。ゆっくりしなよ。あいつは低能なんだ」/「重大事だと言ってた」/「何が重大か、あいつにわかるのかね? バナナを彫っても、もっとましな人間が作れる」』
★2 - コメント(0) - 2016年6月28日

原爆を落とした日にアメリカ人は何をしていたのか これで人類学修士号を取得したそうだ やっぱりヴォネガット節はいいなあ
★27 - コメント(1) - 2016年6月18日

初めて読んだカート・ヴォネガット・ジュニアの作品だが、結論から言うと駄目だった。村上春樹のような文体にかなりの抵抗感があり、ストーリー自体もよく理解できず、最後まで波長が合わなかった。また機会をつくって再読したい。
★2 - コメント(0) - 2016年5月12日

じつに面白くそれゆえ感想を書くのも苦労する。だってこれは三回目の書き直しなのだから。文字数が足りないと思って書き足してみれば、今度はもっと簡潔な言葉で表すのが正解なようにも思える。あやとりを組むようになんども言葉を紡いでも、いったいなにが残るのだろう。「妻はわたしが楽観論者のくせに悲観的過ぎるために家を出て行った」「彼は、数百万ドルを湯水のように使いながら、人類には迷惑以上のなにももたらさないという、目をみはる才能をもっていた」など面白い表現がいっぱいある。MOTHER(任天堂)が好きな人に合う気がする。
★3 - コメント(0) - 2016年4月23日

10年ぶりくらいに再読。「猫、いますか? ゆりかご、ありますか?」--人生はあやとりみたいなもの。猫もいないし、ゆりかごもないけど、それじゃあるのはつまらない糸だけ。嘘っぱちの「猫のゆりかご」を信じる態度こそが人間を救う、とゆー。 なぜかヴォネガット作品の中ではそんなに好きじゃないんだよね。「スローターハウス5」や「タイムクエイク」は僕の人生最良の本の一つだし、他も全部大好きなんだが。
★1 - コメント(0) - 2016年4月14日

[4.3] 毒と魔力のある作品である。ニヒリストであり、科学を嗤い、狂った宗教にその代わりを求める、などの作家に通底する特徴はこの作品にすべて揃っている。登場人物は大抵露骨に愚か(かつ滑稽)である。しかし、所々に挿入される『ボコノンの書』の引用は他の作品を大きく超える引力を持っている。つまるところ、ヴォネガットは人間の核心をこの作品において最もよく言い当てているということなのだろう。ハインラインと読み比べてみると面白そうである。
★5 - コメント(0) - 2016年3月19日

こんな簡単に世界が滅んでいいのかと言いたくなる。随所に挟まれるボコノン教の文句が、世界が実在と非実在の間にあるような感覚をもたらしていく。
★2 - コメント(0) - 2016年3月19日

優れたSF作品は寓話になる。様々なアイロニーはかなりシリアスだが軽妙な語り口が柔らかくしている。恐らく大筋に明らかな〈意味〉はない。断章形式がそうさせているのかどうか。村上春樹より高橋源一郎を読んでいる感覚に近い。が、源一郎より分かりいいのは軸となるストーリーが一応はあるからだ。この寓話から何を読み取るか。私には辛辣なメッセージばかり響いた。
★5 - コメント(0) - 2016年3月6日

ぜったいみんなで〈ボコマル〉しような
★5 - コメント(0) - 2016年3月4日

作中の中で最初から最後までストーリーに寄り添うような形で登場するボコノン教という宗教、これが面白い。ヴォネガットの思想が顕われているのだろうと思われるけど、そのスタンス、価値観が自分にとてもしっくり感じられて好きだなぁと思う。
★3 - コメント(0) - 2016年2月23日

架空のカリブの島であるサン・ロレンゾ島で起こる世界の終末。水を凍らせる謎の物質アイス・ナインとボコノン教、奇妙奇天烈な人々。深く踏み込めなかったものの面白く読んだ。原書で読めたら更に面白いんだろうなと思う。
★25 - コメント(0) - 2016年2月10日

わけがわからないうちに世界が終末を迎えていた。途中からストーリーを理解することを放棄して、流れに身を任せていた感じ。じゃあつまらなかったのかと言われるとそんなことはなく、むしろ面白く読んだ。ある種のナンセンスさが癖になる。現実の世界もサン・ロレンゾ島を舞台とするトンデモ劇と本質的な部分でそんなに違いはないのかもしれない。
★9 - コメント(0) - 2016年2月7日

読んでる最中、なんだこれはなんだこれはと疑問符を浮かべまくっていると、いつの間にか世界が終わっていた。ボコノン教もアイス・ナインもサン・ロレンゾも民主主義に殉じた百人の戦士もみんなフォーマ=ホラ話にすぎず、畢竟世界に意味なんてないんだというニヒリズムを表している、のかもしれない。宗教に対する胡散臭さを刷り込まれている日本人には、ボコノン教の面白おかしさはまさに印象そのままといった感じか。
★2 - コメント(0) - 2016年1月14日

アイスナインの設定がすごく面白いのにそこまで掘り下げられないのが残念だった。
★2 - コメント(0) - 2016年1月9日

決してハッピーエンドではないが、非常に痛快なラストであった。非真実を真実として受け入れる一般の宗教のアンチテーゼであり、人類を作った神に対するアンチテーゼでもあると思う。またフォーマを、フォーマであると認識し生きるよるべとすることこそが、真のボコノン教徒であり、上手に生きていくコツなのかなとも感じた。
★3 - コメント(0) - 2016年1月6日

これは元ともスパイ映画「リクルート」の中に台詞で出て来た小説の題名で、まさか実在の作品だとは思わず、相当長い間気にも留めてませんでした。 で、作品としては意外な程ナンセンス的作品。どう評価していいか判断できず、とりあえず今年中に何とか読み終わりました。25点位にしておきますか?価格が高いのも原点の原因。
★3 - コメント(0) - 2015年12月31日

不思議な感覚だ。結局どういう話なのか(ヴォネガットがボコノン教という「嘘」をどう考えていたのか、とか)理解できた自信はないけど、なぜか楽しく面白く読めてしまった。この感覚はSF小説というよりエッセーを読んだときに近い。明るいとはいえない物語なのに、悲壮感をほとんど感じなかったのはヴォネガットの語り口によるものか。
★2 - コメント(0) - 2015年12月23日

やはりヴォネガットは痛快です!! 「猫、いますか?  ゆりかご、ありますか?」
★3 - コメント(0) - 2015年12月10日

“猫、いますか? ゆりかご、ありますか?” ポンコツな人間たちのポンコツな教典、そしてポンコツな世界の終わり。諦観とも呼べるけど、世界の終わりの続きもそれなりに楽しそうなので「まあそうだよね」といい塩梅です。取って付けたようなデウスエクスマキナ登場で苦笑フィナーレ。とても面白かった。読んでいる間、変な空気をまとっていたと思う。僕だけのヴォネガット祭りは続きます。
★4 - コメント(0) - 2015年12月9日

50ページで断念…今の僕にはまだ読み解けない…また時期が来たら読破しよう。偽装の夫婦で知ったから読みたかったのに…残念っ。
★1 - コメント(0) - 2015年12月8日

単純?難解?お気楽?堅物?物語の流れに身を任せればよいのだろうか。隠された意図を穿り出そうと躍起になればいいのだろうか。あやとり?X?なんだそれは。それを武器に、本当に物語を紡げていけるのかい。
★7 - コメント(0) - 2015年11月12日

すごく面白かった。天才博士フィーリクスは原爆だけではなく、〈アイス・ナイン〉と言うとんでもないモノまで造り出していた。『猫のゆりかご』というのはフィーリクスが原爆が落とされた日にやっていたあやとりの技の一種で"なんでもない”という意味らしい。この科学者は自分の造ったモノがその後どう使われようと関係なかったのだ。でもどうして〈私、ジョーナ〉はこのことを知っていたんだろう?全体に流れるボコノン教の教えもすごくよく考えられている。〈ボコマル〉してみたいな。この作品は、あまり深く考えずに読んだ方がいいんだろうか。
★17 - コメント(0) - 2015年11月8日

序盤は情報がたくさんで分かりづらかったけど、この話の核であるアイス・ナインが出てからワクワクして面白くなった。政治、ボコノン、宗教、科学、あらゆるものが出てずっと騒がしいけれど、細かく区切られた章と語り口がテンポよくスラスラ読める。ユーモラスに描かれてるけど、真剣に考えたら冷ややかな世界。<カラース>はなんとなくわかったけど、<ワンピーター>ってなんだったけ?とか、115章の「たまたま」という章題が素敵やわ!いろいろ考える読書にもなったけど、とにかく、ナイス、ナイス、ヴェリ、ナイス。
★16 - コメント(0) - 2015年11月7日

私もボコノン教に入信したい。
★2 - コメント(0) - 2015年11月3日

へんてこすぎる。面白かった。神様は居なくて良かった。
★5 - コメント(0) - 2015年10月31日

SFだと思って読むと期待どおりではないかもしれないけれど、宗教と政治と家族の話として読むと重いストーリーと軽い語り口が絶妙なバランスで楽しめました。細かい章立てのおかげで読み易かったのも良かったです。
★2 - コメント(0) - 2015年10月31日

猫のゆりかごの 評価:56 感想・レビュー:268
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