流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

流れよわが涙、と警官は言ったはこんな本です

流れよわが涙、と警官は言ったの感想・レビュー(1231)

自分が存在しない世界にいってしまったジェイスン。いろんな人と関わりながらどうにかしようとする。犯罪にまみれたちょっとイっちゃってる世界観は相変わらず。人が大事なものを失ったときどうなってしまうのか、とうことが書かれた作品。ジェイスンの奮闘記かと思いきや最後に全部持っていかれた。ディックの作品はカバーとタイトルがカッコよすぎる。
★4 - コメント(0) - 3月18日

『星を継ぐもの』で頭がSFづいてきたので、長年積読にしていた本書を手に。バーナード嬢で話が出ていた『ディック感覚』てのがドンピシャで感じられて楽しかった。どこかで読んだような気がするのは、おそらくこの世界観に影響を受けた人達が無数にいて、いろんな作品にその影が見られるからだろう。しかしドラッグに同性愛に近親相姦に少年愛に精神病と…なんてハードな世界だ。
★2 - コメント(0) - 2月16日

デッィクに慣れてきたのかそれともそういう本なのか、いつになく話の筋がすっきり見える本だった。自分がある日存在しない世界に飛んでしまった男の物語。夢中で読みました。冒頭プルーストのくだりでにやり/人間何が起こるかわからないし理屈通りには動かない/<日常>にいる限り人は共通ルールに則っているが<日常の外>の存在はルール通りにはならない/悲しみは私と失ったものをつなげてくれるもの/恐怖は憎悪や嫉妬より始末が悪い/たまたま目に留まっただけで完全な白紙に歯戻せない理不尽/Mr.バックマンが死んだのは2017年
★33 - コメント(1) - 1月15日

再読。『人間性とは何か』ということを問い続けた、P・K.ディックの代表作の一つ。特に愛、悲しみ、涙、といったものが本作のテーマだ。ディックの作品はどれもそうだが、200~300程度の文字数では上手く感想を伝えることは難しい。彼の小説は、他のSF作家と比べて思索的、哲学的な面が強いからだ。その為、本作も単純なエンタメSFだと思って読むと痛い目を見る。繰り返し読む度に新しい発見があり、いつの間にかP・K.ディックという大きな存在が、自分の中に居座っている。自分にとって、P・K.ディックはそういう作家の一人だ。
★6 - コメント(0) - 1月4日

映画「ブレードランナー」の原作者ディックのSF小説。人気テレビタレントのガヴァナーは目覚めると国家のデータバンクから自分の記録が消えていることを知る。警察から追われる身になったタヴァナーは...。『人間にとって「涙」、「悲しむ」とは何を意味するのか?』というテーマで書かれた小説。「悲しみ」は人間に大きな力を与えることもある。そんな事をこの本を読んで考えたりした。翻訳物の小説特有の読みにくさ、とっつきにくさはある。でも私にとっては印象深い本で何度か読み返している。
★99 - コメント(1) - 2016年12月14日

SFが苦手なのでこの長編はちょっと辛かった。面白さがわからない。 SFを読むセンスが無いのか。
★1 - コメント(0) - 2016年12月9日

現実と夢、生と死、自分の存在の不確かさ。よくよく考えたら私の世界でも確実な事というものは思いの外少ない。タヴァナーのような巻き込まれはまずないだろうが、自分の仕事や社会的な立場がある事が原因で崩れるのは現実でも一瞬である。そして、Mr.バックマンの涙は愛すべき人を亡くした悲しさと長年にわたるストレスからの解放による安堵の二つに起因している気がする。それは涙を流した後に前向きに行動するところからそう感じるし、作中でタバァナーは絶望はするも泣かずバックマンがボロボロ泣くところからもそう感じる要因になっている。
★4 - コメント(0) - 2016年12月3日

三大「タイトルを声に出して読みたいフィリップ・K・ディック」の1つ(俺調べ)。「流れよわが涙、と警官は言った」はそんな本。あらすじを読むにどうやらタヴァナーが主人公のようだけれども、よく考えてみれば、彼は涙を流さないし、警官でもない。そこでははぁーんとなるわけだ。つまり俺が何を伝えたいかといえば、「流れよわが涙」と「警官は言った」ということだ。
★1 - コメント(0) - 2016年11月21日

愛するものを失い嘆き哀しみの絶頂の中にいるとき、人はその死者と同化して一つになっている。「哀」という感情は怒りや喜びといった日常茶飯事の他の感情とは違い、人生で数回しか(愛した回数しか)経験しない。また自分の命にしか興味のない人間には一度も訪れない。生命が有限であるかぎり、愛はかならず哀に到達する。愛は憎しみには変わらない。裏切られ憎しみに変わるとすれば、それは「欲望」という感情だ。アイという感情を経験した人間だけが、アイとともに死んでいくことができる。ーーいつもの、古典SF小説のタイトルセンスは異常
★2 - コメント(0) - 2016年11月10日

主人公はタヴァナーであってタヴァナーでないですね。トリックは、……え?といった感じですが、それでも面白いのがディックだよなあ。
- コメント(0) - 2016年10月22日

登場人物のバックマンが本書を読めば様々な愛のかたちが書かれていることに気付くだろう。とディックは語っているそうな。しかしぼくは最後までタヴァナーのことばかりが気になったのでぼくにとって最も重要な愛のかたちは多くのひとから関心と好意をもたれることのようだ。イケメンにうまれていたらワンチャンあったのに。
★1 - コメント(0) - 2016年10月11日

やっばりディック先生はくそ暖かい、 いいないいな人間ていいなあったかい涙を流せるんだもな
- コメント(0) - 2016年9月7日

ディックは五作目の読了。ようやくディックの息遣いになじんできて、読み方が分かってきたところで、これを読めてよかった。そして、氏自ら書いた解説の素晴らしさよ。ディックはこの作品で、SF的要素を用いて素晴らしい人間賛歌を謳いあげた。涙涙。
★3 - コメント(0) - 2016年9月6日

『流れよ我が涙、と警官は言った』読了。SF と思って読むからクソ小説に感じるのであって、主人公以外の登場人物の人間らしさを描いたものとして、もしくは SF 時代における実存主義小説のリフレインとして読めばわりと良い小説なのかもしれない、と感じる程度にはクソ小説でした。
★1 - コメント(0) - 2016年8月25日

主人公のダヴァナーをトレースし続けていたら、わからなかった。なぜこの題名だったのかと、敵役だったバックマンにスポットライトが当たっているのかと。紙面上のアイデンティティ、唯一の/誰も代われない役柄、誰もが憧れる王座、ソレが全てになっていた。ソレを守り抜くことが/そこに自分がいることが全てだった、ソレ以外に大切なものなど何もない……そのはずだった。もっと大切なものに気づかされた、それでもなお役柄を演じ続けなければならない。この理不尽な世界観、実にPKDらしい小説。
★28 - コメント(0) - 2016年7月4日

あーこれディックの中で一番好きかもしれない。自分は誰なのか世界は存在しているのかみたいな哲学風味のSFに、ダウランドの曲が静かに流れていく。
★4 - コメント(0) - 2016年7月2日

J.H
★★★★★
- コメント(0) - 2016年6月16日

超小型発信器、何回仕掛けられてるんだこいつは
★1 - コメント(0) - 2016年6月12日

なるほど、という印象。この作品の「トリック」、というかカラクリは今ではわりとよく使われるものです。ゆえ、この作品はそういうSF的部分を楽しむというかは、悲しみについて考えるといいのではないかと思います。人の悲しみが記号として消費されることは、どちらかと言えば批判的に捉えられることが多いですが、悲しみは人にとって消費されるべきだというのは面白いですね。ラストに出る花瓶のような、永遠に愛されるものを生むのが、そのように刹那的な人間だというのも興味深い。唐突な展開もありますが、それはディックのご愛嬌ということで
★1 - コメント(0) - 2016年6月11日

初ディック。 アイデンティティ喪失の恐怖を描いた小説かと思ったら、愛と嘆きについてのお話だった。タヴァナー視点で読み続けると?となる結末だけどバックマンや女達の視点で読むと非常に人間臭い内面的な話だった。最後のバックマンと黒人のシーンが唐突だったけどすごいグッと来た
★3 - コメント(0) - 2016年5月26日

日本語がヘタクソで読みにくい。原文が悪いのか訳者が悪いのか、おそらく後者なんだろうけど、誤訳ではないにせよ、直訳だったり単語のチョイスが微妙だったりで、ニュアンスが伝わってこないところが多々あった。ふつうの小説ならそれでもなんとかなるのだけど、この物語の場合、敢えて説明を不足させた設定やら、(物語の主題がタヴァナーにないという)ひねくれた構成に造られているので、目の前の文章を読み解くのに労力を使うのは苦痛だった。独占翻訳権なんてものをハヤカワが得ているらしいので、すぐにでも改善してほしい。内容はコメ欄で。
★3 - コメント(2) - 2016年4月16日

いきなり自己喪失状態に放りこまれるタヴァナーのタフでクールかつある種人間臭い描写が面白い。自己保存、それから「増殖」をこそ至上命題とした場合のスィックスには、根本的に敗北だけが約束されているとアリスは言う。しかし、そのことにタヴァナーは気づかない。そのドン・ファン的活躍の最中、気づくタイミングは幾度かあった。これに比して、最後のところでアリスの死によって愛に立ち戻って来るのがバックマンだ。そもそも全体のトリガーとなったのもアリスであり、それゆえアリスはバックマンの目を醒まさせてやることになった。
★9 - コメント(0) - 2016年4月7日

喪失の物語。生活に固執する者と(屈折していたとしても)愛に固執する者と。気づいたら流れていた涙が深い喪失を。
★2 - コメント(0) - 2016年3月26日

三千万人の視聴者がある放送番組を持つ有名人タヴァナーが、脈絡なく誰一人自分を知らない世界に迷い込んで、話がはじまる。中心人物が突如陥るアイデンティティ喪失状況はいかにもディックの小説という感じ。「なんでこんなことに」という謎を核に、どこかイカれたキャラクタたちを配して、タヴァナーのサバイバルへの努力を書きながら話を比較的直線的にすすめるので、リーダビリティとエンタメ力が高い。中心のネタについてミステリ的にはいろいろ疑問はわくが、キャラ小説、愛と孤独の小説、諸行無常小説として面白かった。エピローグは泣けた。
★19 - コメント(0) - 2016年3月26日

正直最後の解説を読まなければ、何が物語の軸なのか、何に向かっているのかぼんやり過ぎてわかりにくく。人物像も間に薬物が絡んでるせいかどんどん変わるのでついていけず。最後までなじめなかった。
★1 - コメント(0) - 2016年3月24日

スイックスであるジェイスン・タヴァナーと普通人たちの対比。登場人物たちと対等に会話できるように、ジェイスンは存在を消されたのだろう。自己保存より大切ななにかがあるだろうか? そういうものがあれば涙が流れるだろうか。恋人の死を受け入れられなかったキャシィや愛の嘆きの中に永遠を見たルース・レイ。エミリー・ファッセルマンの兎の話が好き。愛は自分を越えるのか。話全体としては落ちが不満。中盤までは盛り上がった。
★48 - コメント(0) - 2016年3月23日

読んだSF16冊目
- コメント(0) - 2016年3月19日

ある日突然、自分に関するデータ、記憶が排除され最初から自分が存在していなかったかのような災難に遭う超人気歌手の主人公。途中で警官のバックマンに視点が変わり、人間らしく涙を流す彼と、はっきり書かれてはいないけどアンドロイド的存在(スイックス)の、涙を流せない主人公の対比が印象的。けれど、どうして存在しない男になってしまったのかはっきりと説明されなかったのが残念。一応説明はあるけど「よくわからない」と本文にもあるように読者にもよくわからない…。そこが残念。
★3 - コメント(0) - 2016年3月13日

平行世界。これは双子の片割れと死に別れたディックの永遠のテーマであり、自分と妹が入れ替わった世界をディストピアとして内に持って生きていたことを示すかのようだ。自分の存在が消え去った空間、ジェイスンの悪夢は紛れも無く現実だ。ただそれは「存在」する全ての者に当てはまる事実だ。物理的な「存在」は彼を認めずIDという情報こそが「彼」であるかのようなこの世界。それは作者及び読者の住む現実世界の風刺でもある。自分の存在とはどういうものだろう。そして他者とは何か。ミステリであり心理学でありでもSF。不思議な小説だった。
★3 - コメント(0) - 2016年3月4日

MAS
P.K.D総選挙第4位!を読んでみた。読み始め分かり易くどんどん世界観に入って行くと、やはり一流SF作家、常人には考えつかない人間の時間・空間を構成する座標系に着いて行くのが必死‥ そして主人公はあなただったのですね。
★2 - コメント(0) - 2016年3月4日

ブログに感想を書きました http://meganeza.hatenablog.com/entry/2016/02/14/133057
- コメント(0) - 2016年2月10日

朝起きたら誰もが自分のことを忘れてしまっていたとしたら、というのは私もちょっと考えたことがあるくらいのありがちなアイディアだけど、ここまで膨らむとはなあ。タイトルの『警官』バックマンの感傷的な内面と主人公・タヴァナーの非人間性が対照的に並行してあらわになっていく構成がとても面白い。読むほどに作品世界の現実と虚構が曖昧になっていく感覚も極上で、いかにもSFらしい読み応え。ただ終盤、説明的なわりにすべてが明らかにはなってないのと、エピローグが本編の内容に反して淡々としているのが気になった。
★5 - コメント(0) - 2016年2月3日

980
『アンドロイドは〜』でのアンドロイドの様な位置付けで、今作では明言こそされないが人工的に生み出されたスイックスと呼ばれる人々が出てくる。話はスィックスであるタヴァナーが自分の存在しない世界に迷い混む所から始まり、感情的な登場人物と出会う中で徐々にアンドロイド同様の違和感が露になる。ルース・レイの語る愛の話にグッとくる。後半にかけて警察本部長であるバックマンに焦点が移り、こちらは逆に別れによって人間らしさが映える。黒人のシーンの対比やディックの実生活との感情の重なり等興味深い。アリスって名前はそういうことか
★8 - コメント(0) - 2016年1月30日

喪失をめぐる自伝的SF。著者曰く、人生最悪の時代に綴られた最高傑作。「たとえばこの世界が誰かの夢だとして、その人が眠りから覚めたとき私たちはどうなってしまうのだろうか?」この物語を読み終わった今は、こう答えたい「きっと世界は今まで通り、小さな変化を繰り返しながら続いていくはずさ」人は去ろうとも、その手によってつくられたものは形ある限り残り続け、その愛は形を変えながら世界をめぐりゆく。失われたものはもどらない。だから私たちは涙を流しながら、物語には綴られない時間を強く歩んでいかなければならないのだ、と。
★51 - コメント(2) - 2016年1月29日

現実の喪失というディック感全開の小説。世界的有名なエンターテイナーの存在が社会から消失する。その理由はとある人物がキメていたドラッグによってトリップしていた空想に現実が引きずられていたからなのです!本質的には人間の「涙」とスイックスと呼ばれる電気羊のアンディ―的な「涙」を理解しない存在の乖離に言及している。人間が人間足り得るのは「嘆き」のために涙を流すことができるということだ。
★5 - コメント(1) - 2016年1月8日

ある朝目覚めると、社会から自分に関する記録が失われていたジェイスン。逃避行を続ける彼を追う警官のバックマン。二人の運命は意外な形で交差していく――。今まで読んで来たディックの中では、比較的読みやすかった印象。緊迫感のあるサスペンスから難解なSFへと雪崩込んでいくプロットの崩壊は相変わらずですが、本作ではその崩壊に解決が為され、一応の種明かしも提示されます。伏線もさりげなく丁寧で、そう云った点からみれば充分にSFミステリの良作。特に、意外なフーダニットから導かれる、世界の乱れのハウダニットは見事です。(→)
★71 - コメント(1) - 2016年1月6日

個人監視が強化された近未来で男が誰からも忘れられ、出自を証明するデータも一切が消えてしまう……という話は今やありがちなのかもしれないが、その男が遺伝子操作された能力の高い新種の「人間」で、しかも日常ではそれを隠して全米で大人気のTVショーの司会を務めている……という設定は斬新。他の重要登場人物も一癖ありで、最終章では、ほぼ全員のその後について書いているくらい、描写も力が入っている。その一方で、なぜ男が急に「忘れられた男」になったのかの種明かしについては、なんだか分かったような、いまいちのような……。
★3 - コメント(0) - 2015年12月31日

次の展開が気になって仕方がなく、一気に読んでしまった。 オチはよくわからず、おそらく薬による妄想と現実が混ざったように書かれてて、妄想が現実に魔法のように影響を及ぼしたのか、妄想は妄想でただの偶然だったのか... 読み直さないと理解はできないかな。 何はともあれ、先が読めない展開は非常にスリリングで楽しかった。
★2 - コメント(0) - 2015年12月29日

切ない話だった。 ジェイスンが周りの人に忘れ去られて捕まっている時はどうなるのだろうかとハラハラした。アリスに覚えられていると分かった時は本当にジェイスンはホットしただろう。 初め、バックマンはアリスが嫌いなのかと思って読んでいたが、アリスが死んだ後の狼狽ぶりは凄まじいものだった。ここまで愛していたのかと驚き、そして愛とはよくわからないと思った。 他の作品も読んでみようと思う。
★5 - コメント(0) - 2015年12月27日

流れよわが涙、と警官は言ったの 評価:54 感想・レビュー:304
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