盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

盗まれた街はこんな本です

盗まれた街の感想・レビュー(271)

大好きな小説。新版だが訳は福島正美のまま。宇宙からの侵略ものだが、奇怪な宇宙人は一切出てこない。私たちの大事な人が、いつの間にか別人になっているという恐怖が出現する。寝静まった夜、地下室の一隅の植物の莢のようなものから、まっさらな人間もどきが生まれる。この気色悪さが衝撃的だった。初めて読んだ時は東西冷戦期の共産主義の浸透の暗喩と理解したが、愛すべき故郷が異星人に支配される切なさが感じられ、「ボディ・スナッチャー」を「盗まれた街」と訳した福島の妙手に感心。フィニイの抒情味はSFの枠を超える素晴らしいもの。
★2 - コメント(0) - 3月5日

まだアイクが大統領だった頃のアメリカ西海岸の小さな街サンタマイラ、人口3890。医師のマイルズのもとに旧知のベッキイが訪れれ、共通の知人の父親が偽物だと訴える。同じような現象が続くなか、マイルズは知人宅であるものを見せられた… 驚異の進化を遂げた異星生物に侵略された街で、主人公が孤立無援で立ち向かう様を描いた侵略SFの古典的傑作であるが、異星生物の地味さが好みの分かれるところ。この異星生物の押しの弱さは、古き良き時代の賜物か。
★22 - コメント(0) - 1月6日

侵略SFの古典。緻密な描写によって淡々とあぶりだされる序盤から中盤にかけての日常に侵食する不可解さがとても恐ろしい。だから侵略者が堂々と現れる中盤以降の展開は、サスペンスとしては面白いが、積み上げられた魅力的な世界観を解体するようであまり好きではない。ただこれは侵略者の設定が古臭いが故のことかもしれない。
★13 - コメント(0) - 2016年12月5日

 侵略をテーマにしたSFホラーですが、著者の「街」に対する価値観が色濃く出ている作品だと思いました。  ところどころで主人公であるマイルズを通して語られる、「街」への郷土愛があるからこそ、閑かな侵略への抵抗が悲哀に溢れていました。  ストーリーテーリングが秀逸というのもありますが、一人称で語られるウィットに富んだ文章には、独特な比喩や反語がふんだんに鏤められており、心地よく読み進めることが出来ました。  それにしても、莢から「人間」が生成される場面は、身の毛もよだつ恐ろしさでした。  
★3 - コメント(0) - 2016年11月23日

最も身近にいる人が、その人のようだけど、その人ではないという違和感が実はとんでもなく怖ろしいということを理解させてくれる名作である。まったく毛色は違うが、『孟子』の「似て非なるもの・・・」を思い出してしまった。似てるから同じようなものだと目をつぶればいいのではなく、似ているからこそちょっとした違いは決定的であり、その違いこそ憎むべきものだと訴える孔子の姿が描かれていて鬼気迫るものがある。このような精神性はやはり地球人類の特徴なのだろうかと考えさせられた次第である。勿論、大同小異の見方の良さは別として。
★1 - コメント(0) - 2016年9月20日

古典の名作、といわれて読んでみたけど、全然古典と感じさせない名作。 主人公は医者で有能だけど、ヒーローではないところが読んでいて説得力がある。 一度は読んでみるべき名作、というのも納得。
★1 - コメント(0) - 2016年9月15日

確かに、やや古めかしさも若干感じますが、それは、似たような小説や映画など多数の作品を読んだり観たりしているからであって、1955年に書かれた作品だと考えれば、凄いと思います。
★8 - コメント(0) - 2016年7月24日

ラジオドラマで興味をもって。面白いです! ジャック・フィニイさんってすごいこと考えますね。『寄生獣』のもとというのも納得です。
★5 - コメント(0) - 2016年5月8日

ラジオドラマ再放送にて懐かしくて再読。何度読み直しても面白い、古典。
★2 - コメント(3) - 2016年5月6日

TAK
古い作品だが、カーマイクル・アヴェニュー・ミニアチュアといった表記が好ましい。ある意味、本を読むということは、そこから何を盗み取るか、果たして、その意志さえあるのかという事かも知れない。"そして--そして私はこれだけいっておこう、それらのいくつかは--いくつかは、きっと真実を伝えているのである。"
- コメント(0) - 2016年2月26日

頑張って読んだ
- コメント(0) - 2016年1月3日

恩田陸の「月の裏側」に登場していたので読んでみたのだが、そっか、月の裏側がこの作品のオマージュになってたんですね。なるほどなあ。あの作品中で「こんな状況で、盗まれた街を読んでも、やっぱり面白かった」とあったので、期待してたんですが、期待通りの面白さでした。
★13 - コメント(0) - 2015年11月9日

書かれたのは1955年(昭和で言えば30年)だけど、そんな古さを感じさせない。「寄生獣」のご先祖にあたるSF。侵略者が「静か」である分、背筋が凍るような怖さがある。まずまずお薦め。
★5 - コメント(0) - 2015年9月16日

1955年に書かれた古典とは思えないほど面白かった。50年代のアメリカの描写が、なんか懐かしくて良かった。
★7 - コメント(0) - 2015年9月10日

自分の街の人間が人間モドキへとこっそりすり替わっていくモチーフの古典らしい。本人なのか本人の顔をした何かなのか、主人公が推理する心理描写が思ったよりずっと濃密で、そこのリアリティーにゾクゾクした。
★3 - コメント(0) - 2015年7月21日

いろいろな小説や漫画の元ネタになるのは納得。時代の変化の速さにも負けない面白さがあると思う。特に最後の締め方はここからさらに様々な作品が生まれてくるアイデアの元にもなっていると思う。
★17 - コメント(0) - 2015年7月19日

かつての友人・ベッキィが突然彼の職場である診療室を訪ねてきた。何でも彼女のいとこ・ウィルマが一緒に暮らしているウィルマ伯父のことを別人だと言い出したらしく・・。定義として彼らは侵略者になるとは思うのですが、侵略者の割に随分穏やかだなと思いました。そんな彼らよりも人間の方が凶暴だというのがいやはや何とも・・。特に向上心も好奇心もなく、ただ単に種族を滅亡させたくないというのであれば、人以外の動物や、いっそのこと微生物に変化するなりして上手く共存できなかったのかなと思いました。★★★
★75 - コメント(0) - 2015年7月13日

『火星の人』が面白かったので、読みたかったこちらを。いわゆる 異生物入れ替わりもの。気づかぬうちに身近な人が次々入れ替わり、街が全員入れ替わった!うーーーん、あまり楽しめなかった。朝日新聞でも紹介されていたし、映画にもなってたみたいですが、お決まりすぎるし、あっと思わせてくれるものがなく、惰性で読了。ただ、30年以上昔に書かれているのを考えれば古典として楽しめるのかも。
★39 - コメント(0) - 2015年4月4日

サンフランシスコ近郊、隔離ぎみの小さな町を舞台にした、侵略SFの古典。知人が次々と侵略者たちに置き換えられていくという、よくある型の元になった作品らしい。今読むと話そのものに目新しさは無いんだが、なぜか付箋だらけになった。訳の巧みさと、懐古主義でない文明批判の確かさ、危機に瀕した人達の行動と意志が合わさって、時を超えた本になっている。50s以降何度か映画化されていて、最近のオマージュは「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う」だろうな。作品に通う精神まで表現し、楽しく心にも刺さる傑作だったと思う。
★8 - コメント(0) - 2015年2月9日

侵略系SFの代表作で恩田陸さんの『月の裏側』の元ネタをやっと読みました。入れ替わった人に接した家族が「アレにはその人自身にあった感情の芯のようなものが全く、見当たらない」という部分に一番、ぞっとしました。感情の記憶を参考に感情らしいものを出す人間のような侵略者は伊藤計劃氏の『ハーモニー』の人間みたい。周囲から隔絶されている街でじわじわと人間ではなく、別の存在へ入れ替わる異変はキングの『呪われた町』や小野不由美さんの『屍鬼』を思い出します。そのため、SFというより、ホラーに近い読み心地でした。
★63 - コメント(0) - 2015年2月5日

k
親しい家族、隣人が知らない人に思えてしまう現象が蔓延する街で起こる、侵略の恐怖を描いた古典SF。NHK青春アドベンチャーでラジオドラマとして聞いてからずっと読みたかった本。映画インベージョンも観ていたので内容はほとんど分かっていたが、それでも面白かった!序盤のゆるやかで不可解な恐怖から中盤の怒涛の展開にページをめくる指が止まらなかった。ただ、中盤以降は主人公のどっちつかずな選択に(街から出たのにまた戻るとか。混乱した状況だからリアルともとれるけど)物語にのりきれず、少し興味が薄れながら読んだ感もあった。
★3 - コメント(0) - 2015年1月12日

序盤から、読者を引っ張る力が凄まじく、読了に時間はかかったものの疲れは感じなかった。古典SFということでもっとお堅いものかと身構えていたのですが、これが今年刊行されたものですよ、と言われても不思議に思わないくらいフレッシュな読み心地。福島正実氏の訳の力でもあるのかな。他の福島正実訳は「夏への扉」しか読んでいないが、訳者読みをしてみようと思った。
★6 - コメント(0) - 2014年8月8日

読了である。半世紀以上前の古典SFホラーミステリー作品。全篇通してハラハラ、ドキドキ、ワクワクしっ放し!! めちゃくちゃ面白かったぁ〜\(^o^)/四度の映画化、漫画や小説、TV番組等々で元ネタにされた理由が良くわかる。
★5 - コメント(0) - 2014年7月1日

1955年に書かれたとは思えない古びていない感じに圧倒された。姿や記憶は共有しているらしいのに家族や友人が突然別人だと感じる不気味さ…生命体の正体がわかっても助かる方法はわからない。でもなんとか打ち勝とうとする精神がアメリカンスピリットだなぁと感じた。たくさんの作家にインスピレーションを与えた作品であり、特に恩田陸「月の裏側」と比べると、興味深い。
★20 - コメント(2) - 2014年6月10日

ハヤカワSFの前身であるハヤカワファンタジーの記念すべき第一回刊行本。ハヤカワSFの歴史はここから始まったのですね。それにしても欧米の古典SFには植物が人間を襲うというモチーフが多い。トリフィドしかり、地球の長い午後しかり。日本人との根本的な自然観の違いを感じます。フィニイの作家としての主張を感じたのは、本書が恐怖や不安、不気味さで読者を惹きつけるホラー要素の強いSFであるにも関わらず、血や死体をほとんど出さなかったこと。暴力も必要最低限。読後感が良いのもホラーとしては珍しい。名作と言われる所以でしょう。
★19 - コメント(1) - 2014年6月9日

半世紀以上前という古さを感じない。宇宙からの侵略生命体が人間にすりかわる話の元祖にして完成形。終わり方があっけないが、あの『宇宙戦争』もあの終わり方だから…。時々(というかかなりの頻度で)挿入される人間的な恋愛感情の描写が特徴なのかな。
★1 - コメント(0) - 2014年6月9日

SF・侵略ものの古典なので、どこかで見たことがある感が半端ない。謎が解明した後の莢・発芽したものの退出がすがすがしい。オマージュとして「寄生獣」は思い出せたが、wikiを見るまで「伝説を呼ぶ踊れアミーゴ」は浮かばなかった。
★3 - コメント(0) - 2014年5月26日

ウワー無茶苦茶面白かった。4度も映画化されているSF小説の言わずとしれた名作。いわゆる古典なのだろうけど全然古くないし、解説にもあるようにスリラーやサスペンスとしても読めるので自分のようなSF知らずにもとても楽しめたし他の人も同様なのではないかしら。不穏な冒頭から徐々に高まる緊迫感や構成、それにつかず離れずな主人公カップルなどなどうまいナーとただただ感服。いやはやほんとすごい作品です。
★4 - コメント(0) - 2014年5月13日

★★★ 多くの大御所が様々な視点から、名作を残しているパラサイト系。本書はその本元。医者であるマイルズも親友のジャックも、非常にクレバーな大人の男たち。見通しが利くし、無駄なことはしない。自ら目にしたものを、受け止めていく様が何とも面白い。特にマイルズは魅力的なベッキィとの関係含め、非常に慎重派。しかし、臆病さや思慮深さ以上の優しさがあると感じる。
★18 - コメント(1) - 2014年4月21日

最近読んだ小説『蛇棺葬』の話の中に出てきたので気になり購入。まわりの家族や知人が知らないうちに乗っ取られていく、直接的な侵略行為などはなく静かに進行していくのが怖かった。ラストのあの状況で主人公があそこに住んでいられるのは信じられないわ~
★2 - コメント(0) - 2014年2月10日

不気味な作品です。家族や知人がいつの間にか、別のなにかに乗っ取られていく。人間になりすました何かは、特に何もしません。人を襲うわけでもなく、ただ静かに成り変わるだけ。正体を見破られても、『知っていたの?』と呟くのみ。60年ほど前の作品ですが、この怖さは全くもって古びていません。何故なら、人間の本能を脅かすものですから…『知っていたの?』
★3 - コメント(0) - 2014年1月28日

フィニイっぽさもあるんだけど、前面には出ておらず、エンタメに徹しているので、フィニイっぽさが苦手な僕には読みやすかった。今でも充分怖いし、この先もこの恐怖が理解できない世界にはならないんじゃないでしょうか。
★2 - コメント(0) - 2014年1月20日

2007年映画化だというので文庫版を購入。机の横で6年の熟成期間を経て読んだ。40余年前に読んで以来の再読。舞台は1953年のカリフォルニア州の田舎町。宇宙生命体にとって代わられる人々とそこに取り残される恐怖を「ゲイルズバーグの春を愛す」のジャック・フィニィ、福島正実訳の組合せで臨場感と緊迫感を以て感じることができる。恩田陸「月の裏側」のおかげで積読本から救出しました。やっぱりSFが熱かった時代の創業者グループの翻訳が一番ピンとくる。(世代がそうだからかも)
★7 - コメント(0) - 2013年12月11日

映画化された、インベーションを見て原作を読んでみたくなって購入後、積んでた本。映画よりこっちの方が面白い。
★4 - コメント(0) - 2013年11月17日

ある日、医者のマイルズのもとに、自分の身の回りの人が姿かたちは同じ別人になっているという患者がやって来る。その日を境に、同じ症状を訴える人が増え始める。この街で何が起きようとしているのか…。SFというより、ホラーですね。
★4 - コメント(0) - 2013年11月9日

今まで読んだフィニィ作品よりも年代的には古く、ジャンルもSFホラーで、怖すぎるのでは?と心配していましたが、実にフィニィらしい一冊でした。故郷への愛情が主人公を動かす原動力となり、主人公達はよそへ逃げ出す機会があったにも関わらず、故郷に戻り不思議な事件・生き物たちへと立ち向かう決心をします。また、人間が地球に対して行ってきた愚かしい行為も書かれており、この辺りがこの先に書いたノスタルジックなお話につながっていくのかな、などとも思いました。ラストはじんわりと怖いです。
★12 - コメント(0) - 2013年11月3日

盗まれた街の 評価:94 感想・レビュー:109
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