宇宙の眼 ハヤカワ文庫SF

宇宙の眼 ハヤカワ文庫SFはこんな本です

宇宙の眼 ハヤカワ文庫SFの感想・レビュー(213)

最初はハヤカワSFシリーズで1959年発行。日本のSF作家第一世代が、非常な衝撃&影響をうけた、ディック初期長編。筒井康隆や平井和正には直接的に影響をうけた作品があるし。小林信彦の第二長編もこの小説の影響がある。
★21 - コメント(0) - 1月14日

サンリオ・大瀧啓浩;訳、冒頭近く「エドワーズ大佐は‥怒りに顔を黒ずませ‥本書「やがて彼の顔はだんだんと暗くなり‥」原文見ないで言うのもナンだが、文脈からは本書が真意のように思う。ただし直後、告発の正当性の場面でサ版「警官が猥褻なショーを摘発して‥」→「いかがわしいエロ・ショウの現場に踏みこんで」、「悪名高き共産党のシンパ、チャップリンの再入国禁止措置に抗議」→「‥共産党同調者‥」旧訳のほうが分かりやすいとも思う/それにしても米国で数々の名画を制作したチャップリンを思想は嫌いでも作品を愛するというのは不可か
★3 - コメント(2) - 2016年11月26日

ものすごく久しぶりに再読。以前読んだときはアメリカ事情にあまり詳しくなかったので、第一エピソード(第二バーブ教)の読後感がちょっともやもやしたのだが、今度読んだらすっきり腑に落ちて笑えた。ごく薄いベールをかけた宗教保守派の風刺なのだ。四つあるエピソードのうちこれだけで全編の半分なのでバランスは悪いのだが、やはりいちばん面白い。天動説場面もさることながら、自販機も笑えた。冒頭の導入はほんとうに冷戦たけなわだなと思った。あと、主人公がドSで癇癪もちなのがちょっと気になった。
★2 - コメント(1) - 2016年10月28日

昨日までの価値観よ、さようなら。もしも世界が、あなたの価値観で満たされたとしたら、世界は今よりもっと素敵になるだろうか。主人公一行が迷い込んだのは、現実とは別の価値観に支配された世界。主義、主張、宗教、道徳。独善的なユートピアを彷徨する、ディストピア小説。考えてみれば現実世界は価値観の押し付け合いの場。我々の抱く価値観なぞ、刹那的なものに過ぎないのかもしれないと思わせる、ディック的現実崩壊感覚はさすが。しかし、この作品の一番の魅力はディックのユーモア感覚でしょう。ピクニックのくだりなんか、最高ですね。
★3 - コメント(0) - 2016年10月24日

陽子ビーム加速機の事故に巻き込まれた8人の見学者は奇跡的に助かる。しかし無事に思えたが実はビームの影響で平行世界に飛ばされていたのだった…はるか昔、中学生のときに途中で挫折した本。当時は冒険SFを期待していたので共産主義恐怖の疑心暗鬼とかピンとこなくて(苦笑)当時は海外小説読みなれてなくて8人も登場人物覚えられなかったのもあるかな(笑)実は平行世界じゃなかった。タイトルの「眼」とかとんでもない発想があちこちあって楽しめます。やはりちゃんと読んでおくべきだったなぁ。
- コメント(0) - 2016年10月7日

私の薦めで読んだ妻が「これ、やばい小説だ。ディックってモノホンだね」と驚愕していた。
★15 - コメント(0) - 2016年9月22日

ディック節全開! 世界の非現実感、崩壊していく現実、世界ぐるみで監視されている不安。 時代は第二次大戦後。 主人公はミサイル技師だが、妻がアカ疑惑をかけられ退職させられる。 このあたりで既に、「人の頭の中を見られたら」とか、すでに不穏な匂いがしてくる。 そんな中加速機の始動試験を見学しにいくが、そこで事故に巻き込まれる。 目を覚ますとなにかがおかしい。 実は…という流れ。 とても面白かった。これは良作。
★1 - コメント(0) - 2016年8月25日

1人目の主観世界が長く、鬱屈するような世界に閉じ込められてたまらなかったのですが、2人目以降は割と淡々と進んでいきました。非現実の話ですが、異常な状況でもなんとなく適応し解決に向かっていく、人間の逞しさはリアルだし、ディック作品にはそれが一貫してるのかなぁと思いました。
- コメント(0) - 2016年8月20日

初ディックを恐る恐る。冒頭の思想弾圧とその後のあまりの宗教色の濃さに若干引く。にしては誇張のされ方が振り切れていて表現の仕方が変だなあと思っていたら、天使の辺りでコレは完全にコケにしてると思い当たる。シリアスに始まった筈なのに次々狂った世界に放り込まれるうちに、箍が外れたかのように踊り狂う様が滑稽すぎて、笑うしかない。偏った思想や偏見、排他主義を徹底的にコケにしつつも、SFという舞台の上で強引に笑いの要素も入れながら勢いだけでこんなに面白い話を描くディックにはしてやられたと、呆然としてしまうのだ。
★11 - コメント(0) - 2016年7月30日

『ユービック』などの傑作群に遅れて文庫化の初期作品なのでどうなんだろう、と思っていたのですが、初っ端からディック節炸裂! 混淆した意識世界で優位権を持った自意識が世界を支配するというパラノイア的世界観は、まさにディックの独壇場。…まだこの時期では最終的に戻ってこれる常態があるだけ真っ当な小説ではあるのですが。個人の妄想が駄々漏れて共有現実を微妙に変化させるという実態はまさに今現在が描かれているようで、もしディックがまだ生きていたら、その先の変容世界をどのように描いていたのか、とたいへん興味があります。。。
★11 - コメント(2) - 2016年7月26日

最近ほぼSF縛り、しかも宇宙とロボットが多いんだが、これは違った系統で面白かった。
★4 - コメント(0) - 2016年4月21日

初めて長編を読みました。最初の退役軍人の世界観についていけなくて最後までよめるか心配でしたが頭の中でスペースダンディな感じで読み進めたら面白くなってきました。次はどの作品読もうかな~
★2 - コメント(2) - 2016年4月9日

久しぶりのSFで世界観に戸惑いながらも、楽しく読了。前半の切羽詰まったシリアスな雰囲気からどんどんコミカルになって、ニヤッとできるラスト。ディックらしいアメリカ文化の色濃い作品だった。
★5 - コメント(0) - 2016年4月8日

現実のようでズレている異質な世界や、世界ごとに変わる人間関係がなかなか面白い。世界がリセットされるたびに、行われる支配する側脱出する側の知恵比べは漫画かゲームのように飽きがこない展開になっており、ついつい読み進めてしまう。
★2 - コメント(0) - 2016年3月23日

陽子ビーム加速器の事故に巻き込まれた8人が、そのうちの誰かの意識が作る世界に迷い込んでしまう。8人が迷い込む世界は持ち主が持つ思想を極端に反映しており、現実味を持つ一方、不気味な様相を呈している。ディックの持つ宗教的思想や、執筆時の世界情勢に対する考えが、意識内世界に反映されており、ディック自身に関連した部分で興味深くある反面、意識内世界の設定や、意識の持ち主の思想が世界をおかしくしている描写、世界の移り変わりによって変化していく8人の関係の変化など、小説として純粋に楽しめる部分も他作品に比べ多かった。
★4 - コメント(0) - 2016年3月10日

陽子ビーム偏向装置が暴発し、ガイドや見学に来ていた8人が事故に巻き込まれる。意識を失い、気付いたら世界が何だかおかしい。それは8人のうちの誰かの精神世界に入り込んでしまったためだった。現実に戻るために色々な世界を彷徨うことになる。8人が協力したり敵対したり、人間関係の変化が面白い。ディックお得意の畳み掛ける様な世界変化が楽しめる。
★15 - コメント(0) - 2016年2月4日

「ヴァリス三部作」の新訳に挑む前に、積んでいたディックを読んでしまおう、ということで。こちらはディック初期の出世作とされている。この作品での多元宇宙のヴィジョンが筒井康隆などに鮮烈な印象を与えたそうだが、めくるめく多元宇宙の切り替えがどこか間抜けっぽくて、やはりディックは60年代に入ってからの作品の方が深みがあっていいと思った。
★5 - コメント(0) - 2015年10月23日

粒子加速器の自己に巻き込まれた主人公たち8人がそれぞれの精神世界に迷い込む話。それぞれの世界の、(程度は違えど)こういう風に偏向してる人いるなぁ、と感じられる面白さがあった。
★1 - コメント(0) - 2015年9月26日

混沌具合が間抜けでいい。あと、この人の現実に対する不安感、現実と幻視的ムードの混淆の仕方がすきだ。シルキーという女性に対して込められた何かが脈絡なく心を揺さぶってくる。
- コメント(0) - 2015年8月28日

これはなかなかよかったです。とても分かりやすい多次元世界の物語ですが、何の前知識なしに読んだため、最初は宗教をテーマにしたファンタジーかなと思ってしまいました(笑)SFを買ったはずなんだけどなあ、と。しかしよかったです。古典的な話の流れでhる臭く感じるところがややありましたが、やはり名作の一つだなとおもいました。なによりも各世界の描写力が高く、最近の映画を見ているような錯覚に陥りました。
★2 - コメント(0) - 2015年8月23日

調べたい事があり三十何年か振りに再読。 今回の発見はシルキーと言う女性。シルキーと言えばヴァン・ヴォウトのコアファンならご存知の謎めいたキャラクター。こんな所にオマージュが!やっぱりヴォウトファンなんだね! 読後観ですが、佳作だけど今回はあんまり面白くない。初読時は、めちゃくちゃ面白かったけどディックの最高傑作、ユービックと似てる。記憶もゴチャ混ざっていました。火星のタイムスリップとパーマー・エルドリッチ、シミュラクラと、あなたをつくります。ヴァリスとブラッドマネー。ディックには同系作品は結構あるね。
★1 - コメント(0) - 2015年8月16日

- コメント(0) - 2015年6月29日

パラレルワールドを扱った作品。不条理な世界の描写は流石ディックと言ったところ。しかし、少し話の流れが優等生過ぎた気もした。一度話の流れを理解してしまうと少し単調に感じてしまう。この作品を書いたときのディックの歳を考えれば仕方なかったところもあるとは思うが、もう少し混乱させて欲しかった!
★5 - コメント(0) - 2015年6月7日

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パラレルワールドや永劫回帰のような話でしょうか。SFは苦手ですが、これは状況が把握しやすく展開も面白かったです。
★2 - コメント(0) - 2015年5月15日

再読。初読は世界SF全集で多分、初ディック。私をSF世界に引きずり込んだ作品の一つであることを再確認しましたね。2番目と3番目の世界がおぞましさで甲乙つけ難し。表紙には記されていませんが改訳版です(なぜか最後のページにそっと記載されてる)。
★1 - コメント(0) - 2015年5月9日

ディックおなじみの、現実に対する不信感は顕著ながら、初期作品ということでどこか狂騒的な印象。個人的にはもっとメランコリックなディックが好きなので、そこまで面白い感じでもなく。でも多元宇宙テーマの先駆的作品と考えると凄いんでしょうね。
★4 - コメント(0) - 2015年4月13日

粒子加速器の事故に巻き込まれた8人がパラレルワールドに迷い込んでしまうという、ちょっとホラーなお話。当たり前のように認識しているこの現実も、究極的には個々人の主観という味付けによって意味合いが変わりうる。それをパラレルワールドという舞台装置を使って極端に描いたのが本作と言える。誰かの信じた世界を共有しながら生きているのは実際の私達もさほど変わりないという点で、この本が与える不気味な感覚はかなり普遍的なものと言えるのではないだろうか。それにしてもコミュニストやら何やら時代を感じる描写が多かった。
★9 - コメント(0) - 2015年4月11日

赤狩りから始まるところに時代を感じる。これだけでも恐ろしい。私個人的には、思想で統制される科学などあってはならん、と思うのですが、まあ倫理観とか考えると微妙なところもあるし、ある程度のコントロールはしかたないのでしょうねえ。特にこんな、放っておいたら物語終盤の世界になってしまうような事情があると、難しいなあ、と思います。何事もバランスが大事。とはいえ、どこか突き抜けなければ新しいものも生まれない。ときどき大きく揺れることがあっても、時をおかず、自ずとベースラインに収束できるのが理想かな。
★19 - コメント(0) - 2015年4月6日

よくあるシナリオですが、もともとディック先生の発案なのかも? 後半尻すぼみになっていく感じがちょっと寂しい。
★1 - コメント(0) - 2015年3月29日

キリスト教やアメリカのなんちゃら主義についての歴史背景を全く知らない私には難しい話であった。これは自分の知識不足が招く『つまらなさ』なので、作品には何の落ち度もないと思う。…が、こちらも個人的なものだが翻訳がしっくりこない。直訳すぎるのか、所々が文学として日本語が読み辛いのだ。もう一度歴史背景を知った上で読み直したい一冊である。なんだかんだでお互い協力したり、敵になったりと…世界が変化する度に変わる人間関係はおもしろかった。
- コメント(0) - 2015年3月27日

偶然の事故から現実とは少し違う法則を持つ世界に迷い込む話。正直なところ初めの方はガリバー旅行記みたいな話かなぁと想っていたが、世界の真実に気がついた中盤から面白さが加速する。個人的には皆が気づいていない9人目が登場するのではないかとどぎまぎしてたが杞憂におわって残念。
★2 - コメント(0) - 2015年3月23日

シュールなF・K・ディックのパラレルワールドなお話。SFというよりホラーに近い。ディックの初期作品だと聞くとなるほど、という感じ。主人公のハミルトンの人物像が掴みにくい。コミュニストや黒人への風当たりが書かれた時代を感じさせるなあ。
★11 - コメント(0) - 2015年3月19日

「この世界がどういうものであれ、固有の法則があるはずです」それを発見出来るかどうか。真実とは。多元宇宙の世界での違和感。3Dプリンタの様な自販機。左腕にウサギを抱きながら読了。次の次元では右側から訪れた。さぁ、君は私に何を導く?人類の数だけ多元宇宙(価値観と呼ぼう)が存在し同時にリンクしていく世界こそ。マトリックス曰く、人は完璧な理想より多少の不具合がある方が安心する。そして子供はいつも好奇心溢れる希望そのものだ。世界を変えたければ、自分が変わる事を選べ。
★20 - コメント(0) - 2015年3月11日

ディックということを考えると…物足りないかな
- コメント(0) - 2015年3月3日

サンリオの『虚空の眼』が消えてから、この名作が、長い間手に入らなかった状態だったとは驚いた。学校の図書室にも入れて『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』でディックにはまりかけている図書副委員長Adにとりあえず押しつける、「『宇宙の眼』を読まずにディックを語ってはいけないよ」と。私が読んだのも彼女と同じ高校一年生の時、図書室で借りた、ハヤカワの世界SF全集で、だったな。ベスターの『虎よ、虎よ!』と合わせての第18巻。あれで完全にSFにはまってしまった。今、読んでみると、たしかに荒っぽい小説ではあるのだが。
★16 - コメント(0) - 2015年3月2日

パラレルワールドではあるが、なるほどこういうことか!と種明かしに唸る。しかも、それが二度三度来ちゃうし。宇宙の眼の登場シーンは「猿の惑星」のラストシーン並みの衝撃。御釈迦様の手のひらの孫悟空みたいな。
★13 - コメント(0) - 2015年2月25日

この 70 億人が見ている世界を作り出したやつは相当病んでいるに違いない。
★3 - コメント(0) - 2015年2月23日

±
どうやらサンリオ版『虚空の眼』のほうを6年前に読了しているのだが、すっかり忘れていたという印象の乏しさ。年齢・人種・性別含めて人物は丁寧だし、オチも普通にあるのだが、若書きのためか物足りなさもある。もっと暴走していていいよ!みたいな。まぁ猫がいるからいいけども。
★2 - コメント(0) - 2015年2月17日

宇宙の眼 ハヤカワ文庫SFの 評価:68 感想・レビュー:61
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