読書メーター KADOKAWA Group

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

感想・レビュー
843

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ヲワタ
新着
良質なハードSFだったと感じる。あとがきのソラリスの批評を読んだが、あまりピンと来ず、この作品に込められたメッセージやそれに基づく批評を理解する力や知識がない自分を悔しく思う。私的にはこの物語はラヴクラフトの恐怖小説に登場するような高次元な生物との遭遇を描いていると思われる。過去の恋人との地球外惑星を舞台としたラブロマンスをメインだと理解はしている。しかし、ソラリスの圧倒的なその描写の前では霞んでしまい、未知に対して主人公が苦しみ、発狂する姿はまさしくコズミックホラー的だと思う。
0255文字
Running Kez
新着
エンタメとして読むと前半はホラーです。途中でラブロマンスの要素が増えていき、神に対する考えが語られていきます。表面上のストーリーはわかるのですが、ソラリス学への過剰な言及や著者の考えはちんぷんかんぷん。 私が本書をちゃんと理解するには再読、再々読が必要そうです。 神林長平『戦闘妖精雪風』のジャムはソラリス? 共に理解不可能な存在であり、人間を模した存在を生み出すところからの連想です。 そういい始めたら『ニューロマンサー』の冬寂も、エヴァンゲリオンの使徒もなんでもソラリスに見立てることが出来ちゃいますね😅
0255文字
Maiche
新着
意思を持った海という発想が面白かった。海による人間の模倣の不気味さは、現代の生成AIにも通じるものがある。思考とは何か?人の本質はどこにあるか?愛することとは?読みながら、ソラリスの海によって心の中の罪悪感や不安の扉をノックされているような気持ちになった。切なく美しい話だと思う。
0255文字
よね
新着
読了。地球外生命体は人間と何処かしら似ているだろうという人間形態主義的なファーストコンタクトへのアンチテーゼ、架空の学問の黎明期、派生、衰退をあまりにも精緻かつリアルに描いた古典SFの名作。他者との対話、宗教観、潜在意識に対する責任、など各人違う価値観を持っている議題が満載。感動的なロマンス面もその副次的なものに過ぎず、メインとなる議題『コンタクト』に対するレムの持論への拘りを感じた作品でした。ソラリス学の派生や、海で観察される形態の描写が非常に濃密で、作品のリアルさの増強に一役かってましたね。
0255文字
集積地
新着
ネタバレ読了後は絶対的他者に対する何かしらのやるせない気持ちと、海に対するなんとも言えない愛おしさを感じました。ソラリスの海で発生する現象の説明などなど、物語に登場するものが理解の外側から殴りかかってくる(おそらくは作者の意図)ので、他者に内容をうまく説明できる気がしません。今までに読んできたSFの中でも割とトップに食い込むほどに好みな作品でした。
0255文字
ディーン・ウィンチェスター
新着
ネタバレ人間の地球外生命(海)に対する理解の困難性もさることながら海の人間に対する理解や融和の困難性も相当なものだろう。人間に至上の歓喜をもって受け入れられること間違いなしと拵えた「贈り物」を、恐怖と怒りと敵愾心による排除という真逆の理解困難な反応で返されるのだから。互いの理解の困難性はもう神秘、真理探究の領域に匹敵するのではないか。全体を通して非常に興味深く読めたのだが、ページ見開きで板のようにびっしり敷き詰められた「海の活動」の描写が1割以上あり、脳内に視覚イメージとして定着できずそこだけ読み難かった。
0255文字
いと
新着
ソラリスという架空の星に関する研究史をこれだけの密度で描写できるのが圧巻。 現実のレビュー論文を読んでいるような気分で読むのに体力のいる作品だった。 もし地球外の生命体がいるとしたら人間の想像の範疇にない形態、構造を持つのではないかと思うので最後までこの海?について明確な答えを出さず様々な解釈の余地を残したのは良いと思った。
0255文字
ゆうすけ
新着
ネタバレまず古典SFを読了出来て満足。海が人間の過去のかゆい部分の人物を客として登場させるところに私自身もその過去を思い出さずにはいられなかった。トラウマ小説になる所だった。でもこの点で再読はないかな。難しく読みにくい箇所も少なくなかったがストーリーは面白く読めた部分もあった。上手く説明は出来ないけど傑作と言われたら納得出来る作品だった。4/5
0255文字
北風
新着
ネタバレずっと敬遠していたが、ついに読んだ。有名なのでなんとなくどんなものかはわかっていた。実態はどちらかと言うとホラーな印象。深淵のソラリスから現れる客人。異人たち、を思い出す。だが、彼らは自分がなんなのかを知らない。海と人の記憶から誕生する仕組みは、食虫植物のようなもの? だって、ソラリスには生き物がいない。他所からの来訪者たちによって孤独を埋めるのか。海の孤独を埋めるために、来訪者たちを繋ぎ止めようとするのか? 誕生した彼らこそ被害者であり、悲哀がすぎる。
0255文字
たかたか
新着
オールタイムベストとのことで、文庫化してすぐ買ったものの積んでいた本。最近出た漫画版を読みたいと思ったが、せっかくなら原作を先にしようと手に取る。やはり漫画の前に読んで良かった。ソラリスの海の挙動や赤と青の太陽の動きなど、どうなっているか視覚的に想像することが難しいが、美しくかつグロテスクなイメージは強烈に伝わる。飛浩隆の作品はここから大いに影響を受けていそうだ。
0255文字
P-man
新着
ネタバレすごい本を読んだな……という満足気な脱力感すらありました、古典名作SFの一つとして数えられる本書。多層的で複雑な解釈ができるこの本のどこに注目するか、印象に残るかは、本当に千差万別ではないでしょうか。『宇宙のランデブー』の異星人も大概でしたが、ソラリスはもうそれどころじゃない。未知との遭遇がしたいとか言ってるけどお前ら人類が本当に求めているのは理解できる相手だろ?っていうエグいくらいの急所突き。でもなんで科学者ども、そこまで引きこもって怯えてるの?とは思いました。『6人』で食事でもしてもいいのでは?
P-man

あとロボット全部仕舞われていた理由って結局なんだったの?

02/06 19:55
0255文字
とも
新着
知性がある海を持つ惑星ソラリスでの出来事。主人公ケルヴィンの一人称で進む。会話以外は段落区切りが少なく主人公の思索がびっしり書かれる。 コンテキストから何を読み取るのかは人によって結構違ってそう、難解だけど。ストーリーを追うだけでも面白い。
0255文字
mae.dat
新着
SF名著の一つに数え上げられる本書。これ迄、途中で訳が分からなくなり挫折を繰り返していました(←それはソラリスに依る攻撃の所為なのかも知れない。いや、そうに違いない)。AIに相談したら「(多くの読者が経験する事だから)無理に理解しなくても良い」等と励まされ、少し緩やかな心算で読み始めました。でも後半に差し掛かった所で、やっぱりAIに「これはこう言う事?」等と確認する事になり。お陰で頭の中が少し整理されて助かりました。『ソラリス』みたいなものに関してはこう言うやり方も“あり”なのかも知れませぬ。
mae.dat

えかさん。慰めありがとうございます。ソラリスの知性は哺乳綱のそれとはずっと遠く、植物のやり方に感じました。当然植物とも違うのでしょうけど。

02/05 12:35
mae.dat

Johnnycafeさん。可成りごり押しした感は否めませんが、永年の懸案が一つ片付いて、先ずはって所です。

02/05 12:46
5件のコメントを全て見る
0255文字
Hotspur
新着
惑星ソラリスの「人間心理の深層に隠され、抑圧された記憶や欲望を探り出し、それを実体化する」生物体としての海とのコンタクトの物語。強調されるのは、ソラリスの海の他者性であり、人間中心主義に対する懐疑であるが、これに重なるのが、ロマンス的要素、「ソラリス学」の描写に典型的なメタ的要素、ミモイドの変化を詳細に追う局所的リアリズム要素などである。この重層的な要素を持った本書が批評家から高く評価されるのは良く分かるが、どうも読んでいて本作にはこの物語への没入を拒否する何モノかがある、という感を拭えなかったのが残念。
0255文字
アヒル
新着
★★★ ソラリスの構造説明は漠然としか理解できなかったけど、想像世界の豊かさ、人間というものへの洞察、人間とは異なるものへの思い、、一筋縄では行かない世界がここにあった
0255文字
青いサーカス
新着
二つの太陽を持つ惑星ソラリス。地球から調査に来た心理学者ケルヴィンは何かに取りつかれた研究員の姿を目撃する。死んだはずの恋人、ソラリスに君臨する意思を持った海、異質なるものの邂逅の果て。
0255文字
シンゼン
新着
今更読む名作SF。神義論の話をSFとしてやっている。作中の出てくる論文の類は全部煩瑣なもの、二義的なものとして、「海」の理解に及ばない。最後に出てくる苦しみ、無能で生成する神は、ハンス・ヨナス的だ。アウシュビッツの後で、悪が厳然に在ることが証明された後で、我らはそれでも神が信じられるか。主人公の恋人の複製が、他者によってニュートリノで消滅させられるのは、自身の意思ではないところで為された悪をどのように受け止められるかという問題を思い起こさせる。悪に対して沈黙する神に何を言えるか。エリエリレマサバクタニ
0255文字
meiji
新着
古いSFなのに、まったくそんな感じをさせない、名作と言われるのがわかります。
0255文字
orbea
新着
海が創り出すものの描写を想像するのはなかなか難しい。未知との遭遇、恋愛などテーマはあるんだろうけど、これがポーランド発っていうところが面白い。多神教文化のある日本ではそれほど気にならないかもしれないが、一神教文化の欧州で「神」以外の「創造主」ってなかなかの禁忌だったのではないか、と。1961年の出版で、調べてみたら初の有人宇宙飛行と同時期か。多くの人が未知との遭遇を夢見た時代だったんだろうな。
0255文字
na
新着
難しかった!個人的には、近年読んだ『三体』や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』と比べても難易度が高かった気がする。文字を追うだけでは想像できない描写が多かった。 もうちょっと自分に理系的な素養があればな〜と思ったが、はたして理系的な素養を持つ人が理想的な読者なのか?というのは疑問。SFの理想的な読者って、その人のバックグラウンドに関わらず、その作品の世界に惚れ込んだ愛読者なのかもという気がする。 訳者の沼野充義さんの巻末の解説と、スタニスワフ・レム本人による序文が面白くて理解が深まった。
0255文字
紙の友
新着
ネタバレファーストコンタクトもの、だけど途中で「人間は地球を拡大しているだけ」「人間が都合のいいように解釈しているだけ」と中々強気な作品。一面海のソラリス上、ステーションという閉鎖空間の中で狂った組員や、幻影たちなど、割と重たい雰囲気。太陽の描写が印象に残る。(得体の知れないものが頑張っているという意味で)偽ハリーが健気だったな
0255文字
glaciers courtesy
新着
世界のSFベスト10を作るなら、僕は間違いなくその中に入れると思う。とにかくスケールがデカい。スケール感ではこれまで読んで来た小説の全ての中で恐らく一番デカい。それが一般的な広がりを阻む要因でもあるとは思うが。とにかく一読、色々なテーマを頭に浮かべることが出来る。作者のレムが言っているような擬人化された宇宙理解の限界、我々の愛情とは一体何を対象としたものなのか、生物の進化とは何か、不老不死であることと幸せの関連など、枚挙の暇がない。僕は小説を読んで付箋を貼ることは少ないのだけど、この本には貼りまくったよ。
0255文字
yc
新着
ネタバレ所謂「宇宙人がいたとして、それとコンタクトを取れるとなぜ思うのか」というテーマのSF。表紙みたいな空虚な内容が続く。終盤でははっきりソラリス側にコンタクトを取る手段があるのに意思疎通が取れない、相手にされないもどかしさを味合わされる。ソラリスがテーマのようでいて、ソラリス学など人間側が勝手にあれこれ推測して自滅していく様を斜に構えて眺める意図が強いと感じた。巻末の附書も秀逸。
ヨンデル

ycさんこんにちは、お元気ですか。この本は読んでいませんが、ムービーで見ました。面白かったです。でも、ムービーより本の方が良いですよね。ムービーだとダイジェストのようです。本のほうがイメージ―が膨らむし深みがありますよね。

01/21 14:16
yc

この本は小説と映画でだいぶ雰囲気が違うという話は聞きますね。いずれにせよ独特すぎてどっちの媒体でもだいぶ浮いた存在に思えます。

01/21 15:33
3件のコメントを全て見る
0255文字
ケント
新着
冒頭のソラリスステーションへ向かうシーンから最高すぎる、静謐なようでその静けさは何かに覆い被さられているような違和感 同じ人間であるソラリスステーションの人間と分かり合えないのに、異なる知的生命体と正当なやり取りが出来る訳無いよな 海が創り出した存在であるハリーの選択は、意識を持っていたのか。ケルヴィンの無意識が動かしていたのか。 いやージンワリくる。
0255文字
きたはた
新着
難解でした。でも描写が細かすぎること自体に意味があるんでしょう。コンタクト物への新しい視点を得られたように思います。
0255文字
MA_2_O
新着
すさまじい想像力 ロマンチックな設定 大名作
0255文字
4g0823
新着
ネタバレ難解。地球外生命体とコンタクトが取れると思ってるのが地球人の傲慢、ということみたい。 未知の生物と都合よくコンタクトがとれる既存大衆SFへのアンチテーゼ。 ソラリス学のくだりは難しくて読むのしんどかった…
0255文字
みちしるべ
新着
ネタバレ記憶から大事な人が現れ、離れたがらない。情緒不安定で、殺しても復活する…。推理小説のおすすめ記事で紹介されていたこの本だが、完全にスリラー。精神が疲弊していく主人公と、気が滅入る展開が続くことに疲れた自分とがリンクした。 舞台を異星とすることで、不可思議で気味悪いものの実存について、登場人物に言い訳を許さないことができる。そして、登場人物はみな学者。原理の究明に挑む動機づけには困らない。しかし、ストーリーのスタート地点が、生存者3名。もっと多くの事件を描いて欲しいと思うのは、私がエンタメを好きすぎたから?
0255文字
夕焼け空の歩道橋
新着
幼少期に思ってたことで、雄大な湖が昼と夜でその姿の印象を180度変える。 夜に見る一面の漆黒。月明かりに照らされて水面が不気味に煌めく。未曾有の畏怖に説明をつけてくれた感覚。 考えてみたら母なる海はこの世の全ての生物を生み出しているから、地球が例外ではないとは言えない気がしてきた。 ケルヴィンとハリーのシーンの儚さは、The Closer I Get to YouというAORの佳作がずっと頭の中で流れてた。 女性はどこか朧げで亡霊的、対して男性は感情的に唄いあげる。 なんか連想してしまう。
0255文字
staxarax
新着
数年前に購入し、えっちらおっちら年単位で読むのをやめたり止まっていたのをようやく読み切った。 本書は国書から出たやつの文庫版、できる事ならソラリスの陽のもとに の飯田版の方がおすすめ。 言い回しが沼野版はわかりやすさや自然さがない。 よく言えばそのまま正確、悪く言えば機械翻訳的。 感想としては、ちょっと自分ににはよくわからなかった。 ネタバレ厳禁で挑んだ結果何が何だか分からず。??? 東北大学SF研のwikiを副読本に読んだ方がわかりやすい。 難解なSFを体現してる。解説を聞いてようやく合点がいく感じ。
0255文字
たぬー♪
新着
スローペースで読んでるソラリス。学祭準備で忙しいので318頁までで一旦返却!あとひといき!🦭🎶
0255文字
Freak Zappa(アレクセイカラマーゾフという名で音楽活動してたよ)
新着
『ソラリスの陽のもとに』に書かれていない部分があるというのでこちらも読んだ■久々に再読したら、切ない恋愛的な側面にとても惹かれた…(作者はそこにあまり惹かれてほしくないみたいですけど笑)■正直言って、死んだ好きな人がずっとそばにいてくれるなら、ソラリスにい続けたいね…
0255文字
練りようかん
新着
SF心理サスペンス。海に覆われた惑星ソラリスが巨大な知性体に思えた。研究ステーションに入った主人公に放つ同僚のセリフが意味ありげ、何が起きてるのか、正体不明の出現は密閉空間なのにどうやって入ってくるのかが気になった。主人公と妻のパートが描かれると、これはっと謎が溶ける感覚になった。皆解明したいという思いは同じなのに、其々の研究で道が分かれる駆け引きにどきどきし、終わりは見えているが緊張感は消えなかった。感情の力では法則に太刀打ちできない。1960年ポーランド語で書かれたことが先の言葉をより印象的にした。
0255文字
tom
新着
有名なSF。大昔読もうとして挫折した。映画も同様。とにかく退屈、何が起きてるのか、起きてないのかさっぱり不明。ということで、この度、挑戦する。退屈なのは同じだったけれど、とにかく最後まで読む。異星の生命体とコミュニケーションは可能なのかという問いの本。結論は不可。考えてみれば、地球の生命体だって、哺乳類とはなんとか可能、でも虫さん、粘菌さん、魚さん、植物さん、意思疎通は無理だろう。まして異星の生命体となったら、とてもとてもなのは当然のこと。ファーストコンタクトSFなんてもの、いい加減な物語なのだ(笑)。
0255文字
またの名をソラリス
新着
この本はSF小説だが、ミステリーにもロマンスにも哲学書にも政治的な書にも読めてしまうあまりに不思議な小説だと感じる。 読みながらソラリスという地球から「遠く離れた」星での出来事によって、知性とは愛とは何か?という「自らの心」というあまりに身近なことに意識が向いて行く。 ソラリスの海のようにストーリーは形を変化させ読者を時に穏やか包み込み、また激しく押し流す。これがソラリス学の本質なのだろう。
0255文字
 sino0011
新着
「お客さん」に翻弄されるばかりで 発生するのがどういう人物なのか恋人配偶者以外の例はあるのかケルヴィン以外が発生させたお客さんは誰だったのか ハリーの記憶はケルヴィンの知る範囲内のものだけなのか その他もろもろ自分が気にしたことを作中人物が検証しようと全く思わないのが不満だった おまえら適応能力無いんか調査する気とか無いんか 何しにソラリスに来たんだよ……ってなった
0255文字
ǝsnɹɐu
新着
自分の想像の範囲にないものを体験できるSFの醍醐味を味わうことができた。『人間は他の世界、他の文明と出会うために出かけて行ったくせに、自分自身のことも完全には知らないのだ』
0255文字
tamnavulin_1968
新着
人間の理解が及ばない何か。敵意かどうかさえもわからない。そんな存在(?)に遭遇することの不可解さというか恐怖というか…。「星からの帰還」の主人公の葛藤とはだいぶ異質の内容だった。どう解釈するとあんな映画(リメイク版の方)になるんだろう…。その前の映画でも違和感は残るのに。
0255文字
RTA
新着
ネタバレこの物語にはいくつもの命題があるが、自分は贖罪と深い愛の物語のように思った。ソラリスのもたらす偶像は、人の組成を物質的にコピーしたものにすぎない。だが本物の人とソラリスの人、どこにその境界があるかは言語化することはできない。故に、彼はケリーを昔彼が愛したケリーと違うことを受け入れながら、彼女と生きる道がないかを模索しはじめていた。ストーリーだけでなく作品そのものが持つ主題が複数あり、読む人によって感銘を受ける箇所が変わりそうな良い作品だった。
山川欣伸(やまかわよしのぶ)

ソラリスの生み出す偶像は、外見は同じでも、中身は全くの別物。それでも、主人公は愛する人の幻影に惹かれ、葛藤しますよね。 「本物」と「コピー」の境界線が曖昧な中で、人間はどのように愛し、どのように生きていくべきなのか。この深いテーマが、考えさせます。

09/13 18:59
0255文字
まふ
新着
一面を海に覆われた惑星ソラリスの観測基地に主人公の心理学者ケルビムが派遣されるが、基地での3人の科学者の様子がおかしい。会話が成り立たず、次第にそのおかしさが自分の身にも起こって来る。自殺したはずの恋人だったハリーが現れる。物語を読むにつれてその摩訶不思議な世界が明らかになって来る…それはこのソラリスの海自身が意識を持った生命体であるから…。これこそSFに相応しい舞台設定(SFでしか書けない世界)ではないか。「闇の左手」で疑心暗鬼になってしまった私の「SFの存在意義不信」がこの作品で氷解したような気分。⇒
山川欣伸(やまかわよしのぶ)

ソラリスの海が意識を持つ生命体という設定は、本当にSFならではですよね。ケルビムが次第に現実と幻想の境目がわからなくなる様子は、読んでいる私もゾクゾクしました。

09/02 20:46
まふ

山川欣伸(やまかわよしのぶ)さん 「意識を持つ生命体としての海」に遭遇して「自分とは何か」「人間とは何か」「知性とは何か」という根源論に行き当たるわけですよね。これでこそSFの存在意義が諒解されるわけで、この書の価値が納得されると思いました。落ち着いたら改めてゆっくりと味読したいと思います。

09/02 22:32
11件のコメントを全て見る
0255文字
全843件中 1-40 件を表示
ソラリス (ハヤカワ文庫SF)評価69感想・レビュー843