ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

ソラリスはこんな本です

ソラリスの感想・レビュー(502)

個人的にはSFの面白さは「他者を理解すること」をテーマにしていることだと思うんだけど、そういった意味ではこの本はSFの良いところをぎゅっと凝縮したような物語だと思う。異星に住む、姿かたちも思考形態も根本的に異なる生命体(のような存在)と触れあいながら、相手を理解できずに苦しみ、同時に自分自身が抱える心の苦悩も暴き出されていく。異星で狂気の淵に沈み、溺れる人間達を通して、生きることの意味を抉りだす。絶望的なトーンを帯びた傑作。
★6 - コメント(0) - 3月20日

著者は政治の基盤にある神学的諸概念を批判する際に、社会進化的ユートピアとそれを支える神人同型説が無効になる世界を構想する。地球でなく宇宙で有機体はどんな時間でどう進化するのか? その有機体はヒトと似ているのか? ソラリスは海に似ているだけで、ヒトとの類似点はなくコミュニケーションも不能だ。ただそれに近寄ると、線状に伸びる進化の時間は狂い、過去の記憶はヒトの形で現在に実体化される。主人公の滞在する宇宙船は彼の思考の本質が剥き出しにされた閉鎖世界となった。SFが描くのは未来ではなく今起こりつつある事態なのだ。
★4 - コメント(0) - 3月14日

難しく、読むことに体力を使った。解説を読んで、未知との遭遇のパターンは本当にそうなるか、疑問に思っていなかったので。
★1 - コメント(0) - 3月11日

まるで大きな虫箱に突然放り込まれたような不可思議な気分になった。特に何もされないが常に何者かに観察されている。できることが増えようと、人間はちっぽけなものだ。
★4 - コメント(0) - 3月1日

惑星ソラリスを覆う理性的な海とのコンタクトを試みる中で人間中心主義へと懐疑を投げかける物語。これは当時の社会主義圏のイデオロギーから見て異端であり、レムの先進的な見解が伺えるとのこと。人類には理解の及ばない明らかに超越した存在との接触。なるほど、これがメタ科学というやつかって思いながら読んでました。映画版はラブ・ロマンス重点らしいですが、そりゃ作品理解できてないわと呆れます。旧訳ではソラリスに関する詳細が省かれているようですが、それはそれで物語としてより楽しめそうな気がしました。
★6 - コメント(0) - 2月20日

描写と作中作ともいえる学説の量かあまりにも多すぎて読むのが苦痛だった。訳者はこの学説こそが本作の核であるという旨のことを書いていたし、それは真実の一端であると思う。しかし個人の意見としては、それほどまでに筆を割かれているにも関わらず、そこに意義を見出すことができなかった。乱暴に言えば興味を惹かれなかった。ストーリーやテーマ性に必要十分な彩りを与えるのに有力な効果を生んでいるとはどうしても思えなかったのだ。 結論として、自分にとって本作は無駄が多く、いまひとつ何がしたいのか汲み取れない作品となってしまった。
★2 - コメント(0) - 2月18日

すげーの、読んじまった♩というのが正直な感想。予期していた未知の知性との遭遇というストーリーとは違っていたが、哲学的な要素たっぴりな本書はのくにとっては、大満足。
★2 - コメント(0) - 2月16日

意思を持った海に覆われた惑星ソラリスの研究ステーションで起こった不可解な事象を通じて、人間の知性の外にある存在との意志疎通が可能かを問いかけるコンタクトSF。従来の検閲が入ったロシア版の重訳と異なり、ポーランド語原典を翻訳している言わば完訳版。映画や旧訳が好きな人からは評価がいまいちのようだが、ソラリス学の歴史や文献、ソラリスの形質に関する描写が好きで(「怪物たち」の章はなんて最高)、もっとページを割いてもらいたいくらいだった。解説もしっかりしているのも良い。
★4 - コメント(0) - 2月14日

装丁とタイトルに魅せられて購入しました。意思を持ったソラリスの海がどのようなものかよく分かりませんでした(._.)特にソラリスについての研究や考察?が自分にとっては難解でした。またいつか再読したいです。
★1 - コメント(0) - 2月8日

舞台装置は多少古臭いが、内容は今でも最先端なのではないだろうか。個人的にカバーデザインはこちらが好み。流石にあちらは…
★2 - コメント(0) - 2月4日

これはすごい。
- コメント(0) - 1月26日

やっと読了。私には高度すぎたようだ。難しかった。
★1 - コメント(0) - 1月24日

ハロー
- コメント(0) - 1月17日

もう一回読み直してからちゃんと感想を書きたい所だけど、初読の印象だけ。どなたか書かれていたけど、当時の社会主義陣営の空気感を色濃く映していると感じた。それに、人間の知性を遥かに超越し、人間には理解し難い存在を対置しながらも、人間存在への圧倒的な信頼がある。そういう人間への確信みたいなものは、今は中々見出せないな、と。そういう意味でも時代を映しているんだろうなと思う。あと、昔観たはずのタルコフスキーは殆ど覚えてなくて、読んでいて映像的な想像力を酷使した。
★8 - コメント(0) - 1月13日

読む人により多様な解釈ができる作品であるというのは間違いない。個人的にはラブ・ロマンスという印象は皆無に近く、人間形態主義を矢面に立たせたメタ科学的な側面の印象が強い。その時々の自分の状態において読み取れるものが変わるのだとしたら、まさにこの作品こそが自分を写すソラリスのようだ...なんて嘯いてみたり。とはいえ、どうもこの作品を読むには想像力のレベル・人生の蓄積が足りない気がしてならない。しばらくの間をおいてまた読みたい作品だ。
★2 - コメント(0) - 1月11日

想像力がとても必要。想像しているより人物が少ない。
★1 - コメント(0) - 1月8日

ものすごく旧共産圏的雰囲気のあるSFだった(実際にポーランドの作家の冷戦期の作品)。それは作品の思想的スタンスではなく、くたびれた鉄の匂いに満ちたような退廃的なムードに強く感じる。実際には作品の思想スタンスは当時の社会主義的イデオロギーとむしろ逆行しており、人知を超えた、人類を超越する海=「ポリテリア」という概念は特異なものだそうなのだが。作中の「ソラリス学概論」が延々と続いたり、イメージしづらい「対称体」「非対称体」などの描写であったりと、若干うんざりしつつも作者の熱量に押し切られる感じは、まさにSF。
★1 - コメント(0) - 1月3日

物語を追うばかりの読者でした。ソラリス学辺りは半分くらい読み飛ばしつつ…内容もほとんど理解出来てないと思うけどどっぷり宇宙的な気分に浸かれて楽しかった!ソラリスという名前の響きがまずステキだし、海という未知の存在が作り出すお客さん、不可解な現象……不気味だけど魅力的なのもよかった。
★5 - コメント(0) - 2016年12月27日

時々読書によって、それも特に優れたSFを読むことで感じることがあります。自分では想像も出来ないような世界に引き込まれる感覚。本作も惑星ソラリスの「海」という理解を超越した生態によってその特異な世界に連れ出されます。それなのに物語と向き合って炙り出されるのは宗教や哲学、ロマンスやモラルといった人の内面に迫るものばかりなのです。多彩なテーマが描かれていて、様々な読み方が出来ると思います。深いのに広い、そして掴みきれない、そんな不思議な物語に感じました。最後の一行までぜひお見逃しなく!
★43 - コメント(0) - 2016年12月16日

あらゆる理解を拒むソラリスの海。その営みが現象的なものなのか意識的なものなのかすらもわからない。とことんつれない存在に人はどうしても惹かれてしまうものだ。ストーリーテリングだけでなく、海に関する膨大な思想、歴史を全てレムは作り出したのだなと思うと凄まじい。そこに最も魅力を感じた。特に怪物たちの章の、海が起こす現象を仔細に記述した文は物凄い。まるで見てきたようだ。レム自身もロマンスの要素は副次的なものに過ぎないと言っているように、海が送り込んできたかつての恋人とのやり取りには僕もさして魅力を感じなかった。
★6 - コメント(0) - 2016年12月13日

旧版はロシア語訳を底本としており、旧ソ連の検閲により削除されたところがあるとのことで、新版である沼野訳、つまりこの本を読みました。訳により物語の性格が大きく変わることはないのですが、ケルヴィンがハリーを守り抜こうと決意した際、その前にある宗教、特にキリスト教、と他国の文化への表現が削除されているのですが、皮肉にもそれが無機質に物語を進めることになり、ディストピア小説としての性格を強めています。レムの思惑ではないでしょうけれども、人間とは違う思考を持つ「海」に対する圧力の作用と思うのはうがちすぎでしょうか。
★40 - コメント(0) - 2016年12月11日

おもしろく、難しい作品である。多様な解釈ができそうで、事実解説に助けを求めても多様な解釈が存在するという結論が提示されることになる。何しろ作中でもメインの一つである海の謎解きが成功したとはとても言えない結果になっているのだから、読者自身がただ一つの解釈を打ち出せ、というほうが無理だ。しかし主人公は結局人間は理解などできないとは考えない。可能性を信じている。結末における主人公のこの姿勢が作品とその解釈を有意義で興味深いものに導いているのかもしれないと感じた。日をおいてまた読みたい。
★4 - コメント(0) - 2016年12月3日

これは完全版なのだが、中学のころ読んだ「ソラリスの陽のもとに」と比べるとかなり印象が変わった。ますます何がなんだかわからなくなった感じ。読むたびに印象が変わる深い本。ほんとにソラリスの海のようだ。
★4 - コメント(0) - 2016年11月13日

理解不能な存在とのコンタクトがもたらす理解不能な展開が本作の魅力だろう。「ソラリス」の存在は、広大な宇宙内に存在する知性を、人間の延長線上にとらえる一般的なSFとは一線を画している。SF作品を楽しむ為の新しい視点を手に入れたと感じられる。後書きによると既に本作は映画化されているようだが、このストーリーをエンターテイメントとして商業化するのに監督は相当苦労した事だろう。
★3 - コメント(0) - 2016年11月13日

SF!生き物とは、生きているとは何かを考える作品。火の鳥とかにも出ててくるけど、秩序は私たちの思っているものだけとは限らない。ただ、象徴的なものは散りばめられていたものの、あまり掴めず…。
★2 - コメント(0) - 2016年11月11日

最近かじってる宇宙論でたまに出る「人間原理」という概念が肌に合わない。生命や知性を人間ベースに考えざるをえないあたり、想像力の限界=思考の限界だよなあと思ってたとこなので、この本はタイムリーだった。この宇宙で物質的に存在していることくらいしか共通点のないソラリスとの対話の試行錯誤は、人外の知性に対する人間の反応の類型として面白い。対話には相手の思考の想像が必要で、想像には共通概念が不可欠となる。対話は常に鏡として機能するが、意思疎通のない相手との対話は、歪みのない真っ直ぐな鏡を覗き込むことを意味する。
★9 - コメント(2) - 2016年10月29日

「人間の想像力を越えた存在とは何か」を想像力と筆力の限りをつくして表現しようとした、とんでもない小説でした。時折挿入される架空の「ソラリス学の歴史と文献」設定の細かさを見ると、ボルヘスをボロクソにケナしたこともあったけれど、やはりこの人は本当にボルヘスが好きだったのだなあとほほえましい気分になりました :-p
★2 - コメント(0) - 2016年10月28日

ホラーであり、ラブストーリーであり、哲学であり、SFである。そんないろんな面を持つ小説でした。自分の心の奥底にしまいこんだものを、見せつけられることは恐怖以外の何者でもありません。まして、それが意味不明のものであれば。未知の生命体とのコンタクトの難しさをうまく描いていたと思います。相手の意思が歓迎であれ、戯れであれ、私達の常識とはかけ離れていればいるほど、それは恐怖であり、苦痛なのかもしれません。自分はそんな状況に陥ったら、正気を保つことはまず不可能だと思いました。いっそ狂ってしまったほうが楽なんだろう。
★2 - コメント(0) - 2016年10月21日

何処までも人間ではない、ソラリスの海。その海を知り出会った人間たちには、出会ってからの海との物語が確かに蓄積し、喜びも怒りも憎しみも虚しさも増えていくばかりなのに、海にとっての人間はどんなものか、何処までもわからない。ゆらゆらと反応と活動と無関心を繰り返すだけ。その海の活動が人間の言葉では「奇跡」と変換できる類いのものだから、その奇跡の先に、絶望だけでなく、いつか、いつかは…と思ってしまうのだろうか。人間以外の理性とのコンタクト。むつかしい…というか、まず感じている世界のレベルが違うというか…。
★10 - コメント(1) - 2016年10月20日

ksh
人間の精神心理、愛、存在理由などという御託が脆くも崩れ去る瞬間がここにはある。未知の海、ソラリスは意志を持つのかさえ定かではなく、その意図は曖昧模糊として判断が出来ない。そんな存在に対して人間が出来る事とはなんだろうか。ソラリス学の膨大な仮説は科学というものの脆弱性を露にするようだ。人間形態主義への強烈なアンチテーゼとしてのソラリスは様々な色彩と形態を弄びながら人間に対して沈黙を貫く。その姿はなんとも美しい。人間の想像力の限界を押し広げようとする名作。
★7 - コメント(0) - 2016年10月18日

再々読。「相互理解なぞ存在しない」が「それを信じるのは自由だし希望を持つことは間違いではない」という、残酷なようで実はロマンティックな話なのではないかな。難解ではあるし、自分も理解できてるとはいえないけど。そして、「死者」との邂逅、恋愛、ファーストコンタクトと、娯楽作として楽しめる要素も満載だというのが今回の再読の新発見でした。映画版はどちらも観てないのだけど、映像化したくなる気持ちがやっとわかりました。
★5 - コメント(0) - 2016年9月27日

人間讃歌のアンチテーゼ./鏡はモノを映すもの以前に,鏡であることは確かだ.ソラリスはソラリスであり,人間がどう名付けようがどう解釈しようが絶対的な存在であることは確かだ./作者は鏡を割ることなく,また虚像に惑わされることなく,鏡そのものを文章化することに成功した.
★20 - コメント(0) - 2016年9月23日

再々読によって初めて気付いた色彩表現の多さ。これまでは本作を他者を愛そうとし結局は全て自己愛なだったと暴き立てるメロドラマと演繹的実証を積み重ねるはずの科学的手法が観念論に陥るソラリス学、人間の持つ二つの弱さが物語の軸だと思っていた。しかしながら二つの太陽を持ち、知性を持つ海そのものであるソラリスは理解不可能な他者でありながらどうしようもなく人を引き付ける。それは知性や感性、そしてその向こう側を求めようとしてしまう私たちの性なのだろう。想像力を持ち続けること、その可能性の射程距離を更新しようとする傑作。
★50 - コメント(0) - 2016年9月10日

★★★★☆
- コメント(0) - 2016年9月7日

旧訳では抜けていた部分の復活させ、ポーランド語原典を元にした新訳版を続けて読んだ。再読することで理解度が増したと思うし、「ソラリスの海」自体の細かい描写を想像することに時間をかけられたことで不気味感が増した。また、小説としては冗長に感じる人も多そうだが「ソラリス学」の歴史や背景説明は、後の「虚数」「完全な真空」に繋がっているんだと体感できて楽しめた。きっとこの部分、レムは嬉々として書き上げたに違いないと思うのだが。
★3 - コメント(0) - 2016年8月17日

「欠陥を持った神」に行き着く世界観は、孤絶したパワレス状態にとっての帰結と同時に、やはり救いを渇望した結果でしょうか。理解・共感を原理的に拒絶する他者は、ひたすら原罪を刺激するマゾヒスティックな世界を生みました。ラブロマンスなんてとんでもない。物語終末に発せられた〈期待〉の中身も、そんな絶望を経由したものでなければなりません。SF古典である以上に、自我を溶かす物語でした。
★6 - コメント(0) - 2016年7月27日

「天体からの距離が高さに変わる、あの捉えがたい境界をすでに過ぎていたからだ。」この一文だけで、なんだかすごくワクワクした。少し読みにくかったので時間がかかってしまったが、最後まで面白かった!!
★2 - コメント(0) - 2016年7月18日

多角度的に読み進めることが出来る大作。と一言でまとめてしまうのは簡単で、話の大筋としては単純なものなのですが、それに付随するかたちで書かれている学術的考証やファーストコンタクトについての理解については、二読三読と熟読を重ねて漸く判ってくるのでしょう。なんとなくのところは判りましたが、深く理解するには程遠く、再読が必要だと感じました。惑星ソラリスが提示する生の在り方。人はその異質な生を目の当たりにして、否応なく自身の内側を覗き込むことに……怖ろしく哀しく、しかしため息が出るほどに繊細で美しい作品でした。
★5 - コメント(0) - 2016年7月10日

虚無感や退廃的、という言葉がしっくりくるような。 怖かったです。
- コメント(0) - 2016年7月9日

我々は自らの知性よりも高度で複雑な肉体を持っている事を思い出させてくれる。コンタクトを連呼しているところに時代を感じる。
★1 - コメント(0) - 2016年7月4日

ソラリスの 評価:70 感想・レビュー:204
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