ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
あらすじ・内容
優しさと倫理が支配するユートピアで、3人の少女は死を選択した。13年後、死ねなかった少女トァンが、人類の最終局面で目撃したものとは? オールタイム・ベストSF第1位
21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。
医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。
そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した――
それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、ただひとり死んだはすの少女の影を見る――
『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。

あらすじ・内容をもっと見る
398ページ
3155登録

ハーモニー〔新版〕はこんな本です

ハーモニー〔新版〕を読んだ人はこんな本も読んでいます


ハーモニー〔新版〕の感想・レビュー(2106)

人間の精神がデジタル空間に移行して肉体は必要となくなる世界が未来かもしれないなぁなんて思っていたところに、ガツンと一発くらった感覚でした。徹底して科学的に人間を見据えているが故の、舞台設定とその結末。ヒトの進化や社会的存在としての人間…ヒトの根源的な悲劇をまざまざと見せつけられたようで。映画を先に観ていたので、「拡現」等イメージしやすく、より深く入り込めました。
★3 - コメント(0) - 2月26日

虐殺器官も読んだけどやっぱり世界観がすごいなと思った。病気もなく今ある現実が過去になっている世界。虐殺器官の主人公が母親に問いかけていたように、自分とは、意識とは、ということを考えさせられる。昔見たドラゴンヘッドで、感情のない子供が出てきたのを思い出した。人類は滅亡に向かうと感情をなくす方向に行き着くのか。。
★3 - コメント(0) - 2月26日

この表紙でなく、真っ白な方の表紙。『虐殺器官』読んで『ハーモニー』映画を見てから、この文庫を読んで良かった。じゃなかったら途中で挫折していたかも…。ちょっとした仕掛けがあって最後まで読んで鳥肌が立ってしまった。“文字は残る。もしかしたら永遠に。永遠に近いところまで”(334ページ)あたり、とても切なく感じた。ピンク色に包まれた思いやりがあふれる世界ユートピア。そのやさしさで窒息死そうデストピア。面白かったです。
★11 - コメント(1) - 2月26日

前作、虐殺器官のラストから<大災禍>と呼ばれる時代を経た後の世界で、健康や優しさ、倫理と言う名の暴力の前に御冷ミァハ、零下堂キアンと共に死を持って逃れようとし、出来なかった霧慧トァンの物語です。先ずは読了後の感想として前作同様圧倒されました。そしてこの結末に怖気が走りました。これが理想郷、これが人類にとっての幸福というのなら私も拒絶するだろうと。野蛮と優しさと言う名の暴力を憎んでいた筈のミァハが世界を愛したが故に老人達に選ばせた選択と、そんな事はどうても良かったトァンのささやかなミァハへの復讐劇と…。→
★18 - コメント(1) - 2月25日

伊藤計劃のハーモニーを読み終えた。ミァハの動機がやや拍子抜けなくらいに素朴だったけれど、総じて生権力への透徹な洞察、そしてその洞察が物語を通して痛切な叫びとして表出していて、やっぱりこの人は天才だと思わずにいられない
★2 - コメント(0) - 2月24日

個人の意識は、社会にとって重要か?と、聞かれている気分になる。病気が消失した世界の話だったのに、すごいスケールの話になって驚いている
★2 - コメント(0) - 2月23日

個人の意思、個性は文明の発達しきった世界では必要がないもの、完璧に構築された世界を乱すものでしかない。体も意識も、コンピューターによって安全な数値に整えるのが普通な世界が描かれていて圧倒される。同時に、価値観を周りと揃えるみたいな最近のSNSのコメント合戦等が、このハーモニーの中の世界観に近い様に思え、本当の近未来を描いているみたいだった。SFの長編は初だったが読みやすかった。
★4 - コメント(0) - 2月20日

K
初伊藤計劃。面白かった。この女性三人の立ち回りと描き方に、京極夏彦を思い出した。ある種のユートピアと閉塞感、優しいディストピアもの。巻末インタ含めて作品だなと思いました。視点はあくまで一人称だから、世界の広がりはわからない、けれどあまり周りに視点を置かない主人公から見える「世界」が見える。同じ世界の、別の人の視点が知りたい、と思えた世界観でした。
★5 - コメント(0) - 2月19日

この前読んだ『素晴らしい新世界』と同様、未来の管理社会を書いたお話。 この人の死生観は他の本でも一貫していて、物語自体も引き込まれる力があります。 もう新作が読めない事が、唯一残念です。
★4 - コメント(0) - 2月18日

物足りない。巻末インタビューでロジックとエモーションのバランスについて話しているけど、読後感としてはどっち付かずに感じた。ロジックだけだと色っぽくないからキャラを使うと言うなら、キャラクターの感情の機微をしっかり描くべきだと思う。それからロジックを追うなら、その時点での著者の結末を付けてほしい。著者である私は現時点ではこのように考えている。さて、読者であるあなたはどう考える?という形がベストではないかな。そもそものところ、ロジックとエモーションは対ではなくて、どちらも高次で共存できるのではないか。
★6 - コメント(1) - 2月18日

インタビュー、解説も含めて、最後まで読みごたえあって好みだった。この作者さんの物語は、理詰めな中にある感情の部分のバランスが自分に合っているようだ。
★5 - コメント(0) - 2月18日

「人類が究極の平和・調和を手に入れるためには、突き詰めると人間の意識=魂は必要のないモノなのではないか。しかし魂を手放してしまった人間を“人間”と呼べるのか。そんなものはただのプログラムでしかないのではないか。…いやしかし我々は魂という機能のひとつに勝手に価値を見出し、それに縋っているだけかもしれない」SFはあまり読まないのだが、フーコーの生権力ディストピアから哲学的ゾンビの話へと発展してゆく点が興味深く読めた。またHTMLをモチーフとした記述による感情表現がとても面白い試みだと感じた。
★8 - コメント(0) - 2月12日

前作同様、面白くて一気に読みきった。完璧な人間を追求すると、人間の意識・意志は必要なくなる。作中では意識を持たない人間は、果たして人間と呼べるのだろうか、という問いが立てられる。完全性を追求することに対して、考えさせられた。また、人間はどこまでも不合理的な生き物であり、その不合理性は進化の産物に過ぎない、という話も印象に残った。
★11 - コメント(0) - 2月12日

ノリと設定は完全にラノベです。前半はちょっと…って感じでしたけど後半は楽しかったかも?SFは海外作品の方が読むので、その感覚で行くと大分物足りないかもしかれません。
★5 - コメント(0) - 2月11日

虐殺器官のエピローグ「大災禍」を経て、その後の世界的な混乱の後に人類が築き上げた福祉厚生社会。 この社会に反旗を翻す御冷ミァハとその思想に感化された主人公の霧慧トァンと友人の雫下堂キアンの3人を中心に、福祉厚生社会を構成するシステムのバックドアに仕掛けられた"ある設定"を軸に、世界規模の大混乱へと発展。 話の広がりは壮大だったものの、黒幕と対峙したトァンがやけにあっさり銃を撃ち込んだのは、軽く衝撃的でしたが淡泊に感じました。 とはいえ、死や病に関する描写は切実さを感じ、考えさせられるものがありました。
★15 - コメント(0) - 2月9日

大災渦の後、全員にインストールされたプログラムによって、健康を維持できる病気のない世界が舞台。そこで大量自殺事件が発生して・・・前作「虐殺機関」もそうですが、世界観、設定が興味深いです。意志決定が双曲割引のように非合理的じゃなくなったら、意識・意志そのものがなくなるという話も面白いですね。もっと色々読みたかった作家ですが、夭折されており残念です。
★5 - コメント(0) - 2月7日

よく噛み砕けてない部分もあるけど、とても考えさせられる本。痛みって経験しないとわからないこともあるのに、すべてを事前に警告されてしまうとなんかね、私なら危ないこともしたくなる。あと散らかってる中でも欲しいものを探せるのがすごく羨ましい。進歩する技術の先にあるものは何かしらね。
★6 - コメント(0) - 2月6日

友人より拝借。世界観が凄まじい。最後、ミァハをあっさり撃ってしまったのが意外でした。「いま人類は、とても幸福だ。」でも、ハッピーエンドではないなあ。
★5 - コメント(0) - 2月3日

いまさら気付いたけど、四章のラストはディファレンスエンジンのオマージュなのかな、意識の誕生と死についての対比を含めて。
★5 - コメント(0) - 2月1日

「地獄は頭のなかにある」から一転、人間の天国、幸福を突き詰める一作。虐殺器官とあわせて、何度も何度も読み込みたい
★7 - コメント(0) - 2月1日

作中に何度か出てくる「財布を使いこなせれば、貯金箱は必要ない」という言葉の意味が理解できない。それがなんともモヤモヤさせる。
★1 - コメント(0) - 1月29日

NOB
プロジェクト・イトウ放送前に。 1回目読んだあとに、映像みたからか、前回よりも深く読み込めたと思う。
★3 - コメント(0) - 1月26日

めちゃくちゃ面白かったです。病気が消えて健康・健全になったユートピアな世界。トァンを通して見る、本当にそれが幸せなのか?というテーマとその世界を崩壊させるような事件に結末とスケールの大きさにただただ圧倒されます。まさしく「ユートピアの臨界点」という言葉がふさわしい作品。設定に構成、登場人物とあらゆる点で作り込まれてるなぁと感じることができました。「虐殺器官」も読むしかない!!!
★34 - コメント(0) - 1月16日

優しい世界。意識のない世界。10代の頃、大人の世界が嫌だった時期があって、今はそれとは全く違う感じで、でもやっぱり世の中の動きが気持悪くて。。。どうなっていっちゃうんだろう。
★10 - コメント(1) - 1月14日

「優しさは対価として優しさを要求する」という言葉にはっとした。私のモヤモヤはこれだったんだ。親切の強制は親切なんかじゃない。自己満足でしかないんだよ。優しくしたのに、返してくれないだなんて、当たり前じゃないか。
★7 - コメント(0) - 1月11日

映画をもう一度見に行きたいです。
- コメント(0) - 1月10日

実は再読本。卒論は伊藤計劃で書こうと決めていて、その前段階の小論文を書くために端から端までじっくりともう1度。ほんとうに素晴らしすぎる。感想なんてここに書くのが申し訳ない。
★5 - コメント(0) - 1月10日

WatchMe欲しい。健康状況を把握してくれて何が自分の体に適切なのかを選択してくれる。健康に不安を感じてる自分にはぴったり。ただし自分のステータスは常に周囲に公表されている。それは嫌だ。ただ、そういう個人が管理された社会に最初からいれば、「嫌だ」とも感じないかもしれない。設定がすごく面白い。虐殺器官も読みたい。
★7 - コメント(0) - 1月9日

「わたしたちはどん底を知らない。 どん底を知らずに生きていけるように、全てがお膳立てされている。 真綿で首を締めるような、優しさに息詰まる世界。 わたしは、この世界に不意打ちを与えたい。」 どん底を知らずに生きていけると言うのは確かに幸せであるかもしれない、しかし弊害としてすべてがお膳立てされている、社会規範や善き生き方が社会から無言の圧力として「私」を締め付けている。そのことを敏感に感じ取ってしまった少女が持てる力のすべてを使い「私」を解き放とうとした少女たちの話。 読後感が爽快すぎてやばいっ
★5 - コメント(0) - 1月6日

第一作『虐殺器官』から続いてきた世界がこんな風に変貌していたとはぞっとした。だけどもし、自分がこの世界に生きていたら御冷ミァハのママみたいになっていたんじゃないかと思う。そして、自分が「わたし」であることを当たり前のように放棄し、社会のシステムになることを疑わない。混迷の時代には自分が自分であることは苦し過ぎる。
★21 - コメント(0) - 1月5日

「それが進歩なのよ、とわたしの裡に住まう御冷ミァハが言う。人間は進歩すればするほど、死人に近づいてゆくの。」――正直、借りる本間違ったなぁ…と後悔しながら、ざっくり流し読みしました。どんなシリアス展開でも、『御冷ミァハ』という文字列に笑ってしまい、ストーリーがぜんぜん入ってこなかったデス。やはり私はラノベに向いていないのだろうか。う~む。
★53 - コメント(7) - 1月1日

よかった
★2 - コメント(0) - 2016年12月30日

自分の中では1番の作品! 本を読んでみたい、読んでいこうって思った一冊!!
★3 - コメント(0) - 2016年12月29日

人間の意識や意志は、進化の過程で手に入れたものだという考えは、今までにない解釈でした。その先にある言葉は、おそらく作者にしか見つけられないものだと思います。近代SFの五指に入るという評判どおりの作品でした。魅力的なキャラクターの中では、零下堂キアンの純粋さに惹かれます。
★4 - コメント(0) - 2016年12月26日

「完璧な世界」というのはやはり気味が悪いですね。ですが私は賛成かな。
★3 - コメント(0) - 2016年12月20日

その結論では満足しないな、というところでどうにもモヤモヤした。主人公にもう少し考えてほしかった。世界観の設計や新しい知見が得られたことなどは面白かったけど、その点でとかく満足できなかった。続きを書いてほしいが、故人なのがひどくもどかしい。
★2 - コメント(0) - 2016年12月19日

watch meまで行くと行き過ぎだけど、健康状態見張ってくれる装置は欲しいなぁ。健康診断めんどくさい。表紙の題名、タグが閉じてるってことは、終わった物語ってことなんかなと思った。我々は思い込みで生きている。
★1 - コメント(0) - 2016年12月18日

命の維持機能を外注していった人間の末路、という発想はとっても面白いのだけど、言葉が難しすぎて読むのに時間がかかり、今までの展開を忘れるというサイクルにはまり、なかなか進まなかった。どっちが敵でどっちが味方だか、グループ名が長くて覚えられない...。ただ設定はとても緻密に作り込まれていたように思う。医療社会の世界観を作り上げた想像力はすごい。合う合わないはあるだろうが、一度手に取ってみてもよいのでは。
★12 - コメント(0) - 2016年12月15日

新装版で読むのは初めてだけど、既読。やっぱり、やっぱり、やっぱり、この才能を失ったのは世界の損失だよ。。。。。。ストーリーを知っていても、タグの意味を知っていても、グイグイと引き込まれる。そして読み終えた後の何とも言えない氣持ち。きっとまた読み返すことになる。対になっている(と思っている)虐殺器官も近いうちに読む予定。
★4 - コメント(0) - 2016年12月15日

調和? 嗤わせる。「僧侶的価値評価」の中で殺し合ってるだけじゃないか。マタイによる福音書10章。「自然を制圧する」農耕を正当化するために、猟師を弟殺しに追い込んだ神(殺すより殺されるほうが倫理的←コレも僧侶的価値評価)。その価値評価(戦場)から逃れることが難しくなったときに、(心身共に健康な者にとっての)悲劇が産まれる。
★2 - コメント(1) - 2016年12月13日

ハーモニー〔新版〕の 評価:66 感想・レビュー:676
ログイン新規登録(無料)