スマイリーと仲間たち (ハヤカワ文庫 NV (439))

スマイリーと仲間たち 439巻はこんな本です

スマイリーと仲間たち 439巻はこんな本です

スマイリーと仲間たち 439巻の感想・レビュー(163)

学生時代購入の30年の積読本。この三部作は、つまるところ人間の弱さの物語であったが、その奥深さを考えると、本棚に眠った時間も無駄ではなかったか。初老の域に達したスマイリーが、事件のカギを握る人物を訪ね歩き、その真相にたどり着く過程は、とてもわくわくさせられる。解説を担当した若き池澤夏樹が「彼と彼をめぐる状況の無力感、その中で目的を果たし、廉直を貫き、生き抜く。素朴な英雄讃歌ではなく、もっと暗い色調の、現実を反映した上での一つの倫理の呈示」と評したこの静かな傑作群を、今一度一作目に遡って読み通してみたい。
★1 - コメント(0) - 3月5日

+12
★1 - コメント(0) - 2月24日

前2作に比べると驚くほどの読みやすさ。『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』のような時制の複雑さがなく時間軸に沿って進む話であること、何が起きているのかわかりづらい『スクールボーイ閣下』と違って謎が明確であること――つまりシンプルなミステリーとして基本的に進んで行って、しかもスマイリーの心理描写も多めの一視点が基本なのもわかりやすさの理由かなと思いました。
★5 - コメント(0) - 2月19日

今流行りのミステリーならば、冒頭は猟奇殺人と言ったところだろう。この作品は違う。淡々と何も特別な事は起こらない。しかしながら、心臓は早鐘をうち、押し付けられる様な重圧感と、思わずニヤケてしまう期待が共に最初の数ページでやってくる。途中、一気に読ませて、ラストは居ても立っても居られない。なんと言う巧者ぶり。完全に脱帽です。
- コメント(0) - 1月18日

評価:★★★★☆ 4点 スマイリー3部作の中で一番読みやすかった。
- コメント(0) - 1月7日

スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレによる"スマイリー三部作"の完結編。完結に相応しい傑作。前作のスクールボーイ閣下ことウェスタビーから、ふたたび主人公はスマイリーに。相変わらずアクション描写は1ミリもないが、心理描写と会話文の書き方が本当に上手くて、とにかく読ませる。老いたスマイリーと彼をサポートする仲間たちの見事な連携プレーは必見。カーラとスマイリーの直接対決は、ラスト数ページでしか描写されないが、ここまで読んできた読者ならば思わず唸ってしまう終わり方となっている。スマイリー、本当にお疲れさま!
★2 - コメント(0) - 2016年12月22日

カーラとの最終決戦は一応勝ったという形だが、他のシリーズ作品同様、非常に苦い印象が残った。スマイリー達は諜報の分野で精神的な戦いをしている兵士と言える。宿敵とはいえ、自分の分身のように感じ、同じ時代を共に戦ったカーラを精神的な弱みに付け込んだ形で勝利したことは心から喜べなかっただろうか。お互い満身創痍になるまでの戦い。 また、シリーズの最初から読み返してみようかな。
★4 - コメント(0) - 2016年8月7日

すんごくよかった。静かで、きしむような、つかれた体を引きずるみたいに続けた旅の終わり。
- コメント(0) - 2016年7月9日

スマイリー三部作完結編。宿敵カーラを「わが黒い聖杯」とスマイリーは評したけれど、かつて仲間の裏切りという血で満たされてサーカスは崩壊し、今度は聖杯自身の寝返りという背信行為をもって積年の望みは叶えられたあとにスマイリーに残ったものは…と思うと、もうあのライターは拾えないことが哀しい。ラストシーンのチェックポイン・チャーリーでの邂逅は静謐なのに映画のワンシーンのように印象的で、読了後は言葉にできない充足感と虚脱感で感無量でした。スマイリー登場作はまだあるようなのでもうしばらく追っかけたい。
★3 - コメント(1) - 2016年4月23日

試験勉強の合間に読むには重い
★3 - コメント(0) - 2016年2月13日

スマイリーシリーズ前2作を読んでから大分間を空けてしまった。なので流れをすっかり忘れてしまってたんだが、十分に楽しめた。静かな物語の中で、なんといっても今は見る影もないという風だったコニーの記憶の奔流が吐き出される、鬼気迫るさまに目が釘付け。スマイリーとカーラ、スマイリーとアン、カーラの秘密……誰もが何かを得ながらも確かに何かを失っていく。やはりこの一種澱んだような、しかし乾いたような、まさにロンドンの空とその下の街をそのまま引き写したような空気感がたまらない。シリーズの締めくくりに相応しい物語だった。
★2 - コメント(0) - 2016年1月15日

スマイリーシリーズの完結編。カーラとの因縁の対決もこれで最後となるが、最後に西側に下るカーラの姿とラストシーでのスマイリーとギラムの会話など、全体として寂しさを感じさせる。スマイリーは妻との関係を失ったが、カーラは娘のために軍門に下った。東西冷戦の最中に国のために諜報作戦を繰り返すのは、映画でヒーローが縦横無尽に立ち振る舞うのではなく、本作のように悲しいものなのだ。
★4 - コメント(0) - 2016年1月8日

やっと再読できた。初読時よりずいぶん時間をかけて少しずつ読んだ。宿敵カーラの手がかりをたどりハンブルク・パリ・ベルンと欧州を経めぐるスマイリー先生の調査行は、同時に自身の心の深奥へと下る旅でもある。その道は彼の半身ともいえるカーラとの最終対決へと至る。三部作で最も簡潔にして禁欲的、内省的な物語。だから緊張感があり、重たい。トビー・エスタヘイスの点灯屋たちが再集結しての一世一代の大仕事。敬愛するジョージの最後の死闘を見守るギラムちゃん。命をふり絞るようにして記憶を甦らせる老女コニー。心に深く刻みつけた。
★10 - コメント(0) - 2015年12月13日

★★★★☆スマイリー三部作読了。全編貫いていたのは様々な愛ですな。妻への愛、娘への愛そして叶わぬ愛、偽りの愛そんな諸々の愛(スマイリーのことが好きで好きでたまらないアル中コニーが痛ましいピーターは小市民的幸せを得て何より笑)結局カーラも血の通った人間だったわけだ。これはダークでヘビーなスパイ小説版love actually is all around スマイリーの余生がどうか穏やかでありますように
★20 - コメント(0) - 2015年11月23日

なんか凄まじいものを読んでしまった。スマイリーとアンのやり取りがつらかった。 何度でも読み返したいけど、今は色々圧倒されて呆然。最高の読書体験でした。
★2 - コメント(0) - 2015年9月30日

亡命エストニア人の工作員が殺害されたとの報を受け、年金生活を送っていたスマイリーは再び前線に立つ。スマイリー三部作の最終巻は、いよいよカーラとの全面対決。三作目にして初のスマイリー主眼のお話で、ぐっと読みやすくなった。ただ一作目はジム・プリドーに、二作目はジェリー・ウェスタビーに、やたらと思い入れを持って読んでしまったわたしには些かあっさりすぎる完結作に思えて、スマイリー先生に申し訳ない。あまりコンディションの良くない中無理矢理読んだこともあり、理解不足は間違いないので近いうちに再読したい。
★4 - コメント(0) - 2015年9月26日

このシリーズ、やっと読み終わった(泣き)。それも半分も分からないまま。なんでだろう、頭に入ってこなかった。私には向いてなかった。
- コメント(0) - 2015年9月4日

スマイリー三部作の最後の作品。読み終わったのは6日前なのですが、感想を書くのも躊躇ってしまうほど衝撃と虚脱感が凄いです。「寒い国から帰ったスパイ」のトラウマがあるのでラストまで片時も気が休まらなかった。全知全能のようなカーラですら人間らしい弱みがあり少しだけ安心。ベルリンの橋でライターを拾わなかったと言うことはスマイリーの中でアンとの関係は修復不可能なんでしょうね。そして、また静かな隠居生活に戻っていくのか…まだ、スマイリーとお別れしたくないので「影の巡礼者」はしばらく読みません。
★6 - コメント(0) - 2015年3月29日

スマイリー・サーガ完結篇。ベトナムやデタントなど、嘗ての栄光を失ったイギリスで、嘗ての伝説が、最後にもう一度表舞台に引きずり出され、勝利と共に去っていく堂々たるラスト。しかしこの勝利は、勝利と言っていいものかどうか。カーラはスマイリーのダークサイドであり、故に、敗北したカーラはスマイリー自身でもあり、同時に両人は、一つの時代と共に去っていく運命も共有しているのだ。あのベルリンの橋でのスマイリーの魂の叫びで鳥肌立ったよ、凄いものを読んだ。
★7 - コメント(0) - 2014年12月22日

やっと読み終わった! これも映画化せーへんかな。
★1 - コメント(0) - 2014年11月28日

読み終わってしまった。これでスマイリーはじめ彼らともお別れ。寂しい。とりあえずTinker Tailor ...のBlu-ray買おう。
★3 - コメント(0) - 2014年10月26日

スマイリーにしてもその仇敵のカーラにしても、あるいは作中で次々と斃れていったりほんのわずかしか登場しない人物たちにしても、それぞれが己の半生に対する苦い悔恨や、無垢であるがゆえに無為な理念や、あるいは安っぽい虚栄心などのさまざまな感情を背負っていて、それらの感情の動きを丁寧に浮き彫りにしてゆくことで、全体のとしての物語が一気に動き出す質量ともに圧倒的なこのダイナミズムが、ル・カレを読む至福感の源泉なのだなあ。本書が掉尾となるスマイリー三部作の豊穣な物語を、心の底から堪能しました。
★4 - コメント(0) - 2014年8月20日

ラストで、カーラに勝ったと言われて驚いているスマイリーにしみじみ。歴史を見れば、デタントは成功したような、今も引きずっているような。でも、当時に比べればはるかに息苦しさはなくなっているのでしょう。
★3 - コメント(0) - 2014年8月17日

三部作のラスト。あっけないようでもありドラマチックにも思える、これしかないというようなラストシーンで読み終わってとても空虚な不思議な気分になる。
★2 - コメント(0) - 2014年7月14日

残り50ページ程に差し掛かった頃下巻があればいいのにと思った。いよいよ迫るカーラとの対決は「死者にかかってきた電話」のラストを思い返すとなんて静かなものだろう。それでいて息の詰まるような緊張感。『おれたちはたがいの境界線を踏み越えた。俺たちはこの無人地帯における非人間なのだ』(p.565)アンを利用されたスマイリーは境界線を越える卑劣さを、その効果を知り尽くしている。カーラの存在はスマイリーの人生でもあった。映画化の話はどうなっているのかな?是非映像でも観たいけど脚本大変だろうな。
★4 - コメント(0) - 2014年6月29日

米ソデタント(緊張緩和)の影響下、英国諜報部も方針を変えざるを得ない中、スマイリーは各地で逼塞していた昔の仲間たちと宿敵カーラを追い詰めていく。作家は共感と哀惜を籠め、権力組織に利用されつつ誇りや理想を胸に歴史の裏で戦う人々を語る。東側も同様で、カーラもその一人だ。スマイリーの人生に学ぶことは組織に使われていても、いかに真摯に生きるかということだ。個人は機械ではなく生きた人間であり、組織の援助が乏しくとも耐えつつ悩みながら、志ある仲間と、仲間の為に奮闘せねばならない。文学的表現や構成の巧みさも味わい深い。
★26 - コメント(1) - 2014年5月28日

コニーさんの神業な記憶力がここでも発揮。でもほとんどの関係者の報われなさ、スマイリーの最後の心の叫びはとても胸にきます。
★3 - コメント(0) - 2014年5月7日

冷戦時代の英国諜報部スマイリーシリーズ三部作の最後。傑作である。現代スパイがいかにパソコンを駆使して凄まじい諜報戦をしようとも、スマイリーの凄みにはかなうまい。彼らだけは知っているのだ、彼らが相手にしているのもまた、人間であるのいうことを
★3 - コメント(0) - 2014年4月30日

よかった。推理小説だけど、読後スッキリすると言うよりはしみじみとする。得体の知れない不気味な存在であるカーラも一人の普通の人間なんだなとわかる。むしろ「その目的のためだけにこんなに?」と思うくらい。起承転結でいう「承」が長く、展開は遅い気もした。半ば以降にならないと全体の構造がつかめないのでは。でも読み終わってすぐなのに再度読みたい。そう思わせる小説である。スパイ組織や英ソ関係 、東西ドイツ関係に疎いわたしには細かいところがよくわからなかった。それが少し残念。できれば組織図や人間関係図(地図も)を付録とし
★2 - コメント(0) - 2014年2月24日

+12 何も言う事はない。が、さすがに背景描写に時代考証が要るようになったなぁ。
★1 - コメント(0) - 2013年12月23日

スマイリー三部作のラストにふさわしい。スマイリーの人間的苦悩と息の詰まるような諜報戦。ラストのスマイリーの感慨は深い。
★1 - コメント(0) - 2013年12月20日

読んだのは、図書館のハードカバー版
★1 - コメント(0) - 2013年11月24日

スマイリーとカーラの長きにわたる闘い、ついに決着。謎めいていて不気味だと思っていたカーラですが、彼にもスマイリーと同じように愛する人がいて、つまりそれは彼の弱点になりえるわけで。しかしその弱点を突く作戦にもカーラにも複雑な感情を抱いているスマイリー・・・やはり似ているのかもしれない、この二人は。描写は淡々としているのに、すごくドラマチック。特にラストの緊張感たるや映画でも見ているようです。三部作の終わりにふさわしい珠玉の作品。ぜひ映画でも見たい。
★6 - コメント(2) - 2013年10月13日

30年ぶりに再読。やっぱり面白い。スマイリーとカーラは、本当に表裏一体だ。カーラが『ティンカー・・・』で仕掛けた『相手の愛するものを利用する』作戦を、今度はスマイリーが仕掛けた訳だ。でもその作戦を、実は嫌悪しているスマイリーが悲しい。今はこういう重厚なエスピオナージが読めないよなあ。まあ冷戦も終わり香港も返還されてソヴィエとも崩壊、大英帝国の威光と没落なんて、スパイ小説のテーマにならんかな。ましてやル・カレの小説は人間関係が入り込み過ぎて、ちょっと理解しにくいし。
★4 - コメント(0) - 2013年8月25日

カーラの人間的な面をみて、がっかり
★1 - コメント(0) - 2013年7月5日

ゾクゾクしながら読んでいった。ゾクゾクして鼻血が出そうだった。
★3 - コメント(0) - 2013年6月24日

ついに最終章。訳者村上氏の言葉ではないが「読まずに死なずに」本当に良かったと思えるシリーズだった。スマイリーは宿敵カーラを陥れるために「自分がされて最も嫌だった手段」を取る。つまりカーラにとってのアンを、最愛の女性をダシにすること。これまでの2部で彼が諜報という非情な世界において、隠しきれないヒューマニズムを抱き活動に当たってきたことを知るだけに。綿密に立てた作戦の最後の瞬間に、作戦の失敗を望む心情には苦いものがある。「あんたの勝ちだ」と言われ「そうかもしれない」としか返答をできない悲しさは何とも深い。
★9 - コメント(0) - 2013年5月27日

本を読む順番としては正反対だったが映画化された『裏切りのサーカス』を読んでから『ティンカー、テイラー、…』から読み始めた三部作の最終章。大英帝国のプレゼンスが世界的に失墜していた時期、失脚引退した老スパイが引っ張り出され…という設定はそれだけで物語に陰影を与える。(スマイリーの真の引退後に女男爵首相が登場する)謎解きやスリルはもちろんだが、はしばしの文章の面白さに何度も読み返した。図書館で借りて読んだのだが手元に置いておきたくなったので、辰巳四郎装丁版を気長に探すかも。
★3 - コメント(0) - 2013年4月10日

シリーズ最終作。前作は少し読み難い所もあったけど、今作はかなり読みやすくて文句なく面白かった。
- コメント(0) - 2013年3月4日

スマイリーと仲間たち 439巻の 評価:82 感想・レビュー:64
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