サバイバー (ハヤカワ文庫NV)

サバイバーの感想・レビュー(193)

★★★★☆『ファイト・クラブ』では「ここでそれやんのか」という意外な驚きがあったのだけど、こちらはわりとふつうのエンタメとしておもしろかった。デビュー作ほどではないものの相変わらず錯綜したような文章で、急に血痕の染み抜き講座が始まったりして困惑する(笑)。ただその語りも、主人公の複雑なパーソナリティを反映していることが徐々にわかってくるうちに感心へと変わる。偽りの偶像を形成するのも、オチにうまく繋がっていた。ただ序盤から気になっていたのだけど、ノンブルを逆さにした趣向はあんまり意味がなかった気がする。
- コメント(0) - 2016年9月25日

「どうにもならないことは、どうにもならない」という乾いた諦観を感じる小説。とことん救いがないのに、不思議とそのあきらめをすんなり受け入れられる。
- コメント(0) - 2016年9月15日

アメリカで実際にあったカルト宗教の集団自殺事件(人民寺院事件)をモデルにしてるのかな? 独特な文章のリズム。主人公の置かれている状況や気持ちなどを考えると読んでいて辛くなる。でも良いか悪いかはわからないけれど、主人公にとっては結局ここに行きつくしかないんだ、というような最後だったと思う。
- コメント(0) - 2016年7月26日

ストーリーはだめな部類のもんだろう。運命や大衆に翻弄される男の物語、にしたって一貫性がなさすぎるし、設定の使いあましも多いし、展開は行きあたりばったりで、華麗な伏線回収とか期待していると肩透かしを食らう。でもおもしろい、とにかくモノローグが最高なので。極限まで贅肉をそぎ落としたシャープな文体で、洒落たブラックジョークを取りまわすアンバランスさがたまらない。余剰部分をそぎ落としたら跡形もなく消滅しそうな小説だけど、この眩暈がするくらいの没入感には一読の価値があると思う。
★2 - コメント(0) - 2016年6月16日

読み物としては面白くない。兄さんや女性は1作目と同じく主人公の多重人格であろう。クールでかっこいいわけでもなく、退廃としては落ちきれていない。分類するならカルト文学かな。朗読会で失神者が出るなら作者自体がカルト化している。
★1 - コメント(0) - 2016年4月20日

文体は少々とっつき辛い所があったが中々楽しめた。
- コメント(0) - 2016年1月8日

私はネギが大嫌いです。ですから、ラーメン、日本そば、うどんなどを食べる時には絶対ネギ抜きで食べます。でも、茗荷、大葉、ニンニク、生姜は大好きで薬味には欠かせません。パクチーも大丈夫です。人からは、「何故ネギだけダメなの?」、「他の薬味と大差ないじゃない。」、「よく、ネギ抜きで、ラーメンやそば、うどん食べられるね。」と言われます。でもダメなものはダメなのです。そしてこの小説は私にはネギでした。多くの人達が絶賛していましたが、ダメなものはダメなのです。理屈ではないのです。あくまで私の個人的な感想ですので。
★20 - コメント(10) - 2015年8月15日

前々から気になっていた作家だったのだけど、どうやら文体が僕好み過ぎて最初から最後まで頭から突っ込んだように読んでいた。内容を全て把握し切れていないし、物語の全てが腑に落ちた訳でもない。それでもただ主人公の語り口、そして魅力的なヒロインにただ魅せられたままページを捲り続けた。「テスト、テスト。1、2、3。 あんたが発見したのは、すべてが間違った方に転がった物語だ」
★2 - コメント(0) - 2015年8月2日

こういう本が大好きってやつが大量に溢れだした時がこの世の終わりなんでしょうね。私はこういうの大好きです。ファータリティちゃん的ヒロインが好きすぎる……
- コメント(0) - 2015年7月29日

この本は、間違いなく人生で読んだ中で最高の本だ
- コメント(0) - 2015年7月17日

ものすごく久々に読了。パラニュークの文体のリズムは大好き
- コメント(0) - 2015年2月8日

チャック・パラニュークの『サバイバー』を読了。冒頭からハイジャックした飛行機内のブラックボックスに向かって、自身の数奇な半生を延々語っていくという設定が狂いすぎ。小説というより、散文詩を読んでいるような文体もカッコいい。
★4 - コメント(0) - 2014年11月29日

無闇に増やしまくった情報に対して文章がタルい。筋が明らかになるところは面白いんだけど、読んでる最中は、只読み進めているだけだった。エロ本の廃棄施設になったかつての聖地で兄を殺す、カルトの生き残りが救急電話相談を装い、自殺志願者に「死ね」とアドバイスする、なんてね。設定はめちゃくちゃ面白いんだけど。
- コメント(0) - 2014年5月20日

パラニュークは書くー 「もしまだ気づいてないなら言っておくが、俺の小説は全部、孤独な人間が他人とどうにかしてつながりあおうとする話だ」 それこそが、パラニュークが現代においてもっとも同時代的で重要な作家だという理由である。そしてパラニュークがしばしば予言的な小説を書いてしまう理由でもあり、「サバイバー」がいまだに映画化されずにいる理由でもある。カルト宗教の生き残りがハイジャックした飛行機上から人生を語る。 「テスト、テスト。1、2、3。 あんたが発見したのは、すべてが間違った方に転がった物語だ」
★12 - コメント(0) - 2014年5月6日

孤独な男の物語、コメディ、サスペンス。どういう感じに読んでいけばいいのか分からなかった。ヒロインは更によく分からない。主人公を「カルトの生き残り」として売り出すエージェントのはちゃめちゃが面白かった。
- コメント(0) - 2014年3月25日

なんとノンブルが逆で、427ページから始まって1ページで終わる。しかも小説の全体はハイジャックした旅客機のボイスレコーダーに吹き込んでいる主人公の告白。終わりは避けられない。テンダー・ブランソンはカルト教団の生き残りで、というのは教義は、教団の存続が危ぶまれたときには集団自殺せよ、さらに恐ろしいのは居合わせなかった者も「脱出」の知らせを受け次第すみやかに後に続けという。そしてそれは起こる。主人公が叩き込まれたハウスキーピングのトリビアの羅列。たった5行で終わってしまうセックス…。解説は柳下毅一郎。
- コメント(0) - 2014年1月22日

作者曰く、孤独な人間が他人とどうにかしてつながりあおうとする話。だからなのかは分からないが、主人公を取り巻く激動の物語はどこか空虚だ。物語よりは描写に主眼がおかれている気がした。主人公がその場その場で何を思ったか、それがどういう言葉で表されるか。すべてはただ過ぎ去るのみで、そこに意味を見出すのは人なのだろう
★1 - コメント(0) - 2013年11月26日

★★★★★
- コメント(0) - 2013年11月15日

ところどころぎこちなく、読みにくい感があるけれど、それでもこの先がどうなるのかということが気になって読み続けてしまい、気がつくとどこまでも落ちつかない読後感のなか、首をひねってもう一度読み直したくなる物語。柳下毅一郎氏の解説がパラニュークという作家を知るためのものとして短いけれど、とても良かったです。
★4 - コメント(0) - 2013年11月13日

何度目?かの再読。パラニュークの小説の登場人物の傾向として、孤独であり、生きるために生きるために死にたいと願い、その死だけは人生の中で意味のあるものでなければならないと思い、なおかつその死を知らしめなければならない、と考えている人。があるのではと。その中でも、この主人公は自分自身で感じている「無力さ」が際立っていて、それがストーリーを加速しているように思う。映像的な文章を書く作家なので、時々、え?と思うくらいクリアなビジョンが浮かんで、それも楽しみました。未翻訳の作品もリリースしてほしい。
★3 - コメント(0) - 2013年10月29日

中盤まではたるいが、それ以降の展開はスリリングで面白かった。
- コメント(0) - 2013年8月9日

ナチュラルに頭のおかしい語り手のヤク中そのもののビート・ディテールからなる高密度のエピソード・アイディアの奔流は文体と同じく細かく区切られた章立てでマシンガンのような威力を持つ。でも終盤に差し掛かると「決して」くつがえせない悲しみから目を背けるために無意味な踊りを続ける道化の姿に胸をつかまれる。「聞いてくれ。見てくれ。僕を忘れないでくれ。」読者だけがその声を聞き届ける。デヴィッドフィンチャーはパラニュークの全作品を一刻も早く映画化せよ。他の映画撮らなくていいから。中古本高すぎて買えねえんだよクソ!
★6 - コメント(0) - 2013年7月18日

映画原作「ファイト・クラブ」の著者が書いた第二作目。映画化権は売れたが現実の911事件の類似性により映画はお蔵入りのとのこと。カルト教団の謎の集団自殺の生き残りである主人公が、燃料切れ寸前の旅客機の最後の一人で、ボイスレコーダーにこれまでの顛末を語っていくという形式の小説。独特の小説世界を持っている。淡々とした語り口と厭世的な思想がなんとも不気味だ。展開の仕方が映画の脚本のようなアイデアにあふれている。象徴的なものが多数出てきていかにもの雰囲気を出している。
★17 - コメント(0) - 2013年7月3日

これ以外の道などありえただろうか?まるでジョークを組み上げて作ったようなレールの上を、破滅に向かって疾走する。与えられたのは、安直で抽象的な救いの言葉。それは的中率100%の予言(ジョークだ!)。「あなたはきっとこの窮地を切り抜ける」――自ら選び取ったつもりが、結局は他者に依存しているだけだったという彼の人生が、語られなかった終幕を示唆しているような。つまり、ご託宣に委ねることが一番楽な依存であり、それを真っ向反故にしてこそ、真に自分の道を歩んだ(救済された)と言えるのではないかと。なんにせよ悲しいね。
★2 - コメント(0) - 2013年2月21日

主人公の内面を表した文章は淡々としているが、語られるストーリーは実にドラマチック。むしろファンタジー。ラストは読者にゆだねられているが、自分としては「めでたしめでたし」で想像。面白かったです。
- コメント(0) - 2013年2月16日

語りが圧倒的
- コメント(0) - 2013年2月14日

文章をそして主人公を埋め尽くす発展性のないトリビアと、予め彼から奪われている発展性。「その場限り」の繰り返しで出来てしまっているのは、何も特殊な環境で生まれ育ってきた主人公だけではない。相変わらず軽快な調子で、油っこい皮肉もなく、淡々と語られる独白体が(翻訳含め)、酩酊感を醸し出しており、心地良い。湿っぽい切実さは抜きにして、ただただ刹那的な言動の集合に過ぎない人々の姿を貼り付けることにより、生の実感と孤独を浮き彫りにする手法に惚れ惚れ。で、これと前作以外は中古で五千円するのか。いい加減にしろ。
★4 - コメント(0) - 2012年11月24日

再読。「こんな○○は嫌だ」←任意の言葉をお入れください。
- コメント(0) - 2012年10月25日

フグには毒があるのに喜んでそれを食べようとする。この小説もそうだ。腐臭、悪臭、獣臭に溢れ読めば不快になること間違いなし。ただ、それこそがパラニュークの計画であり、この本を楽しめるか否かは各人の狭量にかかっている。毒も含め、おいしく頂きました。
- コメント(0) - 2012年10月20日

おかげで染みにならずに済んだ。
- コメント(0) - 2012年9月22日

036
ファイトクラブといいこの人はロマンチストだなぁ。
★1 - コメント(0) - 2012年8月17日

物語はひたすら強い力で進んでいく。アメリカ的な物。宗教・セックス・大量消費といったモチーフが繰り返し出てくるが、その是非はは一切重視されず、飽くまでも主人公の人生を加速させるものでしかない。その進んだ先には何の意味性も残らないとこが、衝撃でもあり感動でもあり虚しさでもある。よみだしたら止まらンってことは主人公とかなり一体化してたよな。
★4 - コメント(0) - 2012年4月26日

これは叙情ではなく叙事だろう。文学と科学が分かれた時代の神話。物語を一つのレイヤーとして覆う一行知識/ため息/祈り/消費される神/浪費される命/無価値と言う価値/有意/無為/偶像/虚像/虚構/架空/消費社会/消費時代/大量消費 そんな感じ
- コメント(0) - 2012年4月11日

この世に存在するものすべてを「消費」という行為でしか理解できないアメリカ人を鋭く皮肉りながら、同時に主人公が成長しようとして、結局できないどうしようもない人間の弱さも描いている。この時代においては『生の実感』を得ることすらも、こんなに難しいのかと呆然とする。
- コメント(0) - 2012年1月11日

- コメント(0) - 2011年7月19日

「想像力には限りがあって、おれ達は赤の他人の死を、エンターテイメントに出来る。そう教えてくれたのは、てめえらじゃねえか。そうやるのがクールだって言ってたのは、てめえらじゃねえか。それで今さら『一つになろう』だって? いいか、おい、一回しか言わねえからよく聞けよ。気持ち悪いから、近付くんじゃねえ。お前らだけで一つになってろ。いいか、おい、おれを、おれを勘定に入れるな!」
★1 - コメント(0) - 2011年4月4日

サバイバーの 評価:68 感想・レビュー:48
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