ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源はこんな本です

ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源の感想・レビュー(112)

アステカ文明における生贄のレシピと、バーベキューの語源がカリブ族の食人習慣に由来する(人肉を焼く若木の網をbalbicotと言った!)ことなど、実に興味深い。
★7 - コメント(0) - 3月18日

邦題が異様であるが、コロンビア大学教授の人類学論である。 シャーニズム的カニバリズムの項目は少ない。 人類と文化の発展に関連した「なぜこの文化にたどり着いたのか?」という考察。 「男性優位思想」の歴史や「ヒンドゥー教はなぜ牛を食べないのか?」などは面白くも、若干強引かなと思われる。 疲れた脳みそには少々入りにくい内容では有ったが、知的好奇心は底抜けに刺激してくれる。
★9 - コメント(0) - 2月6日

ホモサピエンス全史を読む前に手持ちの類似書を消化。本書の肝は女児殺し。自分は単純に前近代は高い乳幼児死亡率のため人口が増えなかったのかと思っていたが、意図的な女児殺しによって、食糧生産量と人口のバランスを取っていたとのことであった。また、新大陸に特有の食人の風習も同じように人口コントロールから説明できるという。インドにおける牛の神聖化とイスラム諸国における豚のタブーに関する説明は、やや腑に落ちなかったが、食糧生産におけるコスト・ベネフィットによる解釈は非常に新鮮で重要な切り口であると思った。
★23 - コメント(0) - 2月5日

人類の習俗、宗教、国家形態、経済体制は、何ゆえそのような発展を遂げたのか。それは、そうする(そうなる)方がベネフィットがコストを上回るから。人口の増加、生活水準の低下などにより既製の生産様式が行き詰まると、新たな生産様式が生み出され、生産が強化される。結果、資源の枯渇や新たな危機がもたらされ、生活水準は更に低下することも。狩猟採集民族のえい児殺しから、農耕や戦争、専制君主の起源まで、下部構造から決定論的に説明される。単純化のきらいがあるものの、象徴や文化モデルのみによってなされる説明に飽きた身には刺激的。
★7 - コメント(0) - 2016年12月30日

ハズレ。まだソ連が現役だった時代の文化唯物論・環境決定論的な内容。イスラムで豚を禁じるのは感染症対策、食人は足らない栄養素を補うため……文化とは環境成因の合理的理由によるものというよくある話。しかし豚の例なら環境が原因ならイスラム以前も食べないはずだが実際には食べられていた(豚の家畜化は中東発祥)。戦争もマルサスの罠による自然圧力とするけどイヌイットの産児制限は自分で触れときながら無視。嬰児殺しは女子が多いとするが統計はどこ?読んでて反証もいっぱい思いつくが著者は取り合わず結論ありきで話が進む感じが嫌い。
★8 - コメント(0) - 2016年9月26日

生態学的な視点から文化を見ていくということで、面白い見方だと思うし、ある程度の真理を衝いているように思える。その土地固有の事情に拠る経済性、損得に応じて社会特有のルールが生まれてくるというのは十分にあり得ることだろう。ただ、それだけで全ては決まらないというところがあるのも事実。だからこそ人類学は魅力的なのだろうが。
★1 - コメント(0) - 2016年2月11日

アンデスの聖餐的な本を読みたい気分でタイトルだけ見て購入したが、そういう内容ではなかった。サブタイトルの方が内容を表している。人類の食料生産技術の向上は、人口増加をもたらすが、それは食料資源の枯渇を招き、人口減少の圧力となる。技術の向上によって食料資源の枯渇を削減できるようになったとしても、それによって増加した人口はやはり食料資源の枯渇を招く。という生態人類学の学問のお話。 肝心の食人のお話は、ユカタン半島という限られたエリアで食料資源の枯渇が起き、それを改善することのできる技術向上が実現されなかった時に
- コメント(0) - 2015年11月23日

とりあえずタイトルで買って持ってたんだけど、どっちかというと「CANNIBALS」より「KINGS」が主だと思った方が近かった気はした。色々ややこしいので把握し切れた気はしないけれど、もちろん、現実世界ではタブーや宗教が先にあるわけではなく、何らかの必要性があって生じるものなんだよな、というのを思い出した。
- コメント(0) - 2015年10月7日

豊かさが社会を形成するわけではなくむしろ貧しさや生活上の不具合などがあってそれを解消するためのシステムとして社会構造が作られるという話が面白かった。あと大河の沿岸部に興る国は水資源を活用するために洪水対策や治水を目的として中央集権的な政府が作られるとか、ヨーロッパのように水資源に恵まれていなかった環境では荘園が生まれ地方の領主や諸侯の統治に収まり王権がそれほど力を有することはなかったとか、さらにそこから産業の転換なども起こり科学技術の発展や資本主義に向かったとか。人はどこから来てどこへ向かうのか。
★1 - コメント(3) - 2015年6月6日

コスト=ベネフィットの視点から見る文化人類史。宗教観念では理解しづらい食人のようなことも理詰めで説明されると納得できる。狩猟から農耕への転換が必要に迫られた結果であり、旧石器時代を頂点として健康状態の低下したというのは意外だった。
- コメント(0) - 2015年5月26日

食人を含めて文化形成の流れを辿る内容。文化の形成が行われる上で発生する殺人や農耕、戦争、食人などをコストとベネフィットに注目して考察している。その観点より、特に迫られる再生産や生産強化、資源の枯渇が大きな影響を及ぼしていることがわかる。食人の限らず幅広い視点から人類を考察している本。
- コメント(0) - 2015年4月4日

主題は、限りなくクロに近いグレーだなぁ。原題は勿論食人だけど、人身御供に類する宗教儀式の意味もあるようだ。著者は後者に重きを置いているんだろうな。中身は、副題が正鵠を得ている。読んで感じるのは、生態人類学者の著者が持つ持論、人口維持の限界が訪れると文化的変容が興る、変容の余地が無い文化は滅亡する、だ。個の利害追求が人類という種や文化を滅亡に追いやる。人類は個と種の利害を一致出来ない馬鹿なのか。それが人類の業であり動物との違いなのか。なぜは宗教、なにがは哲学、どうやっては科学。どれも人類の業に応えきれない。
★9 - コメント(0) - 2015年3月27日

再読。だいーぶ前に読んだんだけど本棚整理中に見つけたので久々に読んでみた。タイトルから、「おー、カニバリズムについて学べる」つって買ったらぜんぜん違って、タイトル通り「生態人類学から見た文化の起源」についての本でした。著者のマーヴィン・ハリスは文化決定論者で、その基本的立場は「再生産の圧力、生産の強化、環境資源の涸渇が、家族組織、財産関係、政治経済、食事の嗜好や食物禁忌を含む宗教的信仰などの進化を理解する鍵となる」という“下部構造決定論の原理”にあるらしい。つづく
★39 - コメント(1) - 2015年2月27日

コスト=ベネフィットで人類学をみてみる。人口調整としての戦争はありえる?食人を伴う儀式のコスト=ベネフィットは?豚肉食や牛肉食の忌避と、コスト=ベネフィットの関係とか。原書が1977年なんでわりかし古いかもしれない。
★6 - コメント(0) - 2014年9月20日

ベネフィットとコスト(経済性)という観点から、人口の増大により使える環境資源が少なくなって生活水準が悪化して、かつて効率的だった方法が効率的でなくなったことなどで起こる、社会制度や食習慣の変化といった社会生活の変化を見る。メソアメリカでかつて日常的に大規模な人身供犠がなされ、その肉が再配分され食用とされていたのは、人間が食べられない草などを食べる家畜がいなかったため。そのためリャマという反芻動物のいたインカでは、生贄となり肉が再配分されるのは人間ではなくリャマだった。
★14 - コメント(0) - 2014年8月27日

食人の話がメインではない。文化人類学の本。 人口を増やすには資源が必要だけど、資源は限られている。 バランスをとるために、人口を減らすのか、資源を生み出すのか、資源の消費量を減らすのか。 この目標のための手段として、農耕、風習、宗教など、文化が形成されるという感じの内容でした。 思っていた内容と違ったけど、かなり面白かった。
- コメント(0) - 2014年8月25日

このタイトルでキュンと来ちゃって飛びつくとかなりガッカリしてしまう太古から現代における人類学の真面目本、佐川くんテイストは皆無。いや、面白かったですけどね、「人は自分の行動にふさわしい規則を選んだり作ったりする」と申しますか、人はその生の環境において死生観も宗教もコモンセンスさえ都合よく変化させることができる猿である、って事かしらね
★1 - コメント(0) - 2014年8月6日

(☆5)女性が妊娠に必要なエネルギーは二万七千キロカロリー、およそ脂肪で3kg。それが体内に無いと月経が止まる。穀物を主食としない場合、子供に母乳のみを与えることによって月経を止めることが可能である。農耕民と比べると劣った印象のある狩猟採集民であるが、生活における余暇を比べると後者のほうが多い事が分かっている。週に数時間の狩猟採集で家族の食料を賄うことが出来るのだから当然である。狩猟採集民は無知故ではなく、単に必要の無さ故に農耕も牧畜も行わないのである。そして人がなぜ人を食べることになったのかという本。
- コメント(0) - 2014年7月8日

とても面白い視点でヒトを扱っている。マルサスの人口論の新しい再考だが、唯物的な史観はとても意味深い。ある意味、目的性の持った行為よりも決定論的な行為の意味の重さを最近考えていたので、面白かった
- コメント(0) - 2014年6月4日

人は食べなければ生きてはいけない。ところが、得られる食料には時代や地域により自ずと限度がある。人口増加は必然的に食料難を引き起こします。足りなければ戦争して奪うか、農耕や牧畜により生産するか、最悪共食いすれば良い。そんな経緯からアステカの食人習俗は始まったのでした。カニバリズムの動機付けは食欲ともう一つ、嗜虐性の面から考える必要があります。中でもフロイト精神学との関連性が興味深い。相手を食べることは愛情と憎悪の中間形態だという言説には、骨噛みという日本の習慣を思い出します。
- コメント(1) - 2014年5月18日

文庫でなく単行本。古本屋で見つけたが面白かった。アステカの食人、殺人宗教の理由、宗教の教義の成り立ちへの示唆に富んだ指摘があり、まだまだ考えたい問題がある。
- コメント(0) - 2014年5月4日

卵が先かニワトリが先か? の話。どちらが先か考え方を変えると、まったく別の結論にたどりつく。ものの見方が少し変えられた。
- コメント(0) - 2014年4月21日

内容が重くて、読了に結構時間がかかってしまった。「銃・病原菌・鉄」で新世界が旧世界に征服された原因の一つに、新世界に馬が居なかった事があげられていたが、何故馬が居なかったと言えば、それは馬に始まる家畜化出来そうな全ての種を人間が食い尽くして絶滅させたからである。結果的に、蛋白の補給に、家畜に替わって人間が使われる事になる。食料の生産と人口の再生産の対比は興味深く読めた。
- コメント(0) - 2014年4月4日

ではヒトはなぜ肉が食べたいのか? 不足する動物性蛋白質...では、蛋白質という言葉もなかった昔から肉を食べたかった理由にならない。私は肉は嫌いで、生まれてから50年ほとんど肉を食べたことがないが、身長180cmで病気もしないから、身体が不足する栄養素を欲しがるというのもウソだ。単純に、肉を食べたら美味かったので「もっと肉食べてぇ」と思っただけのことだろう。
- コメント(0) - 2014年1月11日

マヤ文明では、日常的に生贄が神に捧られ、その死体を食べていたという。その理由が、南アメリカには、家畜となる大型の哺乳動物がおらず、蛋白源として人肉食がごちそうだったとのこと。あと先進国では、子供を育てるコストが、高くなりすぎて、ベネフィットに見合わなくなっているので少子化が進む。老後の社会保障が進むと、老年期を子供に頼る必要もなくなるのでますます子供をつくらなくなる。ということは年金や医療保険が破たんすれば子供は増えるのかな。
★1 - コメント(0) - 2014年1月3日

ロマンを求めて読んだのにそんなに現実的な解釈ばっかされても困る
★1 - コメント(0) - 2013年12月3日

タイトルからするに、カニバリズムについての本かと思いきや、人類の文明の創成期から現代までの文明の変貌が、食料の生産性と人類自身の再生産性に強く影響される事を記した一冊。 男尊女卑や戦争、宗教におけるタブーとなる家畜の由来、社会の階級など様々な事象が結局のところ、その地域で養える食料の生産性と人口の比率に由来する事がわかる。 はたして我々はこれからどんな道を選んで行くのかを考えさせられる読後感。
- コメント(0) - 2013年9月11日

他の人の感想にもあるように、食人文化、いわゆるカニバリズムそのものよりも、副題の【生態人類学から見た文化の起源】が主題。カニバリズムについては、実際には1章が割かれている程度である。古代アテスカで人が人によって食べられた理由から、ユダヤ等で豚が忌避されインドで牛が神聖となった理由まで、文化という側面を取り払い、もっと合理的な視点での分析を行っていく。一貫して、人間という生物が選ぶ合理性が、いかに文化という形を作るのかを考えていくので、歴史や文化、文明の違いについて従来とは違う側面から見る助けとなるだろう。
★8 - コメント(0) - 2013年3月17日

人類学の本として読むには面白い。 しかし、一番興味がそそられた食人に関する記載はタイトルの割には少なすぎる。 カニバリズムについての記述を期待していたのでちょっと肩透かしを食らってしまった。 コストベネフィットという考え方は面白いし、牛・豚の話も勉強になったのだが、 どうしても肩すかし感が。 残念。
★1 - コメント(0) - 2013年1月30日

まあまあ良い。
- コメント(0) - 2012年8月22日

狩猟から農耕、文明の興りあたりをほぼすべて「損得」で明確に説明してしまうエキサイティングなノンフィクション。文化や思想までシンプルな原理に還元していく過程がとても面白い。
★1 - コメント(0) - 2012年7月8日

食のタブーである食人を生態人類学的観点から論じた本。カニバリズムと言うと猟奇的な異常行動と捉えられがちだが、儀式的な側面が強いことはあまり知られていないのかもしれない。30年以上前に書かれた本なので更新が必要な部分もあるし、最近では否定されつつある説も書かれているが、読み継がれるに足る名著かもしれない。こんな売れそうにない本を文庫で出すとはさすがハヤカワ!!最近読んだ本でマーヴィン・ハリスに関する批判が書かれていたけど『The 10.000year Explosion』だったかな?
★2 - コメント(0) - 2012年6月24日

カニバルについての記述は、案外すくない。
- コメント(0) - 2011年6月22日

タイトル詐欺だ…と思う。「食人全書」と同じような内容だと思ってたので。読もうかな?という方は副題のみ見て判断したほうが良いかと。但し、食人について少し触れてあり、結構グロいので苦手な方は止めたほうが良いかと。
- コメント(0) - 2011年2月10日

s2s
2009年7月の2刷目ですけど、カバーイラストが違うなぁ。でもISBNは同じ。ページ数は380P。
- コメント(0) - 2010年9月23日

食人ファンの皆様、お待たせいたしました!!的な内容だと思うじゃないですか、このタイトルだと。でも食人の話はわりと少ないから、まあ釣りタイトルに近いです。原著が77年出版ということで、今見たらもう全部当たり前になってることが多い。アステカで大規模な食人が行われたのは貴重なタンパク質の供給源だったからとか、世界的にブタ食が宗教的に禁忌になったのはブタの飼育が高コストで割に合わないからとか、今言われても「まあそうだろうね」ってしか思わない。むしろ、現在、ここまで食人がタブーになったのは(コメント欄に続く
★2 - コメント(1) - 2010年9月12日

人類の歴史は食糧(良質な蛋白質)の徴集と再分配の試行錯誤から現在に至っているという内容。個々に取り上げている事象(食人、戦争、宗教上禁忌の肉食)が、よく説明されている。全て受け入れるかどうかは別だけど・・。(^^)
- コメント(0) - 2010年1月26日

ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源の 評価:88 感想・レビュー:45
ログイン新規登録(無料)