11の物語 (ミステリアス・プレス文庫)

11の物語はこんな本です

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11の物語の感想・レビュー(35)

映画「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」で知ったハイスミス。四半世紀前に初めて読んだ著者作品がこれ。あの時の衝撃そのまま。自分の言動に付加した意味に酔いしれ、聖性すら感じ、著しく客観性を欠いたまま感情が暴走、迷わず人生を踏み外していく人々。それぞれの心理を綿密に辿る筆致の、何という苛立たしさ、読み心地悪さ、そして面白さだろう。粒揃いの短編集だけど、やはり「かたつむり観察者」「クレイヴァリング教授の新発見」にとどめを刺す。おぞましさや不快感も読者にカタルシスを与え得る。著者の掌の上で弄ばれる快感と言ったら!
★50 - コメント(0) - 2016年12月19日

サキの毒なんてただ苦いだけ…と思えるほどの本物の毒。人の底知れぬ悪意。自分よがり。悪気はないのよと装っていても、基底にあるのは自分本位。自分を見てほしい、自分のしたいようにちょっと楽しみたいだけ。それが過ぎると、どういう事になるのかしら。その考えは長編でも表れているけど、彼女の本領が発揮されるのは短編なのだと痛感。一度通読してから、二度目は過程を楽しみながら少しずつ味わう。毒だから、一気に飲みほすとやられてしまうので注意しなくちゃ。カタツムリの話だけは、生理的に読むのがきつく、二回目は飛ばして読んだ。
★48 - コメント(5) - 2016年10月4日

再毒。個人的にレンデルと一緒に区分けしてきたもののどこか違うんだな。共通なのはどちらも純文学志向だが生活のためにサスペンス的な所か。這いずりモノはニガテだが、数年前偶然目撃したまさに〈蜘蛛の子を散らす〉現象体験から、命の営みに魅了される気持ちが理解はできる「かたつむり観察者」。何度も既毒「すっぽん」のこの訳にはなんかお仏蘭西かぶれの母親のいやらしさがよく出ているかも。取り憑かれる極端な例「ヒロイン」。「からっぽの巣箱」はわざと流産した妻が何気に罰せられしかも罰せられ続ける話と理解。毒毒度:5
★10 - コメント(0) - 2015年11月6日

今で言うところの”イヤミス”か。何気ない日常の中で淡々と描かれる、何かが微妙におかしい静かな狂気。やがてその小さな綻びがきっかけで決定的な大事件が起きる、あるいは起きる予感を匂わせる。そこで唐突に話が終わる。何とも不気味だ。スティーブン・キングとカフカ、それにヘミングウェイを足して三で割った感じ。かたつむりが出てくる二つの話は、荒木飛呂彦氏に影響を与えているかも。この人のリプリー・シリーズが好きで「贋作」以外は全て読んだ。「贋作」も映画では見た。緊迫感を演出する文体と何となく漂う反体制的な香りがいい。
★3 - コメント(0) - 2013年12月13日

☆☆☆★
- コメント(0) - 2013年9月30日

ハイスミス1冊目。「からっぽの巣箱」が1番良かった。結局「ユーマ」が何か分からないし、死骸の頭部も出てこないし、納得できないけれど、猫が帰ってきて、また同じことが繰り返される未来を暗示させる。「ヒロイン」はH・ジェイムズ『ねじの回転』の一面かもしれないと思ったり。「恋盗人」も好きだった。
★4 - コメント(4) - 2013年5月6日

一番最初からかたつむりの気持ち悪さを最大限あらわした奴がきて、気が滅入った。しかもむこうの人たちはあれを食うんだからな……。「ヒロイン」の過度な愛情と承認欲求からくる気持ち悪さは極上。「恋盗人」は気持ち悪さから始まるが、そこからの転換が美しい。
★2 - コメント(0) - 2013年2月27日

ホラーに近いサスペンス溢れる短篇集(1970年)。読んでいて妄執かフォビアか分からなくなって行くような、それでも読まずにはいられない気持ちにさせるカタツムリ作品が怖い。作者の冷徹な書きぶりにユーモアまで感じてしまった。それ以外では「すっぽん」「モビールに艦隊が入港したとき」「ヒロイン」が面白かった。徐々に主人公の行動が変質していき、引き起こしていく事態は、人間の普段の心理の奥に秘められた暗い情念がその出口を求めた結果なのだろう。その辺りの描写力は優れていると思うが、殺伐とした気分になって後味は良くない。
★2 - コメント(0) - 2013年2月2日

「もうひとつの橋」が特に良かった。雰囲気が少し片岡義男と似ているような気がする。
- コメント(0) - 2012年11月14日

再読。初読は多分中学生の頃だが、当時は気に留めなかった「恋盗人」「もうひとつの橋」が心に残る。それぞれ、不安や痛みを抱えた主人公が、ささやかな奇行に走り…という流れの物語だが、あの結末(特に前者)は、「諦め」と取れるかも知れない。だがそうだとしても、それは過去を整理し前進しようとする「強さ」でもあろう。歪んだ精神やそれによる犯罪を描くイメージが強いハイスミスが、斯様な作品も書いていたことに気づき、些か驚いた。その他お気に入りは「すっぽん」「モビールに…」「ヒロイン」「野蛮人たち」(これこそ「諦め」だろう)
★3 - コメント(0) - 2011年10月28日

パッツィマジ容赦ないしカタツムリ超怖い
★1 - コメント(0) - 2011年10月7日

超シニカル・超ブラックな短篇集。あまりに突き放した容赦のないブラックさで作品以上に著者に興味が。何となく聞いたことのある名と思ったら、ヒッチコックの見知らぬ乗客やアラン・ドロンの太陽はいっぱいの原作者(もしやと思っていたらやはり女流だった)。で、ヒット作家になったかというとアメリカ本国ではほとんど評価されず、ヨーロッパに移住。実際にカタツムリ観察が趣味だったとwikiにあるが、本当だったら作品以上に怖~い。ズンズン興味深く読み進んでいった自分も怖~い。
★2 - コメント(0) - 2010年12月14日

カタツムリ、と云えばハイスミス。「ヒロイン」を読みたくて手を出したが、例によって「かたつむり観察者」「クレイヴァリング教授の優雅な生活」が目を惹きました。
★1 - コメント(0) - --/--

既読、多分15年前。此の本で初めてハイスミスに出会った。カタツムリ二編は余りにも圧倒的。デビュー作「ヒロイン」の穏やかな狂気も忘れがたい。 あと、殺したと思った夫が生きていたことを、さあ、新しい人生だという矢先に知る羽目になるやつも切ない。
★1 - コメント(0) - --/--

1992年3月15日に読了
- コメント(0) - --/--

かたつむりが嫌いになる本。
★1 - コメント(0) - --/--

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