熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)の感想・レビュー(217)

兄弟で銀行を襲う。緊張感がみなぎりハラハラする読書だった。しかも後書きで語られるすごい真実。こういう人生もあろうとは!でもしかーし、いかんせん長過ぎると思う。ここまでひっぱらなくても充分過ぎるくらい重い驚くべき話なのだ。もう少しコンパクトにした方がいいかもしれないと思った。
★8 - コメント(0) - 1月18日

まさか著者が兄弟の一人とは。実話をもとにした「フィクション」だと思ったら、細部にかなり実話が含まれているという。兄弟の個性と血の繋がりの描き方がリアルで、読み手も次第に暴力に侵食されていってしまう。ピカレスクもののようにラストでスッキリすることはない、と最初からわかっていながら、いつ破綻がくるのかとハラハラし通しだった。
★6 - コメント(0) - 1月17日

3人の兄弟と友人のチーム「軍人ギャング」。緻密で鮮やかに痕跡を残さず繰り返す銀行強盗。実際にあった事件とその兄弟の一人が作者の一人である事。犯罪小説であると同時に家族の物語として成功している訳に頷く。兄弟と事件を追う刑事ヨンに共通する暴力の中で育った過去を絡めて対比させる描写が巧い。完璧だったチームの均衡が崩れる様と比例し冷静だったレオの感覚に影が差す。抗いたくても無視できない暴力と酒の匂いの父。ダンスのステップの足跡は雪が消してくれても、間違った染み着いた流儀と血の濃さは消せやしない。圧巻!
★45 - コメント(1) - 1月17日

家族は強い。だからこそ、その暴力は熾烈なものになる。内側に向かうからこそ、その暴力は取り返しのつかないものになる。
★6 - コメント(0) - 1月16日

実話をもとにしているとはいえ、何故長男がこれほどまでに犯罪に固執するのかが最後までわからなかった。暴力装置のような父親を見返すため?見返しにもならない。狂ったスイッチがオンになっているからこそ、犯罪に生き甲斐を見出すのだろうけど。わてにはわからん。
- コメント(0) - 1月15日

濃厚な親子の血の絆を感じる物語だった.. 全編が 父イヴァンと息子レオの物語だった。 下巻に入っても、レオを中心とした兄弟の 犯罪は続くのだが、兄弟の原点とも言うべき 父イヴァンの際立った存在感が抜群であり、 暴力で繋がる絆とは異なる「血の絆」を 著者は丹念に描く ..この物語、実在の銀行強盗を題材に してはいるが、 スウェーデンの家族の血の物語であり、 父イヴァンと息子レオの会話がひどく 心に残る 物語だった。
★218 - コメント(0) - 1月15日

昨年末、上巻を読み、今日下巻を読了。巻末の解説には「実話」「書き手は犯人の身内」とあり、仰天した。 北欧は福祉国家で平和だというイメージを長くもっていたが、この数年、北欧のミステリーを読むことでそれがいかに間違った認識だったかを思い知らされる。
★7 - コメント(0) - 1月14日

4分の3を過ぎたあたりから、ぐんとミステリ色が増して、ハラハラドキドキも加速。犯人たちの絆・家族愛はわかりやすくはあったし、父親の最後の行動もなるほど、これも愛だと・・・。しかし警部と兄の関係のうちにこそミステリ(謎)が潜んでいることに気づくと、この小説の奥深さがいっそう増して、読んでよかったと、実感するのでありました。
★6 - コメント(0) - 1月13日

rie
場面が断片的に変わるので、記憶を繋ぎ合わせている感じの物語だった。後書きのレオの感想に涙が出た。犯罪の後に残るのは…。
★4 - コメント(0) - 1月13日

やはり様々な暴力シーンが出てくる。最近の翻訳小説は暴力が底辺を流れている。やられたからやり返す、他人を巻き込む。わからないでもないが何か別の書き方がないのかなと思ってしまう。3兄弟の仲がだんだんおかしくなりあっこれはきっと終局だと思ってしまう。でも面白いミステリーでした。
★6 - コメント(0) - 1月13日

銀行を立て続けに3つ襲撃する計画を実行中に、ヤスペルの軽率な行為から駅で爆弾が爆発してしまう。そのことをきっかけとして、3兄弟とうちのフェリックスとヴィンセントは手を引き、ヤスペルはレオに追い出されてしまう。レオは所持している武器を警察に売りつけようとするが、ブロンクス警部が犯人逮捕に利用しようとする。最後に、父親イヴァンと愛人アンネリー、そしてヤスペルも加えて銀行襲撃を企てるが…。人間の心の闇に潜む暴力というものについて思いを致さざるを得ない。
★9 - コメント(0) - 1月12日

父親の暴力、それを疎んじていたはずの息子がふるう暴力、暴力に巻き込まれて人生を変えられた人、通奏低音としての「暴力」に圧倒される。犯人サイドと刑事サイドに分かれて話が進むが、犯人サイドで語られる生い立ちや兄弟の絆、固い絆は一面呪縛でもあることを示すエピソード、強盗前後の緊張感に比べると、捜査陣の話は印象が薄いかな。
★13 - コメント(0) - 1月12日

やっと終わった!
★4 - コメント(0) - 1月9日

レオのカリスマ性があれば、普通に兄弟で会社を興して仕事しても成功したのでは?どうして犯罪に走ったかは理解出来なかった。親の暴力があっても、みんなが犯罪者になる訳ではないのに。
★5 - コメント(0) - 1月8日

面白かった!兄弟(犯行グループ)の仲が少しずつ壊れていく様が破滅的な結末を予感させます。おかあちゃんが訪ねてきて、真っ当なる生活を装う様は少し泣けました。著者の一人は作中の犯人グループの兄弟だそうです。
★7 - コメント(0) - 1月8日

現在と過去を交互に語る構成は下巻になってから効いてくる。後半、弟が兄の本質を言い放つシーンは、ぐさりときた。と同時に、実は巧みに構成されたストーリーなのだと気付かされる。ランキング結果の先入観なしに読みたい作品でした。
★11 - コメント(0) - 1月7日

上巻を読んでいるうちは、その犯罪行動や暴力の風景が際立って見え、登場人物の姿がぼんやりと架空の人々に思えた。下巻に入ると、逆に詳細な描写がなくとも、兄弟3人、彼女、父親、友人の姿がくっきりと目に浮かぶようだった。また、父親の存在はどれほど足掻いても兄弟たちには大きく影響している。扉を開けたのは誰か?長男は父親の放火をチクったのか?扉については逃れようのない兄弟たちが共有する罪悪感、放火をチクったと言い続けた父は、その言葉で延々と長男を縛り付ける。「暴力」が作る悲しい家族の絆を感じた。
★9 - コメント(0) - 1月6日

実際にあった事件をモデルにしたというのはカバーのあらすじで知ったのですが、まさか著者の一人が犯人の実の兄弟だったとは。しかも事件の概要だけでなく、かなり細かい描写まで事実を元にしているんですね。銀行強盗のシーンでハラハラし、家族という絆なのかしがらみなのかわからないものについて考え込み、登場人物それぞれに共感したりイライラしたり。そして哀しくなったり。事件をこんなふうに消化するなんて、小説の力って凄いなと思った作品でした。北欧ミステリー、他のも読んでみたい。
★9 - コメント(0) - 1月2日

スリリングで、読者を飽きさせないストーリーに一気読みしてしまいました。しかし、暴力的な父親が支配する家庭で育ったがために、このような銀行襲撃まで行うはめになったのでは?という疑問は拭い難く、後味の悪い作品でもありました。事実に基づいたフィクションだそうですので、その点は否定できないのかもしれません。純粋にエンターテイメントで読むのであれば、お薦めできる作品だと思います。
★19 - コメント(0) - 1月2日

レオと弟たちの別れ、ヨン刑事の心理描写がとにかく緊迫してて引き込まれた。兄弟の進む方向性に綻びが見え始めたところからの疾走感は事件のLIVE映像を見ているよう。後書きにも驚かされ、年末年始の充実した読書だった。
★14 - コメント(0) - 1月2日

そっちはダークサイドだよ、行っちゃダメだよーー変わってゆく主人公レオに緊張しつつ読みました。かつてない銀行強盗を目指したファミリービジネス。そしてその終焉。事実をもとにした小説で、2人の作者のうちの1人は、実は…(巻末のあとがきをお読みください。名解説です)。それだけに、犯人達の内側に迫る良い本でした。また、追いかける方の刑事にも葛藤があり、心揺さぶられる本でした。
★49 - コメント(1) - 1月2日

底知れぬ孤独と暴力、厭わしいほどに我が身を拘束する、しかしほんのりと暖かく生々しい「何か」 手負いの獣達の生きざまが、圧倒的な熱量で胸に迫るこの一冊を2016年度の一番に致しました。有難う北欧、一年の締め括りにスゲェの恵んでくれましたわ。
★9 - コメント(0) - 2016年12月31日

○変化の時代は混乱の時代となるー誰かが新しい考え方を持込む時の、一つのシステムが崩壊して新たなシステムに場を譲る時の世の理だ。○暴力をふるうだけではない。暴力と遊び心のミックス。プロンクスがどう対処していいかわからないのはそこだ。映像の男は大人の世界で、子供にしか思いつかないような解決策をためしている。それがこいつの成功の秘訣だ。○夜だ。少なくとも、そうだと思う。いつ目を覚ましても時は遠く感じられる。○ほんの三十分前には、アスファルトの道路は乾いて、灰色の景色が広がっていたのに、今は雪に残った足跡が見える
★5 - コメント(0) - 2016年12月31日

実際にスウェーデンで起きた銀行強盗を題材とした犯罪小説だが、家族小説と言ってもいいくらい父と子の物語が犯罪に大きく影を落としている。 物語の進み方があまりスムーズじゃないなと思っていたら、実際の事件を本当に忠実にトレースしているんですね。その秘密は解説を読んでわかりました。特に下巻は物語がどんどん進んでいくのであっという間に読めてしまう。確かに面白いが傑作とまではいかないな。
★2 - コメント(0) - 2016年12月30日

すごく重厚で、人間味にあふれ、家族、絆…ん〜面白かったと言うのもはばかられるほど、良かった。下巻に入りスリリングな展開も落ち着きを見せ、中だるみか?と思っていたら、いつのまにかレオになっていた私の感情がパニックに…。
★18 - コメント(0) - 2016年12月30日

圧倒的な展開は素晴らしいですね〜年末に読むのに相応しい作品でした。
★37 - コメント(0) - 2016年12月29日

なかなかの厚さの上下巻だが、面白過ぎて一気読み! 今年のベストに入る。 本を閉じてから一日胸がいっぱいだった…。 あの充足感はなかなかない。 巧妙な銀行強盗を実行する若き三兄弟と、それを追う警察の両方を描いた作品で、疾走感のある物語とリアルな心理描写がたまらない。 実際の事件がベースになっていて、事実とフィクションの混ぜ合わせ方も上手かった。 翻訳も読みやすい! どきどきするエンターテイメントでもあるが、それだけでは終わらず、暴力が加害者と被害者に遺すものと、救いになることもあれば呪縛になることも
★22 - コメント(1) - 2016年12月29日

三兄弟と幼馴染が結託した強盗団と、それを追う刑事の話。下巻▼三兄弟の父は氏族の結束を訴えながら、そのメンバーに暴力を振るう。その心の中では何を思っていたのだろうか。そして父に反発しながらも、父そっくりに育ってしまう長男。あらゆるものが歪み、軋み、破綻に向かっていく強盗団が物悲しくも美しく感じられる、ノンストップの犯罪小説だった▼あとお節介ながら。クリスマス休暇なのは分かるが、治安機関の一員なのだからカールストレムはもう少し職務に熱心になっていいのではなかろうか
★1 - コメント(0) - 2016年12月28日

★★★★☆上巻からあいだが開いてしまった。上巻よりスピード感があり引き込まれた。このまま完全犯罪が続くはずはないと思いながらも、些細なミスから綻ぶ計画に冷や汗がでるようなハラハラを味わった。
- コメント(0) - 2016年12月27日

圧倒的な暴力でしか家族を支配出来ない父親。それに反発していたはずの長男も、その軛から逃れられない。心理劇の要素が強まる下巻は、ゴットファーザーや血と骨、エヴァンゲリオンなど古今東西の作品が描いてきた父と息子の宿命がメーンテーマ。じりじりと破滅へと近づく過程のなかで、家族の「ねじれた愛と暴力の」歴史が紐解かれていく。気づけば、上下計1000ページ超を一気読みでした。そして、あとがきも衝撃です!(こちらは、本編を読了後にお読み下さい)。
★56 - コメント(0) - 2016年12月25日

正月休みにゆっくり読み進めていく予定だったが、下巻に入って止まらなくなってしまい早々と読了。実際に起こった銀行強盗が題材だが、親子の絆 兄弟の絆を描き、過去と現在を織り混ぜながらの展開が素晴らしい。あとがきにまたビックリ
★8 - コメント(0) - 2016年12月25日

前半ほどではないが、後半も読んでいて心が痛かった。でも、ページを繰る手が止まらなかった。フェリックスの姿にstefanが重なっているのかな。小さな描写がいちいち気持ちに刺さってました。うーん、私が真ん中っ子なせいもあるかもしれない。
★10 - コメント(0) - 2016年12月22日

少しずつ綻びが表れながらも決して折れなかった兄弟の絆と父の信念。「誰がドアを開けたのか」の答えに深い感動を覚えた。
★8 - コメント(0) - 2016年12月22日

あれほど嫌っていた父親にどんどん近づいて行くレオ。家族の結束にがんじがらめで結末を迎えます。終盤イヴァンが萎びて見えた時は、親が年老いて行くのを目の当たりにした悲しさがショックだった。
★10 - コメント(0) - 2016年12月18日

正に大胆不敵、前代未聞の強盗事件を次々に成功させる“軍人ギャング”一味とストックホルム市警のブロンクス警部の攻防戦、というよりもやはりこれは父と息子の、兄弟の、家族の物語だ。物語の後半、凶暴な父イヴァンの支配と決別した筈の長男レオがかつての父のように弟たちを支配しようとし始め、兄弟の間に亀裂が生まれる。父イヴァンが何故ここまで家族の結束に執着したかといえば、それは語られない彼の旧ユーゴでの生い立ちにあり、かつては彼も暴力の被害者だったのだろう。世代を越え受け継がれていく暴力の連鎖がやりきれない。
★30 - コメント(2) - 2016年12月16日

非常に満足の一冊。今年の一冊かも、ミステリ的にも。強盗犯ではあるけれど知能犯でもあるので、強盗のやり方とか練習方法の綿密な描写も面白かったし、現在が語られ過去がまた語られ、しかも追う側の警部もまた暴力という過去に苛まされている、という二重構造の話でもありました。レオが幼い三男を助けていた姿も忘れられません。だからレオを憎むことなんてできないんです。そして後半意外な展開に・・・。父と子、兄弟間、恋人、と家族と人間同士の絆の物語でもありました。あとがきを読んで驚きました、知らなかった・・・・この作者・・・
★24 - コメント(0) - 2016年12月15日

上巻では頼もしいリーダーだったレオが崩れていく。レオに感情移入しながら読んでいるのは私が長女だからかな?家族のつながり(関わり)の強さに驚く。私はそんなに連絡し合っていないな。刑務所での様子も日本とは(よく知らないけど)大違いみたい。受刑者がおもてなしをするの?!ヨン警部のことも好きでした。「訳者あとがき」を読んで、またまた物語に引き込まれていく。今年はデンマーク人作家の「特捜部Qシリーズ」など、素晴らしい北欧ミステリーに出会うことができてよい年でした。
★8 - コメント(0) - 2016年12月14日

下巻に入り父と息子たちの確執がさらに明らかに。ちょっと描写が長すぎる気もするが、物語り全体が重厚になった。「三秒間の死角」続編があるんだ!☆☆☆☆。
★9 - コメント(0) - 2016年12月14日

下巻に入ってヒリヒリした緊張感が薄くなり 冗長な進行に飽きがきた頃、結末近くで”絆”による展開の急変にゾクっとさせられ、この作品を堪能することが出来ました。犯行時、チームに掛かる極度な緊張状態の中、破綻寸前の精神力を支える術は氏族(家族、兄弟)の絆による結束力だが、綻びるきっかけも近しい間柄故と言う皮肉。こういう物語では読み手も破滅に向かっているのは薄々感じながら読み進むのですが、巧みな描写で読んでる自分までもが作品に引き込まれ、親子、兄弟、恋人の間に生まれる不器用な愛憎劇の行き着く悲劇に心が痛みました。
★47 - コメント(1) - 2016年12月14日

放たれたり踊ったり、熊も大変。傑作。
★7 - コメント(0) - 2016年12月14日

熊と踊れ(下)の 評価:100 感想・レビュー:111
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