テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)

テロルはこんな本です

テロルの感想・レビュー(97)

面白いのだけど、根本的に誰とも対話が成立していない。同化の成功例である主人公は、架け橋ではなく、両者の周縁部として迫害される。不理解から始まり不理解で終わる悲劇なので物足りない感じがした。
★9 - コメント(0) - 2016年10月9日

アラブ系でありながらイスラエルに帰化し、医師として成功を収めた主人公。しかし、妻が突然に自爆テロを行い、それまで築き上げた豊かな暮らしは破綻を迎えます。幸せだったはずの妻がなぜ凶行に走ったのか?故郷を喪失する絶望に引きずりこまれていく過程を巧みに描いていますが、その巧さのせいで作り物めいてしまい、読書中、作者の意図を絶えず意識させられてしまいました。アラブ系の小説家から見たパレスチナの現実を知るには役立つかもしれませんが、小説としては物足りなかったです。
★7 - コメント(0) - 2016年10月2日

名誉ある地位と豊かな暮らし。全ては満ち足りていたはずだった。それなのに、なぜ彼女は自爆テロの実行犯になったのか。イスラエルに暮らすアラブ系の医師が、妻の死の理由を探って彷徨する。ユダヤとアラブのあいだで繰り返される憎しみの応酬の蓄積が全体を覆い、さわやかな雰囲気が漂ったかと思えばそれはすぐに消し飛ばされてしまう。妻を理解しているはず、と信じた男の行き着く先はあまりに残酷で、苦しい読後感が残っている。
★3 - コメント(0) - 2016年9月5日

良かった。テロリズムというやり方が許されるものではないと思いつつも、作品中で語られる、インティファーダ側の考えも理解できるし、「ただの狂信者」と一言で片付けられるようなものではないのだと感じさせる(もちろん、心底共感するとかいう意味ではなくて)。もし仮に、アミーンがシヘムの考えていたことや企てに事前に気づいたとしても、そこでどうすることができたのかと思ったりするとよくわからない。。とにかく、文学作品のパワーを感じる一冊。
- コメント(0) - 2016年9月3日

壮絶なお話。自爆テロを海外ではカミカゼと言うのね。知らんかった。狂信者と無宗教の人間の会話が成り立たないのがよくわかる。パレスチナの荒廃した雰囲気もよくわかった。
★1 - コメント(0) - 2016年3月8日

ムスリムの考えを知る本としてなにかで紹介されていた。読物としても秀逸。『誰でも自分なりの栄光を手にする権利がある。誰も自分の運命は選べないが、自分の最後は自分で決められる。それこそ、運命に悪態をつく民主的な方法なんだ(P.268)』彼等とは違う価値観、世界にいる自分は激しいジレンマに襲われる。
★3 - コメント(0) - 2016年2月25日

イスラエル国籍をとったベドウィン族出身の外科医、豪華な邸宅もコミュニティの評判も勝ち得た男の妻がある日、何の前触れもなく自爆テロを起こす。なぜ彼女は「凶行」に打って出たのか。謎を求めてテルアビブからベツレヘム、ジャニンへと向かう。「私は偏見に目を曇らされ、自分の国で起こっている惨劇の本当のところを見ていなかった。敬意をもって扱われていたせいで、神に祝福された地が錯綜した掃きだめになろうとしていることが私の目には見えなくなっていた。」近くにありながら不可視の存在――パレスチナと妻の姿が重なる。
★1 - コメント(1) - 2015年2月16日

再読。イスラエルに帰化したアラブ系医師が主人公。幸せな生活に満足していると信じていた自分の妻が自爆テロの実行犯と知らされ、彼女の痕跡を必死に追い始める。憎しみを、そして死を駆り立てるものは何か。この物語の中に見える絶望の景色を忘れてはならない、そして彼女が選んだ選択について考え続けなければならないと思う。
★4 - コメント(0) - 2015年1月22日

マクロな大儀と、ミクロな幸せ。どちらが大切なのか、人にとっての幸せなのか、今の私にはわかりません。でも、「自尊心」を守る。というのはわかる。
★8 - コメント(0) - 2014年10月22日

夫婦の価値観に保守的なものをすごく感じたので、そこまで感情移入はできなかったが、原理主義が生まれる土壌や、その根本にある価値観を描きだそうという努力はすごく貴重。結局のところ、思想の陣営同士の対話が足りない、という点をほのめかしている点で、ノーベル賞受賞作家、オルハン・パムクの「雪」を思い出した。テロが実際に起きている国にいるので、考えさせられることは多い。
- コメント(0) - 2014年6月6日

池袋の書店さんのフェアで紹介されていて気になっていた、ヤスミナ・カドラの『テロル』を読了。愛する妻がテロリストだった・・・。中東の宗教事情をモロに反映させた小説。
- コメント(0) - 2013年12月27日

自爆テロに至る病の話。不屈の人道意識も甘く円満な家庭も人生の成功ですらも民族という呪縛の前には塵も同じなのだ、と言い切って見せた作品。理想、愛、物理的充足、それらの「後天的」な要素がテロの誘惑に対して余りにも無力なのは、民族という「先天的」な絶望の種を海馬に抱えて生きているからか。歴史のうねりの前に魂の自由は無く、戦うことでしかそれを得る手段は無いのだが、それは常に自由を奪われないための防戦としての虐殺にしかならず、かくして紛争の歴史に加担する。この罪をどう乗り越えればいいのか……わからない。
★1 - コメント(0) - 2012年12月20日

図書館で借りた
- コメント(0) - 2012年10月1日

9月11日に行われた第18回リーダーズ・ネストで紹介されました。
- コメント(0) - 2012年9月11日

とても読みやすく映画化向きの本だと思うが、悪く言えば映画のやる気のないノベライズかと錯覚するような浅薄さ。パレスチナで功なり遂げたアラブ系医師(♂)の妻が自爆テロで人々を巻き添えにして死んで、理由が分からずにびっくらこいた夫が足跡を辿ると、そこに口をあけていた深淵は‥‥単に自国の歴史を無視していた自身の無知でした、という筋書きはあまりにも、小説としては安易。枝葉に魅力的な箇所も多いだけに残念。夫が亡き妻の不倫疑惑を晴らして快哉を叫ぶ場面は笑えて泣けた。
- コメント(0) - 2012年8月10日

「今やあんたは、職業的な成功のおかげで無縁だったはずのあさましい現実に触れられるところまできた。これでようやく、俺にも理解できるかもしれない。俺も今までの人生で、愛と新鮮な水とわずかばかりのものと希望さえあれば人は生きていけるとわかっているが、恥辱を受けた場合は決して無傷でいられない。他の何がどうであれ、それだけは俺がこの世に生を受けてすぐに知ったまちがいのない真実だ。毎朝、そして毎夜、俺は今までの一生で、そればかり目にしてきた」
★2 - コメント(0) - 2012年8月4日

非常に現代的な意味のある小説。一気に読めるのだが、その分体力もごっそり奪われてしまうような錯覚に陥る。フランスにある意味亡命した元アルジェリア軍人で、覆面作家だった作者の見る現代イスラエルとパレスチナ。外科医のアーミンの妻の足跡を辿る旅路のなんときついことか。そして夫と妻のすれ違いとか、ゴンクールを逃したってのが信じられませんね。うん。これいいよ。小説って感じ。
★5 - コメント(0) - 2012年7月23日

現実に対抗するために強い夢を持った結果人を生かす医師として成功していた主人公が、自分と違ったものを見ていた妻の現実を知る為に地獄巡りをする。テロの前の理想の生活に強く引きずられつつも一方で自分が見ず見捨ててきた現実に触れる事で妻の新しい一端が分かる。最後まで理想を捨てようとせず、しかしこの対立の輪廻が続くことが最後に示唆される。ページの割り振り方、出てくる人物の現れ方と消え方、土地による効果がテーマを盛り上げ、一気に読み進んだ。
★1 - コメント(0) - 2012年7月22日

「この真実への探求は辛く苦しいものだったが、これは私にとっての通過儀礼の旅だったのだ。今後、私は物事のことわりを以前とは異なる目でとらえ、再検討し、それにあわせて自分の立ち位置を設定し直すことになるのか。おそらくはそうするだろうが、自分が大きな流れに与しているという意識を持つようにはなるまい。私にとって、唯一の価値ある真実とは、いつの日か私が立ち直り、患者の治療に戻るための助けとなってくれるものだ。(p.250)」
★1 - コメント(0) - 2012年7月21日

なんで!?どうして!?とサスペンスを読んでいるような気分で、次のページが待ち遠しくて、一瞬で読み終えた。なんとも言えないので、是非読んでこの気持ちを体感してほしい。
★1 - コメント(0) - 2012年7月19日

イスラエル、パレスチナ。祖国、殉教、戦争。日本人の僕には幻想的ですらある、現実。
- コメント(0) - 2011年11月23日

イスラエルに住むアラブ人が主人公。なぜ、自爆テロが起きるのか、というのは、純粋に疑問に感じるところ。イスラエルとパレスチナ、という込み入った事情と境遇に生きる人々の、「普通」の暮らしの部分と「異常」な場面が描かれていて、報道では知れない、小説ならでは、と思う。宗教さえなければ、無用な争いはなくなるのでは、と思う一方で、宗教が救いになる場面も確かにあるということもわかる。日本人にはなかなか実感を抱きにくいこの種の問題について、どんどん書いてほしい(そして、どんどん訳してほしい)。
★2 - コメント(0) - 2011年5月4日

ユダヤ人のお話最終章なのでしょうか。パレスチナ人のアーミンは気化してイスラエル人として医師をしています。豪奢な家に住み、何不自由ない生活をしていた妻は突然ハンバーガー屋でお腹に爆弾を抱え自爆テロをします。裕福な暮らしをし政治的にも宗教的にも無関心を装っていた妻の異変に気づけなかったアーミンはその理由を探しに妻のテロの手助けをした宗教団体への接触に成功します。しかし価値観の相違は埋まるどころか広がるばかり。
★12 - コメント(4) - 2010年10月22日

カドラはアルジェリア出身、フランス在住の作家。軍務経験があり、テロ現場にも遭遇したことがあるとか。書くことの重みを感じる作品。夫婦の不一致などという言葉では片付けられない宗教・思想・社会性をズシリと感じながらも、一面ではやはり一人の人と人とのコミュニケーションの問題なような気もする。異文化作品、訳書での不完全な理解ながらも、読後、何を感じたのか問われ続けられることになりそう。
★1 - コメント(0) - 2009年12月30日

民族の紛争ということよりも、「彼女を幸せにしようとするあまり、彼女の幸福に影を落とすかもしれないものの存在をみとめることさえ拒んでいた」という言葉が印象に残る。人を幸せにするということは自己満足そのものなのか?難しいなぁ。ほうっ。
★3 - コメント(0) - 2008年11月21日

bee
イスラム諸国の小説は最近のマイブーム。行間に見え隠れする、民族の誇りに惹かれるのかもしれません。
★1 - コメント(0) - 2008年7月1日

49 赤163 現代版『夜と霧』 訳者イワク 自爆(カミカゼ)と医師の妻の深淵とは☆絶対退屈無し、通読すべき書。イスラエル、テルアビブの腸ハラワタ・・とは現代的事象の深奥に迫る。・・・彼は周囲の制止を振り払い、愛妻自爆の深層を調査に…「愛妻の本質を思い知らされた愚かなアラブ系♂医師の愚かな巡礼物語」 イイスギクンかな 輪廻転生と宗教と人生と 社会の雰囲気。。9.11・・テロリストの内側に迫る試み、著者は仏に亡命したアルジェリア系作家。21世紀の基督教、イスラーム教、ヒンドゥー教と人間世界を読む
★1 - コメント(1) - 2007年5月26日

打ちのめされた。
- コメント(0) - --/--

夫婦の気持ちのずれ、そしてアラブという社会・意識とのずれがからみ合い、一気に引き込まれた。社会的に重いテーマを詩情豊かな美しい文体が表現する名作。訳も良かった。
★3 - コメント(0) - --/--

今読んでいるみんな最新5件(6)

08/11:myk
07/27:ギー
02/18:パル

積読中のみんな最新5件(6)

02/27:田中
03/30:ベンベ
09/23:Tokiko
01/11:かふ

読みたいと思ったみんな最新5件(53)

09/30:rachel
09/02:巨峰
テロルの 評価:64 感想・レビュー:31
ログイン新規登録(無料)