神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)

神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)
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神の棘 2巻はこんな本です

神の棘 2巻の感想・レビュー(415)

「最期は皆、俺たちはただ赦されて、抱きしめられたいって思うんだろう。それが、生きてきたってことなのかもな」
- コメント(0) - 3月2日

とても重く難しい本だった。歴史の嘘と真実に対する作者の知識の深さを感じる圧巻の著述だが、それゆえ人間ドラマを純粋に味わい感動する気持ちを妨げられた。作者には書きたいことが多すぎたのだろうか。たとえば1巻をアルベルト、2巻をマティアスの視線からというようにして、ラストで二人を対峙させる手法の方がもっと物語に入り込めたと思う。多くの伏線が回収されたが、それがほとんどラスト近くでの各人の告白からという反則技に呆然とした。絶賛する感想の声の中このようなコメントで恐縮だが、作者の熱意だけはしかと感じたと言い添える。
★34 - コメント(8) - 1月23日

終章で明かされる真実に鳥肌がたった。そして、信じる神を持たないということがどういうことなのか考えさせられた。戦場で死に行く人が求めるのは聖体や告解、すなわち「神の赦し」。兵士たちのために聖体を求め奔走するマティアス。一方で棄教したアルベルトは信じるものは自分だけの孤独な戦い。日本人は特定の神を信じない人が多いけれど、赦しを与えてくれる存在がないということはこんなにも孤独なことだったのかと思う。
★15 - コメント(0) - 1月16日

何と切ない終わりなのでしょうか。戦争が、ナチスという狂気がなかったなら、アルベルトとマティアスの運命はこのような形にはならなかったのに。宗教者も人間であり、保身と欺瞞があふれている。イルゼとアルベルトの愛が悲しかったです。みなさんの感想を読むと、ここから「革命前夜」につながるのだとか。一度手にして期限切れで挫折したので、また機会を得たら読んでみたいと思います。須賀さん、すごいなぁ。。
★77 - コメント(0) - 2016年11月24日

図書館本。★★★★★ 哀しみでいっぱい。第二次世界大戦間近のドイツ。幼なじみの二人が再会する。ナチスと宗教、ユダヤ人虐殺や障害者への弾圧が二人の人生に関わってくる。ナチスの一員として残忍な行為に手を染めるアルベルト、苛酷な戦地で死にゆく人に寄り添う神学生のマティアス。共に戦争など無ければ、別の人生があったものを。そして、終戦。ほんの小さな「棘」は知らぬ間に何本も刺さったままやがて大きなキズとなる。あるものはキズを治そうとし、あるものはキズを受け入れる。
★56 - コメント(0) - 2016年9月14日

圧巻でした。 ひたすらアルベルトに涙…。そう繋がって来るのか!!と予想もしなかった展開に脱帽。アルベルトの行動の真意が解明されていくに連れて切なさが増す…。転落人生で汗と泥と血にまみれてるけど、やっぱり孤高さとか計算高さが格好いいわ…。初版は誤字脱字が多いってレビューがあったし確かにチラホラ気になったけど、アルベルトとマティアスの名前が入れ替わってるのだけは有り得んと思いました。
★2 - コメント(0) - 2016年9月5日

なんというか、まだまとまりません。一巻は大分時間がかかりましたが、二巻は一気に読了。だがもう一度読まねばまとまらない。ただ、最後に感じたのは、マティアスもアルベルトも、どちらもただひたすらに、欺瞞のない神への道を求めたのだろうということ。二人とも、それと意識して気負うのではなく、自らの心の求める道を歩むことがそのまま神への道であったのかと。須賀さんはブルーブラッド大好きでしたが、このおさえた文体と、展開のちから、なにより訴える力に驚き。こんなに力のある人だったのかと。続けて紺碧の果てを見よ突入。
★2 - コメント(0) - 2016年8月1日

ドイツの黒歴史。読んでいて辛くなる。それはそのまま日本の黒歴史の時代でもある。そうか。こうやって冷戦に入っていったんだ。ここから「革命前夜」につながるんですね。20代の頃、冷戦が終わって、これで世界は平和になるんだと漠然と思っていました。敵はいなくなって第三次世界大戦の心配はなくなったんだと。世界は良くなっていくんだと。でも全然違った。人は忘れてしまう。そしてまた繰り返す。それにしても「神様」の取り扱いは難しい。今だってそれで世界中が揉めてるようなものだし。
★12 - コメント(0) - 2016年7月11日

Ⅱではじめてミステリーだと気付いた。そんなことが気にならないくらい内容が濃かった。ラストは涙があふれて来た。
★4 - コメント(0) - 2016年6月12日

初版を読了。Ⅰ巻の最後、ゲツセマネのシーンが印象的で…というか、第三章が分かれて続いているという妙な分冊の仕方。恨み怒りながらも神の僕として走るマティアス、悪魔の部隊を渡るアルベルト、二人の対比を読んでいけばいいのだけど…終章でもっていかれた。誰もが罪を犯し、だけども贖罪をしない。終生誓願を守ったのは誰だったのか、「君のように」というのが孤独による自由を指すのか、色々考えながらⅠ巻の伏線が回収された。文庫版はどうしようと思っていたけど加筆修正あるようなので欲しい。
★6 - コメント(0) - 2016年4月23日

ああ、ああ、なんて無残な・・・・時代に翻弄される二人の男を主人公に描かれるヒューマンサスペンス。これは、愛する妻のためだけに全てを投げ打った男の悲しい人生を描く残酷なラストだった。彼は何に選ばれたのか。神を愛する修道士と人間の女だけを愛した男の差なのか。手を汚し続けた男が本当に望んだ人生はどんなものだったのか。衝撃だった。
★19 - コメント(0) - 2016年2月15日

ナチスSS将校のアルベルトと修道士マティウス。二人が再開した時、神を棄てた者と神に奉げる者であった。ヒトラーによる狂気が吹き荒れる1940年代、大きな時代の流れに飲み込まれていく。二人の歩む道は何度となく交わり、離れた。生き方が全く異なる二人が、何を信じて、何をしたか。国とは、宗教とは、正義とは何なのか。今絶対だと信じてるものは、絶対ではないかもしれない。この時代を生き抜かねばならなかった彼らの苦悩が辛かった。アルベルトの愛に奉げた人生が美しく、はかなくて涙がこぼれた。
★2 - コメント(0) - 2016年1月6日

歴史の奔流に押し流されるしかない時代が、確かに在ったのだ。その中でアルベルトとマティウスの人生は、何度も交錯する。この時代が何処へ行きつくのか、知っているだけに読み進めるのがつらかった。だが、常に対岸へ立つ二人を追って、のみ込まれるように読み終えた午前二時、私は思いがけない場所へ打ち上げられた。私に信仰心は無い。そしてこの物語は決してハッピーエンドでも無い。でも、あの白く輝くような、静かな場所へ辿りつく為に、私はこれからも読書をするのだろうと思う。物語の持つ余韻に浸るのは、本読みの何よりの幸せだから。
★7 - コメント(0) - 2015年12月24日

何故にこれがハヤカワミステリ? と思っていたが、終章で判明。謎解き要素を全く感じずに読んでいたので、そういう収拾のつけ方をするか、と。神を信じる者が、神を棄てた者が何に拠って立つのか。どちらも自らを貫き通すために各々の戦い方で戦ったことは言うまでもなく、であるからこそアルベルトは死にゆく部下の魂を救おうとした。自分は神を信じていなくても、守りたいものはある。神ではなくても、そのためにこそアルベルトは生きた。その姿と、信仰があるが故のマティアスの苦悩との対比が、人間にとっての神のありようを考えさせられる。
★6 - コメント(0) - 2015年9月23日

多くの人命を奪うSS部隊アルベルトと、衛生兵として人の心と傷を癒そうとする修道士マティアス。マティアスの、神に祈り人に尽くす揺るがない姿勢には心打たれる。一方アルベルトの、愛する妻を護る為に歩んできた驚愕の事実(読者まで完全に騙される手腕は見事)に同情はするものの、多くの人を殺した罪を考えると、それとこれとは別だと思う。神とは信仰とは。人は弱く愚かで本当に嫌になるけれど、それでもいとおしい。誤字脱字が多く、名前が入れ替わって書かれている部分・教皇に謁見して話す所の誤字は緊張感のあるシーンだっただけに残念。
★18 - コメント(0) - 2015年8月19日

ずいぶん時間がかかってしまったけれど、読了。ずっと重く辛かったからこそ、最後がより美しく感じた。1巻で何となく気になる表現だと思っていた部分も最後には解決されて、終章に入ってからは涙が止まらなかった。読んでよかった。
★2 - コメント(0) - 2015年7月18日

死を隣にした戦場での再会、ローマへの道行きと教皇への嘆願、2人の主人公の運命があまりに波乱に満ちていて、リアル路線の話ではなくなっていき、それぞれが「神を捨てた者」と「神に全てを捧げた者」の象徴となっていくように思える。終盤で明らかになるアルベルトの真意に、ヒロイックすぎはしないかと感じたが、何にも頼らず自分自身に全てを科していった孤高の姿に胸を打たれる。罪こそが救いとなるなんて、まさにキリスト的と言っていい。
★25 - コメント(0) - 2015年7月16日

NAO
神を否定するかのように非道の限りを尽くすSS将校と、何とかして多くの人を助けたいと願う修道士。時代に翻弄され続けた二人の生き様は、対照的なようでもありながら、同じことを目指していたといえる。ラストに深く胸を打たれる。最後まで読んで、本当によかった。
★3 - コメント(0) - 2015年3月13日

SS将校と修道士の二人の青年を軸にした話。暗い時代なので内容はひどく重いです。それでも読んだ後に残るのは重苦しさや痛さだけじゃなかった。終わりに向かうにつれてどんどん凄くなっていきます。終章が特に素晴らしく、ラストの一文が美しかった。とても良い作品でした。
★3 - コメント(0) - 2015年2月7日

前半の疑問が明らかになる終盤。意外な事実だった。何か変だな? とは思っていたけれどそういう事だったとは。 終わり方がすばらしかった。 欲を言えばもっと長い物語でも良かった。重要人物なのに、出番の少ない人もいたので。
★2 - コメント(0) - 2014年12月20日

ユダヤ人虐殺部隊と行動するSS将校アルベルトは、戦場の惨劇をまのあたりにする。従軍司祭となったマティアスは、苦境に追いやられた人々を助けられない自分を嘆いた。ある共通の目的を抱いたふたりは、共にローマへと向かうことに・・・・。 第二次世界大戦下のドイツを舞台に、軍人と聖職者。時代に翻弄される、ふたりの青年たちを描くヒストリカル。 幼なじみと言えど、違う道を選んだふたりは再び出会う事があっても、和解することはないのかな、と読んでいて感じた。 やっぱりハイドリヒ、もう少し活躍してくれたら良かったかなと思う。
★7 - コメント(0) - 2014年12月4日

すべての糸がつながると同時に、とても苦しい気分になった。 この作品を読めてよかったと思う。
★3 - コメント(0) - 2014年9月19日

正義とは、信仰とは、神の愛とは。価値観の揺らぎが極限まで高められる。 現状を改善しようと走り回るマティアスは俗界に生きる人間らしい人間に見え、罪を重ね赦しをはねつけて死ぬアルベルトこそが殉教する聖者のようだ。 SSを扱った小説だと皆川博子さんの『総統の子ら』もある。こちらもお勧め。『神の棘』の方がより「信仰について」という色が濃く、マティアスとアルベルトがSSと教会側とで対比的になっているため話がわかりやすい印象。
★3 - コメント(0) - 2014年8月20日

うん、面白かった。丁寧に構築され、力を込めて描かれた密度の高い歴史小説でした。この方の作品はもっと評価されるべきよ。
★3 - コメント(0) - 2014年7月5日

少しだけ読んで寝るつもりが最後まで読んでしまった午前二時半。。ナレーションが多くなって読みづらくなってきたところのラストで胸がつかれるような思いがしました。夜更かししただけのことはあった。
★2 - コメント(0) - 2014年6月19日

★★★★★。【図書館】
★1 - コメント(0) - 2014年6月13日

SS将校アルベルトと修道士マティアスの二人を主軸に、戦争とは、信仰とは何かを問う歴史ロマン。読後、とても一言では表せない複雑な感慨を味わった。ナチスドイツに捌かれるべき罪過があったとしても、レギメントは、連合軍は、教会は正義だったのか。神を否定し、己の行動の全ての責任を己で背負ったアルベルトの至った境地が一番神に近いだなんて、何という皮肉。神とは何か。正答が存在しないであろう問いを齎す魅力的な物語だった。
★10 - コメント(0) - 2014年5月17日

棄教し教会を弾圧するナチスのアルベルトと、教会のあり方に何度も疑問を抱きながらも神を信じ続ける修道士マティアス。 正反対の二人が、戦場で死にゆく兵士達の肉体は救えずとも魂は救いたいと、同じ想いを強く抱く。 表面的な言動や行動が全く違う二人の生き方を通して、何かを護ることや罪と赦しについて深く考えさせられた。 須賀しのぶの代表作の一つになるであろう、強い感動を得られた物語だった。
★5 - コメント(0) - 2014年5月6日

意外なほど感動してしまいました。
★1 - コメント(0) - 2014年3月11日

美しい話でした。胸が打たれて言葉にならないほど。読んでよかった。買い直して頭から読みます。
★4 - コメント(0) - 2014年1月22日

命令でも最終的に自分で決めて行動したと言い切れるのはすごいなぁ。こんなに関わりをもつなら幼少の頃の話をもっと書いてほしかった。
★1 - コメント(0) - 2014年1月2日

何と言っていいか分からない。のどの奥に何かが詰まったような気分でたまらない。
★7 - コメント(0) - 2013年12月18日

戦況によって奪われていく命と残虐に直面して鈍麻する心。神に救われたいと願っても形式によって秘跡が施せないマティアスの苦悩と心を病みそうな部下と多くの人間を殺さないために自らが咎を背負ったアルベルトのブレなさに胸が詰まります。その後のナチ幹部の逃亡をバチカンが手引きしていたという仄めかしとある人物の懺悔は奪われてしまったものを思うとあまりにも遣る瀬無い。どこにも責任はない罪。アルベルトは最後まで自らが捨てた神や彼を愛した人からの救いを拒んだ。そしてあの最後の一文は心に打ちこまれた棘としていつまでも問い続ける
★48 - コメント(0) - 2013年7月25日

痛くて痛くて、泣きました。読んでよかった。
★3 - コメント(0) - 2013年6月22日

私なんでこの本積んでたんだろう…って後悔する物語でした。最後の真実が明かされた時、アルベルトが本当に好きになってしまってラスト辛かった…。良作です。
★5 - コメント(0) - 2013年6月20日

《2・完結》狂気を暴走させるナチスドイツ。自らの無力を噛みしめていた二人は、思わぬ共通の目的の下、ローマを目指す。その先に待つものとは…。⇒もどかしい気持ちが終始続いていたところの、終章に…、もう涙が止まらなかった。戦争、宗教、人間の心の内が上手く絡まり物語に厚みと凄みが加わった大作でした。静かなる余韻が心に燻りつづける、上質な一冊でした。
★3 - コメント(0) - 2013年5月17日

借り物
- コメント(0) - 2013年4月17日

圧巻の完結編。歴史の急流に翻弄される人物達…と思わせながら、(全てではないにしろ)実は自らの意志で状況を切り開いていた姿がラストに向け明らかにされていく。全てを成し遂げたとき、神を捨てたはずの男が最も安寧に近づいていたというアイロニー。シビアな時代背景を描き出しつつも終始抑制の効いた文体で一気に読ませ、素晴らしい余韻を残してくれる歴史+ミステリーでした。
★25 - コメント(3) - 2013年3月22日

誰もが知っているナチスの終結。アルベルトを待つ運命も御多分に洩れず。ただそれだけでは終わらない。終章でははっと息を呑んでしまう真実が。私なりにアルベルトにずっと抱いてきた違和感に納得。最後のシーンは胸にジンと沁み入るような余韻を残してくれる。
★13 - コメント(2) - 2013年3月6日

神の棘 2巻の 評価:80 感想・レビュー:180
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