チャイルド・オブ・ゴッド

チャイルド・オブ・ゴッドはこんな本です

チャイルド・オブ・ゴッドの感想・レビュー(313)

わあ。野性的な孤独と美しさ。物語全体がひとつの生き物のようにゆっくり蠢いて、長い詩のようにも感じる。自然とそれに合わせて丁寧に読んだ。「…冷たい星の大集団を眺めてあれらの星は何でできているのか、自分は何でできているのかと考えた」素晴らしいな。不意に心打たれて泣きそうになる。
★9 - コメント(0) - 2月12日

バラードは今日もライフルをぶっぱなし屍姦する。その娘の下着を身につけルージュもつける。極限の孤独からくる世間への不満が彼を突き動かす。殺戮者の脅威と自然の詩的で美しい描写がゾクゾクとさせる。どんな者に対しても雨は降り続ける。どんな者に対しても陽は暮れて闇をもたらすし、朝日が今日を告げる。どんな者に対しても、火は時に身体を暖めてくれるし、時に全てを奪っていく。そしてどんな者にも命はある。それは冒頭、バラードは「あなたによく似た神の子」、そして「人間てのは神様が作った日からずっと同じだ」と言っているように。
★50 - コメント(7) - 1月26日

スカートを履いて口紅を塗り天然素材のかつらをかぶった主人公の姿が急に描写され「え⁉︎」ってなりましたが、徹底的に主人公を観察する視点でかかれていたからで、筆者からも寄り添わず突き放されていて気の毒になりました。最後まで医学生の教材として解体され観察されて終わる。主人公を知ろうと思いを巡らすのは読者のみというストイックな内容。筆者が主人公に何の色付けもせずいたため、その生活が生き生きと浮き上がり幻想的でした。
★1 - コメント(0) - 2016年11月7日

ハードカバーだけど、購入してしまいました。シリアルキラーが主人公の小説は良くありますが、主人公がどの様な犯行をしてそれに対する周囲の人々の反応の描写には焦点が合っていません。主人公が見た星空や雪に包まれた森の空気、住み始めた洞窟の中がどんな様子かが美しく、まるで殺害対象よりも主人公の心に響いてくる様に描かれていて、「主人公と被害者」より「主人公と自然」がいつも対峙していて、主人公の内面の吐露が全く無くともそこにあるのは孤独なのだと感じさせられます。
★2 - コメント(0) - 2016年11月7日

「小説的」な内面描写がほとんどなく、人の世から離れていく主人公が淡々と描かれていく。 長いセンテンスがあったりシンプルな短いやりとりの会話があったりと、リズム的にも読みやすくひきこまれた。
★2 - コメント(0) - 2016年8月31日

ジェームズ・フランコ監督で映画化とあったけど、結局日本公開されなかったっぽい・・・残念
★4 - コメント(0) - 2016年8月11日

「あなたによく似た神の子だ」この一文がこの作品で、最も大切な文章だと思います。これは冒頭に出てくる文章ですが、この文以後は、この一文を詳しく説明しているだけだと思いました。この作者は、虚偽や虚飾を削ぎ落としたモノや世界を描いていると思います。それを描くために、特徴的な文体を駆使しているのでしょう。自然や動物は裸の美しさを備えているから、頻繁に描くのだと思います。動物、自然、モノを描いているが、人への隠喩を示している、そう感じた所がありました。この作者の描く主人公は大なり小なりアウトローです。
★5 - コメント(2) - 2016年5月10日

なぜそうなったのかいつ殺したのか一切説明理由がない。ポーンと飛んで気づけば死。だから2つ3つゲェーはあるものの特別グロさは感じない。感じないどころかバラードに同情してしまいヤベエぞ私。この気持は何だろうか心を探ってみたら野良犬に対するあの近づいてくるならエサをあげましょうでも飼えないよゴメンな感じだった。 訳者のあとがきによって著者の書きたかったらしい事を押し付けられるのは迷惑だから少し黙っててくれないか。
★15 - コメント(4) - 2016年4月6日

被害者を死姦するなど行動が常軌を逸しているが、主人公は冷酷な殺人鬼ではなく、ともすると孤独のあまりどうすればいいかわからず途方にくれた子どものように見えた。嫌悪よりもなぜこうなったのかを考えずにいられなかった。
★9 - コメント(0) - 2016年4月1日

レスター・バラード。何が彼をそうさせたのか。サイコパス、猟奇的殺人…凶悪犯罪者を考えるとき常に彼の生い立ちであるとか、不遇な家庭環境、孤独、そういったものに起因されると考察されるが、むしろそういった記述は殆どなく人間的でないといっていい。そう彼はつまり神の子…もとい悪魔が彼に偶発的に憑依したんだと。胎内に宿した時からタナトスを愛しそして愛された子。そう思うしかない。胸が悪くなるほど忌まわしいのに客観的で冷静な視線と散文詩のように美しい言葉選びにアンビバレンツな戦慄を覚えた。
★53 - コメント(0) - 2015年12月14日

社会から疎外された知性のない男が連続殺人犯になっていく様が、社会に対する怒りや恨みなどでなく、無知と性欲から、というところに何とも言えない悲しさを感じる。酷い犯罪だが、一人社会に放り出され、気づけばこうなっていた、という淡々とした展開に怖さがある。
★14 - コメント(0) - 2015年11月22日

10/8読了。シンプルな文章にシンプルなシナリオ。読点がないことが逆にリズムを作っているという矛盾が興味深い。そして、この小説には悪人が一人も登場していない。
★1 - コメント(0) - 2015年10月8日

どちらかといえば初期のころの作品だが、独特の文体、表現はすでにこの時点で固まっていたのだと思う。猟奇殺人ではなく、それを取り巻く世界を描いたという訳者の解説はなるほどと思った。
★3 - コメント(0) - 2015年9月30日

田舎の朝、暴力的なヴァイオリンの音でこの小説は始まる。主人公レスター・バラードの日常、殺人、屍姦…起きたことの大きさに、一時頭の処理が追いつかなかった。鮮明でありながら匂いや湿度を感じない、観察記のような文体にこれほど救われたことはなかった。読み終えて、「おそらくあなたによく似た神の子」という言葉が胸に残る。
★21 - コメント(0) - 2015年6月8日

初期のほうの作品ではあるが、まったくもってマッカーシー、完成されている。おぞましい描写も行為の是非を問うようなものではなく淡々とそして詩的に、ただただ客観的に描写される。
★1 - コメント(0) - 2015年4月15日

人間は絶対的な孤独に対峙することは可能なのだろうか。求めるものを力ずくで手に入れることは孤独からの逃避に他ならない。マッカーシーの描く暴力は、死という孤独から逃れようとする欲動的行為であるにもかかわらず、行為に及ぶほどそれは執拗に近づいてきて対峙することを求めてくる。死に、人に逃れる術を与えない絶対性を与えたのは神だとすると、そこから逃れようとすること、つまり人の生きようとする行為は神の意に背くことになるのだろうか。人間と死、そしてその不在性によって際立つ神の存在。そんなことをとりとめもなく考えてしまう。
★32 - コメント(0) - 2015年4月9日

殺人と屍姦、衝撃的な内容なのだが、マッカーシーの手にかかるとなんとも不思議なもので静謐な芸術性が付加されるのだ。心理描写が全くと言っていい程なく、淡々と語られる殺人者の世界。「国境三部作」とは大きく方向性の異なる内容ではあるが、マッカーシーという作家は何を書いても綺麗に書き上げるのである。
★24 - コメント(0) - 2015年4月5日

神からその土地に住むことを許されなかった人間たちが、そこで暮らすためにルールを作り出し、ルールから外れるものを糾弾するように、レスター・バラードは剥奪された所有地に執着し、自分の生活の仕方にそぐわない他者と敵対していく。そのへんのホラー小説をはるかに凌ぐおぞましいバラードの姿は、実は我々と何も変わらない人間=神の子そのものであることを突きつけてくる。自分を善良な民衆と疑わない人間と、どんどん怪物じみていくバラードの橋渡し的な役割として、KKKまがいの白帽団について言及されているのだろう。
★3 - コメント(0) - 2015年3月25日

全くもって行動原理が理解できないけど、何故か引き込まれ注視してしまう。これが同じ人なのかと思うような人なのだけど、著者の静謐な文がまた違った印象を与えるように感じる。
★5 - コメント(0) - 2015年3月19日

陰惨でどうしようもない人生が静かで美しい文体で綴られている。主人公の感情に言及せず、ただ外から眺めている感じなのがいい。
★3 - コメント(0) - 2015年2月28日

淡々と主人公の行動のみが描かれる。殺人も、火を熾したり、買い物をしたり、山や町を歩き回ったり、それらの一環であるかのように描かれている。不器用な人かと思ったらそれは人間関係だけで、家が燃えたら洞窟で暮らしたり、ライフルの腕が良かったり、追い詰められて洞窟を掘り進んだり、かなり器用な人やんか。
★78 - コメント(0) - 2015年2月23日

☆☆☆☆★ 凄惨でありながらこれ程までに静謐な美しさに満ちた内容に驚きました。
★30 - コメント(0) - 2015年1月18日

凄惨な行為と狂気を乾いた文体で淡々と綴る。コーマック・マッカーシーやっぱ凄い。映画化された作品より、本作やブラッド・メリディアンのほうがよりいいです。この人は近い将来ノーベル文学賞獲ります。
★2 - コメント(0) - 2014年12月12日

詩的な文章でたんたんと進んでいくので、ストーリーを追い辛かった。バラードが孤独から凄惨な犯罪に至ってしまう様を、もっと心情的に追いたかったなと。弱さの肥大は邪悪だ。タイトルの『神の子』という言葉との対比にゾッとした。
★3 - コメント(0) - 2014年9月28日

読後にやりきれなさが溢れ出した。何ともやりきれなかったのは、人間はそれでも生きているというところ。孤独で孤独で、美しい自然の中に佇む町の息吹を感じると、そこから切り離された自分の存在に涙が出るほどの孤独を感じているのに、やることもない毎日なのに、生きていくのも辛いだろうに、しかし、死を目の前にしても、まだ生きていたいと望む人間の性がやりきれない。生きるために目的を見つけているような、狂気を感じつつも生にしがみつく人間のあさましさに眩暈がした。しかし、死はあっけなくやってくる。どうやって生きようとも。(続)
★4 - コメント(1) - 2014年8月15日

屍体を犯す異常者、女装する殺人者の所業を、荒涼とした詩的な自然描写を交えて活写する。『悪魔のいけにえ』的なきちがい犯罪も、おぞましいという感情すら湧かない乾ききった文体で描けば、詩的な、神と人間と罪のありように迫真する。
★2 - コメント(0) - 2014年6月9日

「この本が嫌いです」。これは私の大好きな読友さんのコメント。そう言われたら読みたくなるのが、人のサガ。描かれるのは粗暴で無知な主人公のバラードが殺人から死姦まで堕ちていくさま。内面的な描写は傑作『ザ・ロード』、『ブラッド・メリディアン』と同様で清々しいまでに一切ない。だからこそ、この荒涼とした物語をより魅力的に引き立てる。「あなたによく似た神の子だ」と物語の冒頭で放たれる核心的な言葉。そう私たちすべてはこの無防備な悪=バラードと同じ「神の子」なんだ。匕首を喉元につきつけられたような読後感。私は大好きです。
★9 - コメント(0) - 2014年6月4日

コーマック・マッカーシーは初読み。ズシリと心に重くのしかかる作品でした☆淡々と描写されてるだけに、レスターの恐ろしいまでの孤独と闇が心に響きました!シリアルキラーを題材とする今どきの派手なミステリーとは大きく一線を画する重厚な仕上がりですね。ただし、コーマックの他の作品も読みたいかというと…なかなか手を出しにくいかと^^;
★15 - コメント(0) - 2014年6月3日

原書で読んでみたい。どうもこの日本語は苦手だ。
★3 - コメント(2) - 2014年4月2日

かなりおサイコなシリアルキラーを主人公に据えた物語。彼がやっていることは控え目に言っても異常行為・反道徳的行為のそしりをまぬがれないものである。しかし、マッカーシーは淡々と、詩的に彼の行為を語るので、社会不適合者として生まれ、生きる男の悲しさ、儚さをひしひしと感じてしまう。
★4 - コメント(0) - 2014年3月31日

今までに3冊読んで、すっかりマッカーシーのファンになってしまった。訳者である黒原敏行のファンになったと言ってもいい。独特ではあるが文章がとても美しく、「骨色の月」「炎の舌」など 色彩表現の豊かさが印象に残る。物語自体は凄惨で無機的だが、内面描写を排されたままの主人公が闇を蠢き、様々な禁忌を犯す一方で、山の四季は鮮やかに移り変わる。何でもないようなその対比が強烈だ。作者と訳者のセンスの高さに感服する一冊だった。
★21 - コメント(0) - 2014年3月31日

詩的は好悪が分かれる。主人公の異常さがこの「詩的」にスポイルされている。おまけに、主人公の内面に踏み込まないので、物足りなさを感じる。
★2 - コメント(0) - 2014年3月13日

「ザ・ロード」の巨匠、コーマック・マッカーシーが描く暴力的な性向を持つ男の話。人であって人でなし、な人間を格調高い文体で描いた感じだが、さすがに自分の娘を**したり、遺体を**したりする展開は、げんなりかも。。。★★★
★2 - コメント(0) - 2014年3月3日

ゴミの中から拾った古い医学事典から尿道(ユアリースラ)、小脳(セラベツラ)…などと名前をつけられた廃品処理屋の娘たちが不憫でたまらない。
★3 - コメント(0) - 2014年3月2日

ずっしりと心に響く作品。第1章は冗長だったけれど、第2章の死姦のシーンからは圧倒的。何度も立ち止まっては、死んだ女を振り返るバラードの脳裏でせめぎ合っていたであろう倫理観、そして洋服屋でワンピースを買うときの狂気は、想像するだけで目眩を覚える。社会から隔絶され、倫理や道徳といったものを失った人間が、レールから外れて、どこまで走ってしまうのか、半ば脅えながらページを繰った。ミステリだと思っていたので、ジャンル的には期待外れだったけれど、総じて良い小説だったので、読むことができて良かった。
★7 - コメント(0) - 2014年2月22日

チャイルド・オブ・ゴッドの 評価:80 感想・レビュー:115
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