ユートロニカのこちら側 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

ユートロニカのこちら側 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)
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ユートロニカのこちら側はこんな本です

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ユートロニカのこちら側の感想・レビュー(196)

ディストピア小説で不満なところはディストピア形成に至るまでの過程がなんとなく不自然な事。不幸せな世界を誰が望んだのか?大体、致命的な最終戦争とか狂気の科学者とかに頼るわけだけど、その非現実な設定にいつも違和感を感じる。実際のところ、ディストピアに至るまではこんな感じだと思う。誰もが納得して管理社会を受け入れていく。そうやって、世界がより不自由になっていくことさえ気づかない。
★2 - コメント(0) - 3月24日

「私にとってはディストピアとならない」というのは至極真っ当な意見で、仮に同じ環境が目の前に用意されたならば今の現状を省みると特に否定する理由もない訳です。生活、思想の一部を切り売りして対価を得ているということは格別金銭と関係が無いにしてもある程度我々が既に体感はしている所です。いざ1歩、ほんの少しづつ歩を前に進めることに我々は躊躇しない生き物で沼に足をとられ抜け出せなくなるまで常に盲目になるはず。現状考えられる自由という仕組みが作中の人物が体験する「不自由に」すり変わって行く過程にも恐らく我々は気づかかな
★1 - コメント(0) - 3月18日

んー、あー挫折だな。SF向いてないのかなあ。淡々とした文章だった。たまに、電車でバンドを結成するゲームとかするのとかシュールだなと思って笑う時もあったものの。第四章くらいまで読んだ。個人情報、日常すべてを提供する代わりに生活を保障してくれる世界。人間を無視し、ただ安全に暮らせるというのはまあしんどい世界かもしれない。うっかりしたら等級が下がるわけだし。曽根圭介の、暴落っていう短編を思い出す設定だった。暴落は一応ホラーになってるけど。
★2 - コメント(0) - 2月28日

『ハーモニー』の世界への現実的な道筋を示してみせた、一見地味だが力強い作品なのではないだろうか。第三回ハヤカワSFコンテスト大賞だが、やたら選評が辛口なのが気になる。
★1 - コメント(0) - 2月28日

極端な情報管理社会となった土地を中心として繰り広げられる短編連作集。淡々と描かれていく世界だからこそディストピアらしさがあるのかもしれない、
★2 - コメント(0) - 2月24日

近未来の理想郷建設がテーマのSF連作短編集。 徹底的な情報管理社会といった結構リアルな題材なんだけど、読んでいるとなんとなく作り物っぽい感じがする。 淡々としていて、のめり込むというよりは、一歩引いて外から眺める感じで読んだ。 時代の変化の波にのれる人とのれない人がいて、のれない人の方をおもに描いてあって、全編通して無力感が漂ってるように思った。 巻末のコンテスト選評に、ディストピアということばが出てくるけど、どうもそんな風には感じない。
★5 - コメント(0) - 2月9日

自己のライフログを24時間フルに提供する代わりに、高い生活レベルを保証する。自分なら喜んで飛びつくよなあ。すぐさま売り渡すなあ。どうせ今、twitterでやってることの延長線上に過ぎないし。しかもこれ、別に誰かれ構わず無差別にさらされてる訳じゃないんでしょ? たぶん、アガスティアリゾートは、俺にとっちゃ全くディストピアにはならないと思うのです。「見られている」と思う幻覚は、つまるところ、自分自身を貴重なかけがえの無いものとしているから生じるのであって、俺なんざ自分に1ミリも価値を感じちゃいないからねえ…
★1 - コメント(0) - 1月29日

小川哲、という名前は覚えておいた方がいいかもしれない。ハヤカワSFコンテスト受賞作、実質上のデビュー作ということで、テーマを掘りきっていないとっちらかっている印象を受けた。しかしあちらこちらに強烈なフックを含んだことばがちらばっているし(そのフックの向こう側にストーリーが進まないもどかしさよ)、ディックを思わせる多視点でディストピアを描く筆力といい、近い将来、必ず「これは」とうならせる作品を書く人だろうと思わされた。PSYCHO-PASSやマイノリティーレポートが好きな人にはオススメできる。
★1 - コメント(0) - 1月12日

文章での雰囲気づくりが上手です。ゆるやかな流れにうまく乗れなかった人々の話であり、全体的に温度は低め。あくまで楽園の中やその周辺の世界だけが描かれているので、恐ろしい事件や決定的な破滅を迎える人等のわかりやすい(予測可能な)ものは出てこず、しっくりこない生きづらさだけが垂れ流されます。楽園の功罪を問う中身ではないと思うので、別にディストピアもの的な文脈で受容する必要もなく、いつの時代にもきっといるであろう、折り合いを付けるのが苦手な人々のスケッチとして楽しめたのでよかったです。
★1 - コメント(0) - 2016年12月27日

aki
文体が自分にあっててあっという間に読了。決して非現実ではない「アガスティアリゾート」の暮らし(会社そのものは非現実だけど)これを現実に近づけたい人々は近くない将来に法改正に取り組むだろうし、それに対する様々な哲学が非常に面白かった。
★1 - コメント(0) - 2016年12月10日

ドーフマンさいこー。最後の選評に、審査する側のポテンシャルが如実に現れているのが面白い。次回作も楽しみ。それにしても、そろそろ死せる計畫の呪いから解き放たれてもいいんじゃね>SF業界のみなさま。まあ、何読んでも影がチラついてしまうのは仕方ないのかもしんないけど。
★8 - コメント(0) - 2016年11月2日

多分作者はあらゆる意味で天才。現代社会の向かう先を、SF連作短編集という姿で描き出し、警鐘を鳴らしている作品。これに出てくるような何も考えない人になってしまうのは心底怖いけど、周囲を見回すと鈍感な人の方が生き残れるのだよな、などと思った。こんな難しい題材を多面的にこんなに分かりやすく書けるのに若干30歳とは、この作者の次の作品が期待される。
★3 - コメント(0) - 2016年10月31日

AIが住民の生活や健康をつねに監視&管理するかわりに高水準の生活保障が得られる実験地区『アガスティアリゾート』が舞台。さまざまな問題を抱えた住人等が引き起こすアクシデントによって実験地区の落とし穴なり、作中テーマなりを浮き彫りにするストーリーが終始坦々と進んでいくのだけど、なんだろうコレ……他人がプレイしている『シムシティ』を横からずーっと眺めてるような謎感覚になった。
★1 - コメント(0) - 2016年10月30日

飛浩隆「グラン・ヴァカンス」に至るまでの世界、を予感させる設定。科学技術による世界の変容を背景に、人々の意識の変化を丁寧に描いている。「死者の記念日」は心が痛かった。「理屈湖の畔で」「ブリンカー」が特に面白く、私が日々、疑問に思っていることを掘り下げてくれていた。意識とは、自由とは何か。自由意思を捨てる自由はあるのか。読みながら、自分でも深く考えたくなる本。
★1 - コメント(0) - 2016年9月9日

一気読み。人間は負荷がなくなると意識を閉じていく、というような話。アメリカだけでなく、世界各地を舞台に繰り広げてほしいような気がしたが、まあこれはこれで、解説にもあったようにアメリカという土壌に合致していて良いのでしょう。
★1 - コメント(0) - 2016年9月8日

高度情報管理社会の話。個人情報の提供と引き換えに、働かなくても高水準の生活が得られる閉じた社会を色んな視点から描く。自分だったら適応できるだろうかと考えながら、既に多くの情報を受け渡しているのでは?と思い返してみたりしながら読了。意識へのアプローチなんかも興味深い。
★8 - コメント(0) - 2016年8月31日

挫折。2章まで読んだけど共感できないし、主人公の心のざわめきに反して淡々と進んでいく物語が退屈に感じた。
★21 - コメント(0) - 2016年7月22日

すべての個人情報を企業に受け渡すことと引き換えに高水準の生活を保証される特別区。その特別区を取り巻く人々の物語。異様と思えなくもない環境にすんなり順応していく妻、対照的に適応できず病んでいく夫や、予測システムに従って潜在犯を隔離する刑事、地区へのテロを計画する学生など様々な視点から描かれていく。設定やテーマがリアルで、単純に善し悪しでは決められないだけに、どの登場人物にも一応共感できるものの違和感も拭えなかった。
★13 - コメント(0) - 2016年7月9日

ポスト伊藤計劃と聞いて読んでみたけれど、テーマがハーモニーに近いってだけな気がしないでもない。 しかし、今後注目していきたい作家ではある。何度も投稿しているのかは知らないけれどもデビュー作でこのレヴェルの(文章力含め)作品は次回作も期待したい。
★3 - コメント(0) - 2016年6月30日

まだ現実でないけど現実になりそうな話。googleや位置情報をすぐに求めてくるアプリの多い中、情報銀行は非現実的とは言えない。情報を明け渡したものはリッチに、個人情報やプライベートを大事にする者は貧乏に。 最後が今ひとつわからず。誰と会ってる?
★2 - コメント(0) - 2016年5月21日

生活上のほぼすべてのデータを提供する代わり、生活を保障された街と、そこに住む人やその周辺の人たちのゆるやかな連作…? SF…? がっつりと物語を期待していたからか、どれも断片のようですっきしりないまま最後までいってしまった。
★5 - コメント(0) - 2016年5月21日

小川哲さんの『ユートロニカのこちら側』を読了。アメリカを舞台にしているからか、最初読んだときは海外の小説のような印象。ディストピアものとしてはかなりの出来かと。
★6 - コメント(0) - 2016年5月20日

ビッグデータとレコメンデーションの行き着く先として、このような形の都市は「パンツァークラウン・シリーズ」にも描かれていて、非常に興味深いと思っていたのだけれど、書かれ方がいまいち中途半端だったので、その都市を主人公としたこの本を読めたことがうれしかったです。 ただ、面白かったのは面白かったのだけれど、破壊工作を画策する人までなんだかサラッと描かれていて、もうちょっと迫力というか、必死さがあってもよかったかなぁとか…
★4 - コメント(0) - 2016年4月17日

ビッグブラザーの圧倒的にリアルなかたちと、白い理想への切実な違和感が主流文芸に比する滑らかな手さばきで綴られる連作短編。オーウェルの幻視は本作で「ぼくら」にとって古典となった。こんな才能がSFから出てくれたことが喜ばしい。
★4 - コメント(0) - 2016年4月13日

ぐわぁぁぁぁ!ポスト伊藤計劃が現れたぞ!!
★2 - コメント(0) - 2016年3月27日

個人情報と引き換えに働かずに暮らせる実験都市、アガスティアリゾートに関わる人々を描いた連作短編集。順応する人と抗おうとする人の対比が面白く、特に第四章が好みでした。
★10 - コメント(0) - 2016年3月24日

本編にそれそのもの単語が登場するがこの『マイノリティ・リポートもの』とでも呼ぶべきジャンルよ。連作短編で海外が舞台であり、薄気味悪いユートピア(ディストピア)を志向する企業が反芻して登場するというのはどうも飽きてきたな。大賞を取ったということだが選者の評の通り突き抜けた感じはしない。前半は単純にレトリックがいやらしいというか、あまり巧い感じがしなくて鼻につくのでイヤになりかけたが、後半はかなり面白くなってくる。単純に前から書いていて上手くなったのだろうか?
★3 - コメント(0) - 2016年3月12日

【図】これは自分にとってとても大切な本かもしれない。/「どいつもこいつもバカだ。完全に思考が停止していやがる。世の中には白と黒しかないと信じこんでいるし、自分がそう信じこんでいることにも気づいていやしない。」/「永遠の静寂(ユートロニカ)」とは、端的に言えば「死」ではないか。/翻訳物のような文章だった。
★2 - コメント(0) - 2016年3月8日

5
翻訳調のフレーズの紡ぎ方が圧倒的に巧い、全然嫌味ったらしい文章にならないのが不思議なくらい。正直ストーリーなんてどうでもいいくらいに気持ち良い文章だった。
★8 - コメント(0) - 2016年3月6日

ソフト管理社会の行き着く先をシミュレートした連作短編集。日本だとこの管理方法はあっさりフィットしちゃうんじゃないだろうか? 欲求の外在化なんて誰も彼も気にしないで曝け出しちゃってる気がする…。読み終えて思ったのは、“ユートロニカの向こう側”とは、生まれる前、死んだ後のすべてが未明の世界、そもそもそこから来てそこに還る場所なのではないかということでした。けど“こちら側”は生成と破壊をダイナミックに繰り返すことで“在る”ので、“向こう側”をユートピアとして実現しようとしても構造的に不可能だと思うのです…。
★9 - コメント(5) - 2016年3月3日

過去のコンテスト作品に比べて読み易いのは現在との距離の近さによるものか。存在しないシステムを一から構築して物語の舞台に仕立て上げる能力は目を見張るものがある。ディストピア社会の中で迎合する人々と抗う人々を見ながらいつしか心の中で嫌悪感こ生まれている。正に虚構の世界に入り込んでしまっている自分がいる。まぁ、読み易かったということです。
★15 - コメント(0) - 2016年2月28日

自らの全ての情報を開示することで生活が高水準で保証される「アガスティアリゾート」を舞台に人と社会のあり方を6章から成る短編で描く話。完全管理社会の存在ににより引き起こされる様々な問題に直面した人々の悲哀が海外SFのような淡々とした文章で描かれるのが印象的。5章のテロルを敢行しようとする日本人留学生の話のどうにもならない感じが結構好き。全編通じて管理された社会から人間の自由とはなんなのかを炙り出すような内容で面白かった。
★11 - コメント(0) - 2016年2月27日

頭のいい人が書いているから好きだけど、危ういところや制御が難しそうなところをあと一歩のところで避けているきらいもあって不満も残る(普通の人の話なんだから当たり前だが)。1,4,5章が好き。「理屈湖の畔」の最後でインタビューに答えるドーフマンの語りや、「ブリンカー」と「最後の息子の父親」の幕間にある語りなどは恐らく著者本人の声と語り手の頭の良さが一致しており、それゆえ一番著者が裸を晒してノっているような感覚があり、面白かった。
★5 - コメント(0) - 2016年2月26日

★★★ 海外作品の翻訳かと思える文章。多分わざとでしょう。 なかなか臨場感はありました。あまり楽しい話ではなく、テーマもありきたり。
★2 - コメント(0) - 2016年2月26日

同じ環境にいる人を四人紹介し、第5章でその世界観を美しくまとめ、分析されている。素晴らしい!ユーロトニカ=永遠の静寂という意味らしい。
★3 - コメント(0) - 2016年2月22日

ディストピア物.私にはどハマりするにはもう一歩という感じだったけど,なかなか面白い.自分の生活情報全てを売り渡して働かずに生きる(ことも可能であって,働いている人もいるようだけど)事ができる街.これが全世界に拡大したら,情報の価値が限りなく安くなってビジネス?として成り立たないんじゃないかな〜と疑問なんですが…
★4 - コメント(0) - 2016年2月21日

読み返したんだけどほんとにこの文体すごくすき。
★10 - コメント(3) - 2016年2月19日

「足し算のできるゴリラは朝食のあとにブラックコーヒーを飲むか?」この質問に反射的にブラウザを立ち上げて検索窓に打ち込んでいたらあるいはすでに。
★4 - コメント(0) - 2016年2月18日

あらゆる個人情報を提供する事によって、居住が可能になる巨大リゾート「アガスティア」複数の登場人物の人生を緩やかに交錯させながら、常に知られている事を、何の疑念もなく受け入れる者と耐えられず切り捨てられる人々が描かれる。淡々とした筆致が却って、人々の葛藤を顕にしているように感じたし、打ちのめされても、また立ち上がるぞ、という結末も良かった。自由とは、突き詰めれば何なのだろうか。
★97 - コメント(0) - 2016年2月6日

序盤が割と出来がいいだけに中盤のありきたりさと終盤の物足りなさが惜しい。世界観もその世界観の語り口も統一感がある透明さを持っているのはすごくよかった。思想を語らせすぎるのは良くも悪くもだなぁ。
★3 - コメント(0) - 2016年2月4日

ユートロニカのこちら側の 評価:88 感想・レビュー:87
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