日本の黒い霧〈上〉 (文春文庫)

日本の黒い霧〈上〉 (文春文庫)
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日本の黒い霧〈上〉はこんな本です

日本の黒い霧〈上〉の感想・レビュー(354)

GHQ占領下で発生した数々の怪事件の謎に迫る推理本。上巻で取り上げられる6事件の構造は全て、日本を米ソどちらの陣営に引き込めるかを策したもののようだった。謀略と差別が大好きな暴力団気質のアメリカと、服従と犠牲を強いる似非宗教気質のソ連。どちらも人類が生んだ巨大な悪だ。では、日本は?彼らのように芯が無く、触れた方に容易に染まり、虎の威を借り虚勢を張っていた日本人は?はい、これもまた悪です。醜悪というやつです。伊藤律のぐにゃぐにゃした生き様こそ、戦後型日本人そのものだ。
★4 - コメント(0) - 3月12日

松本清張の戦後史ものの名著。戦後の不可解な事件は、すべてGHQ/SCAPの仕業であるか、あるいはGHQ/SCAPが何らかの形で関わっていると、自然に、時には強引に結論付ける・オチをつけることでその陰謀を暴こうとする松本清張の力量は「芸」であろう。下山事件の推理は傑作と言われている。
★2 - コメント(0) - 3月4日

戦後日本の暗黒史が隠されています。丁寧な調査に裏付けされて書かれている所はさすがですね。
★79 - コメント(0) - 1月21日

現在の日本を形作っている戦後政策が、これほど権力争いと欲望にまみれたものだと、初めて知った。巨額の収賄事件に作中にある「バカをみるのはいつも国民で、云々・・・」はなんとも皮肉な言葉だと思った。世界情勢は戦後からずいぶんと変わったとはいえ、この作品の中の出来事は現在も脈々と受け継がれているのだろうと思わずにいられない。
★27 - コメント(0) - 2016年12月3日

下山事件・松川事件など、労組・共産党の危うさをアピールするためのような事件、木星号事件・ダイヤモンド事件のように、米軍の不届きもののミスや犯罪を覆い隠すための工作活動。終戦から朝鮮戦争までは、GHQ内部のG2(作戦部)とGS(民生部)との対立が、謀略のような事件を引き起こしていたようだ。そしてアメリカは今でもCIAが力を持っている。日本が素直すぎるのだろうか。
★2 - コメント(0) - 2016年10月30日

ちょっと時代が古いので、その時代の世界観がわからないこともあって、なかなか入ってこなかった。うつらうつらしながら読んだ。戦後間もない混沌とした時代が生み出した未解決事件だな。当たり前だが未解決だけに消化不良でもあった。
★3 - コメント(0) - 2016年9月1日

松本清張のノンフィクションなんて読み応えありそう!と思ったら、想像以上にヘビーだった。下山事件以外知らなくて、事件そのものがあまりにも遠いからかページが進まず、すみません、読み飛ばしちゃいました…
★1 - コメント(0) - 2016年8月15日

『アカの仕事という下山総裁他殺の線が捜査の段階で破綻した場合の収拾策も、あらかじめ用意しておかなければならなかった。それが即ち下山総裁の自殺説の準備、ひいては替玉の伏線となったのだと思う。』
- コメント(0) - 2016年5月19日

図書館で借りる。下山事件について松本清張が書いているということで読んでみる。勘違いしていたのは、すべて下山事件のことかと思いきや、戦後の多くの奇怪な事件を取り扱っており、下山事件についてもその1つである。今の時代と随分違うのであるが、どの事件も裏でGHQが大きく絡んでいるような推論である。多くの事件は当時世間を賑わしたと思われるが、今読むと予備知識もないため、わかりにくいところもある。一方で当時を感じることもできる。特にソ連や共産党の思想に対する戦いは、当時の世界情勢とともに重要事項であったのだと感じる。
★15 - コメント(0) - 2016年4月20日

占領下日本の暗部。現在の繁栄はこの歴史の上に成り立つ。GHQ内のGSとG2の対立、それに翻弄される戦後日本の舵取り。今あるのは偶然の結果か、パワーバランスの力学による必然か。では、その答えが出たとして、将来の方向性が変わるのか。今さら日本の独自性を取り戻そうとする理由を、ここに求める群団も存在するやに見受けられる。未来の姿は、そんなことには条件づけられない。今ある人たちが形作るものではないか。そう思う。
- コメント(0) - 2016年2月27日

終戦後GHQ占領下の日本で実際に起きたいくつかの怪事件を取り上げたもの。今となっては真相は闇であるものの、膨大な取材に基づいた著者の緻密な推理はかなり説得力があります。また、占領下という特殊事情に置かれた当時の日本を知るうえでもとても貴重な内容です。上巻の目玉は何と言っても「下山国鉄総裁謀殺論」ですね。警察発表では自殺とされた事件は数々の事実を突き合わせると、黒幕が糸を引いた謀殺に思えてきます。事実の持つ重みもあり、下手の推理小説よりずっと迫力を感じる内容です。
★11 - コメント(0) - 2016年1月18日

ずっと読みたかった本。この一年くらい、下山事件や松川事件など戦後の怪事件についての本を何冊か読んでみたのは『日本の黒い霧』で清張の推理を堪能したかったからだ。どうやら失敗だった。はじめに本書を読んでから、それらの本へと読み進めるべきだった。後発の真相究明本は、たいがい本書を下敷きに推論を展開したり、またはそれを検証したり、酷いものだと自説の根拠に本書を引用したり剽窃したりしたものが多いではないか。つまりは、清張の着眼点が卓越していた証左であろう。ただし、矢田喜美雄『下山事件』は先に読んでおいて正解だった。
★2 - コメント(0) - 2015年12月28日

後に見当違いとわかった記述もあるにせよ、占領期に起きた様々な事件がどういうものだったかを知るだけでも、そういう知識に疎い身には大いに役立った気がする。
★1 - コメント(0) - 2015年12月12日

2015.12.07(2015.11.25)(再読)松本清張著。  11/25  (初出=1960.01-1960.06) (目次)  +下山事件、+木星号事件、+白鳥事件、 +ラストヴォロフ事件、 +伊藤律事件  (P009)  ◎下山事件。  S24.07.05(死体は07.06発見)、下山事件。  警視庁、自殺、他殺を公表せず一応捜査は打ち切り。  『下山事件白書』(文春、改造)、これによると、「自殺」との結論。  二雑誌が苦心してスクープしたという形。 
★62 - コメント(1) - 2015年12月7日

情報公開制度のない時代に頑張って書かれた、ということに価値がある本。出版当時の衝撃は相当なものだったのでしょうね。今ならラストヴォロフ事件や昭電疑獄、もく星号墜落などは米国に情報開示請求をすればかなりの部分が明らかになりそうです。逆に造船疑獄は期待できなさそう(偏見です)。伊藤律については、その人物像が先日見たドキュメンタリーとかなり違っていたので、ご遺族が文藝春秋を訴えるのもそらそうよ。巻末の断り書きで訂正すると見せかけさりげなく下巻や関連書の宣伝に利用しているのはちょっといただけませんね
★3 - コメント(0) - 2015年11月19日

戦争直後の日本暗部に、松本清張氏が鋭く切り込むという趣向です。上巻では6事件(下山事件、もく星号事件、二大疑獄事件、白鳥事件、ラストヴォロフ事件、伊藤律)を扱っています。いずれもGHQ(=米国)が何らかの形で関与している謀略事件だというのが清張氏の結論です。「黒い霧」というだけあって、真実は藪の中なのでしょうが、清張説は有力な仮説として評価できるのでしょう。それにしても、清張氏の癖なのか、「このことは後で書く」という手法を多用しすぎています。行きつ戻りつする粘着質な仕上がりに、若干読むのに苦戦しました。
★2 - コメント(0) - 2015年11月7日

戦後の事件を、松本清張が書くとここまでミステリーになるのですね。推理の切り口の面白く、あっという間に読了。急いで下巻へ。
★4 - コメント(0) - 2015年9月10日

「下山国鉄総裁謀殺論」は30数年ぶりに再読しました。読みながら、当時の興奮を思いだしました。閑話休題、松本清張の推理は冴えていますね。替え玉論は説得力があります。その他収録されている作品の寸評を載せます。「もく星」号遭難事件:推理以上に三鬼隆(八幡社長)の人となりが印象に残りました。二大疑獄事件:昭電、造船両疑獄の対比と推理に唸りました。白鳥事件:冒頭の写真が効果的です。ラストヴォロフ事件:米ソ冷戦のスパイ合戦の怖ろしさ。革命を売る男・伊藤律:文章、論理、人物描写からいって、実はこれが最も気に入りました。
★9 - コメント(0) - 2015年9月7日

この間読んだ小説の影響で、今頭の中は下山事件でいっぱい。清張が唱えた説も知りたくて、早速読んでみた。占領下時代、他にも不可思議な事件や疑惑が立て続けに起こっていたことに先ず驚く。全てにGHQの思惑が絡んでいるとするのは私の理解では難しいけれど、何かしら大きな力が蠢いていたであろうことは恐ろしい程に伝わってくる。清張の憤りは、アメリカには勿論、勝ち目のない戦争をして占領下におかれ、酷い謀略を許した日本、また一部利権を貪った権力者たちにも向けられているように思う。彼が生きていたら、今の日本をどう語るだろう。
★50 - コメント(4) - 2015年9月2日

どれも戦後すぐの怪事件ばかりで自分の知るところではない。冒頭の2つの事件(下山国鉄総裁事件、もく星号遭難事件)は興味をもたせ、GHQの謀略と言うのもさりありなんと感じた。下山総裁の死体に着いていたヌカ油と色素、消えたメガネや脱がされたワイシャツ。昭和24年という時代背景など丹念な状況証拠の積み上げと鋭い推理と感じる。下巻へ。
★21 - コメント(0) - 2015年8月17日

何も、無闇にアメリカを憎んでいるわけではない。清張は、ただ怒っているのだ。占領の名の下に、勝手な押し付けや権力争いや或いは単なる個人感情に寄って、それと知らぬ多くの日本人が、その人生や信条、そして命そのものまで踏み躙られたことに。真実を知る権利すら与えられていなかったことに。「下山国鉄総裁謀殺論」の構成が上手い!あれだけの状況証拠を揃えて提示し、最後にあの弔辞を載せる。あの弔辞を読んでしまったら、誰もが「彼らは犯人ではない」と思うだろう。だが真相は世界における日本の位置が変わらぬ限り知ることは無い…。
★4 - コメント(0) - 2015年8月16日

【昭和期の日本で起きた数々の怪事件の真相に迫った名作】ゾルゲ事件や下山事件など、自分が生まれた時代だというのにあまりにも知らないことが多いと感じていた。そのため清張氏の本作を読んだ。本作を読み、今日の日本は米ソの覇権争いに巻き込まれた人々の犠牲に因るものが大きいと感じた。GHQ内の勢力争いに因るものと推理する「下山国鉄総裁謀殺論」、本共産党内部の抗争の裏に見え隠れする米国と中共の関係に言及した「革命を売る男、伊藤律」など、松本清張の推理力の高さに驚く。激動の昭和時代の闇の勢力に惹かれつつ下巻へ。
★5 - コメント(0) - 2015年8月2日

再×?読。全6話。どれも好きだがなんといっても下川総裁事件のオドロオドロした清張の語り口は最高、この推理の当否は存じませんが(>_<)現代の黒い霧をこうゆう風に書ける作家さん、探してます!(^^)!
★11 - コメント(0) - 2015年5月31日

アメリカ ソビエト 共産党。
★2 - コメント(0) - 2015年4月19日

8h 読了 ☆☆☆☆ 下谷事件他、何件かの昭和の初めに起こった、謎が多い事件を著者の意見を提言している。 とても筋が通っていて、納得させられる。 同じ事件を扱った別の著者の本も読んで、多角的に分析してみたいと思った。
- コメント(0) - 2015年4月4日

昭和史発掘を読んだのでこの本に挑戦しています。この時期は日本がまだ秋戦後間もないころで、どのようなことがあってもそうなのだろうという気がします。若干松本清張は陰謀論的かな観点から書かれているのではないかと思います。そのようなことも考えられる余地があるということなのでしょう。昭和史発掘よりも興味をひく話題が多かったです。浦沢直樹さんの「ビリーバット」を思い出してしまいました。
★53 - コメント(0) - 2015年2月24日

60年代の執筆なので現在の資料や見解の差もあるだろうが、清張らしくちょっと妄想に近い感じもした。下山事件は興味深かった。
★2 - コメント(0) - 2014年9月11日

多次元の対立と権力の構造。GHQ内部、共産党内外諜報戦、労組闘争、政争、冷戦構図・・・。事実と論理性で浮かぶ”可能性”。「時の権力者と泣かされる弱者」の構造は、何時の時代も不変という印象。唯一の救いは、少なからず”矛盾”に苦悩を感じさせる少数官吏の存在か・・・。一方、「もく星号遭難事件」は、思想も闘争もない戦後の象徴かもしれない。頭でわかっても、ただただ憤りを感じざるをえない。
★29 - コメント(0) - 2014年8月1日

HH
下山事件のみ読了。
★1 - コメント(0) - 2014年7月29日

昭和20年代、この国は『日本』であって『日本』ではなかった。知れば知るほどゾッとする、複雑怪奇な『事件』の数々。その真相は大きく濃い、黒い霧の彼方。そして果てしない時に流されて、この霧が晴らされることはもうないのだろうか。陰謀などという途方も無いモノの下で、犠牲になるのは常に矮小で、しかし掛け替えの無い一個人。運命の悲劇の俎上に上げられた人々の不幸を著者は巧みに描写している。下山総裁への弔辞には涙が出た。
★2 - コメント(0) - 2014年5月8日

占領下の日本での怪事件はGHQの謀略だったのではという推理。下山事件、もく星号遭難事件を読んでそうかもしれないとは思ったが、真相は闇の中という印象。白鳥事件の途中まで読んだが、退屈になってきたので読むのをやめた。
★2 - コメント(0) - 2014年5月8日

知らない事件がたくさん。
★1 - コメント(0) - 2014年2月3日

戦後の怪事件におけるGHQの暗躍ぶりを描いている。時系列がわかりづらいのと、歴史背景の描写が少ないため、やや読みづらく感じたが、ミステリー仕立ての描写は戦後の日本の闇を生々しく映しだす。特に下山事件などはとても面白く読んだ。
★3 - コメント(0) - 2013年10月25日

何せ古い話ばかりで、各省庁や政党など今とは呼び名も組織も違うし、共産党の立場やGHQの組織構成や内部事情など、知らん事や分かりにくい部分も多い… まだこれから下巻があんねんけど、大丈夫かな。
★11 - コメント(0) - 2013年9月10日

タイトル通り、戦後の日本の黒い霧の話ですが、事件は永遠に霧の中なんですな。
★2 - コメント(0) - 2013年8月28日

ようやく読了。下山事件関係の記述が知りたくて読んだのだが、白鳥事件、ラストヴォロフ事件など、初見の事項もあり、興味深かった。読み進めるに従い気になったのは、平成の世になって文庫版が新装版として発刊されている理由。しかも、発刊はあの文芸春秋から。松本清張の推論を「定説」として根付かせたい人がいるのではないか、そう勘繰りたくもなる。
★6 - コメント(0) - 2013年8月8日

松本清張って、どんな頭脳の持ち主なんだろう。司馬遼太郎にもいえるけど、精緻な取材力と膨大な文章量にただただ脱帽。おまけに本作は清張流の推理も展開され面白い。政治家の汚職については清張の嘆きそのものに、今日も「あいかわらず」の状況…。清張に代わって、現代の「黒い霧」を斬って捨てる作家の登場を切望する。
★5 - コメント(0) - 2013年4月28日

なんでもかんでもGHQの謀略にしすぎな気もするが、松本清張だと真実味がある。そういえば、伊藤律はスパイではなかったんだよな。
★1 - コメント(0) - 2013年4月6日

真実とは何だろうと思う本。
★1 - コメント(0) - 2013年3月26日

下山事件、白鳥事件、伊藤律等興味深く読みました。戦争直後日本はGHQ等に振り回されたんですね。ゾルゲ事件をもう一度読んでみたいです。
★2 - コメント(0) - 2013年2月11日

日本の黒い霧〈上〉の 評価:58 感想・レビュー:67
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