形式:文庫
出版社:文藝春秋
形式:単行本
形式:Kindle版
二つの家族は「普通」だったはず。殺人者を生み出すような環境だっただろうか。なぜ一人は子供を殺し、もう一人は夫を殺したのだろう。八つ当たりで橋から投げ捨てたオニューの長靴、橋に残されたもう片方。
続き 描かれるのは「そんなもの、として世間を浮遊する人間達」だけ、と言ってよい。主要な人々は内省と云う事を全くしない。これもかなり恐ろしい。例外として水々しく美しい物が、風景自然描写がとてもいい。これが素晴らしい。一見オーソドックスな昭和の小説っぽいのはそのせいであろう。深い論評などは小生の手に余る代物であるが、昭和を考える上で、再読、精読した方がいい本だというのは分かった。兎に角、変わった小説である。
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