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橋 (文春文庫 は 16-2)

感想・レビュー
41

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Peter-John
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『巡礼』に続く時代を描いている。 こんどは「ジーン」とはしなかった。 同じ時期に、同じ町に生まれ住んだ2人の女性の、それぞれの親から、自分たちが事件を起こすまでを描いているが、仕掛けはいいのだけれど小説にはなりえていないと思う。
0255文字
ももしびっく
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ネタバレ聞き覚えある殺人事件を起こした2人の女性がモデル。ノンフィクションとは掛け離れた突き放した文体がむしろ重い。昭和末期〜平成初期の世相を生い立ちと共に駆け足で追いつつ、地方都市の衰退と重なるように転落してゆく20代。ちひろと雅美程度の家庭環境はいくらでもあった筈。雅美は今なら境界性の人格障害に部類されそう。方言とは言え女性の言葉が汚く乱暴。誰もが陥る可能性のある落とし穴はそこら中にあるけど、それらの穴に落ちてしまった自分を認識できたり、修正(向上)しようとする知能や知性に欠けていることの怖さとでも言おうか。
0255文字
かりかり
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☆☆☆☆
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ピロ子
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文体が面白く、あっという間に読んでしまった。二人の女の結末が予想されたものでなかったので驚いた。が、二人とも無味乾燥というか、むなしい人生だと思った。
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はちこう
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雪深い地方都市に住む二人の少女とその親のものがたり。戦後生まれの少女の親たちは国土強靭化時代の真っ只中に成長して子供をもうける。誕生した子供たちはアイドル時代からバブル崩壊の時代。戦後日本はお金と成長が象徴化して個々の人間は不在だった。現代もそこから抜け出せていない。戦後世代やバブル世代などと言っても個々人はみな性格や考えは異なるのにそれを一括りにされてはそこに歪みが生まれないはずはないのだ。その一方で人は個人で人生を変えうる力を持つのかという疑問も残る。何かに操られている微力な個体に過ぎないのではないか
0255文字
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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既読感って再読だから当たり前ですが、姫野カオルコの「彼女は頭が悪いから」が思い出された。自分では選べない生まれ育ちによる理不尽さ、それも女子がひっかぶらないといけないもの、という図式。
0255文字
織沢
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最後少々駆け足の感はあるけれど、女性の青少年期をここまで生々しく、人生が静かに狂っていく様を描けるのはすごいと思う。しかも作者橋本治は男性で異性の事でもあるのにこのリアリティなのである。太宰治の女生徒もこんな衝撃をもって人々に読まれたのかもしれないが、実際の女学生の日記を素にした太宰とは話が違う。そこが桃尻娘を書いた作者の才覚なのだろう。兎に角 身につまされるような青春期壮年期を見事に描いたすごい作品だった。
0255文字
あひるのふせん
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価値観の変容、郊外の盛衰を批評的に捉えた社会派小説の一面と、主人公2人が承認欲求に翻弄される普遍的一面を、本から顔を上げてすら景色が薄暗く感じるほど積み重ねた重厚な作品。新聞の社説のような文章だと思いながら読みましたが、その距離感も意図したものであったように思えます。結局橋を渡れなかった2人の話であり、橋を渡ってすらこうなってしまう2人の話でもある。昭和から平成、と粗筋にありますが、故・橋本治氏の年号、「時代の終わり」にまつわるコラムを読んだこともあって、橋=時代のような捉え方もしてしまいました。
0255文字
犬吉
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生前は評論しか読んだことがなかった。お亡くなりになったということで、ミーハーに小説も手にとった次第。実際の事件を題材にしたようだが、生育の家庭での歪みが事件に結びつくところで飛躍があって、なんだかよくわからない。面白くはあったが、特に読後感なし。
0255文字
Shinjuro Ogino
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橋本治が先月下旬に亡くなった。ある学者が橋本を絶賛していたので、図書館で適当に借りて読んだ。 しかし、私にとってはあまりピンとくる小説ではなかった。
0255文字
ATSUSHI
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ネタバレ橋で始まり橋で終わる。ワイドショーなどで語られる薄っぺらな表面のみの「罪人」の人生を、結果的にそうなってしまうとは思いもせずに、幼い頃から追っていっていた作品だと読後思った。だからこそ、どうしてこうなってしまったのかという思いが湧いてくる。その結果の原因はいくつもあるようでいて、どれも違うようにも思える。
0255文字
むじな
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社会が、ありふれた狂気を生み出すまでに育つまでのスケッチ。
0255文字
やませみ☆彡
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昭和から平成へ二人の女性とその娘たちをとおして時代をえがく。過去を現代へとつなぐ“橋”それぞれの境遇で心を傷め壊れてその手にかけたものは・・・。読み応えありではなしの結び方、とても良かったです。
0255文字
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
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ネタバレ見事。2009年の作品だったのか。三部作はみんな個人史と昭和史をがっちり絡ませて描いていてとても読みやすく、腑に落ちる感じだ。また、本当に男だろうかと思うほど女性の心理描写が巧みだ。
0255文字
ぼび
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5/5
0255文字
オスカー
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橋本治さんて「桃尻娘」のイメージしかなかったので、この本は意外な一面を見た感じがしたいと。シンプルなタイトルの中にたくさんの想いがつまっている。読んでよかった一冊。
0255文字
ぽーろ
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2
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中山りの
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物語の中で、家族の、人間の成長のかたちが淡々と語られる。しかし大きな事件についてのそれは簡潔。何か事件が起こった時、その原因はよく報道されるような、安易でわかりやすい個人の性質や諍い、成育歴などには求められない。ということを考えれば、ある事件の説明はこの物語のように、事件と直接は関係のないような出来事の描写で占められるものなのだろうと思った。 『だがしかし、大人というものは、「結局“うん”とうなずいた」という事実ばかりを拾い上げて、「“うん”とうなずくまでのためらい」を見過ごすものである』
0255文字
やどかり
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ネタバレあれ?この事件知ってると最後の方に気付いた。実際にこんな人生を送ってのあの事件だったのだろうか。。娘の世代がまさに私と同世代で、世の中が物に満ち溢れてきた時に、日本が道を踏み外してしまったのかなと感じた。娘世代の2人に無力感が漂う。母親2人も何が間違っていたのかわかっていないのかもしれない。
0255文字
yusuke
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本のあらすじの通り、2家族の親子(団塊世代と団塊ジュニア世代)それぞれの人生を最後までひたすら冷徹に描いた作品。所謂書き手の感情・主観というものが相当排されていて、文章や構成にも技巧が少なく(説明文の様にすら思える)、この本が一般にアピールする部分というのは正直かなり少ないと思う。それでも自分は最後まで読むことを止められなかった。それはひとえに、作品全体に漂うもの哀しさ―いまの時代が変換期・低迷期を迎えているという混迷した空気感がひしひしと伝わってくること―それが表れていたからだと思う。歴史は連綿と続く。
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Takeshi Sano
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ありよう・・・
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はちてん
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ネタバレ著者は時代を映すことに巧みだ。淡々と語るからこそ読み手にはより深く時代と人物が想像できる。昭和の高度成長期、まじめで地道なであることが将来をほぼ約束していた。団地の窓から明るい未来が見渡せたかもしれない。そんな前向きな世相の中で育った父と母は、それぞれの娘をごく当たり前のつもりで育てた。しかし、娘はバブルがはじけ不透明な不景気の平成に向かって、自己嫌悪も自己肯定もなくオトナになる。一人は無の自己、もう一人は虚の自己。抱えたものはそれぞれ異なるが、実際世間を騒がせた殺人事件の犯人になってしまう。→
はちてん

二つの家族は「普通」だったはず。殺人者を生み出すような環境だっただろうか。なぜ一人は子供を殺し、もう一人は夫を殺したのだろう。八つ当たりで橋から投げ捨てたオニューの長靴、橋に残されたもう片方。

08/23 13:24
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Anemone
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実際に起こった犯罪事件と、ふたりの女性とその親の来し方までを絡めた長編。物語としては面白かった。のだけれど、事件のことは終盤に唐突に淡々と触れられている感じ。誰がどの事件の関係者なのかを踏まえて読み返すと、より深く味わえそう。この感じ、きらいじゃない。
0255文字
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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自己肯定感を持てなかった、持たせて貰えなかった女子の成れの果て、という物語のつもりで読み進めて行って、実在の事件が元ネタだったのかと気づけたのは終わりも近くなってから(鈍すぎる?)。あの事件からこの物語を作り出したのなら、誰もがあの犯人になってしまう恐れは多いにある。社会の枠組みにいることを必死に自分に課している人が犯罪者にならずに済んでいるのだ。一歩を踏み外して越境してしまった人の「弱さ」を一方的には責められないよ。もちろん、その弱さの鬱憤を向けられてしまった人はとばっちり以外の何物でもないが。
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ピラックマ
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橋本氏は内田樹との対談で小説の作り方について以下のようなことを語っている。 「物語を相手に与えるためには説明が不可欠であり、他人のことを説明するということは、実は技術論であって、説明するものがない小説は自分のことを語るだけになってしまい客観性が無い。小説を書くということは延々と説明をし続けていくことであり、小説というのは説明するディテールをいっぱい取ったものの勝ち、苦にならないような説明のテクニックを持ってしまった人の勝ち。」 この本はまさにそのことの実践としてある、徹底して。
0255文字
ちゃむほ
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昭和の終わりや平成の始まり、バブル期のことが書かれていてあまりピンときませんでした。幼いころから寂しい思いの積み重ねでどこか間違えてしまったのかな。忙しいことを理由に娘にあまり構わない親たち。んー、よくわからない話でした。幼いときに娘が少し不憫でした。
0255文字
glaciers courtesy
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橋本治を読みつけている人以外は登場人物の心のうちがあまりに綿密に小説に書き込まれていることに違和感を感じるのではないか。通常、小説は読者の解釈の余地を残し、時には誤読を誘導さえもし、不明瞭な部分を残すものだと思う。その含みをもたせる部分が芸術としての肝要な部分とさえいえる。しかし、橋本治はどこまでも登場人物たちの心を明確に文章として書きこむのだ。解釈される余地を残さない事実として。これは前衛だ。当たり前の顔をして、橋本治は堂々と前衛を行く。しかし、この橋本治の戦いを受け止める人はどれだけいるのだろうか。
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ヨーイチ
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橋本治の小説はゴミ屋敷を扱った「巡礼」に続いて二冊目。難しい言葉は少なく、文章は平易で読みやすい。しかし内容は決して取り組み易いとは言い難い。「巡礼」でも感じていたのだが、橋本の小説に漂う「冷静さ」は恐ろしいほどに独創的だ。団塊ジュニア世代に属する少女の成長過程が描かれているのだか、作者の感情が殆ど反映されていないのは、無気味ですらある。「こんな小説があっていいのか?」とさえ思えた。好悪と善悪が殆ど出てこない文学ってちょっと想像がつかない。続く
ヨーイチ

続き 描かれるのは「そんなもの、として世間を浮遊する人間達」だけ、と言ってよい。主要な人々は内省と云う事を全くしない。これもかなり恐ろしい。例外として水々しく美しい物が、風景自然描写がとてもいい。これが素晴らしい。一見オーソドックスな昭和の小説っぽいのはそのせいであろう。深い論評などは小生の手に余る代物であるが、昭和を考える上で、再読、精読した方がいい本だというのは分かった。兎に角、変わった小説である。

11/06 10:29
0255文字
みゆたん
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事件にはほとんど触れない、第三者目線の不思議な物語。悲劇はいつ始まったのか。誰がどこで間違えたのか、誰も何も間違えていないのか。考えさせられる
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くろすけ
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実際に世間の耳目を集めた殺人犯となるに至った二人の娘たちを描いた作品。娘たちに共通するのは、幼い頃からの砂を噛むような「疎外感」。高度成長に躍る日本社会の片隅で、上手に空気に乗れず不器用に怒りを溜め込み育った娘たち。好景気に舞い上がった親たちが悪いのか。作者は繰り返す。母親たちはそれぞれ自分の娘を愛していたと。誰のせいでもない、戦争が普通の人々の人間性を奪うように、バブルに向かってひた走ったあの時代にこういう形で失われたものもあったのだと、橋本治は誰を責めるではなく冷静に振り返り描いてみせてくれた。
0255文字
安南
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ワイドショーを騒がせた実在する二人の女性犯罪者がモデル。団塊の世代である母親達の青春からその娘達の成長過程、犯罪に至るまでが高度成長期〜バブル崩壊後の世相を背景に淡々と綴られる。彼女等の育った家庭は誉められたものではないが、特別に異常というわけでもない。この時代なら、いくらでもありそうな家庭だ。作者は家庭や時代の責任を問うつもりは無く、ただ虚無を、空っぽの彼女等を見せてくれるだけ。まるで中世説話の鬼女物語を聞かされているようだ。
0255文字
鷹ぼん
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一見、何の接点もない二つの事件を、犯人の母親同士がかつての同級生だったという接点だけで、犯人の女性二人、その母親二人の人生を、ルポルタージュ風に振り返りながら、事件そのものの描写は最大限に簡潔にしたところに、一層の切なさ、やるせなさ、事件そのものの特異性や陰惨さがにじみ出ていて、どんよりした気分のまま読了。感想もへったくれもなく、作者の力量に屈した感じ…。
0255文字
ユーコ
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文庫化再読。誰もが「あの事件」を想起するであろう殺人者を描きながら、彼女たちの心理描写は少ない。その代わりに描かれるのは親の人生、土地、時代のディテールである。豊かになっていく中で、空っぽのまま流されるように大人になった彼女たち。冒頭の「一人の少女が大人になった。しかしその少女は、自分自身の頼りなさをどのようにも自覚していなかった」という言葉は彼女たちのことでもあり戦後の日本のことでもあるように思えるのだ。
0255文字
りょうりょう
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裏表紙に昭和の終焉と低迷の平成を空虚な心を抱えて育っていく主人公。人間と時代を容赦なく描ききった作品とあったので、昭和、平成との変遷を20代で経験した自分には懐かしいのかもと思い購入しましたが、なんと実際に起きた殺人事件をモデルにした小説でした。主人公をゆがめてしまった時代背景、人の冷たさには考えさせられますが、そんな環境でも明るく強く生きようとできなかった本人の性格が原因だと思いました。
0255文字
Hideo  Itoh
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残忍な事件があったりすると、この犯人の子供時代は・・・とか、家庭環境は・・・とかをワイドショーが採り上げるが、まさにそんな内容の息苦しくなるような話。高度成長時代からバブルがはじける頃まで、がむしゃらに働いた親と、その忙しさの中でほんとうの意味で可愛がられることのなかった娘。時代のせいにするのは簡単だけど、その行き違いが切ない。
0255文字
ナミのママ
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この時代がわかる人は、理解しやすいんだろうなと思います。 せつない時代だったのだなと、改めて感じました。
0255文字
JKD
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少しクセのある独特な時間軸のズレが物語の不気味さを増幅させる。存在感を出せない2人の少女が持つ静かな不満が歳を重ねていくにつれ徐々に鬱積していく様は恐ろしく、殺人者の形成過程がリアルだった。そして切なかった。
0255文字
nrk_baby
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結構好き
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つきみ
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記憶に残る衝撃的な二つの実在した事件を描いた小説。ノンフィクションのように思える文体で、脳内が少し混乱する。作者は二つの事件を起こした女性たちが育った環境や時代を掘り下げようと、その母たちの育った環境まで遡る。夫を殺害してバラバラにした、大川ちひろの思春期以降がすっとばされた感あり、腑に落ちない部分もあるが、全体としては面白かった。こういう小説は嫌いじゃない。
0255文字
パンダプー
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モデルの二つの事件に対してなんで作者は創作意欲がわいたのかわからないが、元々「桃尻娘」のころから、この作者の文章が苦手なのだった。忘れてた。 ナナメ読みに近い感じで読み終わったけど、面白くなかったなあ。
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