太陽の棘 (文春文庫)

太陽の棘 (文春文庫)
あらすじ・内容
サンフランシスコにある医院のオフィスで、老精神科医は、壁に掛けられた穏やかな海の絵を見ながら、光と情熱にあふれた彼らとの美しき日々を懐かしく思い出していた……。
結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エド・ウィルソン。
幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる心優しき男の赴任地での唯一の楽しみは、父にねだって赴任地に送ってもらった真っ赤なポンティアックを操り、同僚の友人たちと荒廃の地をドライブすること。
だが、ある日、エドは「美術の楽園」とでも言うべき、不思議な場所へと辿り着く。
そこで出会ったのは、セザンヌや、ゴーギャンのごとく、誇り高い沖縄の若き画家たちであった。
「互いに、巡り合うとは夢にも思っていなかった」その出会いは、彼らの運命を大きく変えていく。

太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた二枚の肖像画を巡る感動の物語。

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太陽の棘はこんな本です

太陽の棘の感想・レビュー(261)

とても情熱的で切なく、生きていく糧を感じる物語だった。タイトルに偽り無し。
★7 - コメント(0) - 3月17日

波乱万丈の物語を期待して読む者には物足りなさが残るかもしれない。しかしながら、ここで語られる戦後直ぐの沖縄でアメリカ人軍属と地元沖縄の芸術家の間で交わされた絵画への熱い思いと歓喜の交流は、沖縄の青い空と太陽のイメージと重なるものを感じさせてくれる。この時期にこのような人々がいて、著者がそこに沖縄と戦争を重ね合わせた物語を描いてくれたことに感謝したい。今までニシムイの絵を見たことはないと思うが、出来れば今後その機会に恵まれたいものである。その時はきっと、この物語に思いを寄せながら鑑賞することが出来るだろう。
★8 - コメント(0) - 3月14日

今すぐ沖縄に行って沖縄県立博物館・美術館に行きたい。1946年に台湾で生まれ、宮古島で高校卒業までを過ごした私の父は、絵を描くことが得意だったと言う。本書を読んでいると、その父が描いていたあの頃の沖縄の、真っ青な空や海が、目の前にぱーっと広がるような感覚があった。
★10 - コメント(0) - 3月13日

装丁が気になって、いつか読みたいと思っていたマハさん。この作品について、沖縄そしてその歴史をまったく知らない私が語るのは難しい。カバーの絵はまさにゴーギャンタッチ。ドクター・ウィルソンのオフィスに掛かっているという絵画を、私も手に取ってみたい。
★301 - コメント(14) - 3月12日

太陽の棘というタイトルどおり、温かさとやるせなさ、胸に棘が刺さったままのような感じにさせられる作品。軽々に感想が語れない。
★11 - コメント(0) - 3月9日

どうにもならないもどかしさと、割り切れない感情。間には深い深い溝がある。戦争の爪跡が生々しく残る当時の沖縄で彼らは出会い、国境も文化も立場も超えて絆を深める。アートを通じて。生活は決して楽ではない。太陽の棘は痛みを伴う。それでもたくましく生命力溢れ生きる姿は美しい。強い日射しにも負けないほどに。痛みと共に希望の光も胸に抱く。戦争、沖縄、目を逸らしてはいけない部分を本作で教えてもらった。
★57 - コメント(2) - 3月5日

終戦直後の沖縄で青年米軍医のエドが迷いこんだのは、光に満ちた若き画家達の美術の楽園、“ニシムイ美術村”だった。戦争が無ければ到底出会うことのなかった彼らを結びつけた絵画の力と魅力、戦争の愚かさ、現在も続く沖縄問題を余すことなく描いている。焦土と化した沖縄で直面する現実は厳しく哀しい。それでも逞しく生きるニシムイの画家達の“生”と“芸”への執着に希望を貰える。目映い沖縄の太陽の光を集めた「光の棘」は、エドと読者の心に小さくも鋭く、ほろ苦い痛みを残す。マハさんの芸術愛・平和への願いが感じられた素敵な1冊☆
★36 - コメント(0) - 3月3日

1948年、まだ戦争の爪痕がはっきりと残る沖縄。そこに実在したニシムイ芸術村。そこに集う沖縄の芸術家達と、沖縄米軍基地に赴任した若き精神科医が語る思い出。青い空と海。吹き渡る風、ギラギラと照りつける太陽の光。キャンバスに描かれる絵の具の香り。そんなものが伝わってきそうな物語。実在する話しにいくつかの「if」を交えた物語。「翼をください」でもそうだったが、こうした話を書くのが上手いなあと思う。★★★+
★104 - コメント(0) - 2月27日

A
★5 - コメント(0) - 2月26日

終戦後の沖縄の画家達と派遣されてきた精神科医達の友情物語。この作家さんは絵が好きなんですね。ニシムイの人達が描いた絵を見てみたいと思った。
★15 - コメント(0) - 2月22日

カンヴァス、ジヴェルニー、に続く原田マハ作品3冊目だが、この太陽の棘が一番好きだと思った。購入後に知ったのだが、ハードカバーと文庫では表紙が異なり、ハードカバー側は表と裏それぞれに別の肖像画がある。この2つの肖像画をめぐる物語こそが本書なのだが、友情、芸術、戦争と、、強く引き込まれる物語だった。それでいて肖像画も実在し、史実に基づいた小説であることに驚かされる。読んでいてずっと涙が止まらなかった。
★48 - コメント(0) - 2月21日

読んでよかった一冊。ニシムイって土地も初めて知ったし、そこに芸術家が住んでいたことも知らなかった。戦後の沖縄でこんな素晴らしい交流があったことも知らなかった。タイラがエドの肖像画を届けに来たシーンは電車の中で読んでいたにもかかわらず、泣きそうになった。
★30 - コメント(2) - 2月15日

エドやアランとニシムイの画家たちの魂と魂のつながりに胸が熱くなりました。今も続くアメリカ兵の沖縄駐屯。彼等が望んだ真の開放は未だなされていない。日本でありながら日本ではないという沖縄の残酷な現実の中で、歴史も人種も関係なく信頼しあえる彼等の生きざまが本当にすばらしい。みなさんのレビューにもあるように、彼等の作品が観てみたいです。それに、人を宗教や人種で差別しようとする某国の新しい大統領に読ませてやりたい!反省しろ!
★14 - コメント(0) - 2月15日

他の作品と違って絵が思い浮かばないので、なかなか話に入り込めない。 いい話と思いましたが、国語の教科書に載ってる話みたいかな。
★4 - コメント(0) - 2月14日

戦後の沖縄。想像よりずっと悲惨な事が起きていたのだろう。同じ日本だと思っているけれど、当時(といってもそれほど前ではないのに)は、ヤマトと呼び敵のように思っていたなんて…ニシムイの画家たちの生命力と沖縄の気候が重なる。きっと絵も力強いんだろうな。観てみたい
★12 - コメント(0) - 2月14日

ニシムイの芸術家と米軍医師の心の交流に胸が熱くなる。実話に基づく物語ということなので、彼らの作品が見てみたくなった。
★15 - コメント(0) - 2月14日

Nan
戦後すぐの沖縄で従軍兵として勤務するエド。沖縄出身の画家達がつくる美術村でタイラ、シマブクロ、そしてヒガと出会う。壮絶な戦があった場所、なのにアメリカ軍と生きなければいけない沖縄の人。我慢強い彼等の、時に爆発する感情。絵を通して、彼らは時にぶつかり時に拒絶しながらも友情を育む。終盤、号泣です。実話を題材にした小説だそうです。表紙の絵はそのモデルとなった『玉那覇正吉』氏の作品「スタンレースタインバーグ」(一部)です。
★13 - コメント(0) - 2月12日

第二次世界大戦後の沖縄が舞台。米軍医師エドと、画家のタイラたちとの交流を描く。沖縄という場所が日本とアメリカとの狭間で苦しい立場にあったんだなと思った。
★10 - コメント(0) - 2月10日

ジャンル問わず、アートを楽しみたい私(正直、シュルレアリスムは苦手です。特にマン・レイ)には、原田マハはうれしい作家さん。必ずしも心地よい内容ではありませんが、誇り、覚悟、熱を感じられます。読んで考えるのにも良い一冊です。
★23 - コメント(0) - 2月8日

沖縄の問題をアメリカ側から描いているという試みが面白い。最後は、あーそうかという結論だが、そこに自画像という美術的な視点を導入することで面白味が増しているのだと思う。
★16 - コメント(0) - 2月7日

戦後の沖縄を舞台に、軍医・エドワードとニシムイ美術村で暮らす画家たちの交流と友情を描いた実話を元にしたフィクション。言語、文化、立場の壁すらも越えて「アート」で繋がる彼らの姿は熱く胸打たれるものがありました。そして「アート」がもたらす「平和」についても考えさせられます。今現在、基地問題で揺れる沖縄を考えた時に、アランの残した言葉ーー沖縄の人のために出ていかなくてはならないーーが大きな意味を持って強く胸に響きます。「アート」が両国の架け橋となり、真の平和、真の友情の礎となることを願わずにはいられません。
★124 - コメント(0) - 2月7日

これは沖縄を舞台にした終戦後の日米の交流の物語ではない。あくまで「沖縄の画家たち」と「米軍医」の個人の絆の物語だ。絵を愛する心という純粋で普遍的な何かが、それぞれが背負っている立場や国や歴史を超えて、彼らを得難い友情で結びつけていく。でも、それだけでは何もかもは超えられないから、背負っているものを超えようとした分、傷つく。人間の善さを描くのが抜群にうまい著者が、慎重に美しく描き上げた友情物語に「太陽の棘」という題名をつけたところが好きだ。その「棘」という言葉に込められた痛みやひずみに敏感でありたいと思う。
★42 - コメント(0) - 2月7日

美術小説。終戦から復帰までの沖縄の現実とそこで生きる人々について力強く描かれていた。ニシムイで創られて絵を見たいと思った。沖縄の陰影がよく表現されていて、とても悲しくなって涙が出てしまった。
★15 - コメント(0) - 2月7日

表裏一体、インパクトのある絵画。マハさんのお話は本当に胸熱くなる場面がある。戦争という時代の中で今でいう癒しが絵画であったこと。絵画を通していいことも、悪いことも伝わってきた。
★12 - コメント(0) - 2月6日

第二次世界大戦終戦後の沖縄をあえて米軍関係者の視点で描くのは、流石原田マハかなと。巻末の解説は、大体の場合ダイジェストを描いているだけで読む価値が低いものが多いが、本当に解説している解説文を初めて読んだ気がする。
★8 - コメント(0) - 2月5日

読了後、改めて表紙と裏表紙の絵を見て息を呑みました。まさかこの絵の方たちが関係するお話だったなんて。。ゴーギャン、セザンヌ‥代表作すら知らない、美術には無知無縁の私がアートに向き合いたくなる力強い作品でした。
★13 - コメント(0) - 2月4日

戦時中、戦後の沖縄の背景に描かれた絵画を通しての繋がり。沖縄の歴史に対して日本、アメリカ両方に理不尽さを感じる。実話というのが驚きですが絵画を通しての友情に感動すると同時に改めて沖縄の複雑な立場、歴史を考えるとやるせない。マハさんにしか書けない沖縄だと思いました。
★34 - コメント(0) - 2月3日

終戦後に、配属された沖縄基地の精神科医エドは、島のニシムイ芸術村のタイラ達と出会う。元々画家も志していた事があったエドは、職友アラン、ジョンと共に親交を深めて行き、彼らの絵に惹かれていく。・・彼らと米軍人少尉の揉め事から、エドが少尉を殴り、本国強制送還となってしまう。 ・・・強制送還される貨物船の甲板から丘の上の村を見るシーンで泣けてきました。敗戦国だからこうならざる終えなかったのかな・・・そんな思いになりました。
★141 - コメント(0) - 1月29日

ありのままに出来事を描き、素直な心の交流を浮き彫りにするなんて、とても無理な戦後すぐの沖縄。ヤマトンチューが誰一人でてこないことに象徴されるように慎重に描かれた物語。それでも、だからこそ、悲しさと生きる力があふれる。よかったです。
★19 - コメント(0) - 1月27日

ニシムイの画家たちが、大変な生活の中描いた絵を見てみたくなった。何かを通せば立場の違いを超えて心を通じることができる人と、何かを見つけられないか・立場の違いを超えられない人と。ありありと感じられた本の中の出来事は、内容をまとめて感想を書けるような話ではなかった。
★16 - コメント(0) - 1月25日

⭐︎⭐︎⭐︎
★1 - コメント(0) - 1月23日

事実に基づき、戦後の沖縄(のアート)を外国人医師の目を通して描く物語。原田マハは、実際にあった出来事を調べあげ、出会った人に話を聴き、独自のエッセンスとセンスを加えて仕上げるのが抜群に巧い。今回もヒリヒリさせられ続け、ラスト手前で思わず落涙。
★14 - コメント(0) - 1月21日

戦後の沖縄で、芸術を生きる糧にまっすぐ進もうとした人々の強さを思い知らされました。どうしても、平和な時代のようには生き切れないなかで、心が通わせられるってどんなに深い思いを抱いたのか。自分の弱さを真正面から突き付けられたストーリーでした。
★12 - コメント(0) - 1月20日

5 又々この上ない深い感動をマハさんはくれました。世界中に知れ渡る絵や画家ではなくても、一枚の絵が2つの国を結んでくれる、そして国籍の異なる人間達を結んでくれるという事を教えてくれます。戦後沖縄の現地の方々と交流したアメリカ軍医の、温かいけど思い出す度に棘がキリッと刺さるような想いが伝わります。最後の鏡のシーン、素晴らしかった。
★25 - コメント(0) - 1月20日

戦争の凄惨さがタイラやヒガを通して表現され、そして沖縄人の悲しみを内に秘めた明るさに心打たれました。
★19 - コメント(0) - 1月19日

第二次世界大戦後の沖縄に軍医として派遣された美術を愛する精神科医が、休暇のドライブ中に偶然見つけた若い画家たちが暮らす村。主人公と沖縄の若い画家たちの交流の物語です。実話をベースにした小説らしいけど、著者の美術をテーマにした小説の中ではあんまりよくなかったな。
★2 - コメント(0) - 1月18日

タイトルに「棘」という言葉を選んでいるのが印象的。 簡単には分かり合えないし,理解できないものを生み出してしまうのが戦争というものなんだと思う。 最後の鏡のシーンで少し救われた気分になれたかな。
★15 - コメント(0) - 1月15日

国と国、人種と人種ではなく、人と人との繋がりなのだ。その間を繋ぐものが、絵でも音楽でもスポーツでも構わない。どんな人とでも友情を育むことはできる。自分が繋がろうとすることが大切なんだろうな。
★12 - コメント(0) - 1月15日

独自の視点で沖縄問題を論じてきた佐藤優さんならではの解説を読んで「太陽の棘」に込められたものを考えさせられ、考えている。肌を刺す様な沖縄の陽射しに重なる太陽に象徴されるモノ。棘の様に沖縄の大地と沖縄人の心に刺さって抜けないモノを…。史実をもとにアートを通して沖縄の太陽と棘を物語った原田さんの心温まる作品を「小説家の優れた才能と人間的な温かさにより、どんな善意の人間であっても理解出来ない事柄があることを明らかにした。私は日本人が書いた沖縄をテーマにする小説で『太陽の棘』がいちばん好きだ」の佐藤解説で共有。
★64 - コメント(0) - 1月14日

読後、表紙の肖像画とタイトルの意味が心に響く。『太陽の棘』は実話を元に作られた話らしい。ニシムイという名の美術村が実在したという話には驚いた。この物語は、外の人間が沖縄をテーマに描く際ありがちな、過度に感傷的な話でも、差別的な話でも無かった。それでいて物語としての感動ももたらしてくれる良くできた作品である。佐藤優氏の解説まで含め、素晴らしい一冊。
★15 - コメント(0) - 1月13日

太陽の棘の 評価:88 感想・レビュー:118
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