太陽の棘 (文春文庫)

太陽の棘 (文春文庫)
あらすじ・内容
サンフランシスコにある医院のオフィスで、老精神科医は、壁に掛けられた穏やかな海の絵を見ながら、光と情熱にあふれた彼らとの美しき日々を懐かしく思い出していた……。
結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エド・ウィルソン。
幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる心優しき男の赴任地での唯一の楽しみは、父にねだって赴任地に送ってもらった真っ赤なポンティアックを操り、同僚の友人たちと荒廃の地をドライブすること。
だが、ある日、エドは「美術の楽園」とでも言うべき、不思議な場所へと辿り着く。
そこで出会ったのは、セザンヌや、ゴーギャンのごとく、誇り高い沖縄の若き画家たちであった。
「互いに、巡り合うとは夢にも思っていなかった」その出会いは、彼らの運命を大きく変えていく。

太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた二枚の肖像画を巡る感動の物語。

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太陽の棘の感想・レビュー(186)

事実に基づき、戦後の沖縄(のアート)を外国人医師の目を通して描く物語。原田マハは、実際にあった出来事を調べあげ、出会った人に話を聴き、独自のエッセンスとセンスを加えて仕上げるのが抜群に巧い。今回もヒリヒリさせられ続け、ラスト手前で思わず落涙。
★10 - コメント(0) - 1月21日

戦後の沖縄で、芸術を生きる糧にまっすぐ進もうとした人々の強さを思い知らされました。どうしても、平和な時代のようには生き切れないなかで、心が通わせられるってどんなに深い思いを抱いたのか。自分の弱さを真正面から突き付けられたストーリーでした。
★8 - コメント(0) - 1月20日

5 又々この上ない深い感動をマハさんはくれました。世界中に知れ渡る絵や画家ではなくても、一枚の絵が2つの国を結んでくれる、そして国籍の異なる人間達を結んでくれるという事を教えてくれます。戦後沖縄の現地の方々と交流したアメリカ軍医の、温かいけど思い出す度に棘がキリッと刺さるような想いが伝わります。最後の鏡のシーン、素晴らしかった。
★18 - コメント(0) - 1月20日

戦争の凄惨さがタイラやヒガを通して表現され、そして沖縄人の悲しみを内に秘めた明るさに心打たれました。
★15 - コメント(0) - 1月19日

タイトルに「棘」という言葉を選んでいるのが印象的。 簡単には分かり合えないし,理解できないものを生み出してしまうのが戦争というものなんだと思う。 最後の鏡のシーンで少し救われた気分になれたかな。
★10 - コメント(0) - 1月15日

国と国、人種と人種ではなく、人と人との繋がりなのだ。その間を繋ぐものが、絵でも音楽でもスポーツでも構わない。どんな人とでも友情を育むことはできる。自分が繋がろうとすることが大切なんだろうな。
★8 - コメント(0) - 1月15日

独自の視点で沖縄問題を論じてきた佐藤優さんならではの解説を読んで「太陽の棘」に込められたものを考えさせられ、考えている。肌を刺す様な沖縄の陽射しに重なる太陽に象徴されるモノ。棘の様に沖縄の大地と沖縄人の心に刺さって抜けないモノを…。史実をもとにアートを通して沖縄の太陽と棘を物語った原田さんの心温まる作品を「小説家の優れた才能と人間的な温かさにより、どんな善意の人間であっても理解出来ない事柄があることを明らかにした。私は日本人が書いた沖縄をテーマにする小説で『太陽の棘』がいちばん好きだ」の佐藤解説が重い。
★48 - コメント(0) - 1月14日

読後、表紙の肖像画とタイトルの意味が心に響く。『太陽の棘』は実話を元に作られた話らしい。ニシムイという名の美術村が実在したという話には驚いた。この物語は、外の人間が沖縄をテーマに描く際ありがちな、過度に感傷的な話でも、差別的な話でも無かった。それでいて物語としての感動ももたらしてくれる良くできた作品である。佐藤優氏の解説まで含め、素晴らしい一冊。
★11 - コメント(0) - 1月13日

戦後直後の沖縄の苦悩が芸術を通して描かれて、ドロドロした中に、光が見える。沖縄の難しい立ち位置は今も変わらず、解決の糸口は見出せない。米軍の存在は、排除されれば生活が立ちいかず、このままだと戦後直後のままで、政治的解決は希望がない。もしかしたら、その答えは、この本のように芸術や、人間同士のつながりなのかな。色々考えさせられた。
★12 - コメント(0) - 1月13日

「原田マハで前を向く」...終戦後の沖縄で若き精神科の軍医「エド」とアートビレッジニシムイの画家達との絵を通した交流...読了後一歩前に踏み出せそうな気がします。
★17 - コメント(0) - 1月13日

エドとタイラの絵画を通した友情。原田マハらしく、最後のエドが帰国する場面は泣ける。
★12 - コメント(0) - 1月12日

原田マハの作品は美術モノ、沖縄モノ、職業モノの三種から成ると思う。この区分において本作品は美術モノでありながら舞台は沖縄というハイブリッド型である。魅力的な内容であったが、美術モノとしては作品の魅力があまり伝わってこなかった。肖像画ということで他の作品の主題と比べると不利であったのかもしれない。いつか表紙の肖像画に出会えるといいなと思う。
★7 - コメント(0) - 1月10日

ken
終戦後の沖縄を題材に、戦争が及ぼす影響を軍医と画家の交流と共に綴った作品。経済的、肉体的だけでなく、精神的な代償を余儀なくされつつも、己の才能を信じて絵を描き続ける姿に学ぶことが多い。タフな精神を身につけたいものです。
★12 - コメント(0) - 1月10日

沖縄について、もっと知りたいと思った。 近いうちのアートビレッジにも行ってみたい。
★8 - コメント(0) - 1月10日

いやぁ、よかった!沖縄の本はやはり手にとってしまうもの。ましてや、アート系ときたら興味深し。ニシムイの存在は知っていましたが、明日にでも美術館に行ってみようかと思ってしまった。何がよかったかって、まさに今の沖縄となにも変わらないではないか。沖縄の人の立ち位置や気持ちがすごく伝わる!(個人的にかもしれないけど)今も戦争が終わってないことを痛感させられた。ウチナーンチュにもナイチャーにも読んで何かを感じてほしい一冊だ。
★23 - コメント(0) - 1月8日

rui
初読みの作家さん。表紙のインパクトに手に取り、裏の内容説明で戦後にとてもひかれるわたしは即買い。 史実に基づいたものであることが物語の深みを出し、戦後の沖縄をアメリカ人の視点でみることができた。 従軍画家という存在は知らなかった。作中、凄惨な光景を目にしながらも見てもいないものを描かされる辛さが伝わってきた。 ラストへ向けて心が痛く、どんどんエドが自分に乗り移るかのようだった。さいご船から眺める生涯未来を照らし続ける光に涙がでた。
★18 - コメント(0) - 1月8日

帯に事実をもとにしたと書かれているのを読了後に気づき、あらためて深く感じ入った。筆者のバックボーンならではの作品だと思う。
★11 - コメント(0) - 1月8日

精神科軍医と芸術家の友情に感動した。 ☆☆
★8 - コメント(2) - 1月8日

大戦後の沖縄。言うならば、当時の日本が見捨てたと呼ぶのが相応しい琉球国で在る今の沖縄と、その場を占領統治するアメリカ合衆国と言う時代を背景として綴られる物語。絵を描くことで通じ合う2つの国を出自とする人。判るんです、伝えたいことは。陽の光を受けて発する鏡の輝きも、その意味も判る気がするけど、どうなんでしょう・・・未来へ向かう光と今の自分。う~ん・・・難しいけど、読後感は良い本です。
★15 - コメント(0) - 1月6日

2017.01.06【読了】
★3 - コメント(0) - 1月6日

読みやすいのですぐ読んでしまった。いい話なんだが・・・実話に近い話らしいが中心人物2人がいい人すぎるような気がする。
★6 - コメント(0) - 1月5日

実在した人達の話でした。占領下の沖縄が、アメリカ人から(一部かもしれないけど)どのように思われていたのか、扱われていたのか、少しだけわかった気がします。どんな環境でも友情って芽生えるものなのですね。
★12 - コメント(0) - 1月4日

史実のお話しとの事、戦後の悲惨さは身に沁みました。しかし、今も沖縄の基地問題がる有ることからも、戦争は終わったと言えるのだろうか。
★11 - コメント(0) - 1月4日

今年初めの一冊。久しぶりの原田マハさん。終戦直後の沖縄であったアメリカ軍医と沖縄ニシムイ美術村に集まる青年達との交流を描いた史実。実際の作品を鑑賞したくなる一冊。素晴らしい作品には色々な背景があるもんですね。間違いなく素晴らしい一冊でした。
★22 - コメント(0) - 1月4日

アートを愛する心は国家も国境も歴史を越える!終戦後の沖縄で出会った米国軍医と沖縄の芸術家達の絆の物語。終戦から3年後、若き精神科医のエドワードは軍医として沖縄に派遣された。激しい地上戦により荒廃した沖縄はアメリカの統治下になり復興しつつも暗い影も見え隠れする複雑な環境になっていた。そんな中でエドは同僚と不思議な場所を訪れる。美術の楽園を思わせる「ニシムイ美術村」は若手画家達が独自の創作活動する集落だった。この話は史実をもとにした物語…それでも唯一無二の「ニシムイ・コレクション」は実際に見てみたいと思った。
★58 - コメント(0) - 1月4日

「私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―――。」終戦直後の沖縄に、軍医として派遣されたエドワード。休みの日に仲間と共に車を走らせたエドワードは、「ニシムイ美術村」に辿り着く。 そこは、沖縄の芸術家たちが作った村で、画家を志していた事もある エドワードは、彼らと交流を深めていくが・・・
★40 - コメント(2) - 1月2日

戦後間もない頃の沖縄の人と米軍軍医との交流。出会ってから別れるまでの期間があまりにも短かった為、お互いに十分理解し合えたとはいえない。それでも絵画を通じて何か大切なものを得たのも間違いない。おそらく双方共、一生忘れられない時間で、その後の人生に多大な影響を与えただろう。正に一期一会。現在の沖縄でも県民と米軍兵がこんな関係だったらいいのにね…これは理想だけど。
★36 - コメント(0) - 2016年12月27日

表紙の絵、すごいインパクトでした。この物語のモデルとなった沖縄の彫刻家玉那覇正吉さんの作品なんですよね。『太陽の棘』を読むまで、全く知らなかったのですが、『ひめゆりの塔』や『乙女像』の制作も担当するほどの実績を持つ方でした。物語は、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣されたエド・ウィルソンと「ニシムイ美術村」で肖像画などを売って生計立てていた若手画家たちとの交流を描いたもので、当時の米軍と沖縄の人々との関係性を知ると共に、戦後70年経ったいまでもいろいろな問題を抱えていることに複雑な思いがしました。
★14 - コメント(0) - 2016年12月26日

イラク戦争では、PTSD患者への補償費用が莫大だということが話題になった。米軍にとって、精神科医の役割が第二次大戦直後でも重要だったことがこの作品からもわかる。米軍兵士の沖縄市民への暴行は頻繁で、殺人犯でも精神鑑定と除隊だけで済ませていたのが事実のようだ。そんな殺伐とした沖縄において芸術で通じ合った画家と軍医エドの友情の物語は、史実であるだけに感動を呼ぶ。失明に追い込まれた画家の復讐のため、将校に働いた暴行から帰国を命ぜられたエド。画家たちが鏡に太陽を反射させ、光の棘でエドを送るシーンは美し過ぎるラスト。
★11 - コメント(0) - 2016年12月24日

生き抜く力を、再生への希求を、エドに棘と表現させた思いをもっと知りたくなった。棘はどこに突き刺さるのか。
★6 - コメント(0) - 2016年12月22日

原田マハ作品を初めて読みました。戦後まもなくの占領下の沖縄でアメリカ人と沖縄の画家の人々との交流を、アメリカ人の視点で描いている事が新鮮でした。ただ少し物足りない感じは残ったかな・・・
★6 - コメント(0) - 2016年12月20日

終戦直後のアメリカ軍医と、沖縄の画家との交流。胸が熱くなりました。仕事の関係で、沖縄の貧困についての研修等を受けたこともあり、沖縄の歴史等についても知識としては知っていましたが、マハさんの小説を通すと、感じ方が全然違ってきます。しかも、主題はアート、沖縄の問題はあくまでも背景なのに、ものすごく突き刺さる。最後は涙が溢れました。
★17 - コメント(0) - 2016年12月19日

原田マハさんの作品は個人的にはハズレなしで、勿体ないのでちびちび選んで読んでます。この作品、戦後間もない沖縄で再生の願いを絵画に賭けた島人と、赤いポンティアックを駆るアメリカ軍医の出会いの物語。遠まわしに語られる琉球迫害の記憶。感動です。 ところでエドは帰国してマーガレットと結婚したんだろうね?
★12 - コメント(0) - 2016年12月17日

最後は涙、涙でした。あのような荒んだ時代だったからこそ、絵画に限らず、芸術的な事が人々には必要だったのかもしれませんね。その後のヒガがどのような人生を歩んだのか、ただただ、気掛かりでした。
★18 - コメント(0) - 2016年12月17日

 途中で何度も涙が出そうになりました。でもその理由がうまく説明できません。なんでだろ?
★30 - コメント(0) - 2016年12月17日

終戦後の沖縄でのアメリカ人の軍医(精神科)たちと、地元の画家たちとの交流の物語。読みやすいけれど、内容は重たいです。戦争は勝者と敗者、両方の心を傷つけてしまう。苦しい状況を受け入れ、明るく頑張る画家たちは逞しい。本当の強さを持っていると思います。アート(絵画、美術)がなくても生きてはいけます。アートは生活や人生に不可欠なものではありませんが、言葉や国を超えて、お互いを理解させてくれます。生きる力を与えてくれます。
★10 - コメント(0) - 2016年12月17日

終戦後の沖縄を舞台にした、米軍の精神科医と美術村の画家たちの友情の話。沖縄住民の本土とアメリカに対する思いや、沖縄戦に参加した米軍兵士のPTSDなど、がっつり重苦しく書き込もうと思えばいくらでも書けそうなネタが背景に見え隠れしているけれど、そのへんは背景に留めて、短い分量で心が洗われるような良い話が展開される。冷静に考えるとめちゃくちゃベタな話なんだけど、背景に見える陰があざとい話をあざとく見せないタイプの作品。面白かった。実話が基らしいけど、どこまで実話でどこからフィクションなんだろう?
★14 - コメント(0) - 2016年12月16日

★★★☆☆
★4 - コメント(0) - 2016年12月15日

『画家の神秘』…今、僕が思い描く「開放的」という沖縄のイメージ… 読後、そのイメージに影を落としたような気持ちになる。ニシムイ美術村の人達はどんなことを思いながら、ポストカードや肖像画を制作していたのかを考えると胸が締め付けられる。 しかし、ラストシーンの鏡の光は、とても力強く、希望の未来へ賛美の鐘が鳴り響いているかのように感じた。。
★45 - コメント(0) - 2016年12月15日

「楽園のカンヴァス」読了以来、気になっていた原田マハ。最近、個人的に関心がある沖縄と著者の強みである美術がシンクロした作品だと知り、迷わず購入。これほど心に染み入る作品に出会ったのは、いつ以来だろう。ニシムイ美術村を通じて、沖縄人と米軍医師が心の絆を育む姿。その背景にある厳然とした抑圧と差別の構造。それらが、著者の紡ぐストーリーにより優しく奏でられている世界に、どっぷり浸ってしまった。自分にとって、間違いなく今年最高の一冊だと思う。人に薦めたい本のベストテンに入りそうです。
★15 - コメント(0) - 2016年12月14日

太陽の棘の 評価:86 感想・レビュー:85
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