自生の夢

自生の夢
あらすじ・内容
3人を言葉だけで死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍〉を滅ぼすために、いま召還される。近未来ネット社会の大災厄を描いた傑作「自生の夢」他、飛浩隆10年ぶり待望の作品集。

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73人を言葉の力で死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍(イマジカ)〉を滅ぼすために、いま召還される----第41回星雲賞日本短編部門受賞作「自生の夢」他、今世紀に発表された読切短編のすべてを収録。最先端の想像力、五感に触れる官能性。現代SFの最高峰、10年ぶり待望の作品集。
「この作者は怪物だ。私が神だったら、彼の本をすべて消滅させるだろう。
世界の秘密を守るために。」----穂村弘

その他の収録作品:
◎「海の指」第46回星雲賞日本短編部門受賞
霧が晴れたとき、海岸に面した町が〈灰洋(うみ)〉となり、異形の事物は奏でられていく。
◎「星窓 remixed version」日本SF大賞受賞第1作
宇宙空間からぽんと切り抜いたガラス板を買ってきた。
◎「#銀の匙」「曠野にて」「野生の詩藻」
天才詩人アリス・ウォンの生み出したもの、遺したもの。
◎「はるかな響き」
人類誕生以前に行われた犯罪、その結果、人類を殲滅させるに至った犯罪。

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自生の夢はこんな本です

自生の夢の感想・レビュー(307)

面白かったなぁ。話としては「海の指」が一番印象的なのだけど、「星窓」の非実在の姉、連作の重要な登場人物アリス・ウォン、間宮潤堂は特別面白い設定と性格だった。私は小説(たまにSF)を書くけど、こういうSF小説は一生かかっても書けない気がする。
★9 - コメント(0) - 3月20日

うっふっふ。もったいなくてちょっとずつしか読めなかった。あと難易度が増してた。飛先生が圧倒的なのって、【その人物と会話しただけで人を殺す事ができる】という方法について、ほかの作家さんがニュアンスで書いているところをハッキリと描かれている所かなあと(私が読んでないだけかもしれないけど)。
★10 - コメント(0) - 3月20日

圧倒されすぎてクラクラと病られる。恐ろしいほどのイマジネーションは、何だ。初読み作家さんだが、10年ぶりの作品だったらしい、読めて本当に良かった。心底思う。灰洋(うみ)とか、忌字禍(イマジカ)の文字が持つ、個々によるイメージの多様な可能性が感じられるところ・・好きすぎて、ヤバイ。これは忘れられない作品になるだろう。
★13 - コメント(0) - 3月19日

『人間は〈私〉という意識がじぶんの表玄関だと考えているが、それは買いかぶりだ。〈私〉は、人間の中に生起する圧倒的質感とはほとんど無縁で、ぽっぽっと貧弱な語りをつむぐ「裏口」にずぎないのだ。〈私〉があるという感覚・・・は、生きるうえで大した役割を果たしてはいない。人間も他の動物と同じくほとんどの認識と行動は、無自覚に進められている。さて、それでは、なんのために人類は〈私〉の感覚をもっているのか?(p249)』我思う我はフェイク、チューリング・テストが知性の証明であるならば、そこからから始まるSFもあるんだ。
★6 - コメント(0) - 3月18日

SF短編集である。「海の指」は終末前夜の退行した世界という王道設定で引き込まれた。星新一ショートショート集"海"を思い出した。「♯銀の匙」はlotもの的な第一印象だったが、言壺のような、あるいはSerial experiments lainのような手触りのコミュニケーションものだった。そして各掌編が収斂されてゆく……
★2 - コメント(0) - 3月15日

リアリティってことなんだと思う。現代人の感じるリアリティと未来人の感じるリアリティは違うということ。江戸時代に生きた人たちと私たちが感じるリアリティがまったく違うように。電話もなければテレビもパソコンもインターネットもなかった時代のリアリティを考えれば、未来のそれは私のような凡人には想像がつかないリアリティが待っているだろう。本書はその一端を提示してみせてくれている。そうなるかもしれない未来。そこに夢があるのかどうかは別だけど。はたしてリアルは増殖する方向に向かうのか。逆方向に向かうことだってあるかも。
★3 - コメント(0) - 3月15日

飛浩隆の見るビジョンはいつも残酷で、そして美しい。まさに現代最高峰のSF作家という肩書きが似合う。この作者はいつも物語が書かれるということ自体に確固たるテーマを持っている。表題作、『自生の夢』も小説を形作る「言葉」の物語だ。僕の普通より少し劣った頭ではそこで何が起きているか、全てを完全に理解することは到底出来ないけれど、飛の圧倒的な想像力と「言葉」が示す世界には、遠大の魅力と驚愕が詰め込まれている。そしてそこで語れるのはいつだって、僕と私に関する小説であるのだ。本当に凄い作家だと思う。
★14 - コメント(0) - 3月13日

×P72 面白そうではある。
★2 - コメント(0) - 3月11日

5
どことなく繋がっている、夢の裏側のような儚い場所で。
★2 - コメント(0) - 3月11日

寡作な作家さんである、飛さんの作品集。言葉の持つ力の凄まじさをひりひりと感じる。人類は進化し続けて、表現は詩へ収束していき、詩が世界を形作る。そこにはもちろん進化のうえで手に入れた技術もあるけれど、本質はやっぱり言葉の力なんだろうなと思う。
★12 - コメント(0) - 3月10日

Tui
街なみが底なし沼のように融け、想念が巨大な砂の指となり襲いかかる『海の指』。全地球的情報サービスやそこから発展したAR(拡張現実)が廃れ、内言と外言の境目が曖昧となった未来、人が言語表現に支配される表題作『自生の夢』。いずれも、言葉が圧倒的な破壊力をもって空間を覆い尽くす。言葉というものを共感覚的に捉える才能を持つ人だけが、こんな混沌とした未来を描けてしまうのだろう。
★20 - コメント(0) - 3月7日

この著者は初めてですが、久しぶりにこの人は天才だと思えました。感想はまとまらないので、自分の中で整理できたらまた書こうと思う。クラクラするような読書体験でした。
★4 - コメント(0) - 3月7日

落ち着いた語り口で描きながら、どこか滅びや破綻や破滅の終わりの予感や香りがして切ない。怪しい作家間宮にしてもほんとの奥底にあるのはリリカルな寂しさであったかもしれない。短編群はどこか奥底でつながり最後シューマンの不思議な音楽に導かれ滅びと寂しさは美しくうるおい彩られる。音楽、アート、映画、料理、映像を喚起させるシーンの数々。とても素晴らしかった。もっと飛浩隆を読みたい。
★10 - コメント(0) - 3月6日

素晴らしい個性だと思う。 どの話も面白い。 ノスタルジックで映像を喚起する力が強い。 「海の指」が特に気に入った。
★3 - コメント(0) - 3月6日

ほとんど理解できてないけど、最後まで読むことはできた。最初の話が怖い。自分はこんな世界で正気を保てるとは思えない…
★3 - コメント(0) - 3月5日

一応最後まで読んだが8割がた理解できていない。いずれリベンジしたい。
★1 - コメント(0) - 3月5日

氏の描く海には不思議な魅力があって、子どもの頃に感じた海の得体の知れなさへの恐怖、その向こうにあるまだ見たことのない島や土地への憧れ、波が海の中から吐き出す貝殻たち、そんなもののすべてがいつの間にか思い出され、ノスタルジーとともに作品世界に浸る。氏の描く海はたいそう魅力的である。
★5 - コメント(0) - 3月5日

寡作SF作家の待望の短編集。あとがきのノートをみるとこれまで10年間の単行本未収録作品を集めたものらしい。アイデアと文章力の優れた作家でこれこそSFというビジョンを堪能できる。星雲賞受賞の表題作は、登場する忌字禍(イマジカ)から中島敦文字禍のオマージュなのは明白。語られる科学技術のアイデアが現実の情報社会に生きる我々には、そこまで遠くない現実味を帯びているように感じる。少しSFに慣れた人向けかもと。おすすめ。
★66 - コメント(0) - 3月3日

巻頭の「海の指」が一番好き。ヤングを彷彿させるような甘い要素もあるのだが、後半に従いSF的要素が高くなって僕にはついていけない部分も。あれ僕ってSFが好きじゃなくてSF的な描写が好きなだけだったのかしら。
★2 - コメント(0) - 3月3日

こういうのがSFだとずっと思っていたのだが、これはどちらかというと文学なのかもしれない。作者の視点から見える世界のパーツがネットワークとか支援エージェントだからSFに見えるだけで、美しい文章で私からは世界はこういう風に見えている、を物語にしているので、やっぱりこれは文学なのかもしれない。SFは文学じゃないのか?は別の問題。
★6 - コメント(0) - 3月2日

「海の指」はあの大地震と行方不明になった方々、今もその人達を待ち、探し続ける方々を思うと只々、遣る瀬無い。アリス・ウォンシリーズも彼女が生まれた時を描いた「#銀の匙」が微笑ましかっただけに全てを言語化してネットワークに代わる別個としての「世界」を生み出そうとしていた彼女が忌字禍によってあんな事になるなんて・・・。しかし、最初、レクター博士みたいに思えた間宮潤堂とアリスの遣り取りは微笑ましい。そして間宮が「他者の自我を破壊しかねないパプティノコン」になってしまう事を受け止め続けてきた孤独に項垂れる。
★96 - コメント(1) - 3月2日

圧倒的な創造力が封じ込められた短編集。短編ごとに映像イメージを想起させるに充分な密度と質量が備わっており、詩的で優美な言葉の数々は五感を刺激する。『海の指』は音楽による構築と破壊を自然現象への対抗手段として描かれているが、アリス・ウォン関連の一大叙事詩――そう呼んで差し支えあるまい――は文字による構築と破壊から、ついには自然そのものへ成り代わろうとする壮大さにくらくらしてしまう。10年分堆積された文字群が古びることなく鮮度を保ち続けていることに、著者は未来を視る力を得た魔法使いなのだろうとつくづく思う。
★7 - コメント(0) - 2月27日

言葉は生きているってことなんだろうけど、そんな言葉では言い表せないくらい圧倒的。感想とか書けない
★6 - コメント(0) - 2月27日

伝え合うための言葉、記録するための媒体。目の動きなどで感情や状態を伝えることもできるようになってきている。少し未来はどう伝え合っているのだろう。未来を語ると詩のように感じる。そんな未来がちりばめられた短編集。
★65 - コメント(0) - 2月26日

★★★☆☆データだったり物質だったりが一度可逆的に均一化の海へと分解され、度々特異点として現れ再び世界を分解するために暴れまわる、と言った設定の世界で展開する静かな絶望と優しい滅びのSF短編集。という理解で合っているかな?実は意味が良く分かってなかったりしてw
★7 - コメント(0) - 2月25日

言語の世界と美しい描写に圧倒されました。
★5 - コメント(0) - 2月24日

寡作家の作品集。ほとんどの短編が言語を主題としている。はたして言語は人間に自由を与えたのか。最近読んだ荒川修作の昔の対談では、世界は言語によって分析されることを要請すると同時に、そこへ回収しきれない何かを生み続けるという話が出ていたが、飛がポツポツと作品を書いてきた年月にも着実にシンギュラリティは近づいており、世界が言語システムに回収されてしまった後に、改めて残余物としての人間が意味を持つのだろうか。なんか逆立ちしたヘーゲルみたいだな。
★13 - コメント(0) - 2月24日

この世界観は細かいところはよく分からないが、ことばで記述される世界の強さと脆さを描いているような気がする。そう考えれば、いつも自分の行動を思い返すとき、確かに言葉の裏打ちがある。肉体と頭脳が言葉を作ったはずなのに、その言葉が世界をつくり、変えてゆく。やっぱり言葉って不思議。
★25 - コメント(0) - 2月17日

言葉は時に人の人生をも狂わせる。それは心無い人間の排除しようともくろむ思考によって培われ、命を落とす人が後を絶たないことからもよくわかる。「鯨とは小説そのものである」といしいしんじは四とそれ以上の国で語った。それぐらい私たちの手に負えないぐらい壮大なものであるのが言葉だ。ムジカとイミジカ。白鯨。言葉は人を引き付けてやまないが、むやみやたらに浴びすぎると毒になることも知った。このSFは壮大過ぎて、私には読むので手一杯だ。
★19 - コメント(0) - 2月17日

小説というよりも異界へのトビラ。いつも何気なく使っている言葉/文字から、魔法じみたことができる/異界を作り上げることができる/宇宙すらも変革できる、そんな気にさせてくれる。今から流行ろうとしているAR(拡張現実)が、すでに廃れることを想像してしまっているのも凄かった。自室以外の外の世界というのは、何が起きるか/どんなものですらわからない他者の集まり、だからこそ。ARはただの縄張り争い、動物が電信柱にオシッコをかけるのと同じ、品のない行為でしかない。ソレにウンザリしてしまうから
★34 - コメント(1) - 2月16日

★4
★1 - コメント(0) - 2月14日

この本は、本の雑誌で大森望が10年に一冊出逢えるか位の短編集のような事を書いていた。想像力を膨らませて理解しなければならなくて読み辛く、ひと月以上かけて少しずつ読んだ。純文学系SF作品といった感じ。凄いものを読んだという感覚を持った。情緒的で波のようにうねりのあるイメージを喚起させる作品だった。
★27 - コメント(0) - 2月14日

ああ、読み終わってしまった。冒頭の『海の指』、あり得ない情景の目眩く怒濤の描写にずぶずぶと惹き込まれ、すぐに読みきってしまうのが勿体無くて、ずっと持ち歩いて少しずつ読んでいた。『#銀の匙』の文字通り夢のように美しい〈夢字花〉から、『自生の夢』の言語とそれに連なる観念の墓碑であるかのような、忌まわしくも心惹かれずにはおれない〈忌字禍〉、そして『野生の詩藻』の、言語のゴーストのような〈禍文字〉。『曠野にて』を含めアリスの詩作に纏わる一連の連作も、音楽、音、料理が深遠な時空を超えて反響する『はるかな響き』も。
★12 - コメント(1) - 2月13日

ラギットガールからどれだけ待っただろうか・・ あの時からずいぶん成長したし・・読解力も向上したと思う・・だが、飛先生はもっと進化していた。ずっと考えていた。理系は毎年のように様々発見がなされているが文系はどうなのだろう?新しい表現の発見や言葉の使い方が発見されることがあるのだろうか?と、ある意味これは答えになっていた。 それよりなにより、早く「廃園の天使」を早く書いて欲しいっ!
★17 - コメント(0) - 2月13日

【初読作家】魅入られた。とても読み難い小説なのかと、勝手に想像していたのですが、そんな事は全くなかった。読んでいると、自然と情景が頭の中に入ってきて、ストレスは感じなかった。なんと詩的な文章でしょう。美しい。一回読んだだけで終わらせるのは勿体無い。時間をあけて、また読もうと思わせる内容でした。"海の指"これは凄かった! 表題作も素晴らしかった!他の作品も読んでみようと思います。
★14 - コメント(0) - 2月13日

言葉を操る人ならではの発想だろうか。表題作「自生の夢」は、言葉の力だけで死に追いやる事が出来るイマジカとアリスのやり取りがとても奥が深く、現実社会でも問題化している言葉の暴力を連想させる。
★62 - コメント(0) - 2月13日

言語としてのSFが極限まで深化していった結果が、この短編集の表題作やそれに関する連作なのかなあ、とは。NOVAシリーズで読んだことあるのばかりだったけど、こうやってまとめて見るとまた一つ一つが練りこまれていたんだな、となってその構成力の素晴らしさに感動できる。
★6 - コメント(0) - 2月11日

飛浩隆作品に初めて触れたのは、『NOVA1』に掲載された本書表題作が初めてで、それがついにこうやって単著にまとまるのは感動もひとしお。表題作を中心に、重要な役割を果たすキャラクターのアリス・ウォンと彼女の周りの人々を描く連作(「#銀の匙」「曠野にて」、そして「野生の詩藻」)、表題作と同じく星雲賞を受賞した「海の指」など、圧倒的イマジネーションで描かれた七編を収める短編集。表題作とそれを巡る連作が執筆順ではなく作品内での時系列順に並べられていることで、表題作のインパクト(特にアリス・ウォンに起こったこと)→
★17 - コメント(1) - 2月11日

★★★☆☆
★1 - コメント(0) - 2月10日

TG
これはすごい。傑作。表題作は伊藤計劃作品への飛さんのアンサーと見た。(Intelligent Textual Organの頭文字がもうね…)
★8 - コメント(0) - 2月8日

自生の夢の 評価:98 感想・レビュー:146
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