黄金時代

黄金時代はこんな本です

黄金時代の感想・レビュー(118)

プラハの作家、ミハル・アイヴァスの物語は、いつも世界が流動的に揺れ動く。大西洋のあまり知られていない島で、主人公が体験したことや、島民の生活、風習などを書いた本という設定。この島では、ゲームのルールや人の名前さえも変化してゆく。後半は島にある1冊の本の話。誰でも自由に加筆できるので、脇道に逸れたり、物語の中に出てくる物語の人物が、もとの話に登場したり、まるで万華鏡かエッシャーの絵のような感じ。誰も結末を知らない。だが、それがどうしたというのだ。脇道にこそ発見や喜びがあるのだと。この本を読んで気付かされた。
★9 - コメント(0) - 2016年9月9日

複雑な作品である。この本が前提としている文脈を持ち合わせていなかったと感じる。ざっくり読むのではなく、格闘することを求める濃い作品。また挑戦したい。
★1 - コメント(0) - 2016年8月17日

物足りない。300頁では少なすぎる。あと数千頁は読みつづけたい。
★2 - コメント(0) - 2016年5月9日

ダイオウイカがこれほど活躍するとはね。
★1 - コメント(0) - 2016年3月15日

難儀した。手こずった。読み易くはなかった。理解できたとは全く思わない。でも惹かれる内容。特に後半「本」の話になってからは圧巻。何冊も長編小説が生み出せるほど、色濃く、イマジネーションが溢れる。物語は物語を生み出す。メタなのか、アンチメタなのか、私にはこの本を語れるほど、教養も知識も知能もない。でも理解できなくても、面白いと思える文学はあるのだ。
★56 - コメント(0) - 2016年3月13日

スゴ本から。名前のない島の暮らしと風俗を描いて、後半はその島の本についての記述。 詩的というか不思議というかメタもあって自由に書かれていて理解しづらかった。あとがきで古典文学のパロディ本てかかれてちょっと納得。 島の奇妙な風習やら本の中の物語は面白かった。
★1 - コメント(0) - 2015年12月5日

読むのに大分苦戦しました…。物語の中で物語が展開され、されにその物語の中の物語で物語が語られるというように、複雑に入り組んだ、読む者にその本質を掴ませない一冊です。語り部すらも、こういった無数に枝葉を伸ばす物語展開に「いらだつ」「理解できない」と言い出す始末で…。あえて読者に足場を与えないまま、ひたすらに作者の空想を見せるという、なかなかクセのある作品でした。
★6 - コメント(0) - 2015年11月29日

ガリバー旅行記の後に読了。あちらが剥き出しの毒なら、こちらは遅効性の中毒物質か?本質とかストーリーにこだわりがちな読者を最後まで幻惑させる。秋の夜長に一息に読むのがオススメ。遊べる。
★1 - コメント(0) - 2015年10月12日

全体としては「きっとおもしろいんだろうな」と思うけど、読んでて入り込めたり入り込めなかったりと乗り切れなかった感じ。でもそういう本なのかもとも思える。
★3 - コメント(0) - 2015年10月8日

「もうひとつの街」も合わなかったのだけれど、こちらも輪をかけて苦手だった。いくつかの断片によって構成されているのだけれど、それぞれのエピソードにまったく興味が持てず淡々とすすんでしまった。それと「もうひとつの街」でも感じたのだけれど幻想・想像力という部分がどうしてもチープに感じてしまって入り込めなった。ただ、自分にとってどういうものがダメなのかというのが割とよくわかったので、得るものはいろいろとあった。
★1 - コメント(0) - 2015年9月22日

バカンスで南の島で時間を忘れて読書するにはいいかも。夏休みもままならぬ身としてはイメージが捉えにくい本かも。そういう幻想譚なんだが。最初の島の描写はエッシャーの絵に出てきそう。有造より無形。壁の滲みを読み解くのではなくそのものを分類して名前をつける島民の文明も独自に進化していく。西欧人が持ってきたチェスでゲームをしながら朽ち果てていく駒や盤をイメージしながらなおもプレイする。相手を打ち負かす勝負ではなく相手もなく戯れるという感じか。
★7 - コメント(2) - 2015年8月27日

脱線大好き、入れ子大好きなわたしには本当に嫌いになる理由がみつからない。対岸も見えない大海を、必死で泳いでどこかに向かうのでなく、浮き輪にお尻を入れてたゆたっていく恍惚。
★8 - コメント(0) - 2015年7月30日

島の本のポケットのように、物語が物語を内在してる。さまよう流れを、短めの章立てが引き締めてリズムを作ってて良い。人生の回想に似てるかも。例えば小学生の思い出の中には、放課後、夕方の斜めの日を浴びて並んだランドセルの風景が折り畳まれてる。「悲しき熱帯」のように始まるこの島、言下に否定されてるけど、やっぱり日本との共通点が。支配の中心が不在だし(by 河合隼雄)、象形文字だし発酵食好きだし。
★3 - コメント(0) - 2015年7月20日

めくるめくイメージ。美しい断片たち。
★2 - コメント(0) - 2015年7月19日

島の見聞録という形で未知の世界を覗き見ることから始まる冒険が、やがて『島の本』を読む体験と同期して本の迷宮へ迷い込む感覚に変わっていく。そして本筋から枝葉へと無数に拡がっていく小説世界はまるでウェブ空間の奥行きと可能性を本というフォーマットが始めから内包していたことまで想像させて、書物への無限の可能性と愛も感じた。水が流れ落ちながら枝分かれして町中へ満ちていくイメージと物語のイメージが重なる美しい幻想小説。面白かった。
★3 - コメント(0) - 2015年6月29日

リンクを辿って膨張する世界。訳者あとがきでWikipediaに喩えられていたが、成る程な、と思った。自分が何処の誰でもどうでも良くなるようなゆらゆらした感覚。もう少し浸っていたかった気もした。
★4 - コメント(0) - 2015年6月21日

パッチワークに当てられたお話をを順繰り読んでいくようなそんな雰囲気の物語。全く脈絡がないわけでもないけど唐突に話が飛んだり、前半旅行記のような雰囲気だったのが途中から作中作がメインになったり。だけど決して据わりが悪いわけじゃない。面白さを説明するのは難しいのだけど小難しいことを考えずにただ読めば楽しめる、そんな本。
★2 - コメント(0) - 2015年6月16日

目の前で事象が刻々と起こるように、物語に決まった道筋はなく、ただ淡々と変化していく。読者はこの本を読むことによってひたすら形を変え続ける世界を観測する追体験を得る。大筋で言えば前半は『島』の話であり後半は『本』の話なのだが、目的を持った物語ではなく、幻想的な世界を歩くことに焦点を絞ったような話なので、この本の説明は難しい
★4 - コメント(0) - 2015年6月6日

話が脱線する、章の前後とつじつまが合わないことがある、島も本も全貌がつかめない。主人公である語り手だってわかってない、そのつかめなさが奥深い。時折、本の中に主人公が紹介した島の特徴やほかの国の物語っぽい要素が入っていて、この本を書いたのは島民だけでなく島を訪れた外国人もいるのだろうかと想像してしまう。
★3 - コメント(0) - 2015年5月23日

島の描写(水の壁、香りの時計、王の存在)やら、後半の書物の中の物語など、そそられる箇所も多々あったのだが、ぐいぐいとまではいかなった。いささか衒学的なところが自分には鼻につき、この書物にもっと求心力を生むための何かが足りない気がした。ごった煮的なめくるめく坩堝のような物語でいうと「2666」のようなすさまじい作品とどうしても比べてしまう。少し色合いの違う作品の比較なので、フェアではないのかもしれないが。
★1 - コメント(0) - 2015年5月22日

特に前半部が興味深い。波を読む、というようなイメージが良い。「本」を成立させる文化的・思想的背景を描くという意図もあったのだろう。
★1 - コメント(0) - 2015年5月19日

これはまさしく本だと思った。言葉でこんなふうに世界を読み書きできたなら不幸なりにも幸せがいっぱい色んなところからやってきて大変だろうけど素晴らしいはずだな、と思った。興奮して夜眠れず次の日ぐったりみたいなことに満ちていて、それは面白さゆえの不眠なので最後まで読むしか安眠できる方法がぼくにはなかった。著者もきっと書くことでしか、と思って、そこまでにした。
★2 - コメント(0) - 2015年5月7日

短気かつ物忘れの酷い私のような人間からしてみれば、物語の階層が降りていくたびにもう勘弁してくれという気になる。それでも何とか最後まで読めたのは、島の本自体が曖昧な本であったので、前後の物語を意識せずにガツガツと読み進めても良いんだと思ったからだ。そんなわけでこの本の正確な内容については甚だ自信がない。しかし、島の住民であれば、うる覚えの物語を捏造しつつも再構築する楽しみもあるのだと言うのではないだろうか。
- コメント(0) - 2015年4月26日

未知の島、絵の物語、文字が文字でなくなる瞬間、消え生まれ続ける本等々、頭が爆発する。最高。
★1 - コメント(0) - 2015年4月25日

とてもおもしろかった。前半は他の方の感想にあるように『夢幻諸島から』みたいな話かと思って読んでいた。「本」が出てきてからお話が変わってダイオウイカの像を巡る話に。脈絡なく物語を読む楽しみが詰まっていて、とても楽しく読んだ。こういう小説を今求めていた。 アルファベットの上で追いかけっこをするシーンがとても好きだったけど、終わってみればずいぶん遠い昔。そこからいろんなことが起こりすぎた。
★7 - コメント(0) - 2015年3月29日

http://booklog.jp/users/beta-carotene/archives/1/4309206654
★3 - コメント(0) - 2015年3月17日

かつて大西洋の不思議な島に数年間滞在した語り手が、島への二度目の旅を試みた記録。島の暮らしと島民の思考の異質性がいろいろな面から描かれる前半部から、島に存在する魅惑的な「本」との出会いについて語られる後半部へと流れていく。ハイパーテキストを書物の形にしたような「本」と、そこから取り出されてくるいくつもの物語の魅力が際立っている。語り手が綴る脱線に満ちたこの文書自体が島の「本」の似姿とも思われ、そのように文書が書かれた理由を考えてみるのも楽しい。読み進むのに時間がかかる部分もあったが、全体として面白かった。
★16 - コメント(0) - 2015年3月16日

古川日出男の推薦文に倣って本作を端的にまとめてみる。『見えない都市』+『アラビアの夜の種族』にレーモン・ルーセル要素をまぶして、5か6で割った作品。たぶん失敗作。前半の島の紹介も、後半の脱線し続ける物語も所々途方もなく面白いのだが、実のところその構成が失敗理由ではないかと。前半の主観を配した記述の躊躇と戸惑いに小説の醍醐味を感じるが、後半で一転して書き手が饒舌になるのが好きになれない。脱線し続ける物語が作品の枠内で結局は纏まってしまうのもイマイチ。色々ぶーたれてるけど、まあ楽しく読んだのはホント。
★14 - コメント(0) - 2015年3月15日

恐ろしく気が逸れまくる本である。読んでいると今まで読んだ様々な本や映画を思い出す思い出す(カルヴィーノ、エーコ、アンゲロプロス...)。さらに後半、「本」についての記述に入ってからは、途切れ、気を持たせ、放り出しされた物語の萌芽に気をとられて遅々として進まないったら。気がつけばぼんやり物思いに耽っている。まるで私が本を読んでいるのではなく、私の脳内を使って本が増殖・変質していくかのようだ。読書というより「体験」に近い。おそらく何度読んでも同じようには読めないだろう。
★8 - コメント(1) - 2015年3月14日

うーん、あんまり面白さが分からなかったが、ダイオウイカと国王とその花嫁の輪廻転生物語はなかなかに奇抜で印象に残った。ただ、僕の好みとしては前半の島民の暮らしや文化を掘り下げていく形式の方が好きでしたね。
- コメント(0) - 2015年3月11日

カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』+スティーブン・ミルハウザー『バーナム博物館』の印象。もちろん著者が挙げているレーモン・ルーセルの空虚さもたっぷり。前半は拘りぬかれた言葉による手記で、客観性を出そうとして主観がにじみ出てくるところに、小説の業を感じる。それが一転、後半では物語らしい物語が幾重にも重ねられて、登場人物たちの輪廻は、作中に出てくる回転舞台のよう。好きかどうかは二の次で、これほど不思議な小説はちょっとお目にかかれない。
★24 - コメント(0) - 2015年3月7日

大西洋、カーボベルデとカナリア諸島の間に位置する小さな島。島に長期滞在した語り手による、風変わりな生活習慣や思想についての見聞録的な前半部で何度も寝落ち。いかんこれは挫折するかも…と危機感を抱きつつ読み進めると100Pくらい(パリのカフェでの話)から急にぐっと面白くなり、そこからラストまでは一気読み。やはり後半の「本」に関する部分が面白いのだが、ここまで読むと前半の冗長にすら感じた細かな記述が生きてきて、また遡って読む。「本」の無限性、多層性に読者はある種の希望を見出すだろう。他とは比較困難な読書体験。
★31 - コメント(4) - 2015年3月4日

前半は島の風土、言語、文化、習慣などについての記述、後半は島に存在する唯一の「本」の内容についての記述。著者の物語論をテーマとした物語なんだろうか。物語の持つ可能性を描いた物語か。物語、言葉とはこういうものであるという固定観念、もしくは物語、言葉、という概念を理解している者が本書を読んだときに感じる疑問や違和感を、「本」で同じ体験をした主人公が我々に代わって考察してくれる。「本」は芸術を嘲笑したパロディであるとしながらもその「本」について書いた『黄金時代』という本を我々は芸術として楽しんでいる。
★8 - コメント(1) - 2015年3月3日

『無形なものが有形なものにいやしくも没落していく』というのは、「もうひとつの街」中の『原初の舞踏を言葉で話すことなどできんはずだ。言葉を用いることは、装飾が誕生する以前にあるものを見失ってしまうからだ』と同じ。本作では、作者はよりその意図を明確にし、言葉を「解体」しようとする(原語だとさらにゲシュタルト崩壊しているだろうと思う)。しかし……最終的に作者は『物語りなさい!』と呼びかける!そういうわけでこれも凄い……!
★1 - コメント(0) - 2015年3月1日

これはボルヘスじゃなくてカルヴィーノ。
★3 - コメント(0) - 2015年2月27日

風変りな島と本の話。後半の本の話がとろとろに熱い。泥棒を追いかけて屋根の上で飛び跳ねる挿話がはっちゃっけてて好きだ。ゲームのMYSTとイメージが重なる部分ある。章が細かく分かれてるのは読みやすいが、ぼーっと読んでると話の展開が一足飛びで弾んで置いてかれるので読みにくいとも言える。
★1 - コメント(0) - 2015年2月22日

一読して思い浮かべたのはやっぱりボルヘス。ボルヘスが一つの建物使ってやったことが、ここでは一冊の本に集約されている。本書前半の中心となっているのは島の記述。これがまた旅行記風、文化人類学的風に力技で一つの文化、価値感、言葉を作り上げているのが凄い。そしてそんな島に存在するただ一冊の本。本の物語が紹介される後半は文中の現実と作中作、そのまた作中作が入れ子構造で展開されており複雑な様相を呈している。入れ子構造大好きなので、ここは一気に読めたけど。読んでいる間中、本と語り、テキストについて考えさせられていたが。
★50 - コメント(0) - 2015年2月21日

作中作の、そのまた作中作。そして、またその作中作…と、いくつものレベルで話が進む後半が特に楽しい。そのレベル間の境界が実にゆるやかで、脱線・挿入も多々入ってくるのだけれど、読みにくさは無く、ただただ文章の流れに身を委ねれば良いと思う。誰でも自由に加筆・修正できる「本」は、ある意味「世界」である。しかし、当然「削除」も「ぼかし」も自由であるのだから、読み手はある意味身構え、心構えが必要なのだなと思う。
★21 - コメント(1) - 2015年2月19日

http://booklog.jp/users/beta-carotene/archives/1/4309206654
★8 - コメント(0) - 2015年2月17日

前半で挫折しそうになるくらい規格外かつ共感不可能な島民の生活や思考に関する文化人類学的な考察が綴られ、それを乗り越えると、脱線、というかあまりに話が多層に展開する島の神話(なのかなあ)に付き合うことになり、相当な忍耐をもって読み切りました。哲学者でもある著者の意図は、自分には全く理解不能ですが、幻想小説として割り切って読めるかどうかが、読了の決め手かと思います。???
★1 - コメント(0) - 2015年2月2日

黄金時代の 評価:98 感想・レビュー:56
ログイン新規登録(無料)