戻り川心中 (光文社文庫)

戻り川心中 (光文社文庫)
あらすじ・内容
 大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に追いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは? 女たちを死なせてまで彼が求めたものとは? 歌に秘められた男の野望と道連れにされる女の哀れを描く表題作は、日本推理作家協会賞受賞の不朽の名作。耽美と詩情――ミステリ史上に輝く、花にまつわる傑作五編。

あらすじ・内容をもっと見る
301ページ
1840登録

戻り川心中を読んだ人はこんな本も読んでいます

夜行
5884登録

戻り川心中の感想・レビュー(1066)

本書は連城作品の中で最も評価の高い表題作の他四編が収められた作品集です。 流麗、耽美、詩情・・様々に評価される連城作品ですが、私は螺鈿細工のような小説だと感じました。 漆黒に浮かび上がる夜光貝や白蝶貝の放つ光。美しくありながらもどこか不穏な輝きは見るものを魅了します。 ミステリーの体裁を採っていますが、描かれる犯罪を情念に置き換えたとするなら申し分のない心理小説になりえると思います。 大正から昭和初期の時代背景もたまらなくイイです。 個人的には表題作より『白蓮の寺』にどっぷりはまりました。 ★5
★20 - コメント(0) - 3月7日

さすがです
★1 - コメント(0) - 3月7日

連城さん2冊目。まずこれを32歳で書かれたって。、言葉を失った笑。大正〜昭和の悲しき恋愛ミステリー。トリックや結末よりも二転三転する殺人の動機に惹きつけられた。なのでミステリではなく大正恋愛ロマン小説と感じた。とにかく艶っぽい切ないお話を美しい文章で綴っているので読んでいて心地いい。桐の柩の最後に小さな花が再び咲きそうな終わり方がよかった。戻り川心中の私達には理解し難い真相も巧みな文章と雰囲気で美しい余韻を残してくれる。あ〜全て素敵なお話でした。学がなく読めない漢字が沢山あって悲しくなったのは秘密。、笑
★4 - コメント(0) - 3月7日

花をモチーフとした大正~昭和を舞台としたミステリ短編集。読んでいる間ずっと花の香りが漂っているような気分にさせられた。とにかく文章がするすると頭に入ってくるし風景が鮮やかに脳裏に浮かぶ。ホント流れるような文章で言葉の美しさを堪能できる。ミステリとしても秀逸でまぎれもなく名作。どのお話も好きなんだけど一番心に残ったのは「桔梗の宿」かな。幸薄い娼婦と不器用で朴訥ででも繊細に優しい刑事とのつかの間の心のふれあいが胸にせまる。壮絶な「白蓮の寺」芸術とは何かについて考えさせられる「戻り川心中」も好き。
★71 - コメント(2) - 3月6日

KEI
舞台は大正末期から昭和初期の頃、藤、桔梗、桐、睡蓮、花菖蒲と花を題材にした5編の短編集。流麗な文章、夢二を彷彿とさせる女たちの哀れさ、生き残る命は死に切れない命と言った女、歌に生き、殉じた男。良い意味で見事に作り込まれた作品だと思う。【藤の香】【桔梗の宿】【戻り川心中】が良かった。これらの作品を30代で発表した著者の晩年の作品を読みたい。お薦め本。
★40 - コメント(0) - 3月3日

「文章が上手い」とか「日本語が美しい」という評価が多くて、確かにそれは認めるのだが、どの短編もオチが強引な気がする。表題作がいい例。美しくまとめてあるし、かなりの力作だとは思うが、「そこまでやるかな?」と思ってしまう。
★5 - コメント(0) - 2月13日

「桔梗の宿」での語り口と言うか種明かしの手紙の見事さに思わず声を上げた。上手いなァ。「白蓮の寺」も良かった。梶龍雄の「透明な季節」や高橋克彦の「緋の記憶」が頭によぎった。
★3 - コメント(0) - 2月12日

‪連城三紀彦「傑作推理小説 戻り川心中」(光文社文庫)。花を題材にした推理小説5編。どれも皆、文章が美しくてうっとりした。日本語が母語でよかったと思った。他の作品も読んでみたいなぁ。初めての連城三紀彦。‬
★7 - コメント(0) - 2月10日

叙情的でもあり退廃的な香りも持つ5編のお話はミステリーよりも恋愛小説として読む方がいいかもしれない。哀しい恋の方に気持ちが行ってしまって、ダイナミックな仕掛けの方にそそられないのは私だけかもしれないけれど・・・
★4 - コメント(0) - 2月5日

★★★☆
★2 - コメント(0) - 1月30日

花にまつわる短編集。哀愁ただよう、美しい、詩的なミステリー。
★16 - コメント(0) - 1月29日

短編集だったからスキマ時間にゆっくり読んでたら随分と時間がかかってしまいました。 連城さんの文は結構好きです。情緒的なんだけどどこか客観的な部分もあって、ある意味で男の人と女の人が混じっているような気がします。だからこそこの花とそれから愛のミステリーがかけたんじゃないかなと思います。 表題作は2転3転して結末へ向かいます。なんとなく予感させるような書き方もしているかも?美しくて悲しい作品でした。
★6 - コメント(0) - 1月28日

短編集。中でも「桔梗の宿」が一際胸に染みた。存外、自分自身のことこそよくわからぬもの。窓の下に落とされるそれ。交わされる視線と視線。白い言葉に託された意味。
★91 - コメント(0) - 1月27日

再読。 全5編短編集。 『本書は我が国のミステリの歴史において、最も美しくたおやかな名花ある。流麗な文章、纏綿たる情緒、鮮やかなトリックが、恋愛小説と探偵小説を両立させ、読者を底深い酔いへと導く』解説者の的確な表現文が素晴らしい。 叫びの様な驚愕さでは無く、息を飲む静かな驚愕な作品であり、文章・内容・技巧と、どれにおいても上質だと思わずにはいられない。明治から昭和初期という時代背景の設定も良いのかも。その中でもやはり『戻り川心中』が秀逸! 再読し続けたい、いつまで経っても色褪せる事無い作品だと思う。
★22 - コメント(0) - 1月27日

再読。やっぱすごいわ。代筆屋、やくざ、歌人、それぞれの特性だからこそ出てくるとんでもない動機
★4 - コメント(0) - 1月8日

反則的に文章が巧い! ものすごいのは「戻り川心中」で、菖蒲の咲きようを足掛かりに、天啓さながら岳葉の真意へと至る場面の戦慄。「桔梗の宿」「桐の棺」も捨てがたいなあ。収録されたどの短編も好きだというのは俺としては珍しいです。
★8 - コメント(0) - 1月3日

これはすごい!文体も扱った対象もギミックも。
★3 - コメント(0) - 2016年12月21日

今までこの作家さんの本はいまいちピンとこなかったのだが、これは良かった。文学のようなミステリー。耽美な文章と明治〜昭和のくすんだような世界感がよい。
★7 - コメント(0) - 2016年11月23日

なんとも美しい短篇。花とミステリ、登場人物、時代設定などあらゆる要素が物語を際立たせてます。やはりベストは「戻り川心中」。「桔梗の宿」も好き。仕掛けだけ取り出せば「桐の柩」「白蓮の寺」は実にミステリ的ですが、それだけで終わらないのがすごいところですね。
★7 - コメント(0) - 2016年11月21日

耽美だけどごてごてした文章ではなくて読みやすかった。「桔梗の宿」が一番好きだった。人形の名前が出たときに犯人が分かって、読んでて切なかった。ミステリーとしては「白蓮の寺」が面白かった。「戻り川心中」の岳葉は芸術家の鑑なのかもと思ったり。
★13 - コメント(0) - 2016年11月13日

暗く陰気な舞台を背に、物語中に登場する花々が静かに闇を照らします。それは報われない愛であり、時には凶器であり。みごとに美しい日本語が時代背景ともマッチして、どの物語も読み手を満足させる完成度だと思います。その中でも「桔梗の宿」が特に秀逸でした。
★26 - コメント(0) - 2016年11月13日

たまげた。著者は小説家で詩人で歌人で俳人だ。五編からなる心中をテーマに、それぞれが花にまつわり、戦中前後の侘しさに、華やかさではなく、散りゆくさだめのかなしみを引き立たせている。推理小説としてのカテゴリに収まりきらない、胸苦しい愛の物語でもある。なかでも表題作の「戻り川心中」は最後を締めくくるに相応しい傑作。詩作を趣味とする私には重石を腹に沈められたような感覚を味わわされた。
★27 - コメント(0) - 2016年11月11日

花をモチーフにした短編5話が収録されている。表題作が日本推理作家協会賞を受賞している。いわゆるミステリー小説で、why done it物の印象。時代設定、舞台、人物、情景、驚きの動機、全てが見事に絡まり合い、物悲しくどこか美しい物語。個人的には「桔梗の宿」がお気に入り。
★6 - コメント(0) - 2016年11月4日

現代を舞台にして愛のあまりに人を殺めるというと、どこか下世話なゴシップめいた雰囲気がしてしまう。舞台を過去におくことで、美しい文と花、情念がよく似合う作品集になったような気がする。ずっと読みたかった名作「戻り川心中」に満足。芸術家の身勝手さと女たちの悲しさが身にせまる。
★9 - コメント(0) - 2016年11月1日

素晴らしいとしか言いようのない傑作短編集です。美しい日本語としっかりと構築された論理で作品としてとても完成度が高く、この先読む小説が駄作に思えてしまうのではないかと心配になるくらいです。特に「桔梗の宿」「戻り川心中」は、全文を書き写したくなるくらいの小説です。どの作品からも、人間の持つ底知れぬ恐ろしさや魂の気高さを感じ、この本を読めたことにただただ感謝するばかりです。この世に謎は多く、謎のままに終わらせることもできますが、すべての不思議な出来事を鮮やかに解き明かす連城三紀彦に対して尊敬の念を持ちました。
★15 - コメント(0) - 2016年10月30日

艶のある、叙情ミステリー。好きだわこう云う系。すべてが良かったけれど。特に良いと思ったのは戻り川心中・・・こう言う男にハマっちゃう女、分かる気がする。
★62 - コメント(0) - 2016年10月17日

ミステリだけど、ミステリというくくりに入れるのを少し躊躇うような本。ミステリという言葉にエンタメ色が強すぎるからかな? 美しい短編集。色気がある、というのが一番しっくりくるかなあ。
★9 - コメント(0) - 2016年10月15日

大正から昭和初期を時代背景に、情景描写の美しさと人間の情念の深さが描き出された、花をモチーフにしたミステリー短編集。なんとも言い難い独特な余韻が残る素敵な作品でした。
★15 - コメント(0) - 2016年10月2日

何と叙情的なミステリー…。倒錯した心が絡み合い、それでも真相が明かされれば成程それしかないと思い至るのだが、事件のさなかには全くそこに考えも及ばない。事件というにはあまりに耽美な、まるで腐乱した死体からも花の芳香が漂ってくるような、怪しく詩情的な文体にすっかり酔ってしまっていた。まだ昭和の初期も初期、文明もおぼつかない時代が薄闇のむこうから迫ってくる。遊郭、腐臭、殺人、花。退廃的な世界観でありながらこんなにも品を感じさせる。特に「桔梗の宿」。何とも言えない情念が仄暗いトーンの中際立っていた。絶品。
★45 - コメント(10) - 2016年9月27日

花の名前を持つ短編5つ。大正〜昭和初期。男女の情念やら貧しさの悲哀やらがにじみ出たミステリー。何というか、もう雰囲気に酔う。悲哀に満ちた文に酔う。妖しい美しさに酔う。そしてどんでん返し。いつもながら短編らしくない密度でお腹いっぱい。身体が重く感じます。
★51 - コメント(0) - 2016年9月26日

謎解きのようなミステリというよりは、文学作品であると感じた。 ミステリの要素がないわけではないが、あれはどういった意味だったのだろうと 必死に頭を悩ませながら読んでいくものではないと感じた。
- コメント(0) - 2016年9月17日

この小説が刊行されたのは昭和55年。私が丁度二十歳の時である。今初めてこの書に触れもしその頃に読んでいたらと想像する。その後の人生に恋愛観に影響を及ぼしただろうと思うが、いや理解は出来なかったかも知れないとも思う。それほどに幾重にも纏う人の心の機微を情念を剥ぎ取るかの如き洞察には驚嘆を超えて戦慄する。いずれの物語もただ先を知りたく文章を追うのももどかしい。最後には必ず驚愕の真実が待つ。純文学としてのロマンや退廃と推理小説の融合がこれほど高次元に結び付いた作品を私は他に知らない。これこそ読むべき本である。
★205 - コメント(14) - 2016年9月17日

物語の舞台が明治、大正あたりのお話で、抒情的な、なんとなく美しいと感じてしまいました。昭和な感じの小説が多い方ですが、なぜかこの作家さんの世界観に惹かれます。
★9 - コメント(0) - 2016年9月16日

80点。ミステリの短編集だが、「どうやって」ではなく「なぜ」に主眼を置いた作品群となっており、人間ドラマとして秀逸だった。優しさや悲しみを煮詰めたような情念が描かれており、情景描写の巧さと相まって、不謹慎かもしれないが時にはそれを美しいとさえも感じた。作品の中では表題作の「戻り川心中」が頭一つ抜けていたように思えた。歌人が遺した短歌を読み解くというのが新鮮だったし、どんでん返しも鮮やかさだった。
★8 - コメント(0) - 2016年9月5日

面白いのは間違いないだろうとは思っていたが、本を開いた瞬間、字の細かさと時代背景の古さに折れそうになりつつ&子供の夏休みで読書の時間がイマイチ取れないこともあり、非常に時間がかかってしまった。 どの話の動機も、とにかく斬新で、字の細かさや時代背景のハンデもなんのその、相変わらずの短編にしとくのは勿体ない、内容の濃いものだった。
★9 - コメント(0) - 2016年9月1日

短編集。どの話も複雑ないくつもの謎の裏に潜んでいたのはこれまた複雑な人間の心理だった。表題作は評価が高いだけあってとんでもない内容だっただった。
★11 - コメント(0) - 2016年8月28日

文学とミステリーと恋愛と時代小説が高度に融合され儚くも美しく、花にまつわる傑作短編集と聞いていたが、文学は苦手で噛み閉める様に少しずつ読んでいたら全体の流れがわからなくなり中途半端な理解度で読み終わってしまった。 他の方の多くは絶賛されているが自分にはそこまで楽しめなく残念。それでも『白蓮の寺』が好き。またいつかリベンジしたい。
★35 - コメント(0) - 2016年8月28日

寝苦しい夏の夜、読んでいて、背筋が「ぞっ」と寒くなる感覚が、何度もあった。過激な表現は、無く、あくまで美しい文章なのだけど、花になぞりながら炙り出される「情念」が、凄い。 時代が大正というとそれだけで、華やかな時代と時代の間の闇のような物を期待してしまう。正しく、時代の闇に取り残された女性達の情念の悲しみ。 大人のミステリー、夏に夜に堪能あれ!
★26 - コメント(0) - 2016年8月7日

男の一人称を通して、人の死に隠された人々の情念が描き出される。それが感情を直接揺さぶるほど迫真的であり、それでいてなおかつ、頭で理解しようとするときにも説得的に感じられるのは、きわめて精緻な登場人物や時代、舞台にかかる設定と、流麗でありながらもどこか陰鬱とした雰囲気のある懐古調の語り口のためであろうか。
★12 - コメント(0) - 2016年8月1日

戻り川心中の 評価:98 感想・レビュー:429
ログイン新規登録(無料)