海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)

海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)
あらすじ・内容
海に浮かぶ不思議な町の少女……
透きとおっていく、遥かな物語集

「フランス版・宮沢賢治」ともいえる、幻想的な詩人・小説家の、短編ベスト・コレクション。悲しみでも苦しみでもない、切ない気持ちで胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうになる。(訳者)

物語 不条理な世界を、必死に生きる
「海に住む少女」の大海原に浮かんでは消える町。「飼葉桶を囲む牛とロバ」では、イエス誕生に立ち合った牛の、美しい自己犠牲が語られる。不条理な世界のなかで必死に生きるものたちが生み出した、ユニークな短編の数々。時代が変わり、国が違っても、ひとの寂しさは変わらない。

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夜行
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海に住む少女の感想・レビュー(701)

切ない短編集。優しい文章で童話のような感じだが、ゆっくり時間をかけて読みたい本。読んでいる間、全体的に薄青い空気が満ちているイメージだった。聖書がモチーフになっているお話も多く、勉強している人ならもっと楽しめるのかも。近いうちに読み返したい。
★2 - コメント(0) - 2月26日

「でも、もう何も必要ないんでしょう?」「必要なふりをしているだけよ。時間の重みに耐えられるようにね」
★3 - コメント(0) - 2月12日

(再・借) 全体的に何とも言えない寂しさのある短編集。死や孤独がキーワードの話もそうだが、悪意を描いている話ですらどこか寂しい。
- コメント(0) - 2月6日

★★★★☆「フランス版・宮沢賢治」の触れ込みが気になり手に取った一冊。描かれた幻想世界は宮沢賢治的な雰囲気が無いわけでは無いが、それ以上にシュールで「死」の気配を感じさせる。なかなか馴染みにくい世界観ではあるが、ここ収録された作品たちには不思議と魅了される何かを感じる。特に表題作の「海に住む少女」がそれを一番強く感じる作品だった。今は「魅了される何か」を端的に表現する語彙が見つけられない・・・。何度も再読して「何か」を表すのにふさわしい言葉を見つけたい。
★26 - コメント(0) - 1月31日

Y
シュペルヴィエルの文章を吸いこめば吸い込む程、自分自身が透明になっていくような感じがした。人間の目線にはなかなか入ってこない世界のことが多く描かれていた。動物がすごく好きなので、動物の健気さに胸がときめいた。死後の世界をすごくすごく考えていた人だったんだなあと思った。キリスト教文化圏の人なんだろうけど、それとは別の独自の死生観をもっているように思われた。
★47 - コメント(0) - 1月19日

短編集。表題の短編の透明感というか終末観が好き(最後の少女の正体の種明かしは蛇足だと思ったけど)。新海誠とかにアニメ化してほしいなと思った。あとは最後の短編の「牛乳の御椀」も。最初は母親にミルクを運ぶことが目的だった行為が、母親が死んだ後もそれ自体が目的になり、盲目的に運び続けるところは、人間の行いの虚しさとか不条理さをうまく表していると思った。
★5 - コメント(0) - 2016年12月24日

詩人でもあったシュペルヴィエルらしい、寓話的な短編小説集。どの作品も共通して“死”をテーマに幻想的な世界を描いています。残酷で儚い結末であってもあくまで美しく、読後感は決して悪くない。表題作『海に住む少女』の他、死後の世界が舞台の『セーヌ河の名なし娘』と『空のふたり』が特にお気に入りです。
★11 - コメント(0) - 2016年12月13日

夢と死の世界をいったりきたりするような短編集。表題作は一段と不思議な話で読み終わった後、ものすごく深い寂しさに囚われた。まったく意味のない世界に囚われた少女。その世界を思うと空虚な怖さを感じてしまった。それでもシュペルヴィエルの生と死への平等な愛みたいなものも感じられて不思議と暖かい気持ちになれる本。寝る前に一編だけ読むのもいいかもしれない。
★5 - コメント(0) - 2016年12月7日

はじめは童話かと思ったがそうでもない作品集。モチーフと手法と残酷さが昔話的だが、昔話にない斬新な着眼点の細かさがある。
★4 - コメント(0) - 2016年11月22日

幻想短篇集。何処かカフカに影響を受けたような幻視体験、アイロニー、不条理を描きながらも、シュペルヴィエルの人に対する優しい眼差しを感じる作品群。孤独や虚しさをテーマにしながらも文章の雰囲気で深みに落ちる事はなく、リアリズムをベースにした描写がカフカ的な上手さを感じさせます。アメリカ的なエッヂの効いた幻想短篇と違い、穏やかな気持ちで読める一冊だと思いますね(・ω・)ノシ
★43 - コメント(0) - 2016年11月20日

淡々と翻訳されており感情がうまく伝わってこなかったがなかなか中身が濃いと感心した
★4 - コメント(0) - 2016年11月18日

タイトルに惹かれて。短編集だった。おとぎ話のようで、いちばん感じたのは喪失、ということだったような。結構強烈に抉られるのに読後はふわふわしてる。なんだこれ。「飼葉桶を囲む牛とロバ」、「ラニ」がお気に入り。
★2 - コメント(0) - 2016年10月31日

ふとした瞬間に目の端を通り過ぎたもの。その姿をはっきりと捉えようと目を凝らしてみても、2度とは現れないもの。それでいて、心の中に淡い印象だけが澱の様にたまっていく。その澱をすくい上げて、言葉に置き換えればこの様な小説が生まれるだろう。教訓じみたものが含まれている訳ではない。波瀾万丈の展開に胸を躍らせる訳でもない。小さな物語それぞれがもたらすほのかな印象だけが胸の奥に折り重なっていく。いつか誰かがすくい上げて、新たな物語を紡ぎ出してくれる時を、それらは息を殺してじっと待ち続けている。
★6 - コメント(0) - 2016年10月30日

美しい文章。夢の続きのような寂しさ。
★9 - コメント(0) - 2016年10月8日

友人の勧めで読んだ1冊。心がすごく揺り動かされた。一般人というべきか、普通の人があまり出てこないけれども、普通の人のことを結局描いているんだよな。読後感としては寂しい、切ない。だけれども心は透き通っていて。2年ぐらい前まで自分には死、特に孤独死に関して恐れがあった。この短編集では、死はやさしい、スーッとなるようなものとして描かれていた。なるほど、そんなものかと感じた。だけれども、孤独に生きることに関しては哀しい、切ないものとして描かれていた。それでも生きていくことの何か。(←なんかこんなドラマあったな)
★2 - コメント(0) - 2016年8月23日

ak
うつくしく、寄る辺ない。表題作を読んだあと気持ちをどこに置いてよいのか、しばらくおろおろしていた。
★2 - コメント(0) - 2016年8月21日

死ぬことの歓びというか、死んじゃえば苦しまなくていい、みたいなことをとても美しく描いてるような。ペシミズムというやつ?と思ってしまうのは乱暴な感想なんだろう。宗教に明るければもっといろいろ感じられるのだろうけれど。訳者さんの「(訳しているうちに)だんだん透きとおっていく感覚」という表現がとても美しい。禅のよう。
★3 - コメント(0) - 2016年8月15日

空っぽの海に住む少女も、角のある優しい牛も、水底の溺死体の街も、地上の写し絵のような天国も、溺れる人々も、族長を追われる青年も、母のためミルクを運ぶ青年も、馬になる男も、殺される男も、バイオリンの声の少女も、なぜそうなのか、自分の不確かな存在と孤独の中にある。美しいが残酷な物語。「どうしてあなたたちだけが助かるんだ」「どうしようもないことは、どうしようもない」(ノアの方舟)
★7 - コメント(0) - 2016年6月21日

物語全体に漂う拭えない哀しさは、死者や孤独なものが主人公だからだろうか。そんな存在たちへの作者の優しい眼差しがあふれている。死と水がつながり、箱が生や希望を連想させるのは、ノアの箱舟から来ているのかな…と同タイトルの作品を読んで思った。「飼い葉おけを囲む牛とロバ」の優しい牛の話が良かった。
★4 - コメント(0) - 2016年6月19日

自称「永遠の少女」の99.999%は、思い込みか演技です。矢川澄子や森茉莉は例外中の例外。この物語の中には、本物の永遠の少女が生きています。汚れてしまった私には、読むことも躊躇われるほど。再読はしないでしょう。
★19 - コメント(0) - 2016年5月14日

訳者によるフランス版宮沢賢治という帯文を真に受けて読みべきではなく、陰惨な色の滲む童話集という感じだ。神話から抜き出された有名なストーリーを下敷きにしたもの、著者が独自に考えたとおぼしいものといずれもあるが、その登場人物に選ばれた者と選ばれなかった者が現れるとすれば、必ず後者の側にたって物語を追うのが著者のやり方である。
★10 - コメント(0) - 2016年5月5日

美しい。その一言に尽きる。フランス版宮沢賢治と表現されているが、アンデルセンにも近いのではないだろうか。独特の視点から物語り、孤独な哀しさを柔らかく紡いでいる。きっと他の視点からだとその哀しみには気付けないだろうし、哀しいとすら感じないだろう。世界でただ独りだけが感じる痛み、崇高な犠牲が心に響く。こんなにも哀しいのに涙も出ないのは、それが孤独な哀しみだからだ。 表題作、「バイオリンの声の少女」、「競馬の続き」、別の短編集から取った「牛乳のお椀」が良かった。何処と無く、私が理想とする物語に近い。
★13 - コメント(0) - 2016年4月11日

なんといってもタイトル作ですね。
★4 - コメント(0) - 2016年2月1日

今日もどこかで生まれてる。空中に放り出されるみたいに、だれかの物語の中でだけ存在できるものたち。誰かに見られて、誰かに語られて初めて動き出す時間。まるでスノードームを覗き込むみたいに息をひそめて見守った。
★6 - コメント(0) - 2016年1月14日

静かに透き通る。爽やかなのだが寂しさや悲しみが陰をおとす。遠くまで見通せるのであるが、そんなに遠くまで行くことはできない。なんで私はここにいるのだろう。切なくなり、心に落ち着いた痛みを感じる。こういった感情を私が未だに持ち合わせているということに、胸が嬉しくなった。
★5 - コメント(0) - 2016年1月13日

どの話にも必ず、死、や死後の世界、やそれにまつわるものが描かれている。作者の死生観に包まれるような読書時間。そして世界をまったく別の角度から眺めているような不思議な気持ちに。この世とあの世のあわいにいるような。
★3 - コメント(0) - 2016年1月8日

童話のような詩のような。海の色や空の色、夜空の星。風景や色が頭にパッと浮かぶお話たちでした。
★9 - コメント(0) - 2015年12月21日

自らの努力や選択の外にある要因で不幸せになっていく人の寂しさ、を強く実感した。どうにもならないことってたくさんある。 「ラニ」が特に寂しくて好き。
★8 - コメント(0) - 2015年12月9日

おとぎ話のように軽やかで無邪気な残酷さを孕みながら死が語られる。死の安らかさのなかへ沈んでいくことも叶わず、生の名残を引きずる死者たちを見つめる語り手のまなざしは一貫して優しく穏やかだ。死の悲しみより、生の哀しみに通じる苦しみと優しさ。
★27 - コメント(3) - 2015年11月26日

美しくて、哀しくて、寂しい。この世界のどこかに、こんな孤独を抱えている人がいて、私の心の中にもこんな痛みがある。押し付けるわけでもなく、感傷的に語るわけでもなく。ただ「こんな世界がありましたとさ」と心の片隅にそっと置いていかれた気分。時々蘇って、私の痛みに寄り添ってくれるのだろうか。
★24 - コメント(0) - 2015年11月6日

残酷で美しい大人の童話のような物語。不条理な中に身をおく少女、漂うように流されていく少女、自分が何者であるかもわからずひたすら孤独に生きる。生と死の境界は曖昧でそこには冷たい世界が広がる。生者の世界も死者の世界も孤独で残酷で醜く傲慢だが、悲しみや苦しみや争いさえ静寂でひんやりとした美しさに変えてしまう不思議な物語たち。切ない...。
★47 - コメント(0) - 2015年11月3日

sin
メルヒェン;-)一見して寓話の世界だが以外と現実的な哀惜から生まれているような感触を覚える。永遠という牢獄、優しさに訪れる孤独、所属する集団からの解離、価値観の逆転、そしてそのどの一篇を取り出しても透明で美しい。
★70 - コメント(0) - 2015年10月22日

トルストイの民話みたいで、面白い。各話が、ひとつのテーマに沿っており、作者の発想や視点の捉え方が独特で、自然と引き込まれる。 他の作品を探そう。
★3 - コメント(0) - 2015年10月20日

海の波間に佇む孤独。きらきらした風景にひそむ孤独。嘘という優しい孤独。親しい人が去ってゆく孤独。淋しいときに淋しいと言えない孤独。収められた十の短編の主人公たちは皆その存在すらあやうくて、目に映る幻影に触れようとも伸ばした手がつかんだのは空虚でしかない。ビアスが容赦なく死にゆく人とその死の瞬間を残酷に描くのに対し、シュペルヴィエルは自分の死に気づかぬまま時に朗らかに時に淋しく浮遊する死後を描く。海の底で、蛇行するセーヌ河の流れで、パリの片隅で、少女たちは死に置いてきぼりにされたままひとり永遠に漂う悲しみ。
★159 - コメント(10) - 2015年10月6日

「フランス文学の宮沢賢治」には納得した。訥々とした、透明感のある文体。淡々と進んでいく物語。そこに孕まれた切なさ。読後感がとてもよいです。
★4 - コメント(0) - 2015年10月1日

ほとんどタイトルが決め手で衝動買いしてしまった。「少女」、「海」といった言葉にわたしは弱い。古典になるほど昔の作者が、生まれた国も違うのに、同じものに心を動かされたのだと思うとロマンを感じる。 「海に住む少女」の中の、文法書を読むシーンが心に残っている。文法問題によくあるようなただの例文が、こんなに切なく訴えかけてくるように感じたのは初めて。わけもわからず悲しくなった。言葉を宝物のように大切にする少女を描くということは、きっと作者は言葉に愛着があるのだろう。他の小説も、詩作品も読んでみたい。
★3 - コメント(0) - 2015年9月19日

単純に面白い! 感動する! という本でない。透明感があるといえばいいのだろうか?ジワリと心に来る話が多く、不思議な魅力がある。
★2 - コメント(0) - 2015年9月12日

出版社のサイトで「フランス版宮沢賢治」と紹介されていたので読んでみた。イーハトヴとパリでは作品に漂う匂いがまるで違うが、読後にうつくしさと切なさで胸がつまる感覚はなるほどちょっと似ている
★4 - コメント(0) - 2015年8月24日

【p68 「必要なふりをしているだけよ。時間の重みに耐えられるようにね」】 多彩な死の世界。想像の世界。想像の価値はこういうところにあるのだなぁ。
★3 - コメント(0) - 2015年8月10日

海の底の少女もセーヌに沈んだ名もない少女も、生きている者と同じように暮らし、悩んでいるし、その終わりはない。そう考えると死者と生者との違いがわからなくなる。海の中から見上げると数えきれない泡が空からの光線を受けて輝き昇っていくように、シュペリヴィエルの紡ぎ出す言葉は、時に残酷な色をおび、時にイエスの光輪のような清澄さに溢れ、また母を思う子のもつ椀の中の牛乳のようにあたたかな生の白さを感じさせるという光のプリズム。心の中でそのプリズムがきらきらと光るたびにせつなくて嬉しいような悲しいような気持ちになる。
★19 - コメント(0) - 2015年7月13日

海に住む少女の 評価:70 感想・レビュー:252
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