知への賛歌――修道女フアナの手紙 (光文社古典新訳文庫)

知への賛歌――修道女フアナの手紙 (光文社古典新訳文庫)
あらすじ・内容
女性の権利、男女の性愛、学問への欲求――
300年前のメキシコに
社会の規範や道徳と闘った女性がいた!

内容 女性の生き方を考える
詩こそが最高の文学だった17世紀末。ソル・フアナはそんな時代に世界で最も愛された詩人だ。美貌の修道女でありながら、恋愛や抑圧的な社会への抗議をテーマとした作品を残した。彼女の思想を明快に表現した詩と2通の手紙を、詳細な解説とともにまとめたわが国初の試み。

「誰にも相談できずにひとり考え、悩み、どうして、なぜ、と世界の不合理を問い続けた、ひとりの、小さな、美しい妹の、全存在をかけた呟きと叫びをぜひ聞き届けてほしい」(訳者)

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知への賛歌――修道女フアナの手紙はこんな本です

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知への賛歌――修道女フアナの手紙はこんな本です

知への賛歌――修道女フアナの手紙の感想・レビュー(56)

学問と戦いと愛の書。愛はすれ違いであって、お互いの望む人はなかなか手に入らない。女であることは、ただそれだけで学問から遠ざけられる理由になる。フアナはそれと戦う。聖人たちの学識を讃えながら、自らの無知を少しでも減らし、神の叡智に迫るためにこそ、学問をしているのだと主張する。聖書や神の教えを忠実に理解するためにこそ様々なジャンルの学問を身につける必要があり、あらゆる学問はみな連環している。もちろん、こうした書きぶりの中には戦略も大いに含まれているのだろうと推測される。読んでると勉強する気になる。
- コメント(0) - 2016年6月23日

メキシコの女性詩人。300年も前の人の作品なので、完全に飲み込むことはやはりできない。当時に非常にまれな知性の持ち主だった。また、フェミニスト的な生き方をしたことも興味深い。時代の告発書的な意味もある。書簡の分量が多い。
- コメント(0) - 2015年12月5日

メキシコで生まれた初期の詩人という先入観で本を手にしたので、書簡が大部分を占めていたのと、ソル・フアナの手ではない解説の分量が多すぎた。ソル・フアナの書簡はなぜ女が学んではいけないのかと、過去の列聖された女たちを挙げて反駁する書簡は情熱と蓄積された知識によって見事です。散文が評価されるようになったのは、本当に近代だったのだから、解説をもっとコンパクトにまとめて、解説に題名だけ挙げられてる詩を訳出して掲載した方が良かったのでは。詩が、官能的だったり軽やかだったり、面白かったので、解説のページ数がってなる。
★12 - コメント(0) - 2014年7月25日

知性の塊だ。知識は素材でしかなくそれをどう使うかが問題であるとまざまざと見せつけらる。生の感覚が伝わりすぎてくる。残念なのは数篇の詩と二つの手紙が収められた本書、これらは彼女の作品の中ではイレギュラーなものであること。16世紀後半、日本で言えば松尾芭蕉時代、彼女の主活動領域がメキシコでメジャーだった定型詩で聖歌や祭礼歌等が大半を占めるので現在では判りづらいとのこと。女が勉強するには修道女になるしかない時代にパトロンを見つけ有名になっていく様からも才能の凄さが判る。現代メキシコの200ペソの顔となっている。
★7 - コメント(1) - 2014年7月18日

この本を書店で手に取るまで、作者のソル・フアナの存在を知らなかった。女であっても学問や詩作が許される身分を獲得するために修道女になったという何とも大した女性だ。この本には数編の詩と二通の手紙が収録されている。特に手紙が面白かった。表面上は謙遜に謙遜を重ねたような言葉を連ねながら、隠し切れずに溢れ出る自身の知への自信。作者が身近に感じられる。そして、時代を経ても人間の本質は大きく変わらないことが愉快に思えた。
★18 - コメント(0) - 2013年10月23日

幾つかの詩と二通の手紙。まさしく学問がキリスト教と共にあった、神学が「諸学問の女王」であった時代の反論書簡という内容でした。神学に基づく例証自体は細かな注が有れど理解はしにくい(注で解説される人物だけで五十人以上とあれば)ながらも、自分の意見に対する完璧な補強であるとは理解できます。相手も教養有る神学者。それを相手に堂々と、論理的に語れる彼女だからこそ、十七世紀のヌエバ・エスパーニャという場所で女性文学者として名を残せたのだと理解できます。
★2 - コメント(0) - 2013年7月3日

修道女という枠を超えて、近現代人に近い自意識を持った作家の詩と手紙二篇。その力強い精神の在り方に感動する。146番の詩最後の三行、「なぜなら私が真実の心において選ぶのは/人生の幻を費やすことであり、/人生を幻に費やすことではないのだから。」に深く共感した。手紙においても才気溢れる彼女の主張や表現の巧みさを読めば、その知性が男性聖職者達には脅威となったことだろう。その一方、彼女の才能を理解し作品を発表し流布させた人々も多かった。それが現在に繋がったことは素晴らしい。他の詩作品も読んでみたい(難解そうだが)。
★7 - コメント(0) - 2013年4月5日

『私を迫害することで、世界よ、お前は何の得をするのか?私に何か失礼があったのだろうか?私が試みたのはただ わが頭の中に美しいものを入れておこうとしただけであり 美術品にわが頭を入れあげてしまったわけではないのに。』16世紀後半、こんなに美しく聡明な女性がメキシコにいました。フェミニスト的視点ではなく、詩人・芸術家として尊敬します。もちろん、その政治的嗅覚も素晴らしいと思うけど。
★28 - コメント(1) - 2013年2月18日

17世紀メキシコに生きたフアナ氏は、家庭教師からラテン語を学んだようだ(191ページ)。こんな時代から家庭で教育活動をしていたのは意外であった。そんな仕事なら誇りをもってもいいかもしれないナ。フェミニズム的視点からすれば、「学校で公に授業を受けるのは女の場合、男性との親密さの機会となりうるがゆえ、女の篤実にふさわしくないこと」(56ページ)とあり、「女に公的な勉強の場が割り当てられていないのは、公的部門が法職者(略)の職務に女を必要としていない」(57ページ)と、女性の地位に対する不満がある。今日に示唆。
★7 - コメント(0) - 2013年2月17日

松尾芭蕉とほぼ同時代、メキシコに、それも修道院に、女性問題(この時代にだ)を論じ、司教や告解師相手に強烈なアイロニーで論駁した女性がいた……。書簡を読めば、彼女の凄さは大体理解できる。この本では詩も収められている(彼女の本業は韻文だ)が、訳者の情熱をうかがい知るには、書簡と解説のほうがわかりやすい。しかし驚かされるのは、彼女が修道院に入ったのは、時代背景から、学問の習得、文学活動において最も適した場だったからというものであり、宗教的なものではなかったということだ。
★2 - コメント(0) - 2012年11月20日

ファナ・イネスの書いた詩と、手紙2編を収録。手紙の内容は、女性が(しかも修道女が)詩を書くことに対する非難への反論という形をとりつつ、女性の自由を高らかに謳ったものとなっている。非常にへりくだっているような文面だけど、論理的に相手を批判しつつ、かなり強気に意見を言っている。こういう女性だからこそ、修道会という魑魅魍魎の跋扈する世界で、パトロンを見つけ、自分の才能を開花させていったのだろう。解説が詳しく、年表も付いている。彼女の全体像を知るための、手軽だがじつに丁寧にまとめられた一冊だった。
★8 - コメント(0) - 2012年2月21日

修道女の生活ぶりが知りたくて手に取ったものの、予想に反して詩が沢山載っていた。詩は良く分からないので、一通り読んで手紙を読むことにした。それでも、詩の内容に少しは驚きました。これは、恋愛詩では?修道女がこんな内容であの時代に公の場に発表して大丈夫だったのかなあと。手紙部分を読んで、やはりただ事では済まなかったのだ、と後日談ではないけれど、彼女の人生が透けて見えてハラハラさせられます。スペインでは、大成功を収めたのにも関わらす、メキシコでの彼女の人生のその後が気になって、年表を見ると何となく推し量られて哀れ
★7 - コメント(0) - 2012年2月9日

現在のメキシコの二百ペソ紙幣の美女は、17世紀末の修道女ソル・フアナで、当時のスペイン語圏最大の作家でもある。当時平民の女性が結婚せず学問を続けるための唯一の方法が修道女になることで、彼女は戦略的にそれを選んだ。恋愛や抑圧的な社会への批判等を恐れず率直に表現し、名声だけでなく激しい非難も受けた。自分を擁護するために書かれた手紙は、相手に敬意を表するという形を取りながら、実はかなり明快に批判しているように読める。彼女の並外れた知性や学問への情熱、気の強さや小悪魔的な魅力も感じられ、引き込まれるように読んだ。
★6 - コメント(0) - 2011年6月20日

「結婚せずに文学をつづけるには・・・」という戦略的視点であえて修道女となることを選んだフアナ。17世紀のメキシコは詩こそが最高文学(だから彼女の散文はほとんど残っていない)ということからも、今とは時代背景がかなり違うので丁寧な解説がありがたい。
★6 - コメント(0) - 2011年1月26日

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