狂気の愛 (光文社古典新訳文庫)

狂気の愛 (光文社古典新訳文庫)
あらすじ・内容
「愛のどんな敵も、愛がみずからを讃える炉で溶解する」。難解で詩的な表現をとりながら、美とエロス、美的感動と愛の感動とを結びつけ、執拗に考え抜く。その思考実験の果てに、あまりにも美しい娘(と妻)への、究極の愛の手紙が置かれる。

あらすじ・内容をもっと見る
300ページ
250登録

狂気の愛の感想・レビュー(117)

つかみどころがない、しかし謎に満ちた煌めきを感じさせる文体が愉しい。何かをつかむことができないということは、決して挫折でありはしないということ。渇きのただなかにとどまることの愉悦。
★3 - コメント(0) - 2月26日

フランスの詩人・批評家であるブルトンのシュールレアリスムの中心に輝く本です。難解で詩的な表現と超絶技巧で、なかなか感想文を書くのが難しい作品でしたが、こういう作品は大好きです(^-^)。ブルトン=(シュールレアリスム)に携わるピカソなどの9作品のピンナップが収められており楽しめました。また、Ⅳに収められているブルトンの【ひまわり】という詩の、作者自身によっての解説があり、折に触れ、詩というものと向き合ったように思いました。『愛する者は苦しみやすく、さらに悪いことに苦しみの理由について誤解しがちである』
★15 - コメント(0) - 2月26日

「超現実主義」と訳されるシュールレアリスム。「シュールだね」といえば、今でも奇抜、不条理、難解を意味する。辞書を最初から読んで物語として感動する人はいない。この本もそれに似ている。愛についての連想、空想、比喩がスライドショーのように展開する。言葉の背後にある教養がないと理解は難しい。愛とはダイヤモンドのようなもの。あらゆるものに対して無傷だが、愛する者は苦しみやすく、その理由を誤解しがち。誤っているのは人生なのに愛に責任を負わせるからだ。最終章には美しい娘が狂おしいほどに愛されることを願う手紙が置かれる。
★30 - コメント(0) - 2016年2月21日

こういったものは「わかる/わからない」ではない。とはいえ、訳者も書いているように、ブルトンはどこか決定的に「論理」を貫徹しているように見える。想像力によって理性を超えるといいながら、全然別の理性の地盤を見つけてしまっているのではないか例えば、彼にとっては、創作においては前衛であっても、政治や社会との関わり方が保守的であるような作家は許されない。フィクションという逃げ道は許されず、自らの「生」を言葉にして刻む。それが生を源泉とするポエジーとして流れるが故に、シュルレアリスムは現実の「真上」に存在する。
★4 - コメント(0) - 2016年2月3日

愛がないなら死ねばいいんでしょ。
★2 - コメント(3) - 2015年12月5日

読み続けるべきか?と何度も挫折しそうになりました。自動書記という無意識に任せる方法が、知性・ロゴスへの挑戦なのは理解できますが、表記スタイルとして成功しているかは疑問です。Ⅰ~Ⅶのそれぞれが「狂気」で貫かれ、欲望(愛欲)の諸相を写し取るモチーフは良しとしても、言葉の機能の破壊が痛ましく思えます。「エロス」にまつわる内的観想を散文と詩の垣根を超えるボーダレス表記は、思考の散漫ではないでしょうか。思考が難解なのか、表記が難解なのか悩みました。詩的魂にとってエロスを重曹的にとらえる実験の難しさを痛感します。
★2 - コメント(0) - 2015年10月29日

難解と聞いてたが本当に解らんかった。詩なのか、哲学なのか、論文なのか、多様式な文章が理解をかなり妨げていると思う。ので気になる文章あげてみる。「彼女の下着からなるピラミッドを動かす刑に処されている男、わたしは雲のなかで、この男である。」ちょっとうらやまし
★43 - コメント(2) - 2015年9月20日

☆×1.0…理解できる範疇ではなかったですね。というか、裏を返してしまえば言葉は悪いんだけれども、すぐ目の前のえさに暗いつく、堕落してしまった人間そのものでしょ。かの芸術家と違ってそれを誇らしげに言ってしまう時点で個人的には眉をひそめる文章になります。ただし、詩作というものが生まれゆく苦しみ、といった感じを垣間見ることができたのは評価できますがね。なんと言うか、異次元の作品でしたわ。現代訳でこれだから、別のエディションだと…
★4 - コメント(0) - 2015年8月4日

たぶん一番最初はコレじゃなかったとおもう(シュールレアリスムを知るにして)。でもご縁あってコレ。ブルトンの愛についての挿話集。解説で言っていることがなんとかわかったような、ぜんぜんわからないような。
★1 - コメント(0) - 2015年1月25日

大学のゼミテキスト。痙攣的な美、そして狂気の愛。それはブルトンの生涯そのままであり、芸術、シュルレアリスムそのものを体現する。あまりにも詩的で難解ではあるものの、ゼミを通じての解釈でブルトンの語る愛とは何かを理解できたと思う。
★1 - コメント(0) - 2014年12月20日

ナジャ」「通底器」を経て辿り着いたシュールレアリスムの思考実験の集大成。(偶然)に対する執拗なまでの問答、美とエロスに対する探究心、そして、過去に自らと関わった女性たちに対する屈折する思いを怜悧なまでの詩的表現で綴る。最終章の熱量で僕の心も溶解した。
★2 - コメント(0) - 2014年6月27日

愛の狂気性をシュールレアリスム散文詩で語る。ある女性との思い出をカットアップで語るため非常に読みにくいのだが、解説にもある「痙攣的な美」とは何なのかを中心に据えるとぐっとテーマが明瞭になる。決して抗うことのできない欲望は高揚感にも似て、現実(レアリスム)と想像(シュール)の境界線を曖昧にさせる。その欲望がブルトンにとっては「愛」であり、だからこそ「愛」を絶対視することで、より直観的に「美」を追求できるのではないか、と。
★4 - コメント(0) - 2014年5月21日

海老坂武訳・解説. 東京: 光文社, 2008年3月20日初版. 原書"L'Amour Fou," Andre Breton, 1937. シュールレアリスムの代表的作家による難解な散文詩。ブルトンの恋愛対象となった女性を解説で把握してから読んだ方が分かりやすかったかも。ダリの多重イメージを用いた絵画のように、語りの対象は女性から風景、過去の思い出と、次々と変異していく。ただし語り方は明晰。「シュールレアリスムは、事実を物語る試みが、医学的診断のように行われるのをつねに提案してきた」(90)からか。
★7 - コメント(12) - 2014年4月25日

新訳でもここまで難しいとは……。理性で考えているうちはまだ理解できそうもない。これが心で読めるようになりたい……。
★5 - コメント(0) - 2013年10月30日

1937年初出。詩の無意識性と自発性(解説260ページ)。「自動書記」で偶然に目を向ける詩法(261ページ)。偶然の発見(セレンディピティ)につながる。ブルトンは二律背反を克服する術を構想(279ページ)。「自発的な創造、自発的な行動をこそ、擁護する必要がある」(26ページ)。子どもの自発性がないのは教育の責任。「シュールレアリスムは、事実を物語る試みが、医学的診断のように行われるよう、つねに提案してきた」(90ページ)。誤っているのは人生なのに、愛に責任を負わせるたくなる(220ページ)。愛すべき人間。
★9 - コメント(0) - 2013年2月26日

解説を読みながらなんとか… ナジャでの最後に出てくる「痙攣的な美」という言葉から、美について、そして愛についての考えについて。様々な連想のつながりが、アンダルシアの犬などの作品に通じるところがあった。
★3 - コメント(0) - 2013年1月11日

個人の思考と想像力の限界を超える可能性としての愛。またはその結晶についての正当化。だから方便は愛でなくても良さそう。
★2 - コメント(1) - 2012年5月30日

これって散文詩じゃないのか……
★3 - コメント(0) - 2012年4月29日

訳もなく心がふるいたつ 理解をこえたなにかありそうな 音楽みたいなものかなぁ
★2 - コメント(0) - 2012年4月3日

これは詩。執拗なまでの美の追求はしばしば何言ってんのかわかんなくなるけど、このおっさんは基本ヒューマニストな左翼知識人。美にまつわる「間」のモチーフは弁証法を彷彿。でも愛との接続がいまいちわからなかったぞ。数年おきに相手の女性を取り替える男の語る狂気の愛とは、ちょっち胡散臭い気がせんでも…。
★5 - コメント(0) - 2012年2月2日

「芸術的経験が示すように、建設され、存続するものはすべて、みずからが存在するために、怖れや疑い、神の視線といったものを放棄するようまず求めているからだ。愛からあの苦い後味をなくさせること、これ以上に、身を入れる価値のあるものは見つけられない。たとえば詩。詩は、苦い後味を持っていない」
★3 - コメント(0) - 2012年1月24日

【★★☆☆☆】1章と解説のみ。うむ、わからん。
★1 - コメント(0) - 2011年9月9日

つらつらと書き連ねられた1冊におよぶ詩のような本。面白くて読みやすいのに内容はわからない。これは翻訳が大変だったんじゃないか。
★4 - コメント(0) - 2011年7月13日

±
予想外に理性的…な言語で、「予定された出会い」など偶然/必然と斬り結ぶナルシスティックな執念がこそばゆく。テンションの乱高下を読了した際の虚脱感はなるほどシュルレアリズム。
★2 - コメント(0) - 2011年5月3日

『ナジャ』の結語を受け、「痙攣的な美」とは、エロティックでありながら覆われており、爆発的-固定的、魔術的-状況的であり、物事が啓示されるという鋭い感覚からしか姿を現さない、と、定義する。そして、「愛がかならずや出会う敵対的なもののいっさいは、愛がみずからを讃える炉で溶解する」、唯一の愛、全的な愛、絶対的な愛の称揚。その中に文学観、芸術観、世界認識、行動の倫理を呼び寄せ再検討するテクストが挿入される。美しい連想、空想(=イマージュ)と比喩に彩られた美しく難解な文章。ブルトンにはまると大変な事になりそうだ。
★5 - コメント(0) - 2011年1月14日

『ナジャ』同様に自伝的な小説。いやむしろ、マニフェストや思想書と相互干渉的にシュルレアリスムの試みの軌跡を描いた作品、といったほうが近いだろうか。シュルレアリスムの詩のもつ閃きがたるい思索に埋没するようで、やはり小説は好きになれない。ブルトンは若い熱気と瑞々しさと詩の煌きが合わさった『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』を読むだけでいいんじゃないだろうか……。
★2 - コメント(0) - 2009年11月29日

あんまり「狂気」では、ないような感じ。というか、書いてあることの意味がわからない。ごめんなさい。まあ、でも、美について考え悩んでいる男性ならば理解できるのか?
★3 - コメント(0) - 2009年2月7日

ダイヤモンドとダイヤモンドをこすり合わせるとすり減ってしまう。愛も同じ、という表現が非常に印象に残った。
★1 - コメント(0) - 2008年12月29日

採点対象外
★1 - コメント(0) - 2008年6月14日

今読んでいるみんな最新5件(14)

03/26:初音トク
09/15:巨峰
06/29:mori
05/19:daydreamer

積読中のみんな最新5件(36)

03/16:えるたそ
12/12:ひなの
12/11:Black Rose
12/01:PnnK

読みたいと思ったみんな最新5件(83)

03/18:
03/02:
02/10:早川
01/29:遙か
狂気の愛の 評価:60 感想・レビュー:31
ログイン新規登録(無料)