白魔 (光文社古典新訳文庫)

白魔 (光文社古典新訳文庫)
あらすじ・内容
緑色の手帳に残された少女の手記。彼女は迷い込んだ森のなかで「白い人」に魅せられ、導かれて……。(「白魔」)
平凡な毎日を送るロンドンの銀行員にウェールズの田舎の記憶が甦り、やがて“本当の自分”に覚醒していく。(「生活のかけら」)魔の世界を幻視する、珠玉の幻想怪奇短編!

あらすじ・内容をもっと見る
292ページ
381登録

白魔の感想・レビュー(199)

表題作は、少女が「白い人」に導かれ、森の奥へと入っていく……というあらすじ。 個人的にはもうこれだけで垂涎。 土俗的でありながらも幻想的で神秘的、恐ろしくも魅力的な短編集です。
★1 - コメント(0) - 3月9日

(再) 前回苦手と言ったにも関わらず再読。中編二つとも信仰あるいは魔に染まっていく過程を描いているけど、「生活のかけら」は最初ごく普通の男だっただけに最後ヤバさが半端ない。奥さんの戸惑いや如何。・・・やはり幻想小説?は苦手だ。
- コメント(0) - 2月15日

『白魔』がとてもよかった。何という魔術が施された書物だろう。緑の手帳の扉は魔の道の入口。時の狭間に転がり消えてしまったような神秘の森の入口。足を踏み入れた途端、周囲の景色は相貌を変じる。結びつく風と音楽は翼となって空をわたる。魔法の蕾を揺らす。そして耳へ注ぎこまれる淫靡な調べ。木々に閉ざされた向こうで執行される秘儀、妖美の魔宴。空虚に燃えているのは孤独な魂の情熱。森へ群れ集う白い人たちに魔女や妖精だなどと陳腐な名前をつけないで。彼らは秘密の秘密の秘密なのだから。口に出してはいけないし、書き表してもいけない
★30 - コメント(2) - 1月29日

マッケンという作家は幻想文学の作家ではあるのだが、どちらかというとファンタジーの部類と思う。この「白魔」も以前読んだものもそうだが、何か不思議な世界、神秘的な世界へだんだん入り込んでいく。それは暗い森を抜けて山を登りどんどん進んでいくと、妖精やニンフなどが現れ神々しい光に包まれた世界へ到達して法悦を得るような筋立てで、そこまでは一直線な感じである。いわば幻想に対してちょっと野放図な書き方で、現実世界との緊張感に欠ける趣がある。水木しげるの貸本伝奇ロマンシリーズようなものである。
★1 - コメント(0) - 1月13日

R C
怪奇小説の短篇集。表題作「白魔」が、少女が妖魔の世界に近づき絡め取られていく様子がおもしろく一番好み。シャーリイ・ジャクスン「ずっとお城で暮らしてる」を思い出す。「生活のかけら」は、現代なら精神に変調を来たした主人公の妄想と片付けられてしまいそうな細々した描写が延々続き退屈だった。由来不明な多幸感や全てを了解したような全能感など、精神症状と診断されそうな内容に作者が近しい状態だったのか気になる。想像だけで創り出すのは難しいのではないかと思う。
★9 - コメント(0) - 2016年12月9日

表題「白魔」が秀逸。直接的に白い人が描かれる訳では無いのに、ある一人の少女の日記という目線の中でその存在は多くの空想を生み、独特の作品雰囲気を作りあげています。非日常というより、そもそも日常自体に虚ろさを感じました。序盤の真の悪についてのくだりも面白いです。それにしても、乳母は予想以上に土俗信仰に生きている人でしたね。平凡かと思いきや、いきなりかなりの魔女っぷりでした。冷静に考えると、小さい子にそんなに重要な秘密をばんばん教えたらマズいよと突っ込みたくなりました(^-^)「生活のかけら」も前半が好きです。
★12 - コメント(0) - 2016年10月13日

無垢な少女が魔に魅入られていく「白魔」は、前半の悪についての語りからゾクゾクする。エロチックで、冒涜的、かつ幻想性に富む、大変好みな作品。人間には理解しがたい、超常的な存在に人は恐怖と畏敬を同時に抱き、だからこそかつては神とも敬い、やがて悪魔として抑圧せざるをえなかったのかもしれない。「生活のかけら」は日常から次第に神秘主義に目覚めていく話だが、前半と後半の断絶具合には驚いた。作中で発狂した叔母と主人公は紙一重な気もするが、正しい方法(が何って言われても?だけど)で、神秘へ接近しなかった報いって事かな
★7 - コメント(1) - 2016年8月2日

たぶん今は読む時期では無かったのかな?脳があまり受け付けなかったというか…。『生活のかけら』は前半は面白かったけど、後半になってからはキャラクターの変わりかたについていけなかった…。最近は推理小説や歴史に偏ってるからちょっと上手く読めなかった感じだった。
★22 - コメント(0) - 2016年6月20日

★★☆ 解説を読むまでこれが魔女小説だとは気づかなかった。そうか、そう言われてみれば明らかに魔女体験だった。でも「魔」は邪悪なものというより妖しいものという気がした。妖しいものが日常のパラレルに存在していて、ふとしたきっかけでそちらへの扉が開く感じがイギリスっぽいなと思った。日本とそういうとこは似ているのではないか。
★7 - コメント(0) - 2016年3月24日

生活のかけらは前半に限って言えば、お金に細かく現実的で世俗的なやり取りに終始する夫婦の会話が非常に面白かった。ところが後半になりはじめ、現実的な妻と段々と浮世離れして行く夫との間に齟齬が生まれ始めたあたりまでも面白かったが、最後の最後になると超自然的な設定に急展開しはじめるのでついていけなくなった。ここら辺はもう少し推敲の余地があったのではないかと思う。白魔は取っ掛かりの哲学的な会話の部分を我慢して読み進めるとそのうちまま面白くなるので最初だけ我慢。それより名作『夢の丘』の長い品切れ状態は何とかして欲しい
★2 - コメント(0) - 2016年3月13日

「白魔」は再読。中篇の「生活のかけら」は執筆中に作者マッケンが異常な体験をしたとのことで、それが特に反映されたと思われる終盤のいびつな展開には驚いた。現実の世界がまったく違った様相で迫ってくるという魔術的な感覚。付録的な小品も◯。
★5 - コメント(0) - 2016年3月11日

【日本の夏は、やっぱり怪談<其の三・和洋折衷>(8月21日-31日)】幻想的な本編と『白魔』という邦題がとてもよくマッチしていてよかった。『生活のかけら』もよかったです。読んでいて子供の頃にタイムスリップした気分になりました。あの、奇跡も、魔法も、あった時代。街は今よりもずっといりくんでいて、夜の学校には何かがいて、スプーンは曲げられる物だったあの時代。白魔の少女やダーネルの幼少期の話には頷くことしきりでした。自分の琴線に触れるものがあったのかホラーを読んだというよりは人生のかけらを垣間見た気分でした。
★2 - コメント(0) - 2015年8月26日

「ここには私以外誰もいないし、誰にも見られる気づかいはない。それで、わたしは靴と靴下を脱いで、わたしの知っている言葉をとなえながら、両足を水につけた。水は冷たいかと思ったけれども、あたたかくて気持ちが良かった。足を入れると、まるで絹の中に入れたような、わたしの足にニンフがキスしているような感じだった」この文で興奮してしまった私は多分まともです。――幻想怪奇小説の大家たちの作品には女っ気が無い。そんな中で女性が輝きを放っている作品に焦点をあて訳出された「罪と法悦の作家」マッケンの作品集。魔女小説の滲むエロス
★21 - コメント(1) - 2015年6月30日

巻末の訳者あとがきに頷いてしまった。 要約すると、こういうことだと思う; -この作者の作品のテーマはいつも同じで、またかよ!とつい思ってしまう。 読者もこの3作を読めば、そう思うはず。-
★4 - コメント(0) - 2015年5月28日

「白魔」,「生活のかけら」と断片のような作品が収録されている。物質世界に対比される世界を描いたファンタジーといった趣き。意外に性的な色彩が強い。
★2 - コメント(0) - 2015年3月28日

ミステリアスな雰囲気が漂う美しい幻想の世界が広がっていました。「白い人」に魅せられ、導かれていく『白魔』は描写に次ぐ描写の中で、少女が徐々に違う方向へ行き、異なる世界の虜になる雰囲気に鳥肌が立ちました。人が奇妙な変化を遂げていくのが怖かったのでしょう。『生活のかけら』も記憶の甦りにより、本当の自分に覚醒していく姿に背筋が凍りそうになりました。魔の世界を幻視するような怪奇の世界は恐ろしさをたたえていますが美しさがあると思います。
★48 - コメント(0) - 2014年10月22日

少女が残した緑色の手帳に書かれた手記。そこには、迷い込んだ森の中で謎めいた「白い人」に魅せられ、導かれた物語が書かれていた。表題作『白魔』を含む、ミステリアスな幻想系短編小説集。 マッケンの作品はラヴクラフトの物語にも影響をもたらしていると聴き、興味を持ったので読んでみました。けどどの作品もちょっとラヴクラフトに比べて、個人的には馴染みにくかった気がする。ストーリーがちょっと難解なものが多かったせいがあってか。 でも『白魔』はヒロインの少女が出会った「白い人」が何なのか想像するのが、面白かったと思う。
★2 - コメント(0) - 2014年10月7日

表題作の白魔は、少女が乳母の影響から徐々に魔女になるお話。これはなかなか良かったが、他の中短編はいまいちピンとこず。
★2 - コメント(0) - 2014年9月25日

描写に続く描写で、とても読みづらかった「白魔」。しかし、よく分からないのだけれど、少女が段々と違う段階に行き、キャッキャッと違う世界の虜になり、最後には喜び勇んで飛び回っている姿に、何だかゾッとしてしまった(汗)人がおかしくなっていく様を見てしまったような、何ともいえない感覚がした。どちらかというと、「生活のかけら」の方が読みやすかったけど、これを読んだ後、日々の瑣末なことに囚われている自分が嫌になったなぁ~(笑)もっと大きな世界で、ゆったりと四肢を伸ばして暮らして行きたいと思った。脳に響く読書でした。
★4 - コメント(0) - 2014年9月6日

19世紀後半〜20世紀前半に幻想小説や怪奇小説を多数発表したアーサー・マッケンの作品集。白魔』は少女が乳母に導かれるままにキリスト教以前の魔道に進んでいく様を少女自身の一人称のポジティブ全開な記述で綴る。少女は無垢なので「踊り」「儀式」「丘」を全く抵抗なく受け入れる。彼岸に一直線に突き進むオカルト優等生っぷりが此岸の僕には恐ろしく思える。「生活のかけら」は平凡な結婚生活と会社勤めを営んでいた男が主人公。幼少の頃の神秘的な記憶のフラッシュバックが次第に増え、遂にはそれに心を奪われ現実の世界を圧倒し凌駕する。
★2 - コメント(0) - 2014年8月11日

アーサー・マッケンの『白魔』を読了。今でいうところのいわゆる「ホラー」を期待していたのですが、肉体的というよりも感覚的な怖さを感じる作品でした。
★3 - コメント(0) - 2014年7月3日

異世界の入口はどこにあるか。入口がそこにパカッと開いてるわけではなく、人の内的な感覚が徐々に開かれるもの…という現象(?)を書いてある小説だと、私的には理解した。解釈間違ってるかも。でもシュタイナーの超感覚なんちゃらと私の中で被る…
★3 - コメント(0) - 2014年6月21日

表題の「白魔」よりも「生活のかけら」の方が好きだった。匂い立つような生活描写と並行して、その背後に漠然と予感される神秘的な世界が描かれる。一人の人がなんとなく神秘に惹かれる様子が仔細に描かれていて、怪奇現象など何も起きないけれどたっぷりと幻想に浸ることができる。渋い!
★12 - コメント(0) - 2014年6月5日

表題作の「白魔」は、残された少女の手記による、乳母から教わったウェールズの土着信仰の話で、サバトやまじないの話を思い出しながら歩く彼女にとって森は精霊のいる神秘の世界に映り、彼女はそこで“白い人”と出会います。現実と幻想が混在した幻想的な作品。「生活のかけら」は夫婦のつつましい日常から、夫が祖先のルーツに目覚め、徐々に日常生活を侵食して行くという。文章中で日常の生活から急に幼少の記憶へと切り替わる美しい文章は読みづらいさを感じますが、心の奥底を覗き見る描写は、怪異など無くとも背筋が寒くなる思いでした。
★20 - コメント(0) - 2014年5月26日

幻想的で美しい描写が多く、ふわふわと出口のない森の中を彷徨っているような不思議な感覚。
★2 - コメント(0) - 2014年1月18日

見なれた風景に重なりあうように存在する異界。そこはノルマン人に征服される前のケルト人たちの遠い記憶。太鼓の連打と狂おしい笛の音は人びとを魔女たちのサバトへと誘う。古き良きウェールズの美しい自然にオリエントの官能的な薫りが漂い、妖しく光る宝石のカケラのような言葉たち。表題作ほか中篇1篇と3つの掌篇からなる珠玉の作品集。どれも捨てがたい。絢爛豪華なあやかしの世界に誘われる泉鏡花に似ている。鏡花はこなたの世界に戻るのに対し、あちら側に行ったまま戻ってこないのは意識の変容を伴うからか。他の作品も読んでみたい。
★46 - コメント(10) - 2014年1月6日

N.K
表題作の「白魔」は、無垢な少女が知らず魔女の道を歩んでゆく話であり、その事に気づいた瞬間にぞくっとした。「生活のかけら」も、所帯染みた夫婦間の生活を描いていた所から、何やらきな臭い親族の話が現れ、段々と異質な側に傾いてゆく姿が描かれる。ここら辺の落差が、話を印象的にしているのかもしれない。代表作と言われる「パンの大神」や「夢の丘」も読んでみたくなった。
★6 - コメント(0) - 2013年11月4日

「白魔」「生活のかけら」、共に信仰に目覚める話だが、方やキリスト教以前の土着宗教、方やキリスト教。魔を目指す者と聖を目指す者の対局の話だが、その過程は儀式が違うだけで良く似ている。新訳にしても読みにくい。過去形やら過去進行形に忠実すぎるためか。私がイギリスの自然風土信仰を知らないせいもある。「生活のかけら」前半の所帯じみた節約夫婦生活の部分をむしろ面白く読んだ。ただ当時の貨幣価値について解説欲しかったな。やっぱりリアリズム小説の方が自分には合っているのかもしれない。
★4 - コメント(0) - 2013年1月9日

新訳なので、このジャンルの邦訳としてはかなり読みやすい方。しかし、解説にもあるように、並べて語られる作家と少し雰囲気が違う。これが合うかどうか。そこまで好きではないので、積極的に勧められない。
★1 - コメント(0) - 2012年12月9日

なんだろう、言い回しがくどい? 邦訳のさいにそうなったのか、原文がそうなのか。新訳なのに読みにくい。
★2 - コメント(0) - 2012年10月18日

自然と、妖かしや神秘に親しむ人々。日本の湿度の高い山や森とはひと味違うイギリスの森の描写なのですが、それでも自分の幼少期に染み込んだ山体験の感覚を頼りにぐっと入り込んで読みました。自分の内部に自然とその魔性を抱えている感じが好き。訳が古めかしいのは原文が古めかしいから仕方ないのかな。
★29 - コメント(1) - 2012年10月8日

表題作とそれを補完するようなショートショート「妖術」「儀式」がエロ怖い。
★4 - コメント(0) - 2012年9月30日

緑色の手帳の少女の手記に記された「白い人」とは…。どの話も文章が美しく、詩的だった。『生活のかけら』では、平凡な日常がどんどん変わっていく様子が不気味。その後の奥さんがどうなったのかが気になる。おまけのように最後についていた「『翡翠の飾り』より「薔薇園」「妖術」「儀式」」は、短いけれど、想像力が試されているようで楽しかった。
★9 - コメント(0) - 2012年8月26日

『白魔』再読。少女が白い人たちに取り憑かれ、取り込まれていく情景が熱に浮かされたように伝わって来る。平井呈一訳より、ややあっさりした感じもした。『生活のかけら』主人公の平穏な日常が徐々に過去の呼びかけに応じて変化して行く姿が、作者の内奥の在処に重なり興味深かった。
★9 - コメント(0) - 2012年8月1日

短編なのにイチイチ魔術の理屈を最後に持って行くからなんだか読みづらい。でもやっぱりエゲレスは魔術の国なんだなー、とも実感。
★1 - コメント(0) - 2012年6月9日

文学的な文章と言えばいいのか。どうにもこの手のモノは苦手・・・。
★1 - コメント(0) - 2012年5月30日

 子供のころの純粋さからくるもの、大人になってからの郷愁、どんな形であれ自然に惹かれていく物語。  そしてその自然は不気味な世界や、美しい世界を映し出している。  この本では、少女はさびしい毎日を、男性は物足りない毎日を送っていた。どうあれ社会になじんでいって疲れたときに、こういう世界に癒しを求めるのかもしれない。 
★4 - コメント(0) - 2012年5月5日

白魔の 評価:88 感想・レビュー:66
ログイン新規登録(無料)