アンチェルの蝶 (光文社文庫)

アンチェルの蝶 (光文社文庫)
あらすじ・内容
大阪の港町で居酒屋を経営する藤太の元へ、中学の同級生・秋雄が少女ほづみを連れてきた。奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨な記憶があった。少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく――。絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。

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アンチェルの蝶はこんな本です

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慈雨
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アンチェルの蝶の感想・レビュー(75)

絶望的で、陰鬱で苦しい読者だった。そんな中ほづみの健気さに時折、ロウソクの火が灯ったような気になるが、想像を絶するような悲惨で、怒りでどうしようもない過去が明らかになる。一冊の本でこんなにも鬱々とした気持ちにさせられるとは。
★10 - コメント(0) - 3月15日

25年前に何があったのだろう。小学生からの3人の友達に、どんな事件が起きたのだろう。 雪の鉄樹を読んでから、気になっていた作家の作品を読んでみた。アンチェルはユダヤ人の指揮者の名前だった。新世界が頭の中で鳴り響く。
- コメント(0) - 3月10日

何とも凄まじく救いようのない話。思いっきり引き込まれてしまった。
★1 - コメント(0) - 3月10日

読んだ後、とにかく「圧倒」された。 大人になっても藤太、いづみ、秋雄の時間は止まったまま。 原因はどうしようもなく救いのない幼少期に起こった事に繋がる。 全編通して暗い雰囲気だが、かなり読みやすい。 「白夜行」に何となく似ているような気がするのは自分だけ?
★2 - コメント(0) - 2月26日

人は決意をすることで、前に進んでいくことができる。
- コメント(0) - 2月14日

再読。単行本から数えると通算3回目なのだけど、何度読んでもぐっとくる作品。今回はほづみの父親の思い込みの強さとか話の通じなさ、いづみに責任があるといいながら自分の支配欲を満たすために執拗に追い続けるダメな男の描写が印象に残った。また藤太と秋雄、ひどい父親たちを殺しても結局元の場所からずっと動けない、たとえ後悔がなくても、時効が成立しても、人を殺すという罪からの報いからは逃れられないのかな、そんなことを思った。
★11 - コメント(0) - 1月31日

つらい。全てを知ってしまったとき、僕はつらすぎて一晩眠ることが出来なかった。こんなに悲しく美しい物語は初めてだ。どんなに残酷な運命の元に生まれても、それでも、、、。
★12 - コメント(0) - 1月15日

大阪を舞台とした作品。常連しか寄り付かない居酒屋『まつ』で物語は始まります。過去と現在が語られていきます。子供に暴力をふるったり、ギャンブルをして借金まみれになったり、と主人公たちの親の振る舞いはとても情けないものでした。こうした悲惨な子供時代を過ごした彼らの心の傷はなかなか癒えないものであると思いますが、不器用ながら必死に生きる様子に心打たれました。こんな劣悪な環境からの脱出を目指して、彼らは少年時代にある事件を起こします。そして現在へとつながっていきます。とても力強く切なさ溢れる作品だなと思いました。
★20 - コメント(0) - 1月1日

遠田作品4作目。息苦しくなるような苦痛を伴う読書だった。いつの時代も子は親を選べない。生きるには希望が必要で、叶わないのなら…と望まず願わずいる事は難しい。親からの虐待に耐えながらもささやかに夢みて生きていた藤太といづみに、親達がした事はあまりにも惨い。滾る怒りと無力感に、救いたいと思ってした事はそれぞれの人生を理不尽に縛る。自堕落で卑屈な生活を送ってきた藤太の元へいづみの娘が預けられた事で、25年前の記憶が蘇る。人生を別にしたその真実を知り、やっと羽化できた蝶のように新世界へ跳びたてるのだと思った。
★36 - コメント(2) - 2016年10月15日

図書館本。初読み作家さん。中学生時代親からの虐待を受けた藤太、秋雄、いずみ の3人組はある計画を実行する。それから25年後、藤太の居酒屋に子供1人連れて秋雄が久々に訪れる。いずみの娘”ほずみ”という名の少女を藤太に見てて欲しいと依頼。25年前の事故から離れ離れとなった3人の運命が再び動き出す。いずみ、秋雄は今何所に、彼らなりの”新世界”を見つけることはできるのだろうか。真相解明の後半は読者を離さない圧倒的な文章力。素晴らしかった。”遠田”潤子さん作品。次も期待しよ。
★34 - コメント(1) - 2016年10月10日

皆さんの圧倒される感想に手も足も出ない。ドボルザークの新世界と大阪の新世界を掛け合わせたような語呂合わせ。そしてナチスと同じような親たちの理不尽さを子供達はどう受け取ったのか。因縁・因果応報と云うつもりはないが、犯罪に手を染めてはならない。どんなに辛い日々であっても犯罪に手を染めなかった時が最高に幸せだったと思わせる内容に、未来の子供達の幸せを奪ってはならないと。豊洲市場も都民が虐待と搾取を受けた子供のようだ
★61 - コメント(3) - 2016年9月27日

仕事もせずに酒に酔って子供を殴る親。賭け事に負け借金を作り娘を売る親。こんな親の許で育つしかなかった子どもたち。きっと不公平だと思うだろう。しかしここに登場する子どもたちは打ちひしがれ絶望しても耐える。「新世界」が自分たちにきっと訪れると信じて。他人との接し方が不器用で卑屈になっているけど根の優しい藤太に声援を送りたくなる。絶望の底にいても思いやりの心を捨てないいづみに涙してしまう。いい作品だと思うけど救いようが無くて辛いですね。読後は夕暮れ時の安治川水門のアーチが目に浮かび、寂しさが込み上げてきます。
★42 - コメント(3) - 2016年8月28日

図書館本 ★★★★★ 
- コメント(0) - 2016年8月8日

いや、すごい小説だった。人間は鬼畜になるけど、それを乗り越えるものすごい強さもあると。それが救いだ。
★2 - コメント(0) - 2016年6月30日

どこに救いを見出していいのかいいのか わからない。 最後の数行が、せめてもの慰めか。 ほんの少し”永遠の仔”と 同じような感じかな・とも。 店の名前のままにある 主人公。 変わり始めてみれば、ちゃんと見守られてたんじゃないの。と。 なんだか、言葉にならない。 ただ”哀れ”としか・・・
★3 - コメント(0) - 2016年5月29日

泣き虫の私が友人から、号泣間違いなし! で薦められた『アンチェルの蝶』 不幸な家庭で生きる3人の子供たちが、自分を犠牲にして相手を思いやるストーリー。 子供の純粋さ、大人の身勝手さ、25年間の苦しみ、そして愛。 私はストーリーの世界に浸り、一緒に苦しみ、感動した。 しかし、涙は出なかった。 友よ。あなたはどこで泣いたのか?
★1 - コメント(0) - 2016年5月21日

あまりの過酷さむごさに、打ちのめされた。なかなか明かされない真実にやきもきしつつも、ぐいんぐいんと引き込まされる。悲しくてやりきれないんだけれど、それでも一縷の希望を信じて…。
- コメント(0) - 2016年5月21日

アンチェル「新世界より」この物語にそぐわない、クラシック唐突だなと思ってたら、解説の著者の言葉によれば、彼女がこの音楽に魅せられてタイトルが浮かんだとの事。なるほど納得、物語があっての音楽でなく「アンチェルの蝶」というタイトルから始まった作品だった。中学生が関西弁を突然やめる、、、無理です
★1 - コメント(0) - 2016年4月27日

堕落した人生を送っていた主人公。それが幼馴染の子供を預かることになり、少しずつ変わっていく様子は微笑ましい。 しかし主人公含めた男女3人の壮絶な過去が次第に明らかとなり、因縁が因縁を呼ぶ
★1 - コメント(0) - 2016年4月11日

少し前に読了してました。重要な内容としては、主人公藤太と賢い秋雄、いつでも2人を支えてくれたいづみ。その3人を中心に話が進んでいきます。藤太視点で話は語られていきます。ある日秋雄と共に、ほづみといういづみの娘がやって来ます。そして秋雄は藤太にこう言います。「この娘を預かって欲しい。夏休みが終わったら迎えに行くから」最初は、ギクシャクしていた2人もほづみの持ち前の明るさで仲良くなっていきます。行方不明になった秋雄、亡くなってしまったほづみ、25年前の悲劇。未読の方、気になっている方はどうかご一読ください。
★2 - コメント(0) - 2016年3月1日

忌まわしい過去に追われながらも再生を願う男の姿があまりにも健気で泣きたくなる。すべての顛末はやりきれないけれど、きっとうまくいくと信じたい。
★4 - コメント(0) - 2015年12月13日

切望した新世界。自らの手で掴み取ろうとした未来。血の繋がった親からの理不尽な仕打ちに黙って耐えながら、中学生の彼らはただ懸命に生きようとしただけなのに。彼らの親は人ですらなかった。生まれてくる環境を選べないことが酷くやるせない。悪夢のような現実を終わらせる為に失ったものは、心穏やかな日々と希望に満ちた未来。それでも、彼らは彼女を守り、彼女は彼らを守り続けた。それなのに瓦解する「最高の日」。どうして?と叫ばずにはいられなかった。アンチェルの蝶。美しい響きを持つタイトルの意味を理解した時、鳥肌が立ちました。→
★48 - コメント(7) - 2015年10月19日

酒に酔って子供を殴る、賭け麻雀をして借金をつくる。そんな親の下で育つしかなかった「藤太」「秋雄」「いづみ」の三人!過去と現在の哀しい真実が重く悲しくやるせない…。「どうして俺たちはあんな親の子供なんだろう…。どうして、どうしてー!」子供の頃…親から逃げたくて、もがき苦しんだ三人!新世界を目指し、今のこの生活から抜け出そうとした三人!二十五年たった今も過去は決して消えてはくれないのか!?もう、悲しくて悲しくて胸が苦しくなります!!「ほづみ」の健気さもより一層涙を誘いました…。心に響く力強い作品です。
★37 - コメント(4) - 2015年7月12日

25年前の悲劇…あまりにも哀しすぎて何度も涙が零れそうになりました。少年と少女が…絶望と希望の狭間で懸命に生きていく姿に胸が痛む…。少年が犯した罪…ミステリー?!いやいや…一途な「愛」の物語。25年ぶりに再会した主人公と友の言葉…「あの頃は最低の日々や思てたけど、今になったらわかる!あれは最高の日々やったんや」…もぉ~切なくて…苦しくて。卒業したら…新しい世界がまってる!そう信じていたのに。タイトルのアンチェル…蝶…やりきれない。思わずCD「新世界より」聴いてしまいました。この作家さん…好きです。
★47 - コメント(9) - 2015年7月9日

- コメント(0) - 2015年6月10日

遠田潤子さんの小説を読むのは月桃夜に続いて2作目です。つらくて切なくて苦しくて重い物語でした。そんな中でも、ほづみちゃんだけは明るく可愛らしく元気で幸せな子になって欲しいと、最後まで祈り続けながら読みました。月桃夜が良かったと思える人にはおすすめです。ところで藤太の店の名は「まつ」。そして藤太は待っていた。でも藤太は待っていてはいけなかったんだって、僕はあの頃の自分に重ねて静かに回想しています。
★1 - コメント(0) - 2015年5月6日

過去の呪縛から逃れられず、絶望を運命として、不器用にただ毎日を過ごす。それでも一瞬の光が生きる力になること、再生の道すじへの希望が、ざらついた苦味を伴って描かれる。胸締め付けられる圧倒的なリアリティー、想像を絶する過酷な真実が明らかになるスリリングな後半の展開。重かった。苦しかった。そして、新しい世界を信じたいと思った。
★12 - コメント(0) - 2014年11月8日

遠田作品3作目。例によって主人公の抱えてる過去がなかなか明らかにされない。3人の子どもたちの虐待と貧困、そんな中での友情と淡い恋が描かれているものの、暗い重苦しい話が進む。やがて主人公たちの25年前の出来事が明らかになるが、予想通りのやりきれない内容。切なさと悲しみだけが残った。
★17 - コメント(5) - 2014年10月19日

初めて本を読んで泣きました。あまりにも哀しすぎる藤太と秋雄といづみの物語。藤太の元に中学卒業から25年後、いづみの娘・ほづみを連れた秋雄が突然現れ、「いづみは死んだ。ほづみを預かってほしい」と頼み消息を絶つ。藤太と秋雄は25年前、いづみを守るためにある罪を犯していた。三人は自分達ではどうすることもできない家庭環境におかれていたにもかかわらず、「新世界」を夢見てたくましく生きていた。悲惨な子供時代であったにもかかわらず最高の日々であったと語る。藤太と秋雄といづみを強く抱きしめたい。
★20 - コメント(0) - 2014年9月6日

遠田潤子さんを読むのはこれで2冊めですが、今回も苦しく切ないお話でした。子供の時の些細な出来事を宝物にして何十年も生きていく不器用な大人たち。絶望の淵にいた藤太がほづみやハンチングのお陰で未来を考えるようになるくだりは涙無くしては読めません。もちろんハッピーエンドではないし先があるのかも分からないけれど、とてもいいラストシーンだったと思います。
★16 - コメント(0) - 2014年4月5日

〈12〉どうしようもない程の閉塞感と、どこにも行き場のない想い。暗く沈んだ、決して幸せじゃない人生だけど、それでもそれなりの希望が少なからずあって、手に入れたくて、手に入らなくて必死でもがき苦しんでる。「それでも、生きていく。」この文句がピッタリはまる作品でした。到底及ばないけど「赤目四十八滝心中未遂」を思い出しました。
★6 - コメント(0) - 2014年2月14日

新しい作家さんの本に挑戦したくて・・・タイトル買いです。内容はキツかった。
★1 - コメント(0) - 2014年2月8日

所詮はフィクションと思いたいのですが、実際には誰かがDVをうけているだろうし、それよりひどいことにも巻き込まれていることを思うと自分は幸せなほうだと思わずにはいられません。秋雄の考えたことは複雑でしたが、少しわかるような気がしました。偽善者のところとか。つらい境遇で過ごしてきた人がハッピーエンドになることは難しいのかもしれませんが、藤太の夏休みはまだ終わっていないと信じたいです。
★9 - コメント(0) - 2014年2月4日

☆8 著者の作品は、めちゃめちゃ酷いことが書いてあるわけでもないし、登場人物も目に見えて悲観にくれるわけじゃないけれど、これ以上ないほどに哀しくなる。なぜか郷愁を感じる、静かで、沈み切った絶望がある。ほづみや客との交流で少しずつ心が温かくなるのだけど、明かされていく過去が辛く、いづみを思うほどに傷ついていく周囲の人々。クズみたいな親父たち、クズみたいな生活、そこにあった小さくも大切な絆。深い暗闇と強い光が巧く描かれていて、すごく心にくる作品だった。
★18 - コメント(0) - 2014年2月2日

絶対やよね/ 痛みがあればなにも考えずにすむ 痛みの唯一で最大の効能は、思い出さずにすむということだった/ たとえどれどけ愚かに見えようとも滑稽に見えようとも、口に出すべきだ。それがどんな些細なことでも、きちんと言葉にしなければならない/ 人を殺せば時が止まる/ 理不尽な何か に惹かれ、創作活動を始めた
★6 - コメント(0) - 2014年1月28日

JKD
壮絶な少年少女3人の悲しすぎる直球人生。絶望と希望の間で全力で生き抜くパワーが凄い。それにしても藤太が男前すぎる。「居酒屋まつ」に行ってみたい。
★13 - コメント(0) - 2014年1月26日

最近、辛い環境で子供時代をすごす主人公の小説は多いような気がするが、 この作者の書く背景は、「こういう背景」に憧れ(?→上手く書けないけど)で書いているような感じではなく、芯から書かれてて・・・。ずっとギリギリと歯を食いしばりながら読んだ。作者女性なんですね。東野氏の書くアーモンドアイの不幸な強い美少女とかはどうもうーんなんですがね。いづみは東野氏のこの手のヒロインと似ているようでいて、実は対局にいるヒロインですね。ほづみちゃんのこれからは心配ですが、強い美少女に育ってほしいわ。
★5 - コメント(0) - 2014年1月26日

アンチェルの蝶の 評価:100 感想・レビュー:43
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