寡黙な死骸 みだらな弔い

寡黙な死骸 みだらな弔い
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夜行
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寡黙な死骸 みだらな弔いの感想・レビュー(175)

緩やかに繋がる死と寂しさと孤独に囚われた者たちの物語集。それらは腐爛し、人々の日常を静かに、グロテスクに蝕んでいく。「老婆J」のみ、『リテラリー・ゴシック・イン・ジャパン』で既読。「果汁」の悼みと悲しみを真摯に静かに受け止める姿に胸を打たれる。「白衣」の不倫相手の助教授について話す女の執着以上にそんな彼女に心酔し、彼女を俯瞰するかのように何でも知ろうとする語り手も怖い。「心臓の仮縫い」の心臓を入れるためのバックの生々しさ、「拷問博物館にようこそ」の恍惚とした女特有のサディズムの目覚めに微笑んでしまう。
★86 - コメント(2) - 2月27日

まず死がそこに存在し、物語は始まる。腐爛していくほどに甘い香りが漂ってくるような11篇のお話。どこまでも静寂な世界がひろがり、冷たい空気にからだが包まれる。時折覗かせる美しくグロテスクな官能と毒。一篇一篇読み進めるごとに深く深く小川ワールドに浸り、埋もれ、絡めとられる。11篇がさりげなく繋がり、ひとつの物語が霧のなかから現れるような構成にちょっとした驚きの溜め息がでる。表紙絵、挿し絵も物語の世界観にぴったりはまって素敵。
★59 - コメント(7) - 2月24日

全体的には、童話のような優しさで進みますが、各章でふっと残酷な現実が顏を出すところが良いなと思いました。前の章から、次の章へと少しずつ登場人物や物に繋がりがあり、不思議な縁を感じとるような物語でした。
★8 - コメント(0) - 2016年10月11日

死と死体がモチーフの連作短編集。童話のような文章で、なかなかグロテスクなシーンが描写されていくのが印象的。特に「心臓の仮縫い」がドキドキさせれた。実際の心臓の様子もさることながら、鞄職人の気持ちもきわどい。
★2 - コメント(0) - 2016年9月28日

miz
短編ながら,人物やら建物やら,何か一つか,あるいはいくつかが,次の物語へリレーして,結果,長編へと編まれていく様は,街の一角で繰り広げられている,背中合わせ,隣り合わせにある緊張感をよく醸していて,おもしろく読めました。妄想の果てに生まれる,薄ら寒い文章,肉情的な文章を手繰ると,思わず,喉がごくりと音を立てるほど。非日常的な世界をひと時味わうには,いつもながら,もってこいの作者と作品です。
★2 - コメント(0) - 2016年8月9日

★★★★★読友さんのレビューに惹かれて久々の小川作品。静寂と透明感豊かな文章。しかし、小川さんの静寂はキーンと耳に響くような静寂であり、透明感は繊細なガラスの様に、透明であっても確かにそこにある透明感。今だとホラーに分類されるような幻想小説の短篇集。少しずつ重なり合いながら、それでいて、いつでも本を閉じれる様な心地良い文章o(^o^)oふと気づくと胸の上に氷を乗せられたかの様なヒヤリとした涼しさ。夏向きな読書を堪能。読友さんに感謝です(≧∇≦)
★37 - コメント(4) - 2016年8月5日

登場人物の心理が、最近の小川洋子作品より、わかりやすいと感じた。登場人物の背景や内面を、あまりぼかさず書いているからだろうか。また、構成がとても面白いと思った。ある物語では、脇役だった人物が、他の物語では主役だったりする。ある物語で内面が描写された人物が、他者からどのように見えていたのかが他の物語でわかるため、読み返すと、いろいろな発見があると思う。
★2 - コメント(0) - 2016年7月10日

小川洋子の指が胸の奥にゆっくりと沈みます。骸の内、そこに眠る思いを読み取ります。温もりを失った肉が生きて、溜息をつき、理不尽な恋に焼き尽くされた日々の残滓を指は解き放ちます。高潔な処世、正義の束縛、穏健な心情、踏み外さぬ常道、雑多な連鎖が私たちを何かに繋ぎ止めています。楽しむ為に人生を眺めれば余りに それは短いと漸く気付かされます。11の短編と樋上公実子の挿画が作り出す円環、二人の魔女の指が読者の奥で隠微な呪いを致します。心を抉る程に踏み込む事を恐れ、忘れたふりで満足する意気地なし、鎖を切って愛を語れ。
★42 - コメント(1) - 2016年3月3日

短編11話。それぞれの話に繋がりがあり、短編を読みながらひとつの長編を読んでいるよう感覚を楽しめる不思議な作品でした。死やグロさが随所に散りばめてあります。気に入りました。
★6 - コメント(0) - 2016年2月15日

11話からなる短編集の、全ての登場人物が重なり合ったり、繋がったりしています。そして全編には死の気配が、時にうっすら、ある時はあからさまに漂います。それは時にグロテスクな描写でありながら、小川作品独特の静かな悲しみを纏っています。しんしんと寂しくなってしまうような、悲しくて美しい一冊でした。
★12 - コメント(0) - 2016年2月11日

時々ふと読みたくなる「黒洋子」。11のどの話にも死の匂いが漂っていて、誰かの死をきっかけに始まる物語が鈍く光る数珠つなぎの首飾りのように次の物語へと連なってゆく。古い郵便局の一室。畑に眠る死骸。白衣に潜む臓器。手の中で脈打つ心臓。拷問博物館。音もなく忍び寄ってくる死と、密やかに死を待ちうける薄闇の部屋。覗いてはいけないと思うのにそっと薄目を開けてしまう。白紙の原稿用紙に描かれていたのは誰の死だったのだろう。誰もいない部屋から聞こえてくるピアノの鎮魂歌は。暗闇で目を凝らす唇の動きは。『心臓の仮縫い』が好き。
★143 - コメント(1) - 2016年2月8日

とても素敵な短篇集でした。妖しくも美しい世界が広がっていきます。ささやかながらつながって紡がれていく物語。静かさの中で虚構と現実が曖昧になり、幻想的な世界へ引き込まれます。むせかえるように立ち上る死の匂い。グロテスクで官能的な雰囲気が漂いますが、決して嫌らしくならず、綺麗に品のあるまとまり方になっていて独特な雰囲気でした。途中に挟み込まれる挿絵の不気味さも物語の世界観にしっくりきていると思います。
★85 - コメント(0) - 2015年11月18日

妖しくて哀しい短篇集。登場人物が各話繋がっているので、ちょっぴりミステリー要素もありました。「ギブスを売る人」と「ベンガル虎の臨終」がお気に入り。
★10 - コメント(0) - 2015年10月27日

連作短編というにはささやかなつながりが収録作のなかに巡らされ、虚構と現実の境も曖昧になっていく。“死”のにおいが強く、全体にグロテスクで官能的でもあるのだけど、あくまで品よくまとめているのはさすが。挿絵の不気味さも作品のゾクッとする感覚によく合っている。
★8 - コメント(0) - 2015年3月28日

【図書館】終わりのない薄暗い迷路みたいな連作短編集。ぐるぐるぐるぐる。20150218-11
★10 - コメント(0) - 2015年2月18日

「ギブスを売る人」だけ別の本か何かで読んだことがあったが、こうして短編集のなかの一作品として読むとまるで雰囲気が違い、長編のなかの一場面のように、どこか愛着をもって読んでしまった。短編それぞれと、一冊の中でリンクしていく物語の、この一冊の本のなかで完結している世界が、閉塞的で、不吉なものに感じられてぞくぞくする。
★4 - コメント(0) - 2015年1月18日

グロテスク。なのに読みやすくて、どんどんリンクしていく様が気持ちいい。なんだろなー、クセになる。
★3 - コメント(0) - 2014年6月21日

不思議なタイトルだなあと思って手に取りました。図書館本。 甘美ということばがぴったり。 ○話めの登場人物が○話に出てくる、交錯する連作集。エンドレスに階段のように続く、美しく、残酷なお話たち。特に心に残ったのは、なんでも請け負う鞄職人の話「心臓の仮縫い」でした。
★19 - コメント(0) - 2014年4月13日

必ずどこかに「死」が含まれている短編集。それぞれが少しずつリンクしているから読み終わった後は長編を読んだ満足があった。やはり小川作品の独特な雰囲気は好きだなー
★16 - コメント(0) - 2014年4月6日

タイトルからも感じるようにどのお話にも"死"がある短編集。各話にリンクしている部分があり、その入り組んだ繋がりに惑わされるような不思議な感覚が残る。合間にある挿絵もその雰囲気を増長させてやや不気味。
★6 - コメント(0) - 2014年4月2日

それぞれの話に「死」がありました。そして繋がりがあって面白かったです。あまりにも静かなので、死に気づかないときがありました(笑)好きだな、これ。
★17 - コメント(0) - 2013年10月11日

文庫本で読んだことがあったが、古本屋できれいな装丁と文中イラストに惹かれて再度購入し読んでみた。11の短編からなる作品集であるが、それぞれの作品に「死」が漂い絡み合っている。この作家の命の傾向性や性癖がのぞき見えるような作品だった。この短編から長編に大きく開花していった作品も多いのではないだろうか。
★6 - コメント(0) - 2013年7月15日

静謐で淫靡で、グロテスク。これはタナトスとエロスを彷彿とさせてくれる。人は孤独に生きて、孤独に死ぬ。誰かとの繋がりが切れてしまって、死ぬのかもしれない。前章の話を引き継ぎつつ進む物語はページを止めさせてはくれず、そして最初に戻っていく。最後の章ではキーウイ、を思わず唇に乗せてしまった。噛みしめるようにもう一読味わいたいな。
★5 - コメント(0) - 2013年7月2日

短編集なのだけど、登場人物がうしろのほうでつながっているのだけど、もう一度読まないとよくわからなかった。やっぱりこの人の文章は読みやすくて女性らしいのだけど、裏からちくちくきますね~。
★3 - コメント(0) - 2013年6月28日

上手い。最後まで次の繋がりを想像しながらその展開にドキドキした。人間の業が怖い。何でしょう?あの執着は。面白かったです。
★3 - コメント(0) - 2013年6月16日

小川洋子の短編は長編と比べてやたらと淫靡な感じがする。それこそ『博士の愛した数式』しか知らない方が読んだら驚いてしまうくらいに。静謐な文章で描かれるエログロは読んでいても嫌悪感はない。ちょっとずつ何処かが狂っている登場人物がみんな美しい。生きることと死ぬこと。エロスとタナトスって人間が見つめなければならない物なんだろうけれど、どうせ見なきゃならない世界ならこういう綺麗な形で目にしたい。
★5 - コメント(0) - 2013年6月12日

読み進めるごとに前章が引用されていて、全体的に丸く収まったストーリーでした。「キーウィ」を最初に目にしたときは小川先生の発想力は大胆だと思いましたが、なるほどそういうことかと合点がいきました。途中で前の章に戻りたくなる感覚が新鮮でした。
★3 - コメント(0) - 2013年6月5日

これでもかこれでもかと続くグロの連鎖の連作短編。ほかの誰にも書けない洋子ちゃんの世界ですね。こういうジャンルを世に受け入れさせてしまう才能に脱帽します。途中でちょっとグロっぽさがなくなると、あれ、これはクラフト・エヴヰング商会の世界だったのですね。でも「寡黙な死骸」はわかるのですが「みだらな弔い」の意味がわからない。ラストシーンの、とっても静かな冷蔵庫の世界がすごく印象的でした。これが彼女の死生観なのでしょうか?否、ひとつのビジョンを楽しんでいるだけのような気がします。私もみだらに死にたい。
★5 - コメント(0) - 2013年2月5日

どのお話も落ち着いて読みたいのだけど、小休止を挟みながらでなきと読了できなかった。少しずつ体が拒否してしまう成分が入っていた感じがするというか。怖くて手で顔を覆いつつも、指の隙間から見てるやん!!みたいな感じで読み進めた。
★5 - コメント(0) - 2012年12月6日

表紙のイラストの強烈さにビビり、図書館貸出カウンターでまたどぎまぎした。連作短編集だが、イラストに負けず内容は恐い。読みながら「うぎゃっ」と叫ぶ。小川作品愛読者として歩む茨の道か、はたまた踏み絵か。細部がそれぞれに微妙にリンクしていて、最後からまた最初に戻りたくなる(なんと、戻りたくなるとは!)が、その勇気はない。
★19 - コメント(0) - 2012年11月17日

cue
どの話も微妙にリンクしている連作短編集。子供を亡くした女性が洋菓子店を訪れたり、心臓に合う鞄を作った鞄職人が心臓を切ってしまったり。客観的な死を描いているようでありつつも、登場人物の意思で人を死へ至らしめてしまう部分もあってドキリとする。とくに、「老婆J」というお話では、現実なのか空想のお話しなのかの境目がわからなくて怖い。それは、「死」に対する恐怖というよりも、生死のあいだを彷徨うことに対する恐怖のような気がする。この短編集ではとにかく、その生死の境目を行き来してる気分を強く感じた。
★6 - コメント(0) - 2012年10月8日

グロテスクなのに、文章が繊細で美しいから 気持ち悪さがない。 登場人物に感情移入する事なく 客観的に眺めている感じ。 心臓を入れる鞄なんてどうしたら思いつくのだろう。 キゥイ、ショートケーキ、人参 これからそれらを手に取る時 刹那 死を連想してしまうかもしれない。
★7 - コメント(0) - 2012年9月24日

小川作品は読みやすいなあ。短編集だけどそれぞれの話の一部が次作とリンクして最終話に近づくとまた初めにループしている構成は面白い。文学短編みたいので、「ギブスを売る人」を読んでいたけど、これは全体を通して読むべき作品だったのだなあ。ホラー、ミステリテイストもあり不気味に思うこともあったけれど、やはり楽しかったです。作中作なのか作品内での事実の出来事だったのかわからなくなる。
★11 - コメント(0) - 2012年7月25日

ホラーテイストのある連作短編集。小川洋子らしく静謐な空気が物語を支配しつつも、その分内容の持つ狂気やグロテスクが怖く感じる。さらに、樋上公実子のイラストが怖さを助長している感じがする。各話の登場人物たちが少しずつリンクし、全体として一つのループを構築している。読み終えたら、この物語の世界から抜け出せなくなるような怖さ が残った。
★29 - コメント(0) - 2012年7月19日

静かに朽ちていくお話かと思いきや、結構生々しくグロテスク。ちょっとずつ奇妙に狂った感じを、また次に繰り越していくような不思議な連作短編集。拷問器具とか心臓をいれる鞄とか、いろいろとヒヤッとさせられた。またこの表紙や挿し絵が、本編の日常とのズレをより一層濃くしている。
★6 - コメント(0) - 2012年6月18日

ちょっと表紙に引いてたんだけど、短編の中の人物が、他の短編の中で厚みを増し、ひとつの世界を多方面から覗く感じ。好きです、こういうの。
★5 - コメント(0) - 2012年6月9日

寡黙な死骸 みだらな弔いの 評価:96 感想・レビュー:62
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