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桜の首飾り (実業之日本社文庫)

感想・レビュー
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海
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桜がテーマの短編集。千早さんと桜、うっとりするような組み合わせだと思っていたが、やはりとても読み心地が良い。冒頭の「春の狐憑き」は一見不思議な物語だが、言葉が自身にすっと馴染む。私は今このお話が読みたかったのだと気づき、胸がいっぱいになる。他のどのお話も、凝りを溶かしてくれるようだった。心が動く鮮烈な一瞬が、桜の儚く美しい柔らかさに包まれて。また桜の咲く季節に読みたい。
0255文字
ぷら
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桜に纏わる短編集を、残暑しつこい秋に読んでしまった。春に読もうかとも思ったのだけれど…つい。 桜のように儚く散ってしまいそうな、潔く散るをよしとするような…そんな主人公達だった。けれど最後は清々しく青い若葉が茂る。葉桜を迎えてこその桜だったと思う。 桜に関する思い出がない。春の一瞬に過る通勤風景の一部でしかなくなってしまった。煌めくものの瞬きに目を遣る余裕、心動かす感性、そういうものを大切に次の春を迎えられたらなと思う。 千早さんの文は読みやすいな。後書きも良かった。感性が好みの作家さんなのかもしれない。
0255文字
flounder2
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ネタバレ桜が主題の7つの短編集を猛暑日に読んでしまった…。 ①管に入った狐を連れた尾崎さんと美術館員「春の狐憑き」②昔出会った女性を忘れられない青年岸田「白い破片」③女になるのを怖がる少女「初花」④夫の裏切りで非在を求めて男遊びする女性「エリクシール」⑤ある女性について和菓子を食べながら語る男性2人「花荒れ」⑥大学の資料館にある青い桜「背中」⑦祖母同様桜の幽霊が見える咲「樺の秘色」 尾崎さんに会ってみたい。生活感のない場所、肉体として存在するだけのわたし、渇いた全部が愛おしい。 2024-117
0255文字
ちる
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背中 が好きでした。 いろんな桜があって儚く綺麗。
0255文字
山内正
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狐とはねと愉しげに喋る老人尾崎さん 丘の上の美術館で働く私 静かに時間が流れていく ステンドグラスに光が当たる頃私は帰る 美術館で自分の世界に閉じこもった人を 沢山見てきて老人はさほどに思わない 普通の人間ですよと笑う尾崎さん 珍しく企画展が催され人が集まる うす暗い廊下で耳の横を風が通る 昔暮らしてた人の声に変わる 二人で築いてきたものが ああ人の関わりが怖い ねえ尾崎さんと呼んでみた
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ぺちこ
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ネタバレ桜は夜に見るのが一番という一節が印象に残った。一番きれいなもの以外を見られたくない臆病さも、生身の自分を覚えてもらいたい欲望も、それぞれどうしようもなく愛だ。
0255文字
honoka
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「背中」「樺の秘色」が好き。どちらも存命な時にもっと話をしたかっただろうね。いや、亡くなった近しい人には余計哀愁を感じるものかな。
0255文字
Nori
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「桜」にまつわる短編集。個人的には大学に保管されている青い桜の刺青の標本を見たがる女性とその女性を止めようとするその保管所でバイトする青年の物語である『背中』が一番好きでした。
0255文字
seba
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桜の風景が浮かぶ七編の短編集。読んだ時期は梅雨明けで全くの季節外れ――。桜という花は私も人並みに好きだが、考えてみるとそこにこれといって理由は無いかもしれない。他に強いて言うなら、いつの間にか散っていなくなっているような刹那的なイメージもあり、そこには正負どちらのニュアンスも感じ取ることができる。各編の登場人物は、桜に対して何らかの経験と共にそれぞれに思い入れがある。そしてその忘れられない思い出の中には誰かの姿がある。人が花見をするのは、そんな儚い思い出を別の誰かと静かに共有したいからなのかもしれない。
0255文字
黒まじ
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ネタバレ桜と人生をめぐる七つの物語。 あなたは桜を思い出す時、どんなことを思い出しますか? まさに十人十色、思い出すことは人それぞれでしょう。 ただ綺麗だと言うだけれはなく、思い出にはエピソードがある。 エリクシールの様に絵画だったり、背中の様に入れ墨だったり、桜の木とは限らない。 良い思い出ばかりじゃないけれど、読み終わった後のすっきりした感じがすごく良かった。
0255文字
シュテッケン
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ネタバレ増刷に伴い付けられた帯に、写真付きでコメントを寄せた宮田愛萌さんを目当てに購入。私は職場の机に短編集をいくつか置いておいて休憩中などに少しづつ読んでおるのですが、これもその内の一冊。で、漸く読み終わりました。桜をテーマにした短編が7篇で、いちばん気に入ったのが桜吹雪の入墨をめぐる物語である「背中」なのは、多分に高木彬光の『刺青殺人事件』の影響でしょうねw 他にはステージママに翻弄される少女を描いた「初花」、再婚相手を亡き妻そのものに作り変えようとする男が心底気持ち悪い「エリクシール」が印象に残ったかしら。
0255文字
咲
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釧路で桜が咲いたらしい。写真を送ってもらった。3月に本州にやってきて、ソメイヨシノが咲いていることに衝撃を覚えた。美しい桜は儚げで、小中高の時代に心を強引に引き戻されて、苦いような酸いような記憶に触れた。そして5月に北海道に戻り、寒くて寒くて震える体をやり過ごしながら、エゾヤマザクラを眺めた。同じ「桜」と呼ぶのも憚られるような、圧倒的な違い。見た目も、咲く時期も、それを見て人が抱く感情も、喚起される記憶も、何もかもが違うのだ。そんな、私の中にだけ引き伸ばされた、3月から5月にかけての桜の時期に、読んだ。
咲

あとがきが好きだ、と思った。「私がはじめて見た桜は紫色をしていた。六つの時の記憶だ。私たち一家はアフリカのザンビアという国に引っ越してきて、私はそこで満開の紫の木を見た。 ごつごつとした幹は巨大で、ひとつひとつの花は釣鐘形をしていた。無数の花は真っ青な空を埋め尽くしながら時折、ほたほたと散った。音楽が聴こえた気がした。泣きたくなるくらい幸福な。それはきっと祝福だったのだと思う。原始的で無慈悲で強烈な、日本とは何もかも勝手が違うこの国に迎え入れられた気がした。この国の桜は紫なのだと思った。」

05/11 10:21
咲

「それまで私は北海道に住んでおり、昔話や古典で桜の存在を知ってはいたが、「これは桜だ!」と納得できる花に出会ったことはなかった。遅い北海道の春は花よりも鮮やかな新緑が目をひく。桜も最初から葉桜になってしまう。まるで雲のように、花びらだけが咲く木を見たことはなかった。景色を染める満開の桜は私の憧れだった。そんな桜に、遠い異国の地で出会ったのだから、それはものすごい衝撃だった。 そのうち、紫の花はジャカランダという名前の木だと知る。日本に帰ってから知ったが紫雲木とも呼ばれるようだ。」千早茜の植物描写が好きだ。

05/11 10:22
0255文字
あいら
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ネタバレ桜が散った頃に読み始めた。短編集で、「エリクシール」と「背中」が好き。 エリクシール=不老不死や万能の薬を指す言葉だそう。出会った二人は、万能薬になりえるのか、未来に心を馳せる。 「背中」は、刺青が印象的だった。
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はっせー
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短編集が好きな人や桜が好きな人にぜひ読んで欲しいほんになっている!本書は桜がキーワードになっている短編集である。桜の時期や桜との思い出がある人ばかりが主人公になっている。桜。そろそろ東京では開花宣言がでる時期になってきた。私自身桜は誕生日が4月半ばのため誕生日に満開だったり散っていたりと色んな思い出がある。そんな桜にまつわる短編集のため楽しく読むことができた!桜は匂いがない。だからこそみんなに親しまれていると思う。この本もそんな本になれる本であった
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はるはる
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ほ~っ。。。桜に纏わる短編集。どの話も美しく絵画的。陽の美しさではなく、陰の美しさ。「エリクシール」「樺の秘色」が好き。
0255文字
深月
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管に入ってる狐。花見の場所取りで出会った女にする昔話。お父さんと見た雪みたいな桜と変化する体。夫を裏切る理由と酔えないこと。嘘つきな女と二人の男。資料館ほ真面目な管理者と青い桜吹雪。祖母の家の桜の切り株にいる少女の幽霊。桜をめぐる7つの物語。悩みや秘めた思い、気付き。桜の季節に読めばよかったかな。よかった。
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Hula
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★★★★★
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雨の音
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2013年の作品らしく、今から10年前。今の千早さんは進化したんやな、そして何かきらっと光るかけらがそこここに。桜をモチーフにした不思議な切り取りの短編集。”はずす”センスが良いのだな。王道など見向きもせず、むしろ影になっているようなところに光を当てるんやー。解説が藤田宜永氏。先日のラジオで、妻の小池真理子さん、村山由佳さんと千早さんでのお喋りを聞いたばかり。不思議なご縁を感じる。ご本人が「人は完全に分かり合えない」と後書きに。ホンマ、そこ。良くも悪くも、わかっているのに気がつけば、そこに足を取られる…。
0255文字
クスノキ
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「たえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」 桜にまつわる短編集。儚く瞬く間に終わってしまう桜を、どうして私たちはこうも愛してしまうのでしょうか。 花がなくては生きていけない、心騒がすものが心のありかを教えてくれる。
0255文字
みみ45
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桜にかかわる短編集。 なぜわれわれはこんなに桜にひかれるのか。 をうっすら理由がわかるお話そろいでした
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mako
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人はいろいろな事柄をキャッチしながら生きているけど、自分が認識するのはここまでと無意識に決めた常識の範囲まで。この作品にはその認識の幅が一回り大きい人や違う人と出会い、互いの世界が緩やかにつながる面白さがあった。
0255文字
shuco
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お気に入り作家さんがエッセイでこの本に触れていたので読んでみた。🌸っていいね。人によって思いが違うところも面白い。白い破片とエリクシールが好みかな。
0255文字
ジョナ
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管狐を持つ老人尾崎さんとの穏やかな会話が心地よい『春の狐憑き』から始まる桜についての7つの短編集。少し不思議系から男女のドロリとした話まで、桜のように淡い色彩を思わせる世界観でした。
0255文字
ゆうゆう
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ネタバレ桜にまつわる7つのショートストーリー。何気ない生きにくさ、苦しさ、哀しさ、痛み。ほんの些細な気付きで光は見えるのに、人間って難しい。
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はま
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宮田愛萌さんお勧めで読んだ。正直、自分の好きなタイプの小説じゃなくて退屈してしまったところもあった。 けど、文章は綺麗だし、人物は桜のような儚さ・いつの間にか消えてしまいそうな魅力が漂っていて、短編ながらその世界観にフワフワ浮遊している気分だった。
0255文字
ark
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本当は桜の季節とともに読了したかったけれど、、 ようやく読了! 綺麗に彩られた春の話を想像していたのだけれど、少し異なっていました。 印象的だったのが、 「桜ってのはずるい花じゃないですか。あっという間に消えてしまうくせに人を惹きつける」 という1文。 なるほど、そういう見方もあるのね。 儚いからこそ、毎年楽しみでもあり、切なくもなる。 正直、春は雪解けの汚い道路と季節の変わり目だからか毎年体調もイマイチで早く夏にならないかなーと思うのですが、桜があるから春を待ち遠しく思える気がします。
0255文字
読書家さん#mdQf51
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「梅も桜もね、褪せない色は幹の中にあるんだ。秘めたものは強いんだよ/生きてきた中で知ったたくさんの想いが見えない深みをだすんだと俺は思うよ。幹の中を流れる花の色みたいにさ」ー「樺の秘色」 ほか「花荒れ」「春の狐憑き」「エリクシール」
0255文字
ねぎまぐろ
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★★★
0255文字
ゆきんこ
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咲き散る桜を見てから読みたいなぁ、と思っていた、桜に纏わる物語が七編。どれもほんの少し不思議で、夢と現のあわいのような雰囲気が漂っている。どの物語も、漠然とした淋しさが残る。日常の中に、いつもと違う何か、あるいは何者かが、ほんの一片落ちることで、波紋が広がるように、日常がじわりと変わっていく。その瞬間の描かれ方が素敵だな、と。特に最初と最後の物語が好き。
0255文字
ドア
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桜が咲く季節にこの小説を読みたいと思った。なかなか本屋さんで出会えず初めは電子書籍を購入したが途中で読むのを諦めた。心に残った文章に付箋しにくいし、なんだか目がチカチカする。あれから毎年毎年外に桜が咲くとこの小説を思いだしまた読み返すが幾度なく前に進まなかった。今年3月。桜が咲く前に思いきってこの小説をネット注文し文庫本をわたしは手にいれた。そして桜が咲き乱れる風景を見ながらやっとこの小説を読み終えることが出来きたことに長年の桜への執着(笑)が浄化された気がする。
0255文字
hiiz
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春の狐憑き:狐を竹製の管に飼う尾崎さん、美術館の若林さん、白い破片:彼氏に追い出された香澄ちゃん、初花:緋奈ちゃんオーディション、花屋のお姉さん不妊、エリクシール:直哉、前妻に化装されたことに気づいた主人公、花荒れ:ゆきちゃん偽名、背中:人体のなめし皮の標本、入れ墨、樺の緋色:祖母の想い、咲ちゃんの絵画、あとがき:紫の花、ジャカランダ
0255文字
千分の一利休
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ネタバレタイトルに惹かれて読んだ。いろいろな桜が出てくる。桜といっても、浮かれた雰囲気が無いのがいい。どこか虚しくて、寂しい香りを漂わせる。著者は初読みだけど、こういう読み心地は好き。
0255文字
umikaze_nagiko
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日常に漂う少し澱んだ、少し冷たく少し哀しい感情を、さらりとした文章に中に漂わせ、読む側の心の中に風景を描いていく。 心惹かれる千早氏の世界が広がる。
0255文字
re;
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永遠に生きる事が叶わない私達は死してようやく永遠を手に入れる。そして姿を変えて、巡り巡る。散るからこそ、また咲く桜は、そんな事を私に思わせる。儚い生と死の永遠ループ。その美しさ、艶やかさで、とんでもなく心を奪っておきながら、あっという間に私の視界から消えていく癖に、春が来ればまた、あの日散ったことなど忘れた風で漫然と咲き誇る。そして性懲りもなく私は心奪われてしまうのだ。春の嵐とともに消えゆくであろうそれに。空気のゆるみ。日差しの煌めき。小さな膨らみに触れて、私はそっと愛おしむ。あぁまた春が、やってくる。
mincharos

からまる、再読したくなってきたなぁ~!千早さんは文章と空気感がとてもきれいですよね~♡先月「しろがねの葉」を読んで、すっごく感動しましたー!律子さんの文章もとてもきれい♡

02/09 16:05
re;

mincharosさん、嬉しいコメをありがとうです(*´艸`*)しろがねの葉は今図書館で予約中!届くの楽しみ~~~(#^.^#)からまるは手元にあるので、またおかわりしちゃおうかしら。何回でも読んでしまうし、その都度、いいなぁ。ってなる。。。ちなみに今回の首飾りのレビューは私の勝手な散文で、ほとんど内容とは関係ない、、、、気がするのであしからず笑

02/09 17:12
7件のコメントを全て見る
0255文字
makko
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再掲
0255文字
Ey
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ネタバレ★★★★⭐︎桜をテーマにした作品だが美しい風景ばかりじゃないところが好きだった。「人がね、お花見するのはね、桜を毎年見たいと願うのはね、その美しさを共有できる人がいるって思いたいからだよ。誰かと作った思い出を、繰り返す四季に刻みたいんだよ。桜は毎年咲くから。」
0255文字
もりの
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短編集。ほわほわ不思議な。
0255文字
あるぱか
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わるいたべもので紹介されていて、気になった本。桜をテーマとした短編集の詰め合わせ。桜といっても、美しい日本の四季ではなく、もっと日常に根差したような内容でした。話の展開も可愛いものから、少し生々しいものまで、幅があり、面白かったです。
0255文字
優希
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桜にまつわる短編集でした。美しく咲いて儚く散る桜。まさにこの一言に着きます。様々な表情を見せつつ終わる物語の数々が桜の純真に見えました。
0255文字
まぶりな
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桜をめぐる7編収録の短編集。同じように桜をモチーフにしていても、7編すべて全く違う景色を見せてくれた。最後まで読むと最初の話に少し繋がっていることに気付く。どの話も印象的だったけど、特に「春の狐憑き」「背中」「樺の秘色」がよかった。
0255文字
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