黙示録論 (ちくま学芸文庫)

黙示録論の感想・レビュー(46)

内容案内によると、「「黙示録」は抑圧が生んだ、歪んだ自尊と復讐の書といわれる。自らを不当に迫害されていると考える弱者の、歪曲された優越意思と劣等感とを示すこの書は、西欧世界で長く人々の支配慾と権力慾を支えてきた」とか。多くの感想に見られるが、ニーチェ的なルサンチマンの書のように感じている。キリスト教の宗教思想の根幹にかかわる。けれど、黙示録はユダヤ人が記したものではないのか。
★13 - コメント(2) - 2月15日

カスでもクソでもいいから断片となれ。黙示録に表出したニーチェ的ルサンチマンに対するアンチテーゼ詩として読んだ。黙示録の古代異教的表象をキリスト教が換骨奪胎する過程を描き、その論調には古代神話的象徴的世界へのロマンティシズムに溢れている。が、憧憬は憧憬であって論拠としての説得力には乏しい。古代神話の象徴は本当にそんな風に人々に根づいてた?現代人は愛しえないけど古代人は愛しえていた?そもそもここで言う愛とは何?とか思うが、肝要なのは多分、有機的なキリスト教的共同体を逃れて切れ切れの断片へと変容することだ。
★31 - コメント(0) - 2016年10月24日

ロレンスが死の間際に書き上げた黙示録についての考察。ニーチェが説くルサンチマンのように(それを意識して書かれたのは明白であるけれど)、自分や自分が属する集団が理不尽に批判され迫害されていると妄想してしまい生まれる『弱者』による歪な選民思想と劣等感。そしてある種の優越的な帰属意識という物への批判。黙示録自体、クリスチャン自体に対する批判を通じ読者である我々に突き付けられる余りにも大きな問題。現代人は愛しえない。さあそれを踏まえて我々は、『私』はどう生きるべきか。近いうちに再読したい。
★14 - コメント(0) - 2016年9月26日

私も国分氏の推薦を目にして読んでみました(キリスト教にはあまり詳しくありませんので、あしからず)。アニメ等のサブカルのネタになりやすい黙示録論を批評的な視点から検討した本書ですが、何というか、大衆の信仰心の裏に隠れたニヒリズムや破壊衝動への強い怒りを感じました。作者がキリスト教(とその信者)に対して相当な違和感を抱いていたんでしょうね…。そして、作者の思考のナイフは我々読者にも突きつけられています。「『愛することはできない』、それ故にどう生きる?」と。
- コメント(0) - 2016年2月21日

哲学者の国分功一郎氏がツイッターで推薦してたので読んでみた。聖書の中の「黙示録」だけは、愛ではなく暴力の書であるというテーマ。黙示録の中には不気味な世紀末的モチーフが跋扈する。目が無数にある化け物や、馬の轡まで血で漬かる復讐劇、聖書らしからぬグロテスクの連続。ユダヤ人はこのような暴力的な物語にいつかくる「その日」の大逆転を仮託していたという。弱者こそが弱者であるゆえに絶対的に正しい、という歪んだ権力欲が見出されるという。自分はこれはロックンロールに感じるある種の気持ち悪さだと感じた。
★2 - コメント(0) - 2015年8月5日

副題は「現代人は愛しうるか」だが、死を直前に執筆したロレンスの結論は「愛することはできない」という断言で思わず苦笑い。本論はニーチェの唱えるルサンチマン批判からの聖書読み直しであり、そこに潜む弱者の羨望や権威欲とキリスト教が排除してきたはずの異教性を喝破する。実際、キリストがユダを必要とするように旧約的な志向を持つ黙示録は新約に必要とされ、その歪な選民的集団自我は現代の私たちも変わらず持ちうるものなのだ。愛の隘路の問題にロレンスは答えない。が、福田恆存の優れた解説は僅かながら確かな道筋を残してくれている。
★36 - コメント(4) - 2015年7月30日

ロレンスが死の直前に書いた書。近代の個人主義の超克がテーマ。「チャタレイ夫人の恋人」でロレンスが言いたかったことの本質がよくわかる。凄い本です。
★1 - コメント(0) - 2014年9月4日

訳者後書きにもあるとおり、一読しただけでは到底理解出来ず、二度三度と読み返さねばならない、またそれだけの価値があると感じさせる一冊。途中から、黙示録の逐語的ともいえる解説はかなり退屈で、正直読むのが辛かったが、一作家がここまで果敢に「黙示録」の読解に取り組んだというだけでも価値があるといえる。また、新約の中でも一番一般性が低いと思っていた「黙示録」が宗派によっては、かなり読み込まれているという事実にも驚かされた。最後の結論はかなり唐突だったが、著者最晩年の作品と言うことで、それだけ差し迫っていたのだろう。
★1 - コメント(0) - 2014年1月28日

HN9
1
- コメント(0) - 2013年6月8日

本書にある「自らを不当に迫害されていると考える弱者の、歪曲された優越意思と劣等感」というのは所謂「ルサンチマン」と同じものですね(ニーチェを下敷きにした?)。ルサンチマンに関心があるのでキリスト教に縁のない日本人の自分でも興味深く読めました。しかし、ここに書かれているような問題って本当に全人類が抱えてるものなのか?作者の抱えたミクロな問題をマクロな人類レベルに引き上げる、ある種の現実逃避では?という疑問がわきました
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