素粒子 (ちくま文庫)

素粒子はこんな本です

素粒子の感想・レビュー(593)

読書会の参考に再読。私はこの文体が大好きだ。ブリュノのキャンプや乱交パーティーやらがこれでもかくらいに描写されていてちょっとゲーなんだけど資本主義におけるセックス産業とのたうち回るいかさない中年男の気持ちがお陰でよくわかる。ミシェルの性から遠く離れ科学に埋没していく様子も。通りすぎていく女性たちが他の作品同様透明で、同じくのたうち回ったらしいウエルベックはそこに救いを求めているのかもね。彼は救われなそうだけど。感想は山のようにあるけどネタバレまくっちゃうので書けず。たくさんの字が好きな人にはおすすめ。
★14 - コメント(0) - 3月20日

Kom
例によって虚無感が充満している印象。文明が発展しようと孤独から逃れることはできないんだな。ブリュノの焦燥みたいのもなんとなく分かる。
★3 - コメント(0) - 3月2日

村上春樹と村上龍を足して2で割った様な代物だった。つまりはどうでもよろしい。
★2 - コメント(0) - 2月22日

芸術的側面はよくわかりませんでした。また、数学弱者的な生物屋さんがSFで数学コンプレックスを爆発させるのもまたこれか感がありました。そこら辺を差し引いても読み応えのある本で、人は生きているうちに次第に快楽や希望よりも苦痛や絶望の総量が多くなり生きることに意味を見いだせなくなるといった内容だと解釈しました。ブリュノの場合は性、ミシェルの場合は学問が快楽に当たるのでしょうか。生きる理由がないことは死ぬことには不十分だ、という一説にあるように最後にミシェルが自害したのなら、死ぬ理由は何だったのでしょうか。
★3 - コメント(0) - 2月16日

科学者としてストイックに生きるミシェルと性欲に取りつかれたブリュノという異父兄弟。生き方は違っても二人とも誰とも深くかかわれない。若さには価値があるが、老いて死ぬことに意味を見いだせない。欲望を満たしてもまた次の欲望にとらわれていく人生。乾いた二人の孤独な世界に引き込まれた。
★4 - コメント(0) - 2月11日

色々と細かく気になる部分があって、それはだいたい女性の登場人物に関すること。なぜ彼女たちはこんなに空虚な男たちに惹かれるのか。それは彼女達もまた空虚に満ちているからかもしれないが、そのような描写が主人公2人に比べて圧倒的に少ない。辛うじてアナベルはあったほうか…男に惚れた女がすぐに死んだりする展開に、突き放されたような感覚がした。
★2 - コメント(0) - 2月6日

あとがきでウェルベックについて知れたのがよかった。親近感が湧いた。ブリュノのようにはなりたくない。また、ところどころ用語の意味が、科学的なのか?全然慣れ親しんでない言葉がでてきて、文字を文字として読むしかないところがあった。『ある島の可能性』のほうが、そういう部分が少なく、しかも分かりやすかったので読みやすかった。
★1 - コメント(0) - 2月5日

N
「本書は人間に捧げられる」よい
★1 - コメント(0) - 1月26日

「現代の人間の孤独」が全体を通してひしひしと迫ってくるが、それがこんな形で決着する小説などあっただろうか。長い全体が、最後の驚きの展開に効いてくる。
★4 - コメント(0) - 1月15日

映画は観ていない。だいたいの粗筋は知っていたので、サクッと読めるかなと思っていたが然にあらず、手強い小説でした。しかし、人間が忘れ去られる存在になってしまうというのは、どんな気持ちで言えばいいのか分からない。
★2 - コメント(0) - 1月11日

だいたい『ある島の可能性』(逆なんだけど)。しかしこっちの方が好み。訳がいいのもあるだろう。/すべてを終わったこととして遠い過去から描く構成と文体は癖になって、上田岳弘がウエルベック好きだというのも納得。/しかし『闘争領域の拡大』で示されたどん詰まり(+老いの苦しみ)の先には遺伝子コネコネしかないというの、本当にどうしようもないな。
★3 - コメント(1) - 1月4日

兄ブリュノは、アブノーマルな性的嗜好の高校の文学教師。弟ミシェルは、純潔を貫く孤独な天才科学者。この両極端な異父兄弟に共通するのが、愛に疎外されて育ってきたこと。共に親(母親は一緒だけど)から育児を放棄され各々に祖母に育てられる。特に兄ブリュノの人生は、作者ミシェル ウェルベックの辿った人生と酷似している。愛情に飢えてのその無分別に享楽を貪り生きる記述は、はっきり言って気持ち悪かった。受け入れなれない。女性にも人格はある。この小説に温かさはない。 ウェルベックの強引にも感じる筆の力に引きずり回される。
★13 - コメント(1) - 2016年12月25日

登場する女性達の極まった行動とその末路に作家の女性に対する偏狭的な考えを感じずにはいられない。子育てをしない母親、というのは人間のみならず生物学的に存在しうる。弱いものを淘汰させるべく嬲ることや繁殖する為の性的欲求もまた然り。そこに人間的要素を考えてみるとヒッピー文化や性の解放、個人主義、実存的哲学など変化する時代と共に高等に進化をとげ、やがて繁殖の合理化、しまいにはジェンダーの意義すら失われかねない危険性も。ブリュノの性倒錯すらその延長を感じさせ、ミシェルの探究した人工知能を予見させるラストに戦慄する。
★61 - コメント(7) - 2016年12月25日

「野生の王国」なのか「ネイチャー」なのか・・高尚で野蛮、未来的で原始的、知的エリートの両極端を行ったり来たりの鬱屈した世界。静かなトーンで語るセンセーショナルな内容やニヒリズム思想が、凄すぎて受け止めきれなかった。進化論と人文的思考を2つの双曲線にのせた、ストーリーのない文明論のように感じた。フランステロに関連した『服従』も、いつかは読んでみたいけど、ものすごく力が要りそう。『本書は人間に捧げられる』・・ラストの言葉が、ポストヒューマンへと繋がった。《ガーディアン必読1000イベント》
★49 - コメント(0) - 2016年12月23日

20世紀後期の文化や思想の変遷は,確かに目まぐるしいものであるが,本書のエピローグと比べれば気だるいものだ./無意識に投下されたものを分析した上で長々と書き連ねられたこの作品は,読者層が限定されざるを得ない.いわゆるインテリ受けする作品./小説としては洗練さに欠け粗雑だが,著者の思想は無視できない.
★14 - コメント(0) - 2016年12月11日

性と若さへの執着、その下劣さから何度も読むのやめようと思った。最後まで読んだのは稲光りみたいな一瞬の多幸感とこの不幸な人たちがどこへ行き着くのか知りたかったから。
★3 - コメント(0) - 2016年10月23日

ミシェルとブリュノという2人の似ていながら異なる兄弟を通して西洋文明の終焉が描かれる。その語り部はミシェルの研究の結果誕生した「新人類」というラストが衝撃的。西洋文明の終焉とは言え、科学主義の頂点として人類が超克されるというロジックは西洋文明的とも思える。ミシェルがアナベルの死を看取るシーンは感動的で美しいと思った。「われらは人の姿のもと 愛すること少なかった」…しかしこの辺が分かりすぎるというのも危ない気も
★2 - コメント(0) - 2016年10月9日

フランスの鬼才、ミシェル・ウエルベックの長編。良識があると言える人は、その良識がなんの範囲で成立するかをまじまじと自問できる。そして、言いようのないなにかが残る。 しかし、官能小説かとおもったですよ…。
★2 - コメント(0) - 2016年10月3日

70点
★1 - コメント(0) - 2016年8月28日

無感情な素粒子の間に確かに存在する愛にふりまわされる
★46 - コメント(0) - 2016年8月24日

【ガーディアン1000冊/176】ガーディアンの1000冊は、あたりとはずれがはっきりしている。これははずれ。あとがきにもあるように、賛否両論を引き起こした問題作らしいが、自伝的な書きっぷりはともかくとして、主人公の兄弟にまったく共感できないため、読むのは苦痛でしかなかった。★☆☆☆☆
★3 - コメント(0) - 2016年8月21日

「むなしく刺激にさらされるのみで決して幸福にたどりつけない」、最終的には精神病院で一生を終えることになってしまう人物を、「お涙ちょうだいの、破壊された男」とか表現していて、辛辣だけどすがすがしいです。各場面が鮮明にイメージできて、読み返したい気持ちになります。
- コメント(0) - 2016年8月18日

作品に対する期待が高まり過ぎた気がしましたが、初のウエルベックだったので作者の精神性には惹かれました。「変革の場」のシーンは気軽でなかなかオモシロく読めました。でも長かった〜´д` ;
★7 - コメント(0) - 2016年8月15日

翻訳者があとがきにも書いているように、作中で多数の実名が用いられており、小説として読んでいたはずなのに、いつしか、実際に起きていることのように思えてくる。リアリティを追及しようとする作者の気持ちなのだろう。不思議な本だ。
★2 - コメント(0) - 2016年8月8日

荒波のようなところと沼の底みたいなところとSFみたいなところと、サドかと思う中盤はなかなか疲れたが、読み終えてみると人間臭さと面倒臭さがどーんと横たわっている。
★2 - コメント(0) - 2016年7月31日

ぬるい憂鬱感がいい。うまいし、面白い。 モテないことの悲哀を書かせたらこの人の右に出る人はいないと思う。
★1 - コメント(0) - 2016年7月19日

GU
個人主義との距離の置き方を考え直したい
★1 - コメント(0) - 2016年6月11日

面白いなあ…読後ずっとこの作品の世界観の中にいる。どこまで実際のフランス事情に沿っているのか正直掴めきれないところではあるけれど、殆ど至る所リアリティのある描写、個人主義の限界から眺めた世界の圧倒的な空虚感はたまらなかった。たまらなかったです。エピローグで作品はSFに変わる。理系分野の用語が多くて苦手な人にはどうやっても突っかかって読み進めるのに苦労するかもしれない…こういうのってよくない、というか難しい問題だなぁ…とか。著者の他作品や引用されていたハクスリーにも手を広げてもいいかもれない。
★20 - コメント(0) - 2016年5月23日

主人公の愚劣な性的嗜好やセックス描写などは面白く読んだが、露悪的表現の俗っぽい笑い以上のものではない。量子論や生物学の小難しい記述は冗長で、単なるスノッブにしか感じず、こけおどしにすぎないように見えるが。本書の1/3のボリュームでも充分に語れる内容だと思われた。
★3 - コメント(0) - 2016年4月30日

対照的な愛の果てに収束点は同じという皮肉。気になっている作家で、読んでみても抵抗感なく読めた。衝撃を与えたらしいけれど衝撃がよく分からないから、他の作品も読んでみようと。
★1 - コメント(0) - 2016年4月28日

フランス20世紀後半のある異母兄弟それぞれの人生を中心に描いた小説。登場人物は個人主義・快楽主義・ヒッピー文化が全盛の時代を生きる。文学者で教師の兄ブリュノの人生は恋愛弱者として登場し、この社会の一つの皮肉な結末として描かれる。分子生物学者の弟ミシェルは恋愛の価値を認識できていないという点でこの社会を回避した上で、「愛は可能である」とした点がなんとも更に皮肉というか。最終的な結末は伊藤計劃のハーモニーぽさを感じた。ウエルベックの小説の感じ、ちょっとわかってきた気がする。
★9 - コメント(0) - 2016年4月18日

翻訳のせいかどうかわからんけどモノローグが読み辛く、体力を使った。読む前に性描写が濃厚だと聞いて、セックスと素粒子に何の関係があるんだと思いながら読んだが、なるほどそういうことか。性行為や愛に対してまったく別の態度をもつ、ブリュノとミシェルの異母兄弟ふたりの視点から、人の生と性のむなしさを描き出す。人間や現代社会に相対するその筆致は容赦ないが同時にどこかあたたかく、作家としてだけでなく個人としてのミシェル・ウエルベックにも興味を惹かれるもの。近代哲学に関する見識をもうちょっと深めてからまた読み直したい。
★4 - コメント(0) - 2016年4月16日

「老いと死に囚われるお人形は悲しいね。」「特にセクスに期待しちゃうタイプはな・・・。」
- コメント(0) - 2016年4月7日

キリスト教倫理の呪縛から逃れた後、自由を謳歌して虚しくなり、今浮上しているのが戒律のイスラム教。p304の日本の記述が謎であるが、ゲスや乙武やら次々出てくる騒動を見てると、そんなとらえ方をされても文句は言えないな。
★1 - コメント(0) - 2016年3月26日

つらい。
★1 - コメント(0) - 2016年3月22日

ウエルベック2冊目。『闘争領域の拡大』を読んで、著者のダメ人間に対する視線の優しさが気に入ったので、これも読んでみた。▼さまざまな問題を抱えた兄と弟。それぞれの愛と性の遍歴。性描写多め。伏線はあったとはいえ、エピローグの唐突感は否めない。面白いけど。▼2006年に映画化されている。これをどう映像化したのだろうという興味で見てみた。小説とは別物だと思えば、悪くない映画だった。笑えるし泣ける。
★35 - コメント(4) - 2016年3月14日

NAO
性依存症のブリュノと、孤独を通すミシェル。あまりにも生・性を楽しみ過ぎて子どもを顧みることのなかった母親の罪業を負わされてしまっているようなブリュノに同情はするが共感はできず、ミシェルの孤独はあまりにも痛々しい。ちょっと苦手な作品だったけれど、ブリュノの祖父が亡くなった時の生物学的な分解についての描写や、ミシェルが危篤の祖母の病室で感じたことの科学的な考察などは、なかなか斬新な描写で強烈な印象を受けた。
★55 - コメント(1) - 2016年3月5日

「『素粒子』ってセカイ系でしょ」友人に読むよう勧めたら半笑いで言われた感想。そして、喧嘩と相成った。ハァ!? これのどこがセカイ系なんだ!! ウエルベックは物語では安易な感傷に落ち込まないからいいんだろ。でも、どうしようもない人間たちを突き放しきれない甘さが惹きつけられんだよ! クリスチヤーヌの自殺からブリュノ「戻ってきました」のシークエンスの残酷さと描かれ方の差になにも感じないなんて、勧め損だよ、バッキャロー!!
★6 - コメント(1) - 2016年3月1日

新しい時代が到来し文明が豊になったのにもかかわらず、セックス機会の格差は依然変わらず。そうしたセクチュアルな面において、劣等種であるブリュノが現代文明の視座を用いて、恋愛弱者が生じる裏付けを語る大論者ぶりだなんて、妙な納得感すら覚えてしまう。一方弟ミシェルは兄とは反比例の人生が描かれ、彼の一種の諦観を伴ったような態度はこれから(小説の結末に向けての)未来を予測しているようにもみえる。そう考えるとブリュノの生き方はこのテキストの中で皮肉そのものじゃないか。
★10 - コメント(2) - 2016年2月17日

素粒子の 評価:68 感想・レビュー:197
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